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第23話 選択の迫られる王宮
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第23話 選択の迫られる王宮
王宮・非公式会議室。
そこに集められたのは、
国王、老宰相、数名の重臣――
そして、アルトゥーラ・レグナードだった。
「……本日の議題は一つ」
老宰相が、淡々と切り出す。
「王太子妃候補の件です」
アルトゥーラの指先が、
わずかに動いた。
「現在の状況では、
公的な場において
“補佐役”を果たすことが難しい」
誰も、
アウルスの名を口にしない。
だが、
誰のことかは明白だった。
「よって――」
老宰相は、
一呼吸置く。
「王宮としては、
対応を見直す必要があると判断しました」
それは、
命令ではない。
“現実”だった。
---
「……つまり」
アルトゥーラは、
低い声で言った。
「俺に、
決めろということか」
「はい」
国王が、
静かに頷く。
「これは、
王国の問題であり、
同時に――」
視線が、
息子へ向けられる。
「お前自身の問題だ」
重い沈黙。
---
アルトゥーラの脳裏に、
二つの姿が浮かぶ。
一人は、
何も求めず、
笑顔だけを向けてくる少女。
もう一人は、
常に一歩先を見据え、
何も言わずに支え続けた令嬢。
(……俺は)
楽な方を選んだ。
責任を感じなくていい方。
劣等感を刺激されない方。
だが――
(王太子として、
選ぶべきだったのは……)
答えは、
最初から分かっていた。
だが、
もう“戻る”という選択肢はない。
---
「……少し、
時間をくれ」
アルトゥーラは、
それだけ言った。
「明日まででよろしい」
老宰相は、
淡々と告げる。
「それ以上は、
国政に支障が出ます」
期限付きの選択。
それが、
最後の猶予だった。
---
その夜。
王宮の一室で、
アウルス・セナートは
一人、膝を抱えていた。
(……私、
いらないのかな)
誰も責めていない。
誰も怒っていない。
だからこそ、
胸に刺さる。
彼女は、
何も悪いことをしていない。
ただ――
“役割が合わなかった”。
それだけだ。
---
一方、アンクレイブ公爵領。
エミーラは、
静かな夜を過ごしていた。
暖かな灯り。
規則正しい時間。
(……遠い話ですわね)
王都で何が起きていようと、
ここでの役割は変わらない。
それが、
彼女にとっての答えだった。
---
王宮では。
アルトゥーラが、
一人、窓の外を見つめていた。
(……選択、か)
何かを守る選択は、
何かを失う選択でもある。
だが彼は、
すでに一度、
最も大切なものを失っている。
そして今――
王宮は、
彼に“最後の選択”を突きつけていた。
---
王宮・非公式会議室。
そこに集められたのは、
国王、老宰相、数名の重臣――
そして、アルトゥーラ・レグナードだった。
「……本日の議題は一つ」
老宰相が、淡々と切り出す。
「王太子妃候補の件です」
アルトゥーラの指先が、
わずかに動いた。
「現在の状況では、
公的な場において
“補佐役”を果たすことが難しい」
誰も、
アウルスの名を口にしない。
だが、
誰のことかは明白だった。
「よって――」
老宰相は、
一呼吸置く。
「王宮としては、
対応を見直す必要があると判断しました」
それは、
命令ではない。
“現実”だった。
---
「……つまり」
アルトゥーラは、
低い声で言った。
「俺に、
決めろということか」
「はい」
国王が、
静かに頷く。
「これは、
王国の問題であり、
同時に――」
視線が、
息子へ向けられる。
「お前自身の問題だ」
重い沈黙。
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アルトゥーラの脳裏に、
二つの姿が浮かぶ。
一人は、
何も求めず、
笑顔だけを向けてくる少女。
もう一人は、
常に一歩先を見据え、
何も言わずに支え続けた令嬢。
(……俺は)
楽な方を選んだ。
責任を感じなくていい方。
劣等感を刺激されない方。
だが――
(王太子として、
選ぶべきだったのは……)
答えは、
最初から分かっていた。
だが、
もう“戻る”という選択肢はない。
---
「……少し、
時間をくれ」
アルトゥーラは、
それだけ言った。
「明日まででよろしい」
老宰相は、
淡々と告げる。
「それ以上は、
国政に支障が出ます」
期限付きの選択。
それが、
最後の猶予だった。
---
その夜。
王宮の一室で、
アウルス・セナートは
一人、膝を抱えていた。
(……私、
いらないのかな)
誰も責めていない。
誰も怒っていない。
だからこそ、
胸に刺さる。
彼女は、
何も悪いことをしていない。
ただ――
“役割が合わなかった”。
それだけだ。
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一方、アンクレイブ公爵領。
エミーラは、
静かな夜を過ごしていた。
暖かな灯り。
規則正しい時間。
(……遠い話ですわね)
王都で何が起きていようと、
ここでの役割は変わらない。
それが、
彼女にとっての答えだった。
---
王宮では。
アルトゥーラが、
一人、窓の外を見つめていた。
(……選択、か)
何かを守る選択は、
何かを失う選択でもある。
だが彼は、
すでに一度、
最も大切なものを失っている。
そして今――
王宮は、
彼に“最後の選択”を突きつけていた。
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