追放された悪役令嬢は最強魔法で復讐し、隣国王子に永遠に愛される

鷹 綾

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第12話 告白と、初のキス

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第12話 告白と、初のキス

魔物大発生から三日後の夜──ノルドフォールの村は、穏やかな静けさに包まれていた。

戦いの傷跡はエメロードの魔法でほとんど癒され、壊れた家々も修復が進み、領民たちは再び希望に満ちた日常を取り戻しつつあった。

しかし、王都からの監視使者は、翌朝に到着予定だ。

その事実が、二人の心に小さな影を落としていた。

屋敷の庭で、エメロードは一人、星空を見上げていた。

銀髪が夜風に優しく揺れ、エメラルドの瞳に無数の星が映る。

レグナムが、静かに近づいてきた。

手に、二つのワイングラスを持っている。

「眠れないのか?」

低く優しい声。

エメロードは微笑んで振り返った。

「ええ、少しね。明日のことが気になるわ」

レグナムはエメロードの隣に立ち、グラスを一つ差し出した。

「隣国のワインだ。少しでも、気分が和らぐといい」

「ありがとう」

二人はグラスを軽く合わせ、小さく乾杯した。

甘く芳しいワインが、喉を優しく滑り落ちる。

しばらく、無言で星を見上げていた。

レグナムが、ぽつりと口を開いた。

「エメロード。俺は……もう、君の側を離れたくない」

エメロードの心臓が、どきりと鳴った。

「レグナム……」

レグナムはグラスを地面に置き、エメロードに向き直った。

紫の瞳が、真剣に、熱く彼女を見つめる。

「最初は、ただの恩返しだと思っていた。命を救われた借り、領地を守る手伝い──それだけのはずだった」

「でも、違う」

彼は一歩、近づいた。

「君の笑顔を見るたび、領民のために全力で戦う姿を見るたび、魔法を極めようとする強い意志を感じるたび……俺の心は、どんどん君に囚われていった」

エメロードの頰が、熱くなった。

ワインのせいではない。

レグナムの言葉が、胸の奥まで染み込んでいく。

「君は、俺にとって──かけがえのない存在だ。もう、君だけだ」

レグナムは、ゆっくりとエメロードの手を取った。

温かく、力強い手。

「エメロード。俺の側にいてくれ。ずっと、君だけを愛したい」

それは、告白だった。

はっきりとした、揺るぎない愛の言葉。

エメロードの瞳に、涙が浮かんだ。

これまで、誰も自分を本気で愛してくれたことはなかった。

カーチスはセラに心を奪われ、家族すら見放した。

しかし、この人は──隠し子王子として苦しみながらも、自分を真正面から愛してくれる。

「レグナム……私も」

エメロードは、震える声で答えた。

「あなたがいてくれて、本当に嬉しかった。戦いのときも、日常のときも……あなたの存在が、私の支えだった」

「私も、あなたの側にいたい。ずっと」

二人は、互いの瞳を見つめ合った。

距離が、ゆっくりと縮まる。

レグナムの大きな手が、エメロードの頰に優しく触れる。

銀髪をそっとかき上げ、額に軽く唇を寄せる。

そして、ゆっくりと──唇が重なった。

柔らかく、温かく、甘いキス。

初めての、両想いのキス。

星空の下、夜風が二人の髪を優しく撫でる。

時間は、止まったように感じられた。

唇が離れると、二人は額を寄せ合い、微笑んだ。

レグナムの声が、耳元で囁く。

「愛してる、エメロード」

「私も……愛してる、レグナム」

二人は再びキスを交わし、今度は少し深く、長く。

手が絡み合い、体が寄り添う。

甘い、甘い時間。

庭の花々が、まるで祝福するように香りを放つ。

やがて、二人は手を繋いで屋敷に戻った。

廊下で、リアナが遠くから見て、にっこり微笑んでいた。

「お嬢様……よかったです」

部屋に戻る前に、レグナムがエメロードを抱きしめた。

「明日、王都の使者が来ても、俺が守る。何があっても、君を離さない」

エメロードはレグナムの胸に顔を埋め、頷いた。

「ええ。一緒に、乗り越えましょう」

その夜、二人はそれぞれの部屋で眠りについた。

しかし、心は繋がっていた。

夢の中でも、互いの温もりを感じながら。

翌朝──監視使者が到着する。

だが、二人はもう怖くない。

両想いが確定した今、最強の絆が生まれた。

溺愛は、ここから本格的に始まる。

レグナムは心の中で誓った。

(この女性を、永遠に愛し、守り続ける)

エメロードも、同じく思っていた。

(この人と一緒なら、どんな復讐も、どんな未来も──怖くない)

辺境の小さな領地で、最強カップルの愛が花開いた。
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