SとMの目覚め

鳥柄ささみ

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SとMの目覚め

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(この人、超ドSそう……)

 私は天谷佐緒里あまやさおり27歳。
 今日は久々の合コンに来ている。
 ここのところ仕事が忙しくて、連絡さえも満足にとれなかったせいで彼氏とすれ違い、学生時代から長年付き合っていたのについ先日別れてしまった。
 今日はやっと繁忙期も終えたということもあって珍しく同期に誘われ、せっかくだし元彼を忘れようと参加したのだが、目の前に超どストライクな人がいて、思わずキュンと胸が高鳴る。
 柿谷真紘かきたにまひろ28歳。
 髪は長くて顎くらいのストレートな金髪。細いフレームの眼鏡。その中から覗く鋭い青みがかった瞳。そしてなんと言っても整った顔。
 隔世遺伝だそうで、クォーター。
 英語も堪能で、帰国子女。しかも大手勤務とくれば、食いつかないわけがない。
 しかも眼鏡の奥にある鋭い瞳がなんともどM心をくすぐられる。

(イケメンでかつサディストっぽいとか本当超素敵! ……あぁ、お持ち帰りしてくれないかなぁ……ていうか、一度でいいから抱かれたい)

 そんなことをぼんやりと考えながら、グラスに入ったシャンディガフを飲む。
 周りもみんな彼狙いっぽいし、ライバル多いなぁ、と思いながらアピールすべく、自己紹介の内容を考えるのだった。




 ◇



「あぁ、……っん! ……そこ、あ……っ」
「ここがお好きなんですか? でもまだイカせません」

 目の前で喘いでいる男は柿谷さん。先程から金色の髪を振り乱し、よだれを垂らしながら快楽に溺れていた。
 私はそのままアナルに入れていたバイブを引き抜くと、柿谷さんは恨めしそうにこちらを見ながら「イかせてください」と懇願してくる。
 その姿があまりに扇情的で思わず口元が緩む。

(って、あれ?)

 さっきからノリノリでバイブで柿谷さんのお尻を掘っていたが、私何やっているんだろう、と我にかえる。
 そもそもあのあとどうにか柿谷さんをサシの二次会にお持ち帰りして、酔っ払って勢いのままラブホまで来て、そのあとはいい感じで途中まで攻めてもらってたはずなのに、いつの間にか形勢逆転というか、なぜ私が攻めているのだ?

(確か、いい感じにバイブがあるなぁってなって、酔った勢いで後ろってしたことあります? って聞いて、それから……)

 柿谷さんは基本的に見た目からして攻めらしく、今までそんな経験がないというのでつい悪戯心で開発したらこんなことになってしまったのかと、朧げな記憶を引っ張り出す。
 いやでもまさかあんなにどSそうな人がこんなに乱れるだなんて想像以上というか、これはこれで悪くないと思っている自分もいる。
 こうなればもうヤケというか楽しまなきゃ損だろう。
 せっかくこんなに乱れているのだから、私も同じくらい気持ち良くなって乱れたい。というか我にかえってる場合じゃない。

「イかせて欲しいです? じゃあ、舐めてください。私をイかせられたら考えなくもないですよ?」
「じゃあ、僕の上に乗ってください」

 はぁはぁはぁはぁ、と息が上がっている柿谷さんはかなりイイ。見てるだけでも萌えるというかグッとくる。
 汗をかいてるからか、額に前髪がぺたりとくっついてるし、さっきまでキリッとしていた顔立ちが快楽で蕩けて紅潮しているのもさらに気持ちを昂らせた。

「……んっ、ふぁ……あ、……っ」
「んぷ……ちゅば……ん、ふ……随分と濡れてますね。僕の見て興奮しました?」
「はい。しました……ぁ……っ! あぁ、そこ、いい……っ」

 彼の綺麗な顔に跨るだけでも背徳感があるというのに、さらに自分のを舐められるということに背筋がゾクゾクするほどの優越感が走る。
 柿谷さんは優しく舌を這わせ、強すぎない程度にクリトリスに吸い付く。それがあまりに優しくてもどかしくて、思わず柿谷さんの顔に自ら押しつけてしまった。

「あ、や……っ! ご、ごめんなさい……っ苦しくな……っあぁ……っは……や、そこ……あ、気持ちいい……!」

 謝るもそのまま舌を差し込まれてナカを舐められる。まさかそんなことされると思わず、腰をひかすも、柿谷さんの手が腰に回され押しつけるように固定させる。

 じゅぷ……ぐじゅ……くぷ……ちゅぱ……

 耳慣れない水音と自分のナカを舐められているという羞恥心で頭がおかしくなりそうだった。

「ナカからどんどん溢れてきますね……」
「あ、柿谷さん、顔……」
「天谷さんの量が多くてべちゃべちゃになっちゃいました」

 私の愛液で顔をぬらぬらと濡らしてることにカッと顔が熱くなる。
 誰が見てもイケメンである彼の顔を私が汚しているという事実と、そのあまりの淫靡さに自らも高揚していくのがわかる。

(私、どMだったと思ってたけど、案外こっちもいけるのかも)

 新たな扉を開きそうになりながら、口元を歪めて「もういいです」と再び舐めようとする柿谷さんを制した。

「え? でも、まだイってないですよね?」
「ですけど……じゅうぶん満足しましたし、もうすぐイキそうなので、このままのほうがいいです。それに、イクなら柿谷さんのを入れてもらってからイキたいですし」
「……なんですかそれ。可愛いですね」

 柿谷さんがふにゃっと表情を崩す。何コレ可愛すぎるんですけど。
 キュン、とときめきながら「とりあえず、顔を拭きましょう!」と手近にあるティッシュを引っ張って柿谷さんの顔を拭く。

「せっかくのイケメンが台無しですよ?」
「それ、天谷さんが言います?」

 柿谷さんは苦笑しながら拭かれたまま。私は一生懸命目や鼻に入らないように拭き上げたところで、柿谷さんにひっくり返される。上からイケメンに見下ろされてさらに胸が高鳴った。

「あ、あの……?」
「入れたいのでしょう?」
「入れたいですけど……もう?」
「まだ何かするつもりで?」
「だって、柿谷さんの舐めてない……」

 ジッと上目遣いで言えば、目をそらされる。そしてモゴモゴと口ごもったあと、「じゃあ、お願いします」と大人しくごろんと寝転がってくれる。なんだかその様子が可愛くてまたキュンとする。

「じゃあ、失礼しまーす」

 そう言って起き上がると、彼の下の方に行く。

(うわぁ、凄い……)

 さっきアナルにバイブを入れるためにパンツを脱がしたときはさほどでもなかった肉茎がギンギンにそそり勃っている。
 こんなに大きかったっけ? というくらいにパンパンに充血し、太くなっているそれが口に入るかとちょっと不安になった。

「大きい……」
「そうしたのは天谷さんですよ」
「そうですけど、大きくないです?」
「まぁ、人よりかは大きいかもしれないですけど」

(いやいやいやいや、絶対人よりも大きいって!)

 そうは言っても知っているのは元彼だけだから比べようがないが、きっとこの大きさは大きい。しかもエラも張ってるし、なんていうかまさに立派なキノコである。

(えぇい、ままよ!)

 自分で言った以上舐めようとぱくん、と咥える。そして、唾液を混ぜながら奥深くまで咥え込む。

「ん……っ……、天谷さん、そんなに咥え込まなくて大丈夫ですよ?」
「ほ、ほーうへふは?」

 確かにちょっと、いやかなり苦しい。
 だから咥えるのは諦めて、舐めることに専念する。裏筋、先端、窪みなど、ゆっくり丁寧に唾液をたっぷりと含みながら舐めていくと、気持ちいいのかだんだんと息が上がってきた柿谷さん。
 仕上げとばかりに吸いつくと、「んんんん……っ!」と一際大きな声を上げて身体を震わし、「も、もうこれ以上は……っ!」と頭を思いきり押さえられた。

「一度イってもいいですよ?」
「嫌です。天谷さんも一緒にって言ったじゃないですか」

(なんなのこの可愛い人)

 さっきからキュンキュンしっぱなしで、口元が緩む。自分もそろそろ下がぐじょぐじょだし、そろそろいいかな、と彼の上に跨る。

「え? 天谷さんが上ですか?」
「え? ダメです?」
「ダメじゃないですけど……やっぱりここは僕が……」

 そう言うとまたひっくり返される。
 そして、「舌出してください」と言われて舌を出せば、そのまま舌で絡めとられて濃厚なキスをされた。

「変な味……」
「柿谷さんの味ですよ?」
「口ゆすげばよかったですね」
「ふふふ、では今度はゆすぎましょう」

 次があるかはわからないけど、そう軽口を叩くと柿谷さんも「そうですね」と笑った。
 そしてまた唇を合わせる。何度も何度も。
 唇がふやけそうなほどぐちゃぐちゃに触れ合って、一体どっちの唾液かわからないほど舌を絡める。
 初めて会ったはずなのに、愛しい気持ちがどんどん湧き上がってきた。

「もっと貴女が欲しい……」

 耳元で囁かれて、じゅく、とさらに濡れるのがわかった。まさか柿谷さんも同じ気持ちだったことが嬉しくて、首に腕を回してくっつくと「私も早く欲しい……」と答える。

「はぁ……っ、ん……今ゴムつけますね」

 柿谷さんがゴムをつけている間が待ち遠しくて柿谷さんの耳朶を舐める。そして、「好き……」と囁くように吐息を吐けば、「ちょっと、煽らないでください」と抗議を受ける。
 でもなんだかもぞもぞしてる間が寂しくて、切なくて、柿谷さんの首筋や顎に吸いついたり舐めたりすると、彼は耐えるように震えていた。

「天谷さん? ゴムつけられないんですけど」
「あぁ、ごめんなさい。どうぞどうぞ」

 つい気持ちが昂ってしまった。いけないいけない、と自重する。
 するとやっとゴムをつけられたらしい柿谷さんが、覆いかぶさってきた。

「お待たせしました」
「お待たせされました」

 お互いに笑い合うと再び唇を重ねる。れろれろっと舌を絡め、吸う。歯列をなぞりながら口内を蹂躙されて、息苦しさに息が上がってきた。

「苦しかったです?」
「ちょっと」
「いいですね、その表情。とっても素敵です」
「やっぱり柿谷さんてSです?」
「んー、そのつもりでしたけど、今日天谷さんとしてみてどっちもいけるかと思いました」
「ふふ、奇遇ですね。私もです」

「では、そろそろ……」と、既に解れきってぐちゃぐちゃな蜜口にゴムを被せた柿谷さんの亀頭が押しつけられる。
 そして、ゆっくりゆっくりとナカヘと侵入してきた。

「あ、あ、……っ、大きい……っ!」
「あー、力抜いてください……っ、すぐに持っていかれそうだ」

 はぁはぁはぁはぁ、と息をあげながらゆっくりと膣壁を擦りながら奥へ奥へと進んでいく。
 苦しくて、気持ち良くて、切なくて、愛しくて、キュンキュンと私の気持ちに呼応するようにナカの柿谷さんを締めつけてしまう。

「はぁ……ん、ふ……っ、天谷さん?」
「あ、……ん、佐緒里です」
「佐緒里さん? はぁ……っ、もっと緩めてください」
「やってますけど、力が抜けないです……っぅ」
「仕方ないですね、もう我慢できません。動きますよ……っ」

 ぐちゅ、どちゅん、ぐちゅ、ぱちゅ、

 ゆっくりと肉茎を突き立てられて、あまりの気持ちよさに思わず腰が浮く。

(何これ、頭おかしくなりそう!!)

 快楽で頭がふわふわと思考が焼き切れそうになる。こんなことは初めてだった。

「あ、あ、あ、あ、……気持ち、いい……っ! う、はぁ……っん、いい! あん、もっと……」
「ここですか?」
「はぁん……っ! や、だめだねだめ……っ、こんな……気持ちよすぎて……っ! ひ……っうぐ……あぁ……っ!!」

 最奥の子宮口を抉られ、背中が跳ねる。そして、ギュッと力いっぱいに柿谷さんに抱きつき、びくびくっと大きく身体が震えた。

「ここですね。とても反応がいい。というか、もしかしてイキました?」
「あ、わかんな……あふ……っあ、ふ……んっ」
「ナカ、ぐっしょぐしょですよ? そしてものすごく柔らかい」
「あ、らめ……っ! やぁ、もう……っ! いく、いく、いく……っ」
「イッてください」

 ごちゅんごちゅん、と再び最奥を突かれる。既に蕩けきったそこはぐじょぐじょで、柿谷さんの肉茎をぎゅうぎゅうと締めつける。

「あ、そろそろ僕も……っ!」
「一緒に……っ! 一緒にイきましょう?」

 柿谷さんに合わせて腰を振る。ずぷんと子宮口にハマる亀頭が気持ちよすぎて、何度も自ら押しつける。

「はぁ……っも……いく! いく……いぐ……ぅ…………っ!!」
「く……っふ…………っんぅ……っ」

 びくびくとナカで柿谷さんの肉茎が震える。それと同時にぎゅうううと柿谷さんが抱きついてきて、私は受け止めるように抱きしめた。

「あー、気持ちいいです」
「私も。もしかして、私達めちゃくちゃ相性いいんじゃないです?」
「そうかもしれませんね。こうしてちゃんと人としてイケたの初めてなので」
「えぇ!?」

 まさかの柿谷さんの発言に声を上げれば、苦笑される。

「この大きさなので、みんな恐いとか痛いとかで受け入れてくれる人がいなくて。だから天谷さんが初めての人です」
「えぇ、マジですか」
「マジですよ。だから、イケてよかったです」
「それはどうも」

 ずるり、とナカから抜かれて「んん」と声を上げる。だが、その肉茎はつけていたゴムを外したあと、なぜか新しいゴムをかぶっていた。

「あれ? 柿谷さん?」
「真綋です。ということで、もう1回よろしくお願いします」
「え、あ……はぁ……っもぉ……っ! あ、」

 未だ衰えない剛直が、蜜口をいったりきたりしながらクリトリスを刺激する。
 イったばかりで刺激の強すぎる快楽に、再び頭がふわふわとしてくる。

「大丈夫です。ほら、もっと気持ち良くなりましょう?」

 蕩けた顔の柿谷さん。その表情に思わず私は「はい」と頷くと、そのまま流されるように2回3回4回と腰が立たなくなるまで抱き潰されるのだった。
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