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第九十九話 養子
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「まず、ミナさんの処遇についてですが、今回の事件を鑑みて彼女はブランシェット家から公爵家であるアーミット家の養子になり、現在はミナ・アーミットとなりました」
「え? 養子って……ミナは大丈夫なの?」
(自分が仕向けたとはいえ、あんなに依存していた母親からすぐに離れることなんてできるのだろうか)
不安になりながらミナを見つめると、彼女は苦笑したあと静かに頷いた。
「えぇ。正直、まだブランシェット家に未練がないかと聞かれたら多少はありますけど……。このままでは私だけでなく、きっとお母様にもよくないと思うから。だからあえて離れることにしたんです」
「ブランシェット家は今回の件に関してはこちらが弱味を握った以上、強く出られませんから素直にその処遇を認めました。そもそもミナさんへの仕打ちはあまりに無慈悲でしたし、犯罪を教唆していたというのは由々しき事態ですから。とはいえ、ブランシェット家はこの一件の関与を決して認めず、また証拠らしい証拠もミナさんやクラリスさん達の証言のみということで、それ以上追及することができなかったのは手痛いですが」
学園長曰く、ブランシェット家は全ての蛮行をミナ一人のせいにして自分達は無実だと主張したらしい。
実際に証拠は全くなく、話を聞いていたであろう妖精達も何かしら干渉魔法をされたようで、一連の出来事を綺麗さっぱり忘れてしまったようだ。
何か物的証拠さえあればよかったものの、全て母親に言われるがままミナが実行してしまったため、ブランシェット家は疑いはあれど何も手出しができない状態であった。
「とはいえ、ミナさんがブランシェット家を出たことが彼らにとって痛手なことには違いありません。彼女があの家で最も才能があったのは間違いありませんから」
「そうなんですね」
ブランシェット家な処遇に対して納得はいかなかったが、それでもミナが彼らブランシェット家の呪縛から解き放たれたことは喜ばしい。
「ちなみに、現在彼女を養子に迎えたアーミット家は子宝に恵まれなかったものの代々法務大臣を勤めている名家です。しかも現在のアーミット家の当主であるブランドンさまは歴代当主の中で最も規律に重んじる方。ですから、さすがのブランシェット家も今後はミナさんやクラリスさんに手出しをしてこないと思いますよ」
「それは良かったです。ミナはどう? 新しい家は慣れそう?」
「えぇ。ブランドンさまは厳しいお方ではあるけれど、ちゃんと約束事さえ守ればとてもお優しいですし、奥さまのジュリアさまも私にとても気遣いしてくださっていて、こんなに甘やかされていいのかと思うくらいには以前に比べてよくしてもらってます」
「そう。それならよかった」
ミナの処遇が悪いものでなくてよかったとホッとする。
ミナ自身も以前のような刺々しさはなくなり、年相応の表情をしているのはいいことだと思った。
「え? 養子って……ミナは大丈夫なの?」
(自分が仕向けたとはいえ、あんなに依存していた母親からすぐに離れることなんてできるのだろうか)
不安になりながらミナを見つめると、彼女は苦笑したあと静かに頷いた。
「えぇ。正直、まだブランシェット家に未練がないかと聞かれたら多少はありますけど……。このままでは私だけでなく、きっとお母様にもよくないと思うから。だからあえて離れることにしたんです」
「ブランシェット家は今回の件に関してはこちらが弱味を握った以上、強く出られませんから素直にその処遇を認めました。そもそもミナさんへの仕打ちはあまりに無慈悲でしたし、犯罪を教唆していたというのは由々しき事態ですから。とはいえ、ブランシェット家はこの一件の関与を決して認めず、また証拠らしい証拠もミナさんやクラリスさん達の証言のみということで、それ以上追及することができなかったのは手痛いですが」
学園長曰く、ブランシェット家は全ての蛮行をミナ一人のせいにして自分達は無実だと主張したらしい。
実際に証拠は全くなく、話を聞いていたであろう妖精達も何かしら干渉魔法をされたようで、一連の出来事を綺麗さっぱり忘れてしまったようだ。
何か物的証拠さえあればよかったものの、全て母親に言われるがままミナが実行してしまったため、ブランシェット家は疑いはあれど何も手出しができない状態であった。
「とはいえ、ミナさんがブランシェット家を出たことが彼らにとって痛手なことには違いありません。彼女があの家で最も才能があったのは間違いありませんから」
「そうなんですね」
ブランシェット家な処遇に対して納得はいかなかったが、それでもミナが彼らブランシェット家の呪縛から解き放たれたことは喜ばしい。
「ちなみに、現在彼女を養子に迎えたアーミット家は子宝に恵まれなかったものの代々法務大臣を勤めている名家です。しかも現在のアーミット家の当主であるブランドンさまは歴代当主の中で最も規律に重んじる方。ですから、さすがのブランシェット家も今後はミナさんやクラリスさんに手出しをしてこないと思いますよ」
「それは良かったです。ミナはどう? 新しい家は慣れそう?」
「えぇ。ブランドンさまは厳しいお方ではあるけれど、ちゃんと約束事さえ守ればとてもお優しいですし、奥さまのジュリアさまも私にとても気遣いしてくださっていて、こんなに甘やかされていいのかと思うくらいには以前に比べてよくしてもらってます」
「そう。それならよかった」
ミナの処遇が悪いものでなくてよかったとホッとする。
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