1 / 22
1 出会いは唐突に
しおりを挟む
産まれてからずっと1人だった。
家族もいなければ、親の顔すら知らない。人付き合いなどしたこともなければ、教えられたこともなく、どのように会話し、どのように人と接すれば良いのかわからなかった。
結果、私は都合のいいように利用され、取り返しのつかないことをしてしまった。
だから、私は人を避けた。人を避ければ、声も届かないし、悪意も向かない。傷つけることもないし、自分が傷つくこともない。
「人……?」
王都から、遠く離れた僻地にある我が家の裏手に、恐らく王家直属の騎士であろう格好をした、泥だらけの物体がそこに横たわっていた。
恐らく崖から落ちたのであろう、鎧は無惨にも凹み、傷だらけで、すぐに顔を判別できないほどの汚れようだった。
(どうやって私の結界を通り抜けたの……?)
ここら一帯は自衛のため結界を張り、人目につかないようにしている。結界はある程度の魔力を持つ者は弾き返され、中に入ることができないはずなのだが。
人間であればある程度の魔力を備えているはずなのに、目の前の存在からは少しも感じない。
まさかの出来事に狼狽するが、手を翳して生命反応をみた限りでは死んではいないようだ。
触れられることを確認して、泥がついて鉛色になっている髪をゆっくりと掻き分けると金色の睫毛が少し揺れた。動くと思わず、バッと慌てて手を離す。あまりに動揺し、心臓が跳ね、胸が痛い。
ゆっくりと顔を覗き込むと、まるで絵物語の王子のような端整そうな顔がそこにあった。
唯一好んだ絵物語の王子に似ている彼。少なからず惹かれてしまったこの感情を持て余しながら、このまま見殺しにすることはできなかった。
(もし、この騎士が私を殺しに来たとしてもそれもまた運命、か……)
己の災厄に嘆息しつつ、私は空に印を結ぶと騎士の身体が浮かせ、そのまま家の中へと連れて行った。泥だらけの重装備のまま布団に寝かせるのはしのびなかったので、魔法で装備を剥ぎ、客間で寝かせたところでイミュがやってくる。
「アリア、これは?」
「わからない。なぜか結界内に落ちてたから拾ってきたの」
「そんな、捨て犬を拾ってきたみたいな口調で言わないでください。明らかに騎士ですよね、しかも王都の。面倒ごとを持ち込むなんて貴女らしくないですよ」
「そうね、そうなんだけど……。たまには人助けをしてもいいかなって思ったの、かな……?」
「今更、昔の罪滅ぼしのつもりですか?」
「別にそんなつもりじゃ…っ」
「とにかく、寝首掻かれぬように気をつけてくださいよ。貴女がいなくなったら私も困りますし」
「……そうね、気をつける。ねぇ、イミュ……起きたらどうしよう」
「そんなもの自分で考えてくださいよ。適当にあしらえば良いんじゃないですか?ですが、対応にはくれぐれもご注意くださいよ。さて、私は街に買い出しに行ってきます」
「あ、うん。いってらっしゃい。……あ、食材多目にお願い、この人も食べるだろうから……」
イミュは騎士を一瞥すると、不快そうな表情をしたが、アリアは気づかなかった。イミュを見送ると、彼を治癒するべく身体に癒しの氣を溜める。そして、顔にかかった泥で固まった髪を掻き上げると、ゆっくりと彼の唇に口付けた。
******
「……ん、……っ」
身体を起こすとズキンと頭が痛み、思わず顔を顰める。強く打ったらしい場所を押さえながら、見渡すと、見慣れない小綺麗な部屋がそこにあった。
自身を見下ろせば、相変わらず泥だらけではあるが、鎧や剣などの重装備は外されている。さすがに懐にある短剣までは取り除かれていないようだが、騎士として剣を奪われるというのは不覚である。
なぜ、このような状況になったのか、確か気を失う前は、追手から逃げ延びようと攻撃を避けたはいいが、高い崖から足を踏み外してしまって……それから……?
全身怪我だらけだったはずのわりには頭痛はすれど、痛みはない。特に、腕や脚など強く打ったり攻撃されたりしたはずなのに、打撲も切り傷もそこにはなかった。
(一体どういうことだ。そもそもここは……)
「目が覚めました?」
涼やかな声に顔を上げれば、可憐な少女がいた。白銀の髪は長くキラキラと光り、陶磁器のような白い滑らかそうな肌は程よい曲線を描き、瞳は金色に輝き、ふっくらとした厚みのある唇は綺麗な桃色をしていた。
まるで造りもののような神々しい美しさに、つい目が奪われる。
「もしかして、声……出ない……?」
ハッとして、我にかえると「いえ、そうでなく!失礼しました!」と気持ち大きな声が喉を出てくる。相手の少女は驚いた様子で目を丸くした。
「私はアレスと申します。助けてくださったんですよね?どうもありがとうございます」
「え、あ、……どう、いたしまして……?」
視線を彷徨わせながら、唇を震わせつつ響く声はとても美しい。
つい彼女を見ると惚けてしまうが、助けられてこんな醜態をずっと見せているわけにもいかず、ベッドから身を乗り出し腰掛けるように足を下ろす。
「……あの、いきなりで申し訳ありませんが、剣と鎧は……」
「あ、えと……あちらに置いてあります。ある程度は綺麗にしておきましたが……」
所々凹みや傷があるものの、泥などの汚れが落とされた鎧などが、部屋の入り口辺りに置かれていた。
「重ね重ねありがとうございます」
「いえ、あ……お風呂入ります?それともお食事の方がいいですか?」
まさかそんな申し出があるとは思わなかったアレスは、一瞬間を置く。そこまで世話になるのは……との思いが頭を掠めたが、今更感は否めないので、ここは素直に甘えることにした。
「では、先にお風呂をお借りしてもよろしいでしょうか」
「えぇ、では案内しますね」
立ち上がれます?と尋ねられ、頷くとゆっくりと立ち上がる。彼女は少し目を瞠ったあと、こちらへと部屋を案内してくれた。1人暮らしのわりには立派な浴室。綺麗に掃除が行き届き、女性らしい小物がちらほらある。
この少女は何で生計を立てているのだろうか、と下衆な勘繰りをしてしまうが洗髪用品やタオルなど色々説明する姿に、そのような下世話な思考も霧散した。
では、お風呂が終わりましたらそちらの部屋にきてください、と戸を閉められ彼女が遠ざかるのを感じると、ハァと小さく息をついた。
生きている、この事実に安堵する。だが、果たしてこの後どうするか……追手はまだそう遠くないところにいるだろう。私を諦めてくれればいいが、そう思いながらも、あの頑固な姫が諦めるような気がしない。
そういえば、先ほどの彼女の名前を聞きそびれた。彼女は一体何者なのだろうか。誰かと住んでいるのか、はたまた1人暮らしだろうか。
あまり長居してもこちらに迷惑をかけてしまうだろう、早々に立ち去らねばな、など沸いてる湯船にゆっくりと浸かりながらグルグルと思考を巡らせ、嘆息と共に瞳を閉じた。
家族もいなければ、親の顔すら知らない。人付き合いなどしたこともなければ、教えられたこともなく、どのように会話し、どのように人と接すれば良いのかわからなかった。
結果、私は都合のいいように利用され、取り返しのつかないことをしてしまった。
だから、私は人を避けた。人を避ければ、声も届かないし、悪意も向かない。傷つけることもないし、自分が傷つくこともない。
「人……?」
王都から、遠く離れた僻地にある我が家の裏手に、恐らく王家直属の騎士であろう格好をした、泥だらけの物体がそこに横たわっていた。
恐らく崖から落ちたのであろう、鎧は無惨にも凹み、傷だらけで、すぐに顔を判別できないほどの汚れようだった。
(どうやって私の結界を通り抜けたの……?)
ここら一帯は自衛のため結界を張り、人目につかないようにしている。結界はある程度の魔力を持つ者は弾き返され、中に入ることができないはずなのだが。
人間であればある程度の魔力を備えているはずなのに、目の前の存在からは少しも感じない。
まさかの出来事に狼狽するが、手を翳して生命反応をみた限りでは死んではいないようだ。
触れられることを確認して、泥がついて鉛色になっている髪をゆっくりと掻き分けると金色の睫毛が少し揺れた。動くと思わず、バッと慌てて手を離す。あまりに動揺し、心臓が跳ね、胸が痛い。
ゆっくりと顔を覗き込むと、まるで絵物語の王子のような端整そうな顔がそこにあった。
唯一好んだ絵物語の王子に似ている彼。少なからず惹かれてしまったこの感情を持て余しながら、このまま見殺しにすることはできなかった。
(もし、この騎士が私を殺しに来たとしてもそれもまた運命、か……)
己の災厄に嘆息しつつ、私は空に印を結ぶと騎士の身体が浮かせ、そのまま家の中へと連れて行った。泥だらけの重装備のまま布団に寝かせるのはしのびなかったので、魔法で装備を剥ぎ、客間で寝かせたところでイミュがやってくる。
「アリア、これは?」
「わからない。なぜか結界内に落ちてたから拾ってきたの」
「そんな、捨て犬を拾ってきたみたいな口調で言わないでください。明らかに騎士ですよね、しかも王都の。面倒ごとを持ち込むなんて貴女らしくないですよ」
「そうね、そうなんだけど……。たまには人助けをしてもいいかなって思ったの、かな……?」
「今更、昔の罪滅ぼしのつもりですか?」
「別にそんなつもりじゃ…っ」
「とにかく、寝首掻かれぬように気をつけてくださいよ。貴女がいなくなったら私も困りますし」
「……そうね、気をつける。ねぇ、イミュ……起きたらどうしよう」
「そんなもの自分で考えてくださいよ。適当にあしらえば良いんじゃないですか?ですが、対応にはくれぐれもご注意くださいよ。さて、私は街に買い出しに行ってきます」
「あ、うん。いってらっしゃい。……あ、食材多目にお願い、この人も食べるだろうから……」
イミュは騎士を一瞥すると、不快そうな表情をしたが、アリアは気づかなかった。イミュを見送ると、彼を治癒するべく身体に癒しの氣を溜める。そして、顔にかかった泥で固まった髪を掻き上げると、ゆっくりと彼の唇に口付けた。
******
「……ん、……っ」
身体を起こすとズキンと頭が痛み、思わず顔を顰める。強く打ったらしい場所を押さえながら、見渡すと、見慣れない小綺麗な部屋がそこにあった。
自身を見下ろせば、相変わらず泥だらけではあるが、鎧や剣などの重装備は外されている。さすがに懐にある短剣までは取り除かれていないようだが、騎士として剣を奪われるというのは不覚である。
なぜ、このような状況になったのか、確か気を失う前は、追手から逃げ延びようと攻撃を避けたはいいが、高い崖から足を踏み外してしまって……それから……?
全身怪我だらけだったはずのわりには頭痛はすれど、痛みはない。特に、腕や脚など強く打ったり攻撃されたりしたはずなのに、打撲も切り傷もそこにはなかった。
(一体どういうことだ。そもそもここは……)
「目が覚めました?」
涼やかな声に顔を上げれば、可憐な少女がいた。白銀の髪は長くキラキラと光り、陶磁器のような白い滑らかそうな肌は程よい曲線を描き、瞳は金色に輝き、ふっくらとした厚みのある唇は綺麗な桃色をしていた。
まるで造りもののような神々しい美しさに、つい目が奪われる。
「もしかして、声……出ない……?」
ハッとして、我にかえると「いえ、そうでなく!失礼しました!」と気持ち大きな声が喉を出てくる。相手の少女は驚いた様子で目を丸くした。
「私はアレスと申します。助けてくださったんですよね?どうもありがとうございます」
「え、あ、……どう、いたしまして……?」
視線を彷徨わせながら、唇を震わせつつ響く声はとても美しい。
つい彼女を見ると惚けてしまうが、助けられてこんな醜態をずっと見せているわけにもいかず、ベッドから身を乗り出し腰掛けるように足を下ろす。
「……あの、いきなりで申し訳ありませんが、剣と鎧は……」
「あ、えと……あちらに置いてあります。ある程度は綺麗にしておきましたが……」
所々凹みや傷があるものの、泥などの汚れが落とされた鎧などが、部屋の入り口辺りに置かれていた。
「重ね重ねありがとうございます」
「いえ、あ……お風呂入ります?それともお食事の方がいいですか?」
まさかそんな申し出があるとは思わなかったアレスは、一瞬間を置く。そこまで世話になるのは……との思いが頭を掠めたが、今更感は否めないので、ここは素直に甘えることにした。
「では、先にお風呂をお借りしてもよろしいでしょうか」
「えぇ、では案内しますね」
立ち上がれます?と尋ねられ、頷くとゆっくりと立ち上がる。彼女は少し目を瞠ったあと、こちらへと部屋を案内してくれた。1人暮らしのわりには立派な浴室。綺麗に掃除が行き届き、女性らしい小物がちらほらある。
この少女は何で生計を立てているのだろうか、と下衆な勘繰りをしてしまうが洗髪用品やタオルなど色々説明する姿に、そのような下世話な思考も霧散した。
では、お風呂が終わりましたらそちらの部屋にきてください、と戸を閉められ彼女が遠ざかるのを感じると、ハァと小さく息をついた。
生きている、この事実に安堵する。だが、果たしてこの後どうするか……追手はまだそう遠くないところにいるだろう。私を諦めてくれればいいが、そう思いながらも、あの頑固な姫が諦めるような気がしない。
そういえば、先ほどの彼女の名前を聞きそびれた。彼女は一体何者なのだろうか。誰かと住んでいるのか、はたまた1人暮らしだろうか。
あまり長居してもこちらに迷惑をかけてしまうだろう、早々に立ち去らねばな、など沸いてる湯船にゆっくりと浸かりながらグルグルと思考を巡らせ、嘆息と共に瞳を閉じた。
0
あなたにおすすめの小説
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
【完結】花咲く手には、秘密がある 〜エルバの手と森の記憶〜
ソニエッタ
ファンタジー
森のはずれで花屋を営むオルガ。
草花を咲かせる不思議な力《エルバの手》を使い、今日ものんびり畑をたがやす。
そんな彼女のもとに、ある日突然やってきた帝国騎士団。
「皇子が呪いにかけられた。魔法が効かない」
は? それ、なんでウチに言いに来る?
天然で楽天的、敬語が使えない花屋の娘が、“咲かせる力”で事件を解決していく
―異世界・草花ファンタジー
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
そんなに義妹が大事なら、番は解消してあげます。さようなら。
雪葉
恋愛
貧しい子爵家の娘であるセルマは、ある日突然王国の使者から「あなたは我が国の竜人の番だ」と宣言され、竜人族の住まう国、ズーグへと連れて行かれることになる。しかし、連れて行かれた先でのセルマの扱いは散々なものだった。番であるはずのウィルフレッドには既に好きな相手がおり、終始冷たい態度を取られるのだ。セルマはそれでも頑張って彼と仲良くなろうとしたが、何もかもを否定されて終わってしまった。
その内、セルマはウィルフレッドとの番解消を考えるようになる。しかし、「竜人族からしか番関係は解消できない」と言われ、また絶望の中に叩き落とされそうになったその時──、セルマの前に、一人の手が差し伸べられるのであった。
*相手を大事にしなければ、そりゃあ見捨てられてもしょうがないよね。っていう当然の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる