BL学園のナナメ上!

くりーむそーだ

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第29話 夢での気づき

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「あれ?ここは…?」

いつもと違う…いや、オレの部屋だ

「初夏!?遅刻するわよ!?」
「うぇ!?はぁい!!」

オレは慌てて着替える

それはいつもの朝食で、朝から手を抜きたがる母さんは食パンとココアを用意してくれてた
一気に食べて、玄関へと向かう

「あんたお弁当は!?」
「あ!ごめん!持ってくー!いってきまーす!!」
「朝から慌ただしいな」

苦笑する兄貴を横目に走り出す

「もう遅いー!」
「桜お待たせ!!」
「1限の講座必修でしょー!?」
「わりぃー!」

2人で走って電車に向かうホームに着くと乗る電車はまだ来ていなかった

「セーフ!」
「ほんと初夏ちゃんは寝坊多いんだから!」
「気をつけてはいるんだけどさー」

桜の言葉に苦笑で返す

「何か長い夢を見てたみたいでさー」
「夢?」
「ん。何か、色々エキサイティングだった」
「エキサイティング…」

苦笑している桜にへらりと笑う
いつも通りの日常にどこか首をかしげる
何かが足りない気がした

「お?初夏じゃんー!おはよー!」
「おーぅ。おはよー」

大学につくと仲良い友達が声をかけてくる
いつも通り挨拶をするが、どこか懐かしい感じがした
こんなに距離感つまってたっけ?

「今日は遅れなかったんだね!」
「そーだよ!って今日はって何だよ!?」

周りで笑い声が聞こえる
いつも通りの日常
なのにどこか違和感

「初夏、ちゃん…」

どこか悲しい顔をしながら桜がオレの名前を呟いてたなんて気付かなかったのだった








「あー!何で今日こんなに講座詰まってんの!?」
「ほら、この前の補講分とかも入ってたからだよー」

オレが食堂でぐでーと突っ伏していると桜が正論を言ってくる
それにぐうの音も出ない

「あ!いたいた初夏!」
「あ?…あー何も見えなかった」
「ちょっと!存在無視すんのやめてよ!!」
「…はぁ…で?何の用だよ雪乃ユキノ
「ふふーん!そんなこと言っていいの!?新作!持って来た!」
「雪乃様ありがとうございますその手土産置いてさっさと立ち去れ」
「私の扱い酷すぎない!?」

雪乃はオレや桜と同族…いわゆる腐女子である
こいつ自身創作活動もしているのもあって、オリジナルのBL本やゲームを作っている

「感想聞かせて欲しくてさー手土産と一緒に新作持って来た!」
「は?…本?え、携帯小説?どれ?」
「今回は…サイトに載せる予定だけど、紙媒体にしてみました!」
「あー了解。」

タイトルは…【colorful days】…ん?どこかで…?

ペラリペラリとめくり読んで行く

ポロリ…

「初夏ちゃん…?」
「え!?初夏!?」
「え?」

桜が悲しそうな顔をしている
雪乃は何故かあわあわと慌てている

「ほら!ティッシュあげる!!」

雪乃が街頭でもらったであろうティッシュを押し付けてくる

「??」
「…初夏ちゃん。泣いてるよ」

桜が優しく教えてくれた
自分の頬に触ると、確かに濡れていた

「何で…」
「そんなに面白くなかった!?」
「いや、ちが…」

違うとはっきりわかるけど、何でオレ自身泣いているのかわからなかった

「たい、ちょ…」

親衛隊が出て来た辺りで苦しくなった


何で?




何でオレの言葉を信じてくれないの…?






「…ごめん、オレもう帰るわー」

雪乃からもらったティッシュで鼻を拭いた後、さっさと帰る準備を始める

「うん!大丈夫!!また明日!!」
「おー!明日な!!」

よくわからないけどさっさと帰ることにした

「私も帰るー!」

桜が後ろからついてきていた

いつも通りなのに悲しい
いつも通りなのに寂しい

何が違う…?



グィッ

「うぇ!?」
「ダメだよ、初夏ちゃん」
「桜…?」

帰り道、急に桜がオレの腕を引っ張った
桜が俯いてて顔は見えない

「ダメ。これ以上はダメ」
「何が…桜?大丈夫か?」
「これ以上先に進んじゃダメだよ…初夏ちゃんが傷ついちゃう」

何を、言ってるんだ?

「桜…?」
「なんて…多分初夏ちゃんは選んじゃうんだろうね」

桜がやっとオレを見た
今にも泣きそうな顔をした桜

「初夏ちゃんはいつも他の人のことばっかだけど…あの人・・・のことは特別だもんね…
私も特別だけどそれとは別の特別。
ねぇ、初夏ちゃん。思い出して?
初夏ちゃんの


大切な人はーーーーー?」

「大切な、人」

大切な?
そんなの桜に決まってんじゃん…?





ーーーーー本当に?



どこかで別の自分の声がした。



ーーーーー本当に?桜だけなの?



他に誰がいるっていうんだ?




ーーーーー守りたいって思った人は?





守りたい…?





ーーーーー一緒に居たいと思った人は?






一緒に居たい…






ーーーーーねぇ?思い出して?







何を?







ーーーーーなぁ?起きろよ、オレ







あぁ、忘れてた…そうだよな。
悲しい顔を見たくなくて、必死に足掻いた。原作通りにならないように、でも原作を壊さないように裏から回って
あぁ、そうだ。



オレ、裏切られて自殺したオレと変わったんだった


「桜。オレ、まだ何か忘れてる?」
「嫌だ」
「さーくら?」
「また…またあんな光景、もう見たくない」
「入れ替わった原因か?」
「うん。」
「なぁ、桜。今の桜はずっとオレと一緒にいる桜?」
「うん。そうだよ…こっちでも向こうでも一緒な桜だよ」
「なら、もうわかってんだろ?」
「うん。そう、だね」
「教えてくれるか?」

嫌そうな顔をした桜はゆっくりと口を開いた

「初夏ちゃんの記憶は改ざんされてた。何のためかはわからなかったけど…マンホールなんて落ちるわけないよ」
「だと思った。そんなギャグみたいなこと、あるわけないもんな」
「本当は…本当は…その角を曲がったら」

言いにくそうに、震えながら言葉を紡ごうとする桜をオレはゆっくり抱きしめた

「ありがと。また、向こうで会おう?」

ゆっくり桜から離れる
どちらにしてもココは元の世界じゃない
なら、正そうじゃないか

どっちが夢で、本当は死んじゃってるかもしれないけど

「だって、また、会いたいもんな」

オレはゆっくりと角を曲がった
強い光がオレの視界を遮ったのだった
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