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第七十九話 置き土産
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ドッカーーーーーーーン!!
至近距離での爆発に、さすがの魔王も避けきれなかったと思ったときだった。
「随分と熱烈な魔法だね。そういう反抗的な態度も嫌いじゃないよ」
「え、嘘。効いて、ない……?」
確かに当たったはずなのに。感触はあったはずと思い返すも、魔王の身体にはどこにも傷一つすらなかった。
「ふふふ、そんな表情をするシオンも可愛いね」
「ふざけないで!」
「ふざけてなんていないさ。僕はいつでも真剣だよ。さぁ、おいで。キミの実力を見せてくれ」
「そんなに言うなら見せてあげるわよ!」
パチンと指を鳴らして魔力制限を一部解除する。
「おや、そんな微々たる解除でいいのかい? シオンはもっと力が出せるだろう? それとも、僕を侮っているのかな?」
「全部出したら村ごと吹っ飛ばしちゃうでしょうが!」
「ふむ。なるほど。そういうことか」
実際先日のように魔力を全部解除したら村ごと吹っ飛ぶ。前回は都市自体が崩壊していたから気兼ねなく好き勝手大暴れしたが、こんな小さな村で本気の戦闘などしたら一瞬で崩壊してしまうだろう。
「よし、やめた」
「はぁ!?」
「一旦ここは引こう。僕は本気のシオンが見たいからね」
言いながら浮遊する魔王。なぜかヴィルも引き連れて。
「ちょ、ヴィルをどこに連れて行く気!?」
「あぁ、人質ってヤツだよ。僕の城へ連れて行く。こうでもしないとシオンは僕のところへ来てくれないだろ? だから、僕の城に来て。そこでキミの本気を見せてくれ」
「城に来いって場所どこよ!?」
「さっきシオンが連れてた魔物が僕の城の場所を知ってるはずだよ。ふふ、楽しみにしてる。あぁ、あとそこの村はもう飽きたからもういらないや。ということで、またね」
「待ちなさいよ!」
すぐに追いかけようとしたが、魔王が私のように指をパチンと鳴らすと頭上に巨大な渦が出現したかと思えば、中から隕石が現れる。
「シオンが来るのを待ってるよ。それじゃ、頑張ってね」
「はぁぁぁぁぁ!??」
にっこり微笑むとそのままヴィルを連れて飛び去る魔王。鬼畜すぎる。
「シオン! なんじゃあれは!?」
「なんじゃも何もないわよ! しいて言うなら魔王の置き土産!」
「なんじゃと!? ヴィルは?」
「連れていかれた!」
「なんと!? ど、ど、ど、どうするんじゃ、あれ」
「つべこべ言わずにやるしかないでしょ! 私があれを砕いてぶっ潰すから、グルーは破片が村人達に当たらないように守ってあげて!」
戻ってくるなり慌てふためいてるグルーに指示を飛ばすと、思いきり腕を捲る。
そして足をしっかりと地につけてから、私は詠唱を始めた。
至近距離での爆発に、さすがの魔王も避けきれなかったと思ったときだった。
「随分と熱烈な魔法だね。そういう反抗的な態度も嫌いじゃないよ」
「え、嘘。効いて、ない……?」
確かに当たったはずなのに。感触はあったはずと思い返すも、魔王の身体にはどこにも傷一つすらなかった。
「ふふふ、そんな表情をするシオンも可愛いね」
「ふざけないで!」
「ふざけてなんていないさ。僕はいつでも真剣だよ。さぁ、おいで。キミの実力を見せてくれ」
「そんなに言うなら見せてあげるわよ!」
パチンと指を鳴らして魔力制限を一部解除する。
「おや、そんな微々たる解除でいいのかい? シオンはもっと力が出せるだろう? それとも、僕を侮っているのかな?」
「全部出したら村ごと吹っ飛ばしちゃうでしょうが!」
「ふむ。なるほど。そういうことか」
実際先日のように魔力を全部解除したら村ごと吹っ飛ぶ。前回は都市自体が崩壊していたから気兼ねなく好き勝手大暴れしたが、こんな小さな村で本気の戦闘などしたら一瞬で崩壊してしまうだろう。
「よし、やめた」
「はぁ!?」
「一旦ここは引こう。僕は本気のシオンが見たいからね」
言いながら浮遊する魔王。なぜかヴィルも引き連れて。
「ちょ、ヴィルをどこに連れて行く気!?」
「あぁ、人質ってヤツだよ。僕の城へ連れて行く。こうでもしないとシオンは僕のところへ来てくれないだろ? だから、僕の城に来て。そこでキミの本気を見せてくれ」
「城に来いって場所どこよ!?」
「さっきシオンが連れてた魔物が僕の城の場所を知ってるはずだよ。ふふ、楽しみにしてる。あぁ、あとそこの村はもう飽きたからもういらないや。ということで、またね」
「待ちなさいよ!」
すぐに追いかけようとしたが、魔王が私のように指をパチンと鳴らすと頭上に巨大な渦が出現したかと思えば、中から隕石が現れる。
「シオンが来るのを待ってるよ。それじゃ、頑張ってね」
「はぁぁぁぁぁ!??」
にっこり微笑むとそのままヴィルを連れて飛び去る魔王。鬼畜すぎる。
「シオン! なんじゃあれは!?」
「なんじゃも何もないわよ! しいて言うなら魔王の置き土産!」
「なんじゃと!? ヴィルは?」
「連れていかれた!」
「なんと!? ど、ど、ど、どうするんじゃ、あれ」
「つべこべ言わずにやるしかないでしょ! 私があれを砕いてぶっ潰すから、グルーは破片が村人達に当たらないように守ってあげて!」
戻ってくるなり慌てふためいてるグルーに指示を飛ばすと、思いきり腕を捲る。
そして足をしっかりと地につけてから、私は詠唱を始めた。
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