ポエヂア・ヂ・マランドロ 風の中の篝火

桜のはなびら

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北光羽龍

羽龍の朝

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 白を基調にした部屋。シアーカーテンが朝ながら既に強い日差しから、光だけを柔らかく部屋に取り込んでいる。
 飾り棚に並んでいる三つの小さテラリウムに霧吹きで湿度を与えてやる。
 今日を始める様式。モーニングルーティンというやつだ。
 朝食はグリーンスムージーとヨーグルトにバナナ、プルーン、ミックスナッツを混ぜたもの。意識高いなどと揶揄するのは早い。厚切りのベーコンも単独で食べている。ワイルドに。これで塩分と脂質も摂れている。あとは適当にサプリで補う。

 さて、これはマランドロらしい朝と言えるかな?
 なんとなくオシャレな感じはするが、マランドロらしいかと言われるとちょっと違う気がする。
 ハルの話では、弱者の味方ではあるが、警察などのような法の側の者ではない。侠客や義賊、ダークヒーローなどのような、無法の側の者だ。
 俺の生活は織り目正しすぎるかもしれない。朝からカイピリーニャを入れるくらいのことをしなくてはならないだろうか。ベーコンをワイルドに食う部分は評価されるかもしれない。
 まあ、格好悪い点はないだろうから、とりあえず良しとしておこう。

 
 仕事は順調だ。
 代表とは言っても俺以外に社員は六名の、会社というよりはチームの風情だが、規模の割には大きい案件も成功させてきた。
 直近ではアキと組んで行った行政も絡む都市開発に、市側にシステムコンサルタントとして入り込みつつ、広報にも携わった。数年前に掲げたキャッチコピーは一人歩きし、この町の人口増加に寄与したものと評価も受けている。

 今日は出社後朝イチの簡単なミーティングで各人の進捗状況の把握、必要があれば指示出し、課題や問題があれば挙げて貰いまずは評価のみ行う。
 イレギュラーがなければそれぞれ本日の予定について、予定管理表では把握できない内容や見込みを所感なども交え口頭で共有して終わりだ。
 あとはめいめいで、必要に応じて各人の判断でそれぞれコミュニケーションを取りながら、基本的には自由に業務を進める。

 うちは人数は少ないが粒揃いだ。自分で考え、動ける。その考えも、働きも信用のできるクォリティだ。
 ほぼ委任させて差し支えない人材が揃っていた。おかげで俺は俺の仕事に注力できる。この規模の会社だ。社長といっても一プレーヤーとしての動きが求められる。
 予定通り進められそうなら、すぐに外出だ。
 今日はクライアントとの打ち合わせが四件、見込み案件へのプレゼンが一件、見込み候補への挨拶が一件ある。そのほか差し込みで予定が入ることもしばしばだ。
 社長室で判断や指示、承認や決済だけしていれば良い立場ではない。
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