消失

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記憶

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第7話 記憶

    ・・・・・・・・・・部屋の鍵が確実に閉まった・・・・・・・・・・



かすかな金属音がした。

外から鍵をかけられたと思った。

よく見ると、部屋の中からは鍵がかからない構造になっている。

それはそうとは思うが・・・・。



確かめる事がとても不安ではあったが、確かめずにはいられない衝動にかられて、ドアノブに手をかけてみた。



============確かに閉まっている============



閉じ込められたのか?

これから何が起ころうとしているのだろうか?

外の様子がまったく分からないし、今の状況を理解出来ずにいる自分が切なかった。



こうなったら自分ではどうする事も出来ないと自覚するまで数時間かかってしまった。

部屋のテレビは有料らしく、テレビカードを差し込まなければ映らない仕組みのようだ。

今の時間も分からないし、今後の予定もまったく分からない。

何より何故鍵をかけられているのかを一番知りたい!!



開くはずもない部屋の窓から見える景色で、だいたいの時間は想像出来そうだ。

夕方なのは間違いない!

そういえば少し空腹感を感じてきた。



ガチャ!



は! 部屋の鍵が開く音に心臓が口から出そうなくらい(実際には出るはずも無く・・)びっくりした!!!



「東条さーん、夕飯の時間ですから広間に来てください」



あの看護師だ!

前の入院先にもいた担当看護師が、何もなかったような顔をして話しかけてきた。



この部屋から出たいと思っていたのに、実際にドアが開くと出ていく事に恐怖を感じている。

この感覚は山の中で救急車が来た時に、自分の車から外に出るときに感じた感覚に似ている。



ただ、空腹感に負けて部屋の外に出る事を決心した。

命まで取られることは無いだろうと必死に自分に言い聞かせながら・・・。



=======広い空間にテーブルと椅子があり20人位の広間========



既に数人が食事をしている。

特に何か変わった事も無い、普通に食堂で食事をしている風景に見えた。



「東条の席はこちらですよー」



あの看護師が呼んでいる。

とても愛想の良い顔で・・・・。



自分の場所に座り、東条様と書いてあるプレートの御膳に箸をつける。

そういえば食事らしい食事はこれが初めてだ。

今までは体調も悪かったし、特に空腹感も覚えなかった。



まあ食べれる食事だとは思ったが、病院食だからなのか味が薄口に思えた。

東北人だからちょっと物足りないな=。



え?



自分が東北人って何故思った?

ごく自然に頭をよぎった、食事に対する印象だった!
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