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第30話 初夏の出来事
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「ここは…?」
学校の教室らしき場所。
あ。これは私の記憶だ。
中学の教室、放課後。
そう、ここは…
私が壊れた場所
手を見ると透けている…ふむ…これはあれか…過去を第三者目線で見ろということか
スっと前を見ると丁度初夏が忘れ物を取りに教室にやってきた
ボロボロになった教科書、油性マジックで落書きされた机。
「よかった…あった」
前髪が目の下まであり、顔を隠すように伸ばされている
その手には可愛いクマのストラップ
あの子とお揃いである
教室から出ようとする初夏がぴたりととまった
「麗華ぁ~あんたほんと最低よねぇ~」
「何よぉ?賢いって言ってくれなぁい?」
「麗華…ちゃん?」
あの子と初夏の机や教科書をこんな姿にしたリーダー格との会話
呆然と初夏が名前を呟いている
「いじめを作り出して、アイツの味方するふりして貢がせるなんて本当ぉ~悪魔みたぁい」
「貢がせるなんて人聞き悪いわね!対価をもらってるだけじゃない!」
「自作自演といてよく言うよねぇ~まぁ、あたしも有難いからいいけどぉ?」
「そーよ!あんたも人のこと言えないじゃない!精々アイツを孤独にしてやってね!」
キャハハと廊下に響く笑い声
初夏はゆっくりと手を下ろしていた
そう、彼女がこの世界に絶望を感じ、何も信じられなくなった
存在、価値観、信頼…何もかもが壊された
「そんな…」
「アイツ大手の会社の令嬢らしいけど家は至って平凡だったしぃ?あ!でもアイツ以外はみんな美形だった!」
「うわぁマジで?もうほんと価値なくない?」
「ほんとぉ!アイツ以外は本当、芸能人みたいに美形だった!ふふーゆくゆくはアイツの兄に取り入ってアイツ追い出したらいいんじゃね?」
「あ!それいいね!」
声が遠ざかっていく
ほんと、最低だな
初夏の1番コンプレックスを踏みにじって行った
初夏は、1人だけ容姿に優れていないことをコンプレックスに思っていた
だから前髪も長いままだし、自分の素顔を見せたくないと思っていた
それをコイツは知っていたはずである
「そんなこと、ないよって言ってくれたのに…」
初夏が呟きながらふらふらと歩き出した
クマのストラップが地面には落ちていた
オレは初夏の後ろをついて行った
あぁ、そうか…
もうすぐか
ガシャンッという音と共に屋上で初夏はフェンスの向こうにいた
「疲れちゃったなぁ」
初夏は一筋の涙を流し、屋上から落ちた
そう。これはオレと初夏が入れ替わる前の出来事。
このことがキッカケで入れ替わった。
初夏は屋上から落ちたが裏手の木に引っかかり、衝撃がとても少なかった
この世界に絶望して屋上から落ちた初夏とトラックにはねられたオレの衝撃で中身が入れ替わったんだろう
平行世界の自分へと…
学校の教室らしき場所。
あ。これは私の記憶だ。
中学の教室、放課後。
そう、ここは…
私が壊れた場所
手を見ると透けている…ふむ…これはあれか…過去を第三者目線で見ろということか
スっと前を見ると丁度初夏が忘れ物を取りに教室にやってきた
ボロボロになった教科書、油性マジックで落書きされた机。
「よかった…あった」
前髪が目の下まであり、顔を隠すように伸ばされている
その手には可愛いクマのストラップ
あの子とお揃いである
教室から出ようとする初夏がぴたりととまった
「麗華ぁ~あんたほんと最低よねぇ~」
「何よぉ?賢いって言ってくれなぁい?」
「麗華…ちゃん?」
あの子と初夏の机や教科書をこんな姿にしたリーダー格との会話
呆然と初夏が名前を呟いている
「いじめを作り出して、アイツの味方するふりして貢がせるなんて本当ぉ~悪魔みたぁい」
「貢がせるなんて人聞き悪いわね!対価をもらってるだけじゃない!」
「自作自演といてよく言うよねぇ~まぁ、あたしも有難いからいいけどぉ?」
「そーよ!あんたも人のこと言えないじゃない!精々アイツを孤独にしてやってね!」
キャハハと廊下に響く笑い声
初夏はゆっくりと手を下ろしていた
そう、彼女がこの世界に絶望を感じ、何も信じられなくなった
存在、価値観、信頼…何もかもが壊された
「そんな…」
「アイツ大手の会社の令嬢らしいけど家は至って平凡だったしぃ?あ!でもアイツ以外はみんな美形だった!」
「うわぁマジで?もうほんと価値なくない?」
「ほんとぉ!アイツ以外は本当、芸能人みたいに美形だった!ふふーゆくゆくはアイツの兄に取り入ってアイツ追い出したらいいんじゃね?」
「あ!それいいね!」
声が遠ざかっていく
ほんと、最低だな
初夏の1番コンプレックスを踏みにじって行った
初夏は、1人だけ容姿に優れていないことをコンプレックスに思っていた
だから前髪も長いままだし、自分の素顔を見せたくないと思っていた
それをコイツは知っていたはずである
「そんなこと、ないよって言ってくれたのに…」
初夏が呟きながらふらふらと歩き出した
クマのストラップが地面には落ちていた
オレは初夏の後ろをついて行った
あぁ、そうか…
もうすぐか
ガシャンッという音と共に屋上で初夏はフェンスの向こうにいた
「疲れちゃったなぁ」
初夏は一筋の涙を流し、屋上から落ちた
そう。これはオレと初夏が入れ替わる前の出来事。
このことがキッカケで入れ替わった。
初夏は屋上から落ちたが裏手の木に引っかかり、衝撃がとても少なかった
この世界に絶望して屋上から落ちた初夏とトラックにはねられたオレの衝撃で中身が入れ替わったんだろう
平行世界の自分へと…
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