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第三十八話 求婚
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すぐに理解ができなくて、花琳は放心した。
(今、何と言った?)
理解できるのにできない。
あまりに突拍子のない言葉に、花琳の反応が遅れるのも無理はなかった。
「……はい?」
「兄さんは結婚してるけど、オレはまだ未婚なんだよね。別に候補がいるわけでもないし、同盟を結ぶなら花琳と結婚するほうが対外的にはいいんじゃないかな?」
「なる、ほど……?」
(マズい。それは考えてなかった……!)
まさかの秀英からの提案に焦る花琳。
顔には出さないようにしているが、想定外の提案にすぐには返答できなかった。
「先日迎えたっていう妃も建前でなんだよね? だったら、改めて公表して同盟の証としてオレと結婚ってのもアリだと思うんだけどねぇ」
「ですが、私などまだ至らぬ王ですから……自国のことで精一杯ですので、夏風国との縁は嬉しいのですが……そこまでは望まないというか……」
「オレとしてはこんなに賢くて可愛い奥さんがいてくれたら嬉しいんだけど」
未だに手を掴まれたまま、至近距離で見つめられて戸惑う花琳。
峰葵とは違ってグイグイと押しが強く、そのような男性の対処に慣れていない花琳はどうすればいいのかと良蘭に助けを求める視線を送る。
だが、良蘭は良蘭でどうすればいいのか考えあぐねているようだった。
(あぁ、どうしよう……っ)
求婚など初めてで、何て答えればいいのか。
下手なことは言えないし、かと言ってだんまりもよくないだろうしと花琳は口を鯉のようにパクパクとさせながら視線を泳がせた。
「オレじゃ物足りないかな? これでも、結構国ではモテたほうなんだけど」
「いえ、秀英さまに何か問題があるわけでは……」
「ふふ、可愛らしいねぇ。ちゃんとオレを傷つけないようにしつつも断ろうとしてるでしょ」
図星を言い当てられてさらに窮地に陥る。
帝王学などにこのような駆け引きがもちろん載っているわけがなく、全くの恋愛素人の花琳が秀英を相手にするのは難しかった。
(もう、今更取り繕ってもしょうがない……!)
「も、申し訳ありません。幼い頃より、王として育ったものでそういう嫁ぐだのとかどうとか、今は考えられません!」
思い切って本音を言う。
実際、花琳はこういうことに対しては無知なので仕方がない。
下手に取り繕っても結局バレてしまうなら、最初から正直に言ってしまおうと思ったのだ。
すると、今度は口を押さえてくつくつと肩を震わせて笑う秀英。
その目には涙まで浮かんでいた。
「いやぁ、やっぱり可愛い。ますます好きになったなぁ。そうか、恋愛は年相応なんだね」
「もしや、からかったのですか?」
「いや、とんでもない。本当に君のことを欲しいと思ってるよ」
先程まで笑っていたはずなのに、真剣な表情で見つめられてその落差に戸惑う。
未だに秀英という人物が掴めない。
まっすぐと強い瞳に見つめられて、花琳は何も言えずにゴクリと生唾を飲み込んだ。
その様子を見て再びふっと表情を和らげる秀英。
「でも、さすがに恋愛初心者を追い詰めるようなことはしないさ。オレはこう見えても気は長いほうでね。オレのことを知ってもらって、あわよくば好きになってもらえるよう努力しよう」
「えっと、善処します」
「はは、はぐらかされてしまったか。まぁ、仕方ない。今日はこの辺で勘弁しておかないと、さすがに嫌われてしまうかな?」
そう言ってやっと手を離される。
ドキドキと胸が高鳴って、花琳は顔が熱くなった。
「ふふ、少しは意識してもらえたようで何より。では、オレは今日はこれで。同盟のこととか色々と話を詰めておかないといけないんでね。また、後日改めて」
「はい。では、また改めてご連絡します」
「じゃあね」
秀英は言いながら花琳の頬に唇を落とす。
慌てて花琳が頬を押さえれば、「隙だらけだよ?」と笑いながら秀英はそのまま部屋を出て行った。
「何ともまぁ……嵐のような方でしたね」
「本当に」
良蘭がしみじみと言うのを肯定する。
あちらは敵地に来てるようなものだっていうのに、まんまとかき乱されてしまった。
「で、どうするんです?」
「何が?」
「結婚」
「はぁ!?」
「私としては花琳さまが幸せならよいと思いますよ~? 大事にしてくれそうですし」
「いや、だから、しないから!」
「えー? でも、峰葵さまのこと諦めたなら、もう次にいってもいいんじゃありません? それともやっぱり元サヤに戻りました?」
「元サヤも何も……峰葵とは別にそういうんじゃないし。あくまで峰葵は、私が兄さまの妹だから大事にしているだけだもの」
「まぁ、そういうことにしておきますが。……でも、いきなり同盟なんて良かったんです? 事後報告なんてしたら、上層部が大騒ぎしますよ?」
先程までからかい口調だったのに急に真面目な話を振られて、花琳も切り替える。
「いいのよ。私が何をしようと気に食わないのだから。それに今どこかしらと組んでおかないと、どのみち秋波国は詰むわ。さすがに二国で攻められたら太刀打ちできないもの」
「それはそうでしょうけど。でも薬だって、あんなこと言っちゃってよかったんです? 特効薬を作るだなんて」
「いいのよいいの。あんなのハッタリみたいなものだから。それにゆくゆくはこちらにも流行るだろうし、そうなったら先に情報知っておいたほうが対策できるでしょう? あれは夏風国のためでなくて秋波国のためでもあるのよ。きっと秀英さまはその辺も全てお見通しなんでしょうけど」
聡い秀英のことだ。
全てわかった上でこちらの要求を飲んだのだろう。
とはいえ、実際お互いに悪くない案ではある。
それぞれの主張でぶつかることはあるだろうが、理不尽な要求まではしてこないはずだ。
「これからまた忙しくなりそうですね」
「えぇ、でもおかげで雪梅に会わなくて済むのは良くなりそうね」
「そうですね。今回ばかりは構ってる余裕などありませんからね! その分、峰葵さまに頑張ってもらいましょう」
(さて、何から手をつけようか)
花琳は文机に向かいながら、自分がやらねばならないことを書き出していくのだった。
(今、何と言った?)
理解できるのにできない。
あまりに突拍子のない言葉に、花琳の反応が遅れるのも無理はなかった。
「……はい?」
「兄さんは結婚してるけど、オレはまだ未婚なんだよね。別に候補がいるわけでもないし、同盟を結ぶなら花琳と結婚するほうが対外的にはいいんじゃないかな?」
「なる、ほど……?」
(マズい。それは考えてなかった……!)
まさかの秀英からの提案に焦る花琳。
顔には出さないようにしているが、想定外の提案にすぐには返答できなかった。
「先日迎えたっていう妃も建前でなんだよね? だったら、改めて公表して同盟の証としてオレと結婚ってのもアリだと思うんだけどねぇ」
「ですが、私などまだ至らぬ王ですから……自国のことで精一杯ですので、夏風国との縁は嬉しいのですが……そこまでは望まないというか……」
「オレとしてはこんなに賢くて可愛い奥さんがいてくれたら嬉しいんだけど」
未だに手を掴まれたまま、至近距離で見つめられて戸惑う花琳。
峰葵とは違ってグイグイと押しが強く、そのような男性の対処に慣れていない花琳はどうすればいいのかと良蘭に助けを求める視線を送る。
だが、良蘭は良蘭でどうすればいいのか考えあぐねているようだった。
(あぁ、どうしよう……っ)
求婚など初めてで、何て答えればいいのか。
下手なことは言えないし、かと言ってだんまりもよくないだろうしと花琳は口を鯉のようにパクパクとさせながら視線を泳がせた。
「オレじゃ物足りないかな? これでも、結構国ではモテたほうなんだけど」
「いえ、秀英さまに何か問題があるわけでは……」
「ふふ、可愛らしいねぇ。ちゃんとオレを傷つけないようにしつつも断ろうとしてるでしょ」
図星を言い当てられてさらに窮地に陥る。
帝王学などにこのような駆け引きがもちろん載っているわけがなく、全くの恋愛素人の花琳が秀英を相手にするのは難しかった。
(もう、今更取り繕ってもしょうがない……!)
「も、申し訳ありません。幼い頃より、王として育ったものでそういう嫁ぐだのとかどうとか、今は考えられません!」
思い切って本音を言う。
実際、花琳はこういうことに対しては無知なので仕方がない。
下手に取り繕っても結局バレてしまうなら、最初から正直に言ってしまおうと思ったのだ。
すると、今度は口を押さえてくつくつと肩を震わせて笑う秀英。
その目には涙まで浮かんでいた。
「いやぁ、やっぱり可愛い。ますます好きになったなぁ。そうか、恋愛は年相応なんだね」
「もしや、からかったのですか?」
「いや、とんでもない。本当に君のことを欲しいと思ってるよ」
先程まで笑っていたはずなのに、真剣な表情で見つめられてその落差に戸惑う。
未だに秀英という人物が掴めない。
まっすぐと強い瞳に見つめられて、花琳は何も言えずにゴクリと生唾を飲み込んだ。
その様子を見て再びふっと表情を和らげる秀英。
「でも、さすがに恋愛初心者を追い詰めるようなことはしないさ。オレはこう見えても気は長いほうでね。オレのことを知ってもらって、あわよくば好きになってもらえるよう努力しよう」
「えっと、善処します」
「はは、はぐらかされてしまったか。まぁ、仕方ない。今日はこの辺で勘弁しておかないと、さすがに嫌われてしまうかな?」
そう言ってやっと手を離される。
ドキドキと胸が高鳴って、花琳は顔が熱くなった。
「ふふ、少しは意識してもらえたようで何より。では、オレは今日はこれで。同盟のこととか色々と話を詰めておかないといけないんでね。また、後日改めて」
「はい。では、また改めてご連絡します」
「じゃあね」
秀英は言いながら花琳の頬に唇を落とす。
慌てて花琳が頬を押さえれば、「隙だらけだよ?」と笑いながら秀英はそのまま部屋を出て行った。
「何ともまぁ……嵐のような方でしたね」
「本当に」
良蘭がしみじみと言うのを肯定する。
あちらは敵地に来てるようなものだっていうのに、まんまとかき乱されてしまった。
「で、どうするんです?」
「何が?」
「結婚」
「はぁ!?」
「私としては花琳さまが幸せならよいと思いますよ~? 大事にしてくれそうですし」
「いや、だから、しないから!」
「えー? でも、峰葵さまのこと諦めたなら、もう次にいってもいいんじゃありません? それともやっぱり元サヤに戻りました?」
「元サヤも何も……峰葵とは別にそういうんじゃないし。あくまで峰葵は、私が兄さまの妹だから大事にしているだけだもの」
「まぁ、そういうことにしておきますが。……でも、いきなり同盟なんて良かったんです? 事後報告なんてしたら、上層部が大騒ぎしますよ?」
先程までからかい口調だったのに急に真面目な話を振られて、花琳も切り替える。
「いいのよ。私が何をしようと気に食わないのだから。それに今どこかしらと組んでおかないと、どのみち秋波国は詰むわ。さすがに二国で攻められたら太刀打ちできないもの」
「それはそうでしょうけど。でも薬だって、あんなこと言っちゃってよかったんです? 特効薬を作るだなんて」
「いいのよいいの。あんなのハッタリみたいなものだから。それにゆくゆくはこちらにも流行るだろうし、そうなったら先に情報知っておいたほうが対策できるでしょう? あれは夏風国のためでなくて秋波国のためでもあるのよ。きっと秀英さまはその辺も全てお見通しなんでしょうけど」
聡い秀英のことだ。
全てわかった上でこちらの要求を飲んだのだろう。
とはいえ、実際お互いに悪くない案ではある。
それぞれの主張でぶつかることはあるだろうが、理不尽な要求まではしてこないはずだ。
「これからまた忙しくなりそうですね」
「えぇ、でもおかげで雪梅に会わなくて済むのは良くなりそうね」
「そうですね。今回ばかりは構ってる余裕などありませんからね! その分、峰葵さまに頑張ってもらいましょう」
(さて、何から手をつけようか)
花琳は文机に向かいながら、自分がやらねばならないことを書き出していくのだった。
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