前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!

鳥柄ささみ

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【番外編】愛を囁いて3

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「みんな変なところ気を遣うんだから……」

 視線をアイザックに移すと彼は未だに目を閉じたまま。
 いつになったら目を覚ますのかと思いながら、ギシッと彼が寝ている隣に座る。

(自分のベッドにアイザックが寝てるなんて、なんだか不思議な感じ)

 しかも普段見られないアイザックの寝顔が見られるというのは結構貴重だ。さらに言うなら誰もいないぶん彼を独り占めできると思うと、ちょっと嬉しい。

(こうやって見るとアイザックの寝顔って結構幼いんだなぁ……。睫毛長いし、肌綺麗だし、カッコいい)

 自分の恋人がこんなにカッコよくて素敵な人だと思うと甘酸っぱい感情が胸の奥から湧き上がってくる。
 ますます好きだなぁ、と思って無意識に「好き」という言葉が口から溢れた。

「アイザック好き。大好き」

 言葉にするとだんだんと気持ちが昂ってくる。まだ寝てるし、今なら誰にもバレないからとアイザックの頬に唇を寄せた。

 ドキドキドキドキ……

 自分の鼓動が煩いながらも吐息を殺しつつ彼の頬に唇を重ねる。触れた瞬間、愛しさが込み上げてくるのと同時に、なぜかピクリと寝ているはずのアイザックの身体が揺れた。

「え?」

 思わず声が漏れる。

(寝てるはず、よね……?)

「アイザック? 起きてるの?」

 私が耳元で呼びかけると再びピクリと動く身体。それと同時にサーッと血の気が引く。

「アイザック、もしかして……もしかしなくても、起きてる、よね?」

 彼にのしかかるようにして顔を覗き込めば、そこには顔を真っ赤にしたアイザックが。
 どうやらいつの間にか目を覚ましていた上、正気を取り戻しているらしい。

「すまない。悪気はなかったんだ」
「ちょ、ちょっと待って。いつから起きてたの……? てか、愛の妙薬を浴びてからの記憶あるの?」
「いっそ俺を殺してくれ」

(あー……、これは記憶があるパターンね)

 いつ起きたかは定かではないが、記憶はバッチリあるらしい。ということは、私に行った全ての言動を覚えているということだろう。
 アイザックは顔を腕で押さえて隠しているが、隠しきれていない耳は真っ赤なのは一目瞭然だった。
 確かに、自分が同じ経験をしたら恥ずかしくて死にたくなる気持ちはわかる。

「アイザック~」
「悪いクラリス。……幻滅したか?」

 あからさまにしょんぼりとしているアイザック。そんな叱られた犬のような姿を愛らしく思った。

「するわけないでしょ。聞いてただろうけど、私だってアイザックのこと好きなんだから」
「お、おい、クラリス!?」
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