11 / 30
第11話 魔物大発生と、協力の絆
しおりを挟む
第11話 魔物大発生と、協力の絆
ノルドフォールの空が、突然暗くなった。
朝の陽光が雲に覆われ、村全体に不気味な静寂が訪れた。鳥のさえずりが止み、風が重く感じられる。
エメロードは屋敷の屋根に立ち、北の森を睨んでいた。
「これは……ただの魔物じゃないわ」
レグナムが剣を手に、彼女の隣に立った。
「ああ。魔力の歪みが強すぎる。まるで、何かが意図的に引き起こしているようだ」
二人はすぐに村の広場へ向かった。
領民たちが不安げに集まっている。
「領主様! 森から変な音が……!」
「地面が、微かに揺れてるんです!」
エメロードは皆を落ち着かせ、声を張り上げた。
「みんな、落ち着いて! 屋敷の地下倉庫か、頑丈な家に避難して。子供とお年寄りを優先して!」
リアナが率先して避難を誘導し始める。
そのとき、北の森から──地鳴りのような音が響いた。
木々が倒れ、黒い影が大量に湧き出してくる。
ゴブリン、魔狼、オーク、そして上空を飛ぶワイバーン。
数百を超える大群。
しかも、普通の魔物ではない。目が赤く輝き、動きが統率されている。
「これは……魔王級の召喚陣の残滓か、あるいは──」
エメロードは歯噛みした。
王都からの干渉か? それとも、セラの転生チートの影響か?
考える暇はなかった。
レグナムが剣を構え、静かに言った。
「エメロード、俺が前衛を張る。君は後ろから魔法で援護してくれ」
「わかった。でも、無理はしないで」
二人は広場の前に立ち、領民を守る盾となった。
魔物たちが、咆哮を上げて突進してくる。
戦いが始まった。
レグナムは剣を閃かせ、一度に数匹を斬り伏せる。
流れるような剣舞でオークの斧を弾き、魔狼の喉を貫く。
しかし、数が多すぎる。
背後からゴブリンが回り込もうとするのを、エメロードが闇の触手で拘束し、粉砕した。
「影の楔!」
黒い杭が地面から突き出し、魔物を串刺しにする。
さらに、召喚魔法を発動。
「来て──影狼の群れ!」
巨大な影狼が五匹現れ、魔物たちに襲いかかる。
治癒魔法でレグナムの傷を即座に癒しつつ、エメロードは上空のワイバーンに闇の矢を放つ。
ワイバーンが悲鳴を上げ、墜落する。
二人の連携は、完璧だった。
レグナムが前線を押し、隙を作り、エメロードが広範囲魔法で一掃する。
領民たちは避難しながらも、遠くからその戦いを見守っていた。
「領主様とレグナム様……すごい!」
「まるで、神話の英雄みたいだ!」
しかし、魔物の数は減らない。
森の奥から、さらに湧き出してくる。
エメロードは息を整え、レグナムに声をかけた。
「このままじゃ、きりがない! 発生源を叩かないと!」
レグナムが頷く。
「俺が道を開く。一緒に来てくれ!」
二人は背中合わせで森へ突入した。
レグナムが剣で魔物を薙ぎ払い、エメロードが闇魔法で道を確保する。
森の奥深く、古い廃墟のさらに奥──巨大な裂け目のようなものが開いていた。
そこから、黒い魔力が噴き出し、魔物を生み出している。
「これは……異界の門! 誰かが、意図的に開いたわ!」
エメロードの瞳が怒りに燃える。
レグナムが剣を握りしめた。
「閉じられるか?」
「ええ。でも、時間がかかる。あなた、守って」
レグナムは微笑み、エメロードの前に立った。
「任せろ。どんな魔物が来ようと、君には指一本触れさせない」
エメロードは頷き、複雑な魔法陣を地面に描き始めた。
禁呪級の封印魔法。
前世の知識を総動員し、異界の門を閉じる呪文を唱える。
その間、レグナムは一人で魔物の大群と対峙した。
剣が閃き、血と黒い霧が舞う。
オークの巨体を斬り裂き、ワイバーンの翼を切り落とす。
傷を負いながらも、決して後退しない。
エメロードはちらりとレグナムを見て、心が熱くなった。
(この人が……私のために、命を賭けてくれている)
呪文が佳境に入る。
魔力が渦を巻き、門が収縮し始める。
最後の魔物が、レグナムに襲いかかる。
巨大なオークキング。
レグナムは剣で受け止めるが、衝撃で膝をつく。
「レグナム!」
エメロードは咄嗟に闇の触手を伸ばし、オークキングを拘束。
レグナムが立ち上がり、渾身の一撃で首を刎ねる。
門が、完全に閉じた。
魔物の湧出が止まり、残った魔物は影狼たちが片付けた。
戦いが終わった。
二人は、息を荒げながら向き合った。
レグナムの腕に、深い傷。
エメロードはすぐに治癒魔法をかけ、光で傷を癒す。
「ありがとう……本当に、守ってくれて」
レグナムは優しく微笑み、エメロードの頰に触れた。
「当然だ。君は、俺の大切な人だから」
エメロードの頰が、赤く染まる。
村に戻ると、領民たちが涙ながらに二人を迎えた。
「領主様! レグナム様! ありがとうございます!」
「村が、守られた……!」
その夜、屋敷で再び宴が開かれた。
疲れ果てた体を癒す、温かな食事。
レグナムとエメロードは、並んで座り、領民たちに囲まれていた。
子供がエメロードに花冠をプレゼントし、レグナムに木彫りの剣を渡す。
二人は笑顔で受け取った。
宴の後、屋敷の庭で二人きりになった。
星空の下、静かな夜。
レグナムが、エメロードの手を取った。
「今日、君の魔法を間近で見て、改めて思った。君は本当に強い。だが、強すぎるからこそ──俺が側にいたい」
エメロードはレグナムの瞳を見つめた。
「私も……あなたがいなかったら、今日の戦いは勝てなかった」
レグナムが、ゆっくりと顔を近づける。
「エメロード。俺は、もう君から離れられない」
二人の唇が、触れそうになる。
しかし──その瞬間、遠くから馬の蹄の音。
王都からの監視使者が、予定より早く到着したようだ。
二人は顔を見合わせ、静かに頷いた。
「来るなら、来なさい」
協力の絆は、ますます深まった。
魔物大発生を乗り越え、二人はより強く結ばわれた。
溺愛は、加速していく。
ノルドフォールの空が、突然暗くなった。
朝の陽光が雲に覆われ、村全体に不気味な静寂が訪れた。鳥のさえずりが止み、風が重く感じられる。
エメロードは屋敷の屋根に立ち、北の森を睨んでいた。
「これは……ただの魔物じゃないわ」
レグナムが剣を手に、彼女の隣に立った。
「ああ。魔力の歪みが強すぎる。まるで、何かが意図的に引き起こしているようだ」
二人はすぐに村の広場へ向かった。
領民たちが不安げに集まっている。
「領主様! 森から変な音が……!」
「地面が、微かに揺れてるんです!」
エメロードは皆を落ち着かせ、声を張り上げた。
「みんな、落ち着いて! 屋敷の地下倉庫か、頑丈な家に避難して。子供とお年寄りを優先して!」
リアナが率先して避難を誘導し始める。
そのとき、北の森から──地鳴りのような音が響いた。
木々が倒れ、黒い影が大量に湧き出してくる。
ゴブリン、魔狼、オーク、そして上空を飛ぶワイバーン。
数百を超える大群。
しかも、普通の魔物ではない。目が赤く輝き、動きが統率されている。
「これは……魔王級の召喚陣の残滓か、あるいは──」
エメロードは歯噛みした。
王都からの干渉か? それとも、セラの転生チートの影響か?
考える暇はなかった。
レグナムが剣を構え、静かに言った。
「エメロード、俺が前衛を張る。君は後ろから魔法で援護してくれ」
「わかった。でも、無理はしないで」
二人は広場の前に立ち、領民を守る盾となった。
魔物たちが、咆哮を上げて突進してくる。
戦いが始まった。
レグナムは剣を閃かせ、一度に数匹を斬り伏せる。
流れるような剣舞でオークの斧を弾き、魔狼の喉を貫く。
しかし、数が多すぎる。
背後からゴブリンが回り込もうとするのを、エメロードが闇の触手で拘束し、粉砕した。
「影の楔!」
黒い杭が地面から突き出し、魔物を串刺しにする。
さらに、召喚魔法を発動。
「来て──影狼の群れ!」
巨大な影狼が五匹現れ、魔物たちに襲いかかる。
治癒魔法でレグナムの傷を即座に癒しつつ、エメロードは上空のワイバーンに闇の矢を放つ。
ワイバーンが悲鳴を上げ、墜落する。
二人の連携は、完璧だった。
レグナムが前線を押し、隙を作り、エメロードが広範囲魔法で一掃する。
領民たちは避難しながらも、遠くからその戦いを見守っていた。
「領主様とレグナム様……すごい!」
「まるで、神話の英雄みたいだ!」
しかし、魔物の数は減らない。
森の奥から、さらに湧き出してくる。
エメロードは息を整え、レグナムに声をかけた。
「このままじゃ、きりがない! 発生源を叩かないと!」
レグナムが頷く。
「俺が道を開く。一緒に来てくれ!」
二人は背中合わせで森へ突入した。
レグナムが剣で魔物を薙ぎ払い、エメロードが闇魔法で道を確保する。
森の奥深く、古い廃墟のさらに奥──巨大な裂け目のようなものが開いていた。
そこから、黒い魔力が噴き出し、魔物を生み出している。
「これは……異界の門! 誰かが、意図的に開いたわ!」
エメロードの瞳が怒りに燃える。
レグナムが剣を握りしめた。
「閉じられるか?」
「ええ。でも、時間がかかる。あなた、守って」
レグナムは微笑み、エメロードの前に立った。
「任せろ。どんな魔物が来ようと、君には指一本触れさせない」
エメロードは頷き、複雑な魔法陣を地面に描き始めた。
禁呪級の封印魔法。
前世の知識を総動員し、異界の門を閉じる呪文を唱える。
その間、レグナムは一人で魔物の大群と対峙した。
剣が閃き、血と黒い霧が舞う。
オークの巨体を斬り裂き、ワイバーンの翼を切り落とす。
傷を負いながらも、決して後退しない。
エメロードはちらりとレグナムを見て、心が熱くなった。
(この人が……私のために、命を賭けてくれている)
呪文が佳境に入る。
魔力が渦を巻き、門が収縮し始める。
最後の魔物が、レグナムに襲いかかる。
巨大なオークキング。
レグナムは剣で受け止めるが、衝撃で膝をつく。
「レグナム!」
エメロードは咄嗟に闇の触手を伸ばし、オークキングを拘束。
レグナムが立ち上がり、渾身の一撃で首を刎ねる。
門が、完全に閉じた。
魔物の湧出が止まり、残った魔物は影狼たちが片付けた。
戦いが終わった。
二人は、息を荒げながら向き合った。
レグナムの腕に、深い傷。
エメロードはすぐに治癒魔法をかけ、光で傷を癒す。
「ありがとう……本当に、守ってくれて」
レグナムは優しく微笑み、エメロードの頰に触れた。
「当然だ。君は、俺の大切な人だから」
エメロードの頰が、赤く染まる。
村に戻ると、領民たちが涙ながらに二人を迎えた。
「領主様! レグナム様! ありがとうございます!」
「村が、守られた……!」
その夜、屋敷で再び宴が開かれた。
疲れ果てた体を癒す、温かな食事。
レグナムとエメロードは、並んで座り、領民たちに囲まれていた。
子供がエメロードに花冠をプレゼントし、レグナムに木彫りの剣を渡す。
二人は笑顔で受け取った。
宴の後、屋敷の庭で二人きりになった。
星空の下、静かな夜。
レグナムが、エメロードの手を取った。
「今日、君の魔法を間近で見て、改めて思った。君は本当に強い。だが、強すぎるからこそ──俺が側にいたい」
エメロードはレグナムの瞳を見つめた。
「私も……あなたがいなかったら、今日の戦いは勝てなかった」
レグナムが、ゆっくりと顔を近づける。
「エメロード。俺は、もう君から離れられない」
二人の唇が、触れそうになる。
しかし──その瞬間、遠くから馬の蹄の音。
王都からの監視使者が、予定より早く到着したようだ。
二人は顔を見合わせ、静かに頷いた。
「来るなら、来なさい」
協力の絆は、ますます深まった。
魔物大発生を乗り越え、二人はより強く結ばわれた。
溺愛は、加速していく。
22
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたので頑張るのをやめました 〜昼寝と紅茶だけの公爵令嬢なのに、なぜか全部うまくいきます〜あ
鍛高譚
恋愛
王太子から婚約破棄された衝撃で階段から落ちた公爵令嬢シャル・ド・ネ・アルベール。
目覚めた彼女は、なんと前世の記憶——ブラック企業で働き詰めだったOL・佐伯ゆかりとしての人生を思い出してしまう。
無理して働いた末に過労死した前世の反省から、シャルは決意する。
「もう頑張らない。今度の人生は“好き”と“昼寝”だけで満たしますわ!」
貴族としての特権をフル活用し、ワイン造りやスイーツ作りなど“趣味”の延長でゆるゆる領地改革。
気づけば国王にも称賛され、周囲の評価はうなぎのぼり!?
一方、彼女を見下していた王太子と“真実の愛()”の令嬢は社交界で大炎上。
誰もざまぁされろなんて言ってないのに……勝手に転がり落ちていく元関係者たち。
本人はただ紅茶とスコーンを楽しんでいるだけなのに――
そんな“努力しない系”令嬢が、理想の白い結婚相手と出会い、
甘くてふわふわ、そしてちょっぴり痛快な自由ライフを満喫する
ざまぁ(他力本願)×スローライフ×ちょっと恋愛な物語です♪
婚約破棄の慰謝料として『王国の半分』を要求したら、本当にくれたので、今日から私があなたの女王様です
唯崎りいち
恋愛
婚約破棄の慰謝料に
「王国の半分」を要求したら、
ゴミみたいな土地を押し付けられた。
ならば――関所を作りまくって
王子を経済的に詰ませることにした。
支配目当ての女王による、
愛なき(?)完全勝利の記録。
「貧相な小娘」と罵った第一王子へ。番(つがい)は貴方ではなく、国王陛下(お父様)でした
しえろ あい
恋愛
「お父様、わたくし、あの方と目が合った瞬間、分かってしまったのです」
十六歳のデビュタントの夜、ルーセント侯爵令嬢フェリシアを待っていたのは、残酷な罵倒だった。第一王子カシウスは、可憐な白いドレスを纏った彼女を「貧相な小娘」と呼び、己の番(つがい)であることを真っ向から否定する。
会場に響く冷笑と、愛用の刺繍に込めた自信さえ打ち砕くような屈辱。しかし、絶望の淵に立たされた彼女を見つめていたのは、王子ではなく、圧倒的な威厳を放つ「ある男」だった。
魂を焦がすような熱い視線が重なり、静まり返る謁見の間。この出会いが、王室を揺るがす大事件の幕開けになるとは、まだ誰も知らない。自身の価値を否定された少女が、真実の愛によって世界で最も幸福な王妃へと駆け上がる、逆転溺愛ストーリー。
※小説家になろう様にも投稿しています※
『婚約破棄されたので北の港を発展させたら
ふわふわ
恋愛
王立学園の卒業舞踏会。
公爵令嬢アリアベルは、王太子カルディオンから突然の婚約破棄を告げられる。
「真実の愛を見つけた」
そう言って王太子が選んだのは、涙を流す義妹ヴィオレッタだった。
王都から追い出され、すべてを失った――
はずだった。
アリアベルが向かったのは、王国の北にある小さな港町。
しかし彼女の手腕によって港は急速に発展し、やがて王国最大の交易港へと変わっていく。
一方その頃、王太子と義妹は王都で好き勝手に振る舞っていたが――
やがてすべてが崩れ始める。
王太子は国外追放。
義妹は社交界から追放され修道院送り。
そして気づいた頃には、北の港こそが王国の中心になっていた。
「私はもう誰のものでもありません」
これは、婚約破棄された令嬢が自分の人生を取り戻し、
王国の未来を変えていく物語。
そして――
彼女の隣には、いつしか新しい王太子の姿があった。
婚約破棄から始まる、逆転ざまぁロマンス。✨
白い結婚で結構ですわ。愛人持ちの夫に興味はありません
鍛高譚
恋愛
公爵令嬢ルチアーナは、王太子アルベルトとの政略結婚を命じられた。だが彼にはすでに愛する女性がいた。そこでルチアーナは、夫婦の義務を果たさない“白い結婚”を提案し、お互いに干渉しない関係を築くことに成功する。
「夫婦としての役目を求めないでくださいませ。その代わり、わたくしも自由にさせていただきますわ」
そうして始まった王太子妃としての優雅な生活。社交界では完璧な妃を演じつつ、裏では趣味の読書やお茶会を存分に楽しみ、面倒ごととは距離を置くつもりだった。
——だが、夫は次第にルチアーナを気にし始める。
「最近、おまえが気になるんだ」
「もっと夫婦としての時間を持たないか?」
今さらそんなことを言われても、もう遅いのですわ。
愛人を優先しておいて、後になって本妻に興味を持つなんて、そんな都合の良い話はお断り。
わたくしは、自由を守るために、今日も紅茶を嗜みながら優雅に過ごしますわ——。
政略結婚から始まる痛快ざまぁ! 夫の後悔なんて知りませんわ
“白い結婚”を謳歌する令嬢の、自由気ままなラブ&ざまぁストーリー!
「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」
歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。
「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは
泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析
能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り
続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。
婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」
婚約破棄は了承済みですので、慰謝料だけ置いていってください
鍛高譚
恋愛
公爵令嬢アナスタシア・オルステッドは、第三王子アレンの婚約者だった。
しかし、アレンは没落貴族の令嬢カリーナと密かに関係を持っていたことが発覚し、彼女を愛していると宣言。アナスタシアとの婚約破棄を告げるが──
「わかりました。でも、それには及びません。すでに婚約は破棄されております」
なんとアナスタシアは、事前に国王へ婚約破棄を申し出ており、すでに了承されていたのだ。
さらに、慰謝料もしっかりと請求済み。
「どうぞご自由に、カリーナ様とご婚約なさってください。でも、慰謝料のお支払いはお忘れなく」
驚愕するアレンを後にし、悠々と去るアナスタシア。
ところが数カ月後、生活に困窮したアレンが、再び彼女のもとへ婚約のやり直しを申し出る。
「呆れたお方ですね。そんな都合のいい話、お受けするわけがないでしょう?」
かつての婚約者の末路に興味もなく、アナスタシアは公爵家の跡取りとして堂々と日々を過ごす。
しかし、王国には彼女を取り巻く新たな陰謀の影が忍び寄っていた。
暗躍する謎の勢力、消える手紙、そして不審な襲撃──。
そんな中、王国軍の若きエリート将校ガブリエルと出会い、アナスタシアは自らの運命に立ち向かう決意を固める。
「私はもう、誰かに振り回されるつもりはありません。この王国の未来も、私自身の未来も、私の手で切り拓きます」
婚約破棄を経て、さらに強く、賢くなった公爵令嬢の痛快ざまぁストーリー!
自らの誇りを貫き、王国を揺るがす陰謀を暴く彼女の華麗なる活躍をお楽しみください。
夫に捨てられた私は冷酷公爵と再婚しました
香木陽灯
恋愛
伯爵夫人のマリアーヌは「夜を共に過ごす気にならない」と突然夫に告げられ、わずか五ヶ月で離縁することとなる。
これまで女癖の悪い夫に何度も不倫されても、役立たずと貶されても、文句ひとつ言わず彼を支えてきた。だがその苦労は報われることはなかった。
実家に帰っても父から不当な扱いを受けるマリアーヌ。気分転換に繰り出した街で倒れていた貴族の男性と出会い、彼を助ける。
「離縁したばかり? それは相手の見る目がなかっただけだ。良かったじゃないか。君はもう自由だ」
「自由……」
もう自由なのだとマリアーヌが気づいた矢先、両親と元夫の策略によって再婚を強いられる。相手は婚約者が逃げ出すことで有名な冷酷公爵だった。
ところが冷酷公爵と会ってみると、以前助けた男性だったのだ。
再婚を受け入れたマリアーヌは、公爵と少しずつ仲良くなっていく。
ところが公爵は王命を受け内密に仕事をしているようで……。
一方の元夫は、財政難に陥っていた。
「頼む、助けてくれ! お前は俺に恩があるだろう?」
元夫の悲痛な叫びに、マリアーヌはにっこりと微笑んだ。
「なぜかしら? 貴方を助ける気になりませんの」
※ふんわり設定です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる