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第六十七話 カフェテリア

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 防衛術の授業がやっと終わり、私は一人カフェテリアに向かうと昼食を注文してから席を探す。
 すると探して早々、マリアンヌ達が座っているのが見えて「マリアンヌ~」とトレイを置きながら甘えるように彼女に抱きついた。
 マリアンヌは「あらあら」と言いながら、よしよしと私の頭を優しく撫でたあと、隣に座らせてくれる。

「随分とぼろぼろね、クラリス」
「あんまり見ないで、マリアンヌ~」
「あれ? そういえばクラリスちゃんの授業って防衛術だったっけ?」
「えぇ、おかげでこのザマよ」

 服は焦げたり泥がついたりとぼろぼろ。腕や足にも生傷ができ、髪もボサボサで酷いありさまだった。

「とりあえず、焦げてる部分は直しておきましょう」
「ありがとう、オリビア」
「髪も直しておいてあげる~!」
「ハーパーもありがとう、助かる~」

 防衛術の模擬戦はそれはもう散々だった。
 エディオンに言われた通りに魔法を放とうとすると、どうしても相手を自分に置き換えて想像してしまい、思うように魔法が出せずに結局何度もコテンパンにやられてしまったのだ。

 我ながら相変わらずのメンタルの弱さである。

 とはいえ、現実として今後人と対峙することも大いにありうるだろう。高官を目指すなら尚更だ。
 だからこそ、こういう精神的な部分はネックだなぁ、と改めて思うのだった。

「なんかつい、戦うときに相手が傷ついたらどうしようとか思っちゃって」
「あー、わかるー! 女の子だと顔とか傷つけただなんてなったら大変だものね。特に自分よりも爵位が上の子とか!」
「男の子も大概面倒臭いわよ? 自分より爵位が下の子だったり女の子だったりに負けるとヘソを曲げてしまうだとか」
「色々あるのね、しがらみが」

 なるほどなー、と女子会トークに花を咲かせていると、「とはいえ、あまり遠慮するのはよくないよ? ここは学校なのだからね」と聞き覚えのある声に顔を上げるとそこにはエディオンがいた。

「エディオン!? 何でここに!」
「昼食をとろうと来たらクラリスがいるのが見えてね。せっかくだし、相席させてもらおうと思ったんだけど、いいかな?」
「えーっと、みんなに聞かないと……」

 言いながら周りを見れば、マリアンヌもハーパーもオリビアもみんな顔を真っ赤にして「どうぞどうぞ」とすぐさま相席を促す。
 心なしかみんなの目がキラキラしているのは気のせいだろうか。

「あぁ、それはよかった。では、早速お邪魔させてもらうね」

 自然に私の隣に座るエディオン。
 あまりにナチュラルすぎて、身構える余裕すらなかった。
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