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第二十三話 信任の名のもとに
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第二十三話 信任の名のもとに
王宮の円卓会議室。
重厚な扉が閉じられ、限られた貴族のみが席に着いている。
中央に座るのは国王。
その左右に、宰相、軍務卿、財務卿。
そして、王太子レオンハルト。
空気は静まり返っていた。
「本日の議題は一つ」
国王の声が響く。
「王太子の信任について」
その一言で、室内の空気が凍る。
レオンハルトは顔色を変えない。
だが、指先がわずかに強張る。
「婚約破棄に伴う一連の混乱」
財務卿が口を開く。
「王庫の逼迫、商会の動揺、優遇措置の再契約」
「結果として港は回復しております」
レオンハルトが静かに返す。
「しかし代償は大きい」
軍務卿が低く言う。
「軍備予算の一部凍結は事実」
「一時的措置だ」
「王太子の判断で起きた事態でもある」
言葉は冷静。
だが、圧力は明確だ。
「信任投票を行うべきかと」
宰相の提案。
レオンハルトの胸に、鈍い衝撃が走る。
廃嫡ではない。
だが、信任。
王太子として相応しいかを問う。
「父上」
「感情ではない」
国王の声は静かだ。
「王家は結果で評価される」
沈黙が落ちる。
「私は国を守った」
レオンハルトは言う。
「港は回復し、契約は再締結された」
「その代償は」
「私が背負う」
「王家全体が背負っている」
財務卿の指摘。
重い。
だが、事実。
一方、王宮の別室。
ミレイナは、円卓会議の話を耳にしていた。
「信任……?」
侍女が頷く。
「貴族の間で、正式に議題となったと」
足元が揺れる感覚。
自分が原因だとは言われていない。
だが、否定もできない。
「わたくしがいなければ」
呟く。
選ばれなければ。
婚約破棄がなければ。
王庫も揺れなかった。
夜、レオンハルトが戻る。
「本当なの?」
「何が」
「信任の話」
沈黙。
「議題にはなった」
「……」
「だが、即決ではない」
それでも十分だ。
疑われている。
王太子として。
「わたくしが」
「関係ない」
強く言う。
「私の判断だ」
「でも」
「戻らない」
その言葉は、自分への呪いのようだった。
公爵邸。
アルドリックは報告を受け、目を細める。
「信任か」
「王家内部の話でございます」
「介入は」
「不要」
静かな判断。
「我々は契約を守っただけ」
だが、その結果が王家内部を揺らしている。
夜の王都。
噂は早い。
「王太子が信任を問われるらしい」
「公爵家の件が響いたな」
「次期王妃はどうなる」
四面楚歌は形を変える。
外からの包囲ではない。
王宮内部からの審判。
レオンハルトは執務室で一人、窓の外を見つめる。
愛を選んだ。
後悔はしない。
だが、王太子としての立場が揺らぐなら。
「……守れるか」
呟きは、夜に溶ける。
清算は終わった。
だが、次は信任。
そして、その結果次第で、王家の未来が決まる。
王宮の円卓会議室。
重厚な扉が閉じられ、限られた貴族のみが席に着いている。
中央に座るのは国王。
その左右に、宰相、軍務卿、財務卿。
そして、王太子レオンハルト。
空気は静まり返っていた。
「本日の議題は一つ」
国王の声が響く。
「王太子の信任について」
その一言で、室内の空気が凍る。
レオンハルトは顔色を変えない。
だが、指先がわずかに強張る。
「婚約破棄に伴う一連の混乱」
財務卿が口を開く。
「王庫の逼迫、商会の動揺、優遇措置の再契約」
「結果として港は回復しております」
レオンハルトが静かに返す。
「しかし代償は大きい」
軍務卿が低く言う。
「軍備予算の一部凍結は事実」
「一時的措置だ」
「王太子の判断で起きた事態でもある」
言葉は冷静。
だが、圧力は明確だ。
「信任投票を行うべきかと」
宰相の提案。
レオンハルトの胸に、鈍い衝撃が走る。
廃嫡ではない。
だが、信任。
王太子として相応しいかを問う。
「父上」
「感情ではない」
国王の声は静かだ。
「王家は結果で評価される」
沈黙が落ちる。
「私は国を守った」
レオンハルトは言う。
「港は回復し、契約は再締結された」
「その代償は」
「私が背負う」
「王家全体が背負っている」
財務卿の指摘。
重い。
だが、事実。
一方、王宮の別室。
ミレイナは、円卓会議の話を耳にしていた。
「信任……?」
侍女が頷く。
「貴族の間で、正式に議題となったと」
足元が揺れる感覚。
自分が原因だとは言われていない。
だが、否定もできない。
「わたくしがいなければ」
呟く。
選ばれなければ。
婚約破棄がなければ。
王庫も揺れなかった。
夜、レオンハルトが戻る。
「本当なの?」
「何が」
「信任の話」
沈黙。
「議題にはなった」
「……」
「だが、即決ではない」
それでも十分だ。
疑われている。
王太子として。
「わたくしが」
「関係ない」
強く言う。
「私の判断だ」
「でも」
「戻らない」
その言葉は、自分への呪いのようだった。
公爵邸。
アルドリックは報告を受け、目を細める。
「信任か」
「王家内部の話でございます」
「介入は」
「不要」
静かな判断。
「我々は契約を守っただけ」
だが、その結果が王家内部を揺らしている。
夜の王都。
噂は早い。
「王太子が信任を問われるらしい」
「公爵家の件が響いたな」
「次期王妃はどうなる」
四面楚歌は形を変える。
外からの包囲ではない。
王宮内部からの審判。
レオンハルトは執務室で一人、窓の外を見つめる。
愛を選んだ。
後悔はしない。
だが、王太子としての立場が揺らぐなら。
「……守れるか」
呟きは、夜に溶ける。
清算は終わった。
だが、次は信任。
そして、その結果次第で、王家の未来が決まる。
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