追放されたおっさんは最強の精霊使いでした

すもも太郎

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爆炎の魔法使い

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ダレーシア国の防衛戦大勝利の知らせは大陸の東西を駆け巡った。


 ロンバルキア帝国皇帝の耳に入るのはずっと先になったが‥‥‥その知らせを受けたアルダイルは興味を持った。


 「して、その真魔猿は誰にどのように倒されたのだ?」

 「しかしながら後続部隊が到着した際には既に屠られており‥‥‥」


 つまり、それを確認したものはいないのだ。


 「ふん‥‥‥まぐれという事もあるだろう、次は2体で向かわせろ」

 「はっ!」


 アルダイルは帝国の軍師として就任して早1年、ひたすら連勝を繰り返していたが今になって無敵の真魔猿が屠られたと聞いて少々驚いていた。


 「いったいどうやって斃したというのだろう?」


 真魔兵器を作るにはそれなりにコストが掛かるので、次に失敗すれば皇帝へきちんとした釈明をせねばならない。だが、単なるまぐれ勝ちだと、今は高をくくっていたのだ。


 この世界には大した戦力が無いのは事前の調査で確認済みだ。あの伝説の魔女を除いては‥‥‥。



 


 一方、ダレーシア国王にとって今回の勝利は起死回生の大勝利であった。単なる偶然という言葉で片付けたくはない。その勝利の方程式を早く解読して次の戦いに備えたい、それだけが今の国王の頼みの綱であった。


 「それで、なぜ勝てたかという具体的な見解は無いというのか‥‥‥?」

 「‥‥‥まことに恐れながら、この度の勝利は天から降って来たというほかありません」


 「そうか、もう下がってよいぞ」



 王は隊長を務めていた特務中尉の言葉に気を落とした。少なくとも明確な勝利の手法がある訳ではなさそうなのだ、つまりまぐれ勝ちという一番認めたくない結果なのである。



 「大分お困りのご様子ですね、王よ」


 王がため息をつきながら私室で防衛戦の詳細な報告書に目を通していると、不意にどこからともなく声が掛かる。


 「おお、そなたらか。ここには入るなと言って居ろう」

 「入ってはおりません、王よ」


 「また不思議な術を用いているのか?」

 「ええ、棚にある青い壺をご覧ください」


 王が、やれやれという顔で壺を観察するとカメムシが止まっている居るのを見つける。


 「その虫を介して話しております」

 「なんと‥‥‥いつも不思議な術を使うものよのう‥‥‥して、何ようじゃ?」


 「はい、今回の砦防衛、その勝利の根源を見つけてまいりました」

 「なに!それを早く言わんか」


 「正確には、その可能性を見つけてまいりました。確定ではありませんが」

 「なんじゃ、もったいぶらずに早く報告せい」


 「はい、傭兵にてございます、それも2人組」

 「なに?‥‥‥今回の防衛戦は傭兵が主体だから当然ではあるが、それでどういう事じゃ?」


 「はい、魔術を用いて倒したと思われます」

 「‥‥‥魔術などと……」


 「ですが、帝国の用いる魔獣も魔術を用いたものであります、お忘れですか?」

 「ふむ、確かに‥‥‥じゃが魔術と申してもどのようなものじゃ?」


 「はい、常人には見えぬ矢にて放たれるものであります、一つは不思議な縛りの魔法、そして一つは爆炎の魔法であります」

 「矢にて縛り、爆炎をくらわすとな?なにかたぶらかされているような話じゃな」


 「我ら夜鷹5人衆、決して見逃しは致しません」

 「言葉では今一つ掴み切れぬな」


 「ではこれをご覧ください」


 その瞬間カメムシから光が放たれて立体ホログラムが王の目の前に展開された。


 「これは‥‥‥」


 王が驚愕していると、その立体映像は多くの視点に切り替わりながら展開して、戦闘の詳細を映し出すものだった。少しすると街道の彼方から巨大な猿の化け物が走ってくるのが見え始める。その後、猿が急に硬直したあとに爆発が起こる。そして倒れ込む猿に投石が行われると王が関心してため息をつく。


 「中々、素晴らしい戦術だな」

 「見るべきはこの後であります」


 その映像の後に、砦の半壊している弓塔から凄まじい速度で連射された半透明な矢が飛翔し、暴れる猿の口に吸い込まれ巨大な爆発が起こり、倒れる。


 「おお!これはなんじゃ‥‥‥さきの爆炎の魔法か?」

 「はい」


 「して、これはどの傭兵なのじゃ?」

 「それが、少年を連れた戦士と思われます、名はアキという者のようですが」


 「でかしたぞ!早くそのものを連れてまいれ!」

 「ですが、証拠はこの映像のみでしかありません」


 「まぁ良い、もしこの者の仕業であるのなら大手柄じゃ!そしてそなた等にも褒美を取らせるぞ!」

 「ならば、お連れしましょう。従ってくれるかどうかは判りませんが」


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