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30 お茶会
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「わたくし、今年、第2学園に入学しますわ!」
とある王女の一言を発端に、王宮が揉めていた。
正確には、王宮、貴族、学園をまたいで問題勃発だ。
「わたくしは、ルリ姉さまと同じ第2学園に行きますの。
他は認めませんの!」
事の発端はミリアーヌのわがまま。
そう、あまりの展開にルリがスルーしていた「ルリ姉さま」。
事件以来、ミリアーヌの想いはルリひとすじだった。
今のミリアーヌにとって、ルリは誰よりも一緒に居たいと思える相手なのだ。
(本当は子爵令嬢なのに身を隠して冒険者として生きる……?
なんて勇猛果敢なの? なんて美麗なの?)
ルリの姿は、ミリアーヌの理想の女性像に映っていた。
通常、学園には12歳で入学する。
だからと言って、10歳のミリアーヌが入学できない訳ではない。
実際、若く才能を現した貴族が入学することもある。
既に試験は終わっているが、一貴族のわがまま程度であれば、学園に話を通せばどうにかなる。
しかし王女となると話が別だ。
そもそも王族であれば第1学園だ。第2学園に入学した例は歴史上一度もない。
幼少の頃からわがまま、いや、やんちゃに育ったミリアーヌは、自分の発言がどういった影響をもたらすのか分かっていない。
王女との親睦を深めるべく学園入学の準備をしていた貴族たちにとっては、たまったものではなかった。
王女の突然の入学宣言に、多くの貴族が右往左往させられる事となっていた。
当の本人は、第2学園入学のつもりでノリノリだ。
(ルリ姉さまと同じ学園、同じ教室、同じ部屋、同じベッド……)
想像だけがどんどんと膨らんでいくのであった。
幾分、妄想が膨らみ過ぎではあるが……。
「明日はルリ姉さまとお会いできるかな?」
ミリアーヌは、幸せだった。
それから数日。
すでに学園入学まで2週間となっている。
ミリアーヌの暴走など露知らず、ルリはメルン亭で平常運転だ。
「いらっしゃいませ、こちらのお席にどうぞ」
訪れたのは、深い帽子で顔を隠した王妃ヘンリエッタとミリアーヌ。
お忍びと分かっているので余計な事は言わない。
「今日のおすすめを2つくださいな。それと、これを……」
小さな紙きれを渡される。いつものサインだ。
『30分後、店前にて』
メモを確認し、店長に中抜けの許可を取る。
店の前で待っていると、メルヴィンが通りかかった。
「やぁルリさん、お店の前でどうしたの?」
「あ、いえ……」
答えに詰まっていると、オレンジ色の髪が鮮やかな、ルリと同い年くらいの少女が目に入る。
「そうだ、紹介するよ、娘のメアリーだ。
実は試験に合格できてね。来月からは第2学園の同級生だよ。仲良くしてくれ」
「え? 娘さん? ……メアリーさん、よろしくお願いします!」
「ルリさん、こちらこそ。父がお世話になっています」
父とは似ても似つかない、かわいいメアリーがはにかんでいる。
そこに、王妃ヘンリエッタとミリアーヌが食事を終えて合流してきた。
「ルリ姉さま、お待たせ。今日はどこに行きましょうか?」
既に目ぼしいお店は行きつくしているが、これもいつもの会話である。
メルヴィンとメアリーは、突然店から出てきた二人を見て不思議そうな顔をしている。
ヘンリエッタが隣の2人に気付き、向き直した。
「あら、ルリさんのお知り合いでしょうか。
はじめまして。私はヘンリエッタ。国王の妻をしておりますわ」
……メルヴィンとメアリーが腰を抜かした。
「「おおお、王妃様ぁ???」」
「第三王女のミリアーヌですわ!」
「「……」」
王妃と王女の登場に言葉を無くすが、メルヴィンが何とか起動する。
「め、め、め、メルヴィンと申します。商会を営んでいる商人です。
こ、こっちは娘のメアリーでご、ございます……」
「あら、メルン亭のオーナーの? 今日も美味しくいただきましたわ。
いつもありがとうね」
王妃に礼を言われるなど、平民にはあり得ない出来事だ。
メルヴィンは光栄すぎて涙を流している。
「あ、あ、ありがとうございますぅぅぅぅ」
メルヴィンは深く頭を下げた……。
「これこれ、メルヴィンさん、今はお忍び。頭を上げてくださいな。
ところでメアリーちゃん、私達これからスィーツを食べに行くのですけど、ご一緒にいかがかしら?」
「え? えぇぇ? はい。もちろんでございます……」
当然、拒否権なんてない。
スィーツを食べながら、ひとつ決定したことがあった。
王宮でのお茶会だ。
参加者はミリアーヌとルリ、メアリーの3人。
同世代で仲良くしようという事で、3日後に決まった。
そして3日後、ルリとメアリーは王宮に来ていた。
2人とも完全武装。
メルヴィン商会のチカラを結集した、最高の装いだ。
貴族令嬢と言っても、だれも疑わないだろう。
顔見知りになりつつある衛兵に挨拶し、王宮の中に入る。
メイドのプリシラが出迎えてくれた。
「ルリ様、メアリー様。こちらへどうぞ」
中庭に通されると、かわいいテーブルに椅子が三つ並んでいる。
ミリアーヌが遅れて席につきお茶会が始まった。
「「「美味しい」」」
本当に美味しかった。
極度の緊張状態ではあるのだが、出される紅茶やお菓子の美味しさに顔がほころび、会話も弾んでいた。
そんな時だった。
中庭の横の廊下を歩いている紳士が、ふと立ち止まる。
「……リフィーナ様……?」
ミリアーヌとルリがハッとして振り返る。
(ヤバい、リフィーナの知り合いかしら。確かに王宮なら居てもおかしくない。
迂闊だったわ……)
紳士は止まらない。
「生きてらっしゃったのですね、私です、マティアスです。
元気そう、でもなぜこんな所に……」
混乱しながらも近寄ろうとするマティアスに、ミリアーヌが一喝。
「大臣、お茶会の最中ですわ、少々無礼かと。
こちらは、わたくしの友人で冒険者のルリですわ」
「あぁぁ、あのぉ、いえ、申し訳ございませんでした……」
去っていくマティアスを見ながら、ミリアーヌが言う。
「ルリさん、マズいですわね。マティアスはアメイズ領の担当大臣ですの。
ちょっと誤魔化せないかもしれませんわ……」
沈黙が続く。
ルリは思った。
(……いずれ話さなきゃいけない事よね。
ミリアーヌが何故かかばってくれているけど、リフィーナの意志を継ぐって決めたのは私だ……)
意を決して、ルリはミリアーヌに言った。
「ミリアーヌ様、ありがとうございます。隠す事になってしまってごめんなさい。
そう、私はリフィーナです。リフィーナ・フォン・アメイズ。
正確には、その意思を継いでいるというのかしら……」
「「???」」
ミリアーヌは、意志を継いでいるという事の意味が分かっていない。
メアリーは、そもそも何のことだか分かっていない。
ルリは、全てを話す事にした。
「……私は、気が付いたら森の中にいたんです。たった一人で。
ただ、昔の記憶が曖昧で、たぶん盗賊に襲われた時に何かあったんだろうと……。
アメイズ子爵家で生まれ育ったことは分かります。
断片的ではありますが、覚えています。
おじいさまが殺されたことも……」
メアリーは、ルリが子爵家の令嬢だという事に目を丸くしている。
ミリアーヌは、少し考えた後に口を開いた。
「でも、それがなぜ、冒険者のルリって名乗ることになりましたの?
リフィーナは生きるって、領に戻れば済む事では?」
それはもっともな話だ。
しかし、リフィーナの記憶は殺されたところで終わっている。
たぶん本当のリフィーナは死んでいるのだ。
そのまま伝える訳にはいかない。
「戻ったら殺される気がして……。それで咄嗟に、偽名を使う事をひらめいて……」
神妙な顔をしているルリに、ミリアーヌは言葉を選ぶ。
「じゃぁルリ姉さまは、領のどこかに敵がいると思ってるという事ですの?
何か掴んでいらっしゃるのかしら……?」
ルリは、転移や女神の事は伏せつつも、これまでの出来事やリフィーナの考えていた内容を話した。
ミリアーヌが真剣な顔で、ルリに話しかける。
「あなた、アメイズ領に戻る気はありますの?
一人娘という事は、いずれ領を継ぐ必要がありますよね。生きてるとなれば……」
ルリは答える。
「母の事は心配なんです。
今は領主を継いでいるから大丈夫だろうけど、私、父が怖くて……」
領主の血筋である母に何かがあれば、何等身さかのぼってでも、血族である親族の中から新しい領主が選ばれる。権力にしがみつきたい父が、母を手にかける事はないだろう。
「怖いかどうかじゃありませんわ。
わたくしがお聞きしてるのは、あなたの覚悟。
お母様のために助けに行きたいのかどうかですの」
ミリアーヌは真剣な顔で、ルリに尋ねる。とても10歳とは思えない。
「私、母を助けたいです!
今はチカラも何もないけど、小さい時に決めた母を守るという決意は、今も変わってません!」
ルリは決意を込めてミリアーヌに伝えた。
「いいのですね、わたくしのお父様、つまり国王よ。
伝えれば何かしら動いてくれると思うわ。
あの盗賊の事件は、誰もが怪しいと思っているの。
でも、全てが明るみになったら、もう逃げられないわよ。
真っ向から戦うという事でよろしいのね!」
ルリは頷いた。
それから、国王を加えての話し合いが持たれた。
領主の殺害という事件でもあり、王国としての再調査が決まる。
しかし現状では証拠が不十分。暗躍したであろう黒幕に行きつくことは困難だ。
公には行方不明扱いになっているリフィーナは、切り札になるという事で、しばらく生存を隠されることになった。
……今すぐの動きはないかもしれない。
それでもルリは着実にリフィーナの意志を継いでいく。
同時に、アメイズ領の抱えている闇に、巻き込まれていくのであった。
とある王女の一言を発端に、王宮が揉めていた。
正確には、王宮、貴族、学園をまたいで問題勃発だ。
「わたくしは、ルリ姉さまと同じ第2学園に行きますの。
他は認めませんの!」
事の発端はミリアーヌのわがまま。
そう、あまりの展開にルリがスルーしていた「ルリ姉さま」。
事件以来、ミリアーヌの想いはルリひとすじだった。
今のミリアーヌにとって、ルリは誰よりも一緒に居たいと思える相手なのだ。
(本当は子爵令嬢なのに身を隠して冒険者として生きる……?
なんて勇猛果敢なの? なんて美麗なの?)
ルリの姿は、ミリアーヌの理想の女性像に映っていた。
通常、学園には12歳で入学する。
だからと言って、10歳のミリアーヌが入学できない訳ではない。
実際、若く才能を現した貴族が入学することもある。
既に試験は終わっているが、一貴族のわがまま程度であれば、学園に話を通せばどうにかなる。
しかし王女となると話が別だ。
そもそも王族であれば第1学園だ。第2学園に入学した例は歴史上一度もない。
幼少の頃からわがまま、いや、やんちゃに育ったミリアーヌは、自分の発言がどういった影響をもたらすのか分かっていない。
王女との親睦を深めるべく学園入学の準備をしていた貴族たちにとっては、たまったものではなかった。
王女の突然の入学宣言に、多くの貴族が右往左往させられる事となっていた。
当の本人は、第2学園入学のつもりでノリノリだ。
(ルリ姉さまと同じ学園、同じ教室、同じ部屋、同じベッド……)
想像だけがどんどんと膨らんでいくのであった。
幾分、妄想が膨らみ過ぎではあるが……。
「明日はルリ姉さまとお会いできるかな?」
ミリアーヌは、幸せだった。
それから数日。
すでに学園入学まで2週間となっている。
ミリアーヌの暴走など露知らず、ルリはメルン亭で平常運転だ。
「いらっしゃいませ、こちらのお席にどうぞ」
訪れたのは、深い帽子で顔を隠した王妃ヘンリエッタとミリアーヌ。
お忍びと分かっているので余計な事は言わない。
「今日のおすすめを2つくださいな。それと、これを……」
小さな紙きれを渡される。いつものサインだ。
『30分後、店前にて』
メモを確認し、店長に中抜けの許可を取る。
店の前で待っていると、メルヴィンが通りかかった。
「やぁルリさん、お店の前でどうしたの?」
「あ、いえ……」
答えに詰まっていると、オレンジ色の髪が鮮やかな、ルリと同い年くらいの少女が目に入る。
「そうだ、紹介するよ、娘のメアリーだ。
実は試験に合格できてね。来月からは第2学園の同級生だよ。仲良くしてくれ」
「え? 娘さん? ……メアリーさん、よろしくお願いします!」
「ルリさん、こちらこそ。父がお世話になっています」
父とは似ても似つかない、かわいいメアリーがはにかんでいる。
そこに、王妃ヘンリエッタとミリアーヌが食事を終えて合流してきた。
「ルリ姉さま、お待たせ。今日はどこに行きましょうか?」
既に目ぼしいお店は行きつくしているが、これもいつもの会話である。
メルヴィンとメアリーは、突然店から出てきた二人を見て不思議そうな顔をしている。
ヘンリエッタが隣の2人に気付き、向き直した。
「あら、ルリさんのお知り合いでしょうか。
はじめまして。私はヘンリエッタ。国王の妻をしておりますわ」
……メルヴィンとメアリーが腰を抜かした。
「「おおお、王妃様ぁ???」」
「第三王女のミリアーヌですわ!」
「「……」」
王妃と王女の登場に言葉を無くすが、メルヴィンが何とか起動する。
「め、め、め、メルヴィンと申します。商会を営んでいる商人です。
こ、こっちは娘のメアリーでご、ございます……」
「あら、メルン亭のオーナーの? 今日も美味しくいただきましたわ。
いつもありがとうね」
王妃に礼を言われるなど、平民にはあり得ない出来事だ。
メルヴィンは光栄すぎて涙を流している。
「あ、あ、ありがとうございますぅぅぅぅ」
メルヴィンは深く頭を下げた……。
「これこれ、メルヴィンさん、今はお忍び。頭を上げてくださいな。
ところでメアリーちゃん、私達これからスィーツを食べに行くのですけど、ご一緒にいかがかしら?」
「え? えぇぇ? はい。もちろんでございます……」
当然、拒否権なんてない。
スィーツを食べながら、ひとつ決定したことがあった。
王宮でのお茶会だ。
参加者はミリアーヌとルリ、メアリーの3人。
同世代で仲良くしようという事で、3日後に決まった。
そして3日後、ルリとメアリーは王宮に来ていた。
2人とも完全武装。
メルヴィン商会のチカラを結集した、最高の装いだ。
貴族令嬢と言っても、だれも疑わないだろう。
顔見知りになりつつある衛兵に挨拶し、王宮の中に入る。
メイドのプリシラが出迎えてくれた。
「ルリ様、メアリー様。こちらへどうぞ」
中庭に通されると、かわいいテーブルに椅子が三つ並んでいる。
ミリアーヌが遅れて席につきお茶会が始まった。
「「「美味しい」」」
本当に美味しかった。
極度の緊張状態ではあるのだが、出される紅茶やお菓子の美味しさに顔がほころび、会話も弾んでいた。
そんな時だった。
中庭の横の廊下を歩いている紳士が、ふと立ち止まる。
「……リフィーナ様……?」
ミリアーヌとルリがハッとして振り返る。
(ヤバい、リフィーナの知り合いかしら。確かに王宮なら居てもおかしくない。
迂闊だったわ……)
紳士は止まらない。
「生きてらっしゃったのですね、私です、マティアスです。
元気そう、でもなぜこんな所に……」
混乱しながらも近寄ろうとするマティアスに、ミリアーヌが一喝。
「大臣、お茶会の最中ですわ、少々無礼かと。
こちらは、わたくしの友人で冒険者のルリですわ」
「あぁぁ、あのぉ、いえ、申し訳ございませんでした……」
去っていくマティアスを見ながら、ミリアーヌが言う。
「ルリさん、マズいですわね。マティアスはアメイズ領の担当大臣ですの。
ちょっと誤魔化せないかもしれませんわ……」
沈黙が続く。
ルリは思った。
(……いずれ話さなきゃいけない事よね。
ミリアーヌが何故かかばってくれているけど、リフィーナの意志を継ぐって決めたのは私だ……)
意を決して、ルリはミリアーヌに言った。
「ミリアーヌ様、ありがとうございます。隠す事になってしまってごめんなさい。
そう、私はリフィーナです。リフィーナ・フォン・アメイズ。
正確には、その意思を継いでいるというのかしら……」
「「???」」
ミリアーヌは、意志を継いでいるという事の意味が分かっていない。
メアリーは、そもそも何のことだか分かっていない。
ルリは、全てを話す事にした。
「……私は、気が付いたら森の中にいたんです。たった一人で。
ただ、昔の記憶が曖昧で、たぶん盗賊に襲われた時に何かあったんだろうと……。
アメイズ子爵家で生まれ育ったことは分かります。
断片的ではありますが、覚えています。
おじいさまが殺されたことも……」
メアリーは、ルリが子爵家の令嬢だという事に目を丸くしている。
ミリアーヌは、少し考えた後に口を開いた。
「でも、それがなぜ、冒険者のルリって名乗ることになりましたの?
リフィーナは生きるって、領に戻れば済む事では?」
それはもっともな話だ。
しかし、リフィーナの記憶は殺されたところで終わっている。
たぶん本当のリフィーナは死んでいるのだ。
そのまま伝える訳にはいかない。
「戻ったら殺される気がして……。それで咄嗟に、偽名を使う事をひらめいて……」
神妙な顔をしているルリに、ミリアーヌは言葉を選ぶ。
「じゃぁルリ姉さまは、領のどこかに敵がいると思ってるという事ですの?
何か掴んでいらっしゃるのかしら……?」
ルリは、転移や女神の事は伏せつつも、これまでの出来事やリフィーナの考えていた内容を話した。
ミリアーヌが真剣な顔で、ルリに話しかける。
「あなた、アメイズ領に戻る気はありますの?
一人娘という事は、いずれ領を継ぐ必要がありますよね。生きてるとなれば……」
ルリは答える。
「母の事は心配なんです。
今は領主を継いでいるから大丈夫だろうけど、私、父が怖くて……」
領主の血筋である母に何かがあれば、何等身さかのぼってでも、血族である親族の中から新しい領主が選ばれる。権力にしがみつきたい父が、母を手にかける事はないだろう。
「怖いかどうかじゃありませんわ。
わたくしがお聞きしてるのは、あなたの覚悟。
お母様のために助けに行きたいのかどうかですの」
ミリアーヌは真剣な顔で、ルリに尋ねる。とても10歳とは思えない。
「私、母を助けたいです!
今はチカラも何もないけど、小さい時に決めた母を守るという決意は、今も変わってません!」
ルリは決意を込めてミリアーヌに伝えた。
「いいのですね、わたくしのお父様、つまり国王よ。
伝えれば何かしら動いてくれると思うわ。
あの盗賊の事件は、誰もが怪しいと思っているの。
でも、全てが明るみになったら、もう逃げられないわよ。
真っ向から戦うという事でよろしいのね!」
ルリは頷いた。
それから、国王を加えての話し合いが持たれた。
領主の殺害という事件でもあり、王国としての再調査が決まる。
しかし現状では証拠が不十分。暗躍したであろう黒幕に行きつくことは困難だ。
公には行方不明扱いになっているリフィーナは、切り札になるという事で、しばらく生存を隠されることになった。
……今すぐの動きはないかもしれない。
それでもルリは着実にリフィーナの意志を継いでいく。
同時に、アメイズ領の抱えている闇に、巻き込まれていくのであった。
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