前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!

鳥柄ささみ

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第八十八話 圧倒的格差

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「このままだとミナの命もまずい。アイザック、急ぎましょう!!」
「あぁ!」
「あぁあああああ!!! 邪魔するのなら、貴方達まとめて葬ってあげるわ!!」

 稲妻が私とアイザックに向かって一直線に飛んでくる。
 それを私がファイアボールをいくつもぶつけて相殺した。

「ちっ!」
「アイザック、行って!」

 アイザックがミナに向かって走る。

 ミナはすかさず複数の雷撃を放ち、無作為に私達に向かって攻撃してきた。

 バリバリと不規則な動きで狙う雷撃をタイミングを見計らいながら次々に打ち落としていく。

 一瞬でも気を抜くとそこで終わりだと、常に気を張った状態で魔力消費を意識しながら対抗する。

(さすがブランシェット家というだけあって、魔法の知識でも魔力でも全然敵わない……っ!!)

 あれだけ練習して会得したはずの防衛術さえも、全力でやらないとミナの前では防ぐのがやっとだった。
 彼女の魔法に翻弄されながらも、アイザックがミナとの間合いを詰めていくのを確認する。

「アイザック!!」
「あぁ! 生命の芽吹く……っがは!」

 アイザックが一気に距離を詰めて、ミナの身体を拘束しようとした瞬間、アイザックが吹き飛ばされる。

 風の魔法を使ったのか、一瞬で壁に叩きつけられると、アイザックの身体はそのまま壁に縫いつけられるように木の根や枝に拘束されてしまった。

「ふふ、私に勝てると思って? ポンコツ二人がいくら力を合わせても勝てないと言ったでしょう?」
「う、ぐぅ……あ……っ!」
「アイザック!!!」

 ギリギリと身体を締めつけられて苦しげな声を上げるアイザック。
 すかさず助けるために魔法を放つが、全てかき消されてしまった。

 そして、ミナの制服から何かの魔法陣がパーンと大きな音を立てて霧散する。

「え?」

(今のって、エディオンが言っていた魔力への制限をかけるって言っていた魔法陣……?)

 制服に課されている魔法陣を破ったということはつまり、魔法陣を破るほど強大な魔法を行使したということだ。
 それはつまり、彼女の攻撃によって攻撃対象が死ぬ可能性もあるということを意味していて、あまりの衝撃に思わず絶句する。

「あら、私が今まで本気を出してたと思ったの? おめでたいわね、貴女。今までのは貴方達を油断させるためにあえて力をセーブしてたの。うふふ、でもこれでやっと、私の目的が達成される! さぁ、さようならよ、クラリス・マルティーニ!」
「な……っ!」

 気づいたときには足下に水溜りがぐるりと私を囲んでいた。
 そして、その水溜りから氷結された鋭い先端が私目掛けていくつも伸びてきて、今この瞬間私の身体を貫こうとしていた。
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