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1章 転生勇者は追放される
第十四話:転移
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「……ガハッ……ッ!」
視界を焼き尽くす白光が収まったとき、アルスが最初に感じたのは、喉を焼くような砂埃ではなく、湿り気を帯びた「瑞々しい土」の匂いだった。
そこは、紛れもなく先ほどまで戦っていた遺跡だ。
だが、何かが決定的に違う。辺りを埋め尽くしていたデビルワームの死骸が跡形もなく消えていた。
「……転移、に失敗したのか?……いや、ここは……」
アルスは壁を這うようにして、奥の祭壇へと向かった。
老婆の姿はない。代わりに、分厚い砂埃に埋もれた一玉の水晶球が台座の上に冷たい光を放って転がっている。
「……さっき、こんなものがあったか?……」
アルスはその水晶球が気になり手を触れた。
すると、自分の今までの記憶がその水晶に転移されていくのを感じる。
「……何だこれは!」
驚いたアルスは手を離し、水晶球を眺める。
それはただ神秘的な光を湛えてアルスを見返しているだけだった。
「婆さん!いるんだろう?」
アルスが大きな声で呼んで見るが、周囲は巨石の放つ静謐に包まれているのみである。
「いないのか?……誰も」
ふぅ、とため息をついたアルスは手近に転がっている廃墟の巨石に背中を預けて座り込む。
アルスはその瞬間に猛烈な眠気に襲われ眠りについた、心身の疲労が限界を超えてしまっていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
目が覚めたアルスは自分が眠っていたことに気がついて、一瞬身構える。
「ここは……そうか、婆さんは居なかったか」
アルスは記憶を確認するようにつぶやいた。
自分がどの程度眠っていたのか……目覚めた時には日が沈み、あたりはすっかり暗くなっていた。
その後、おもむろに立ち上がるとすでに体力と魔力が回復しているのを感じる。少し腹が減っているだけだ。
何か食えるものがないかと、遺跡の奥の部屋を探してみるが、そこには婆さんが住んでいたと言う形跡がまるでなかった。
そこにあったのは空の壺が複数と、朽ち果てた木製のテーブルがいくつか並んでいるだけだ。
「……」
そんなはずはない!と言う空虚な感覚が腹の底からじわじわと湧いてくる。
あの自称賢者の婆さんが幻だったとでも言うのか?アルスは腰に下がっている重剣の聖鞘を手で触り、それが幻ではない事を確認する。
それで得体の知れない空虚感がおさまり、思考の整理をしようという余裕が生まれた。
あのエルドラの暗殺者が言った次元追放石による影響があったのだろうか?
この世界から自分を消し去るとか言っていた事を思い出して、アルスはブルっと身震いした。
「俺は消えてない……だが」
ここがどこなのかやはり分からなかった。
「仕方ない、とりあえずは……」
アルスは王宮を目指してみることにした。
まだ、リィンを救出することが可能なのではないかと、あの隣国の暗殺者のような間者が現れて彼女に危害を加えないとも限らない。
そんな考えが巡るうちにいてもたって居られず、アルスはさっさと歩き出して遺跡を後にした。
このあたりの地形はアルスにとっては故郷の近隣であって、よく知っている。
「うん、大丈夫だ」
ここが未知の異世界ではないことを周りの風景が物語ってい、アルスは安堵した。
「少し待っててくれ、今すぐにいく」
視界を焼き尽くす白光が収まったとき、アルスが最初に感じたのは、喉を焼くような砂埃ではなく、湿り気を帯びた「瑞々しい土」の匂いだった。
そこは、紛れもなく先ほどまで戦っていた遺跡だ。
だが、何かが決定的に違う。辺りを埋め尽くしていたデビルワームの死骸が跡形もなく消えていた。
「……転移、に失敗したのか?……いや、ここは……」
アルスは壁を這うようにして、奥の祭壇へと向かった。
老婆の姿はない。代わりに、分厚い砂埃に埋もれた一玉の水晶球が台座の上に冷たい光を放って転がっている。
「……さっき、こんなものがあったか?……」
アルスはその水晶球が気になり手を触れた。
すると、自分の今までの記憶がその水晶に転移されていくのを感じる。
「……何だこれは!」
驚いたアルスは手を離し、水晶球を眺める。
それはただ神秘的な光を湛えてアルスを見返しているだけだった。
「婆さん!いるんだろう?」
アルスが大きな声で呼んで見るが、周囲は巨石の放つ静謐に包まれているのみである。
「いないのか?……誰も」
ふぅ、とため息をついたアルスは手近に転がっている廃墟の巨石に背中を預けて座り込む。
アルスはその瞬間に猛烈な眠気に襲われ眠りについた、心身の疲労が限界を超えてしまっていた。
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目が覚めたアルスは自分が眠っていたことに気がついて、一瞬身構える。
「ここは……そうか、婆さんは居なかったか」
アルスは記憶を確認するようにつぶやいた。
自分がどの程度眠っていたのか……目覚めた時には日が沈み、あたりはすっかり暗くなっていた。
その後、おもむろに立ち上がるとすでに体力と魔力が回復しているのを感じる。少し腹が減っているだけだ。
何か食えるものがないかと、遺跡の奥の部屋を探してみるが、そこには婆さんが住んでいたと言う形跡がまるでなかった。
そこにあったのは空の壺が複数と、朽ち果てた木製のテーブルがいくつか並んでいるだけだ。
「……」
そんなはずはない!と言う空虚な感覚が腹の底からじわじわと湧いてくる。
あの自称賢者の婆さんが幻だったとでも言うのか?アルスは腰に下がっている重剣の聖鞘を手で触り、それが幻ではない事を確認する。
それで得体の知れない空虚感がおさまり、思考の整理をしようという余裕が生まれた。
あのエルドラの暗殺者が言った次元追放石による影響があったのだろうか?
この世界から自分を消し去るとか言っていた事を思い出して、アルスはブルっと身震いした。
「俺は消えてない……だが」
ここがどこなのかやはり分からなかった。
「仕方ない、とりあえずは……」
アルスは王宮を目指してみることにした。
まだ、リィンを救出することが可能なのではないかと、あの隣国の暗殺者のような間者が現れて彼女に危害を加えないとも限らない。
そんな考えが巡るうちにいてもたって居られず、アルスはさっさと歩き出して遺跡を後にした。
このあたりの地形はアルスにとっては故郷の近隣であって、よく知っている。
「うん、大丈夫だ」
ここが未知の異世界ではないことを周りの風景が物語ってい、アルスは安堵した。
「少し待っててくれ、今すぐにいく」
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