5 / 52
激闘
しおりを挟む
「エッカーズヒルか」
ラセルは前方の広大な山岳地帯を眺めてつぶやいた。
その日の夕方、王都から20キロほど東方にあるエッカーズ地方に到達した。
ここは彼の祖国イシュタール王国の東方の辺境に位置していてさらに東方と北方に存在する帝国と皇国との交易路が交差する場所である。
尤も、今は魔族による襲撃が頻発しており交易が途絶えていた。
イシュタール王国にとっては重要な交易路であったが、帝国や皇国にとってイシュタール王国は所詮辺境の小勢力の一つに過ぎない。
交易の取引先としての優先順位は低かった。
そのため、一旦魔物が出没し始めると交易路ごと切り捨てられるのである。
イシュタール王国は元々大陸の西端に位置しており東方からの交易が絶たれると困窮する弱小国家だ。
更にここ数十年で国民が急増したため自前の田畑では食を賄い切れなくなりつつあり、また度重なる魔族の襲撃と旱魃が追い討ちをかけて今は食糧のインフレが急速に進んでいる。
解決策として国軍による交易路魔物討伐部隊を派遣すればいいのだが、実際そうはならなかった……。
算術に疎いラセルは、ソレは単に国家財政のせいなのだろう……と考えていた。
夕闇が迫るなか、遠くの少し開けた場所に複数の人影が見えた。
王都から大分離れた地点にソロでいると、誰か他人であっても人影を見ただけで何か嬉しくなっていた。
ドーン……バリバリ……ドドドド
その瞬間、落雷し爆音と煙が立ち緊張が走る。
それはラセルの冒険者としての経験上大型のモンスターとのパーティー戦闘だと瞬間に悟った。
「事故の類ではない、か……行ってみるか」
ラセルに誰かを救助するなどという考えはなく、単に自分のクエストの障害になり得るかどうかが最重要であった。
以前の白の牙所属時代であれば、誰かを救助するという美談作りの為という行動原理もあったのだが……。
今は人間不信がラセルを支配していた。
「万が一であれば離脱すればいいだけだ」
口に出すと利己的で無情に響くその言葉にラセル自身少しギョッとしていた。
人間不信であっても長年染み付いた「弱者を助けろ」という騎士の精神を放棄するその考えはラセルを驚かせた。
「いや、僕が命を張るのは金の為に決まっている」
そう自分に言い聞かせながらラセルは戦闘の現場に走っていく。
そこでは見慣れない装備の冒険者が4名とガーゴイル3体、少し離れた場所に商隊のものと思われる馬車が4両。
馬車の装飾からしてもイシュタールの所属ではないと見てとれる。
……他国からイシュタールに来てくれた旅商人……ラセルにはそう見えた。
戦闘は冒険者側が圧倒的に押されていて、今にも前線の剣士が崩れて半壊するように思われた。
ガーゴイルの連携による剣士への集中攻撃は凄まじく、カウンター攻撃を狙う剣士から盾をもぎ取る。
2体目のガーゴイルの空中からの爪攻撃が剣士の大剣を潜り抜けてクリーンヒットしてしまう。
ガシーン!!
そして3体目のガーゴイルが止めの特攻を掛けようとしている。
「ああ、終わった……」
その瞬間、ラセルは呟きながらも剣士の前に飛び出してタワーシールドを構えた。
ラセルの内側から湧き出る衝動が瞬間に彼を動かして剣士の援護に回っていた。
「カウンターバッシュ!」
ドゴーン!
凄まじい爆音がなり、会心のカウンターがガーゴイルの頭部に入った手応えを感じる。
ズズーン……
轟音を発してガーゴイルは頭部を完全にへし折られて地面に激突し動かなくなる。
「今だ!ライトニング!」
間髪を入れずに後衛の黒魔術士が電撃攻撃の魔法を叩き込む。
バリバリバリバリ、ドドーン!
空中を旋回していた2体のガーゴイルは落雷魔法でダメージを受け、更に幻惑の付帯効果で機動力を大幅に削がれ地面に墜落していた。
「よし」
ラセルはそういうと墜落したガーゴイルに突進してシールド攻撃を叩き込む。
「アンカーバスター!」
ズドン!ズドン!ズドン!……
重戦士のスキルを発動するとタワーシールド下部の鋭利な先端部を巨大な杭のようにしてガーゴイルの弱点である首の付け根に叩き込んだ。
3連発の打撃を受けて2体目も完全に動きが止まり死亡。
ソレを見た3体目は勝ち目が無くなったことを悟り慌てて飛び去っていった。
グギャー!グワー!
バサササ……バサッ!バササ!
モンスターにしては異様に賢いやつだ。
バシュー……
戦闘が終わると死亡したガーゴイルは気化し、コアの魔石を残して消えていった。
「た、助かった!」
「やったわ!!」
「今治癒する!」
ラセルの援護で助けられたパーティーはそれぞれが歓声を上げ、負傷している剣士の治療にあたる。
振り返り見ると、立派な武装で固めた剣士と女魔術師3人が砂塵まみれで喜びの顔をこちらに向けていた。
ラセルは前方の広大な山岳地帯を眺めてつぶやいた。
その日の夕方、王都から20キロほど東方にあるエッカーズ地方に到達した。
ここは彼の祖国イシュタール王国の東方の辺境に位置していてさらに東方と北方に存在する帝国と皇国との交易路が交差する場所である。
尤も、今は魔族による襲撃が頻発しており交易が途絶えていた。
イシュタール王国にとっては重要な交易路であったが、帝国や皇国にとってイシュタール王国は所詮辺境の小勢力の一つに過ぎない。
交易の取引先としての優先順位は低かった。
そのため、一旦魔物が出没し始めると交易路ごと切り捨てられるのである。
イシュタール王国は元々大陸の西端に位置しており東方からの交易が絶たれると困窮する弱小国家だ。
更にここ数十年で国民が急増したため自前の田畑では食を賄い切れなくなりつつあり、また度重なる魔族の襲撃と旱魃が追い討ちをかけて今は食糧のインフレが急速に進んでいる。
解決策として国軍による交易路魔物討伐部隊を派遣すればいいのだが、実際そうはならなかった……。
算術に疎いラセルは、ソレは単に国家財政のせいなのだろう……と考えていた。
夕闇が迫るなか、遠くの少し開けた場所に複数の人影が見えた。
王都から大分離れた地点にソロでいると、誰か他人であっても人影を見ただけで何か嬉しくなっていた。
ドーン……バリバリ……ドドドド
その瞬間、落雷し爆音と煙が立ち緊張が走る。
それはラセルの冒険者としての経験上大型のモンスターとのパーティー戦闘だと瞬間に悟った。
「事故の類ではない、か……行ってみるか」
ラセルに誰かを救助するなどという考えはなく、単に自分のクエストの障害になり得るかどうかが最重要であった。
以前の白の牙所属時代であれば、誰かを救助するという美談作りの為という行動原理もあったのだが……。
今は人間不信がラセルを支配していた。
「万が一であれば離脱すればいいだけだ」
口に出すと利己的で無情に響くその言葉にラセル自身少しギョッとしていた。
人間不信であっても長年染み付いた「弱者を助けろ」という騎士の精神を放棄するその考えはラセルを驚かせた。
「いや、僕が命を張るのは金の為に決まっている」
そう自分に言い聞かせながらラセルは戦闘の現場に走っていく。
そこでは見慣れない装備の冒険者が4名とガーゴイル3体、少し離れた場所に商隊のものと思われる馬車が4両。
馬車の装飾からしてもイシュタールの所属ではないと見てとれる。
……他国からイシュタールに来てくれた旅商人……ラセルにはそう見えた。
戦闘は冒険者側が圧倒的に押されていて、今にも前線の剣士が崩れて半壊するように思われた。
ガーゴイルの連携による剣士への集中攻撃は凄まじく、カウンター攻撃を狙う剣士から盾をもぎ取る。
2体目のガーゴイルの空中からの爪攻撃が剣士の大剣を潜り抜けてクリーンヒットしてしまう。
ガシーン!!
そして3体目のガーゴイルが止めの特攻を掛けようとしている。
「ああ、終わった……」
その瞬間、ラセルは呟きながらも剣士の前に飛び出してタワーシールドを構えた。
ラセルの内側から湧き出る衝動が瞬間に彼を動かして剣士の援護に回っていた。
「カウンターバッシュ!」
ドゴーン!
凄まじい爆音がなり、会心のカウンターがガーゴイルの頭部に入った手応えを感じる。
ズズーン……
轟音を発してガーゴイルは頭部を完全にへし折られて地面に激突し動かなくなる。
「今だ!ライトニング!」
間髪を入れずに後衛の黒魔術士が電撃攻撃の魔法を叩き込む。
バリバリバリバリ、ドドーン!
空中を旋回していた2体のガーゴイルは落雷魔法でダメージを受け、更に幻惑の付帯効果で機動力を大幅に削がれ地面に墜落していた。
「よし」
ラセルはそういうと墜落したガーゴイルに突進してシールド攻撃を叩き込む。
「アンカーバスター!」
ズドン!ズドン!ズドン!……
重戦士のスキルを発動するとタワーシールド下部の鋭利な先端部を巨大な杭のようにしてガーゴイルの弱点である首の付け根に叩き込んだ。
3連発の打撃を受けて2体目も完全に動きが止まり死亡。
ソレを見た3体目は勝ち目が無くなったことを悟り慌てて飛び去っていった。
グギャー!グワー!
バサササ……バサッ!バササ!
モンスターにしては異様に賢いやつだ。
バシュー……
戦闘が終わると死亡したガーゴイルは気化し、コアの魔石を残して消えていった。
「た、助かった!」
「やったわ!!」
「今治癒する!」
ラセルの援護で助けられたパーティーはそれぞれが歓声を上げ、負傷している剣士の治療にあたる。
振り返り見ると、立派な武装で固めた剣士と女魔術師3人が砂塵まみれで喜びの顔をこちらに向けていた。
11
あなたにおすすめの小説
S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました
白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。
そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。
王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。
しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。
突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。
スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。
王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。
そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。
Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。
スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが――
なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。
スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。
スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。
この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります
チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?
桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」
その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。
影響するステータスは『運』。
聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。
第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。
すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。
より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!
真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。
【簡単な流れ】
勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ
【原題】
『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。
クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~
みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった!
無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。
追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。
スキル『倍加』でイージーモードな異世界生活
怠惰怠man
ファンタジー
異世界転移した花田梅。
スキル「倍加」により自分のステータスを倍にしていき、超スピードで最強に成り上がる。
何者にも縛られず、自由気ままに好きなことをして生きていくイージーモードな異世界生活。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる