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プロローグ
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「ハヤト、祖父さんが残した牧場を相続してくれないか?」
城下町のレストランで働いていた俺の元に両親から手紙が届いた。
どうやら10年前に亡くなった祖父ちゃんが残した牧場を維持していた親戚が、一家でどこかに消えてしまい、このままでは祖父ちゃんの牧場が人手に渡ってしまうようだ。
だったら売ればいいじゃん!と思ったが、どうやら買い手がつかないらしい。
「祖父さんの大切な土地を売りたくない」
「牧場として機能していれば、誰にも買い取られることはない」
「頼む! 祖父さんの牧場をお前の手で甦らせてくれ!!」
よくこんな事、俺に頼むよな。
15歳の俺をこの城下町に売り飛ばしたくせに。
何が「15歳はもう大人だ。父さんの知り合いのレストランで働けるように手配しているから、修行に行くがいい」だよ。レストランのオーナーに多額の金で売り飛ばしたくせによ。
その金で両親は豪邸を買い、妹を国王の息子に嫁がせようとしているくせによ。
あの妹が次期国王の妃に選ばれるかよ。
太ってるし、美人でもないし、教養もないし、何をやってもすぐに飽きるくせに。
王子様が可哀想だよ。こんな妹が妃候補だなんて。
それに比べて俺は、背が高いだけで痩せている。小さい頃から家で虐げられてきたからだろう。
両親は金髪に青い瞳なのに、何故か俺は黒髪に黒い瞳だ。どっかから拾ってきたんじゃないか?と親戚にも言われ続けてきた。終いには母親が不倫しただのなんだので、俺は厄介者になってしまった。
だから学校を卒業した15歳の時、この城下町に売られてきた。
幸いなことにレストランのマスターは優しくて、住む場所も食事も面倒を見てくれた。
同じレストランで働く従業員も優しくて、家にいるよりも居心地が良かった。
尚更、ここを離れる理由がない。
両親からの手紙は見なかったことにしよう。
なんて思っていた数日後。
「大変申し訳ないのだが、今日で最後だ。今までご苦労さん」
マスターからの突然の解雇通告に、俺は固まってしまった。
「どういうことですか!?」
「ちょっとした事情でな。明日には部屋も出ていってもらいたい。これは今月の給料と退職金だ」
そう言いながらマスターは机の上にパンパンに膨れ上がった小袋を置いた。
机に置く時、金属が擦れる音がしたから、多分金だろう。
「今までありがとう」
マスターは俺の肩を軽くポンと叩いた。
突然の解雇。
職を失い、住む場所も無くした。
これからどうすりゃいいんだよ!
貰った大金で豪遊して、後はどうにでもなれ!と自暴自棄になってやろうか!?
って、いくら給料と退職金って言っても、金貨じゃなくて銀貨だけだから、そんなに豪遊なんかできない。
(銀貨は金貨の1/10しか価値がない)
諦めて、この金で部屋を探すか。
それとも遠くに出かけようか?
とりあえず、馬車に乗ってどっかに行くか。
これだけの金があれば、乗り合いの馬車に乗ればどこにでも行ける。行ける所まで行ってみるか。
馬車の駅で、何も考えずに東行きの馬車に乗った。
俺の実家があるのは西側。その方角には絶対に行きたくなかった。だから反対側の東を選んだ。
そういえば、東には祖父ちゃんの牧場があったな。
相続しろなんて言われたけど、俺には牧場を経営する能力なんてない。城下町のレストランでも厨房で働いていたぐらいだ。料理は出来ても畑を耕したり、家畜の世話などできるはずがない。
だけど、小さい頃、家族にも見向きもされなかった俺を、いつも優しく出迎えてくれた祖父ちゃんの大切な牧場だ。それに、祖父ちゃんの牧場はいつ行っても綺麗に整えられ、季節に合った野菜が実り、花が咲き、沢山の家畜がのんびりと暮らしていた。
あの光景をもう一度見に行こう。
東に進むこと2日。
祖父ちゃんの牧場がある村に着いた。
そこは木の柵で村全体が取り囲まれており、村の入り口に小さな検問所があるだけで、俺がいた城下町とは雲泥の差だった。
俺がいた城下町は、中央に城があり、それを取り囲むように街があった。そしてその街を石造りの壁が取り囲み、壁は人間の何十倍ものの高さでそびえ立っている。
外からの攻撃を防ぐ目的といえば聞こえはいいが、本当は街の外にいる魔物から守るための防御壁だ。
この世界には人間以外にも、知能を持った生き物が森や海、川、山の中に住んでいる。その知能を持った魔物たちが年に何回か大暴れし、人間に危害を加えている。魔物を退治するのは冒険者の仕事。でも、冒険者の数は限りがあり、その土地に定住する者は少ない。
そこで考えられたのが街や村全体を高い壁で覆う事だ。
だが、財力がある所は頑丈な大きな壁を作ることはできるが、それなりの小さな村は簡単な柵しか作る事が出来ない。少しでも魔物の侵入を防ごうと柵を作るが、簡単に作られた柵はあっという間に突破され、村を襲う魔物が後を絶たない。
それでも魔物は知能を持った生き物だ。村に金目の物、強い冒険者がいないとわかると、一度襲った後、しばらくは襲ってこない。魔物も戦闘能力のない村民を襲っても、面白くない事を理解しているんだろうな。だが忘れた頃に襲い掛かってくるので油断はできない。
何よりも、魔物たちは街や村を取り囲む壁の素材で、その場所をランク付けしているらしく、木や石などで簡単に作られた壁のある場所は低ランクの魔物しか来ないようだ。
低ランクと言っても、戦う技術がない者にとってみれば命取りにもなるので、入り口の検問所に務める役人が退治をしている。
一応、王都には治安を守る騎士団があるが、そう滅多に助けには来ない。小さい村が無数に点在している為、騎士団に所属する団員を各村に一人でも配置すると、騎士団には誰もいなくなるらしい。
検問所の前で馬車を降り、役人に身分を証明するものを見せる。
生まれた時に全員が国から発行される証明証を所持している。手のひらに乗るカードタイプで、表面には名前と自分に割り当てられた番号が記載され、裏面は真っ白なシンプルな物だ。これはただのカードではなく、なんとこれ一枚に所有する人物の個人データが電子データとして収められている。
検問所に、丸い液晶画面のついた機械が置いてあり、画面の下にカードをかざす場所がある。ここにカードをかざすと個人データが読み取られ、この機械と繋がった役人しか見る事が出来ない別の機械で、犯罪歴などを確認できる事が出来る。
何もなければ丸い液晶画面に丸印が浮かび上がり、村の中に入ることができる。
万が一、何かヤバイ事があると、丸い画面には「審議」という赤い文字が浮かび上がる。
村の入り口で降りたのは、俺を含めて3人。
一人は身なりのいい青年。年は20代後半ぐらいだろうか? 灰褐色の髪をしたハンサムさんだ。よく見ると左右の目の色が違う。
彼が差し出したカードは銀色に輝いていた。銀色ということは職業ランクがS以上ということだ。
だからなのだろうか。カードをかざす機械と繋がった機械を見ていた役人が急に直立不動になり、深々と頭を下げた。
青年は「どうも」と一言発しただけで、村の中に入っていった。
不思議に思った他の役人が、深々と頭を下げている役人が見ていた機会を覗き込んだ。すると、それを覗き込んだ役人全員が去っていく青年に向かって深々と頭を下げたのだ。
きっと凄いランクの人物なのだろう。
次は10代後半か20代前半ぐらいの女性だった。背筋がピンっと伸びた、すらっとした体形で、薄紫の髪を器用にお団子にしていた。ただ、身なりはどこかの貴族の娘だろうと思わせる綺麗な服装だが、背中に背負った大きな弓矢が違和感を感じる。
この女性のカードも銀色だった。職業ランクがS以上という証拠だ。
この女性に対しても、役人は青年と同様に深々と頭を下げた。
弓矢を持っているという事は冒険者なのだろうか?
身分を証明するカードは、名前や出身地の他にも、今まで獲得した資格、職業としての実績、冒険者としての実績が記載されており、冒険者の実績には今まで退治した魔物の数、Aランク以上の魔物はその名前、さらに国内で行われる武術大会の成績なども記載されている。
役人が頭を下げるという事は、かなりの冒険者だと思われる。
最後に俺の番になった。
前の2人とは違い、黒いカードを取り出した。黒は特に実績もなく、ランクも一番下のE。ただ、レストランで働いていただけなので、大会という大会にも出ていないし、ましてや冒険もしていないので、これと言ってカードの色が変わることは何もしていない。
まあ、前の2人の後で俺のデータを見ても、役人は鼻で笑うだろうな。
それが恥ずかしいとは全く思わず、俺はカードを機械にかざした。
すると突然機械の液晶画面に「審議」という文字が浮かび上がった。
「審議」!?
俺、犯罪なんか犯したことないけど!!??
しかも機械から「村長をお呼びください」という言葉がずっと鳴り響いている。
その音はかなり大きく、先に村に入ったあの2人も振り返るほどだった。
役人たちは罪人か!?と俺に向かって剣を抜き威嚇したが、機械を見ていた役人が
「待て。この者は罪人ではない」
と威嚇を辞めるように命じた。
この中で一番偉い人なのだろうか。その一声に構えていた剣が一斉に鞘に納められた。
機械を見ていた役人が俺の前に立った。
厳つい鎧を着ているが、顔立ちはかなりの男前だ。年も若いのだろうか。30代後半ぐらいだろう。
「手荒な真似をしてしまい、申し訳ない。今、村長が参ります。それまでお待ちください」
軽く頭を下げたその人に、俺は逆にうろたえてしまった。
「俺の個人データ、なんかおかしかったんですか? 何か改ざんされていたとか!? あ!! もしかして親が勝手に籍を抜いたとか!? あり得るもんな。あの親ならやりかねない」
「落ち着いてください。あなたのデータは正常でした」
「だったらなんで!?」
「村長がお見えです」
俺の必死な訴えを無視して、役人は全力疾走してきた村長の方を見た。
俺は無視かい!!
「村長、この者です」
全力疾走してきた白髪の男性は、肩で激しく息をしており、息も絶え絶えだ。
役人も心配しているのか、同僚に水を持ってこいと大声で命令した。
「君が…君がハヤト君なのかね!?」
ど迫力のある顔が、急に俺の目の前に迫ってきた。
「は…はい!?」
肯定とも否定ともとれる、裏返った声で返事をしてしまった。
それにしてもこの村長だと思われる男、顔が怖いです…。
「牧場を相続してくれるのかね!? あの牧場を蘇らせてくれるのかね!? この村を救ってくれるのかね!?」
あの~…なに言っているのか、わからないのですが……。
誰が相続するって?
何処を蘇らせるって?
村を救うってどういうことですか?
「頼むよ~!! ハヤト君!!! 君しかいないんだ~~!!!!」
迫力のある泣き顔に迫られた俺は、必死に役人に助けを求めたが、役人も何故か俺に向かって深々と頭を下げている。
何が何だか分からないんですけど~~~!!!!!!
場所を村長の家に移して、詳しい事を話してもらった。
祖父ちゃんの牧場は、表向きはただの農業と酪農を行う牧場。とても美味しいと評判のあるミルクや卵、野菜は王家から注文が入るほどの質の高い物だった。羊毛も質が良く、王室御用達の仕立て屋がわざわざ買いに来ていたらしい。それらの収入の半分を村に寄付していた祖父ちゃんは、村人たちの英雄的存在だった。
それはそれで別に問題ない。祖父ちゃんの牧場主としての実力は俺も知っている。
問題は【裏の仕事】だ。
どういうわけか祖父ちゃんは、SSランクの冒険者だったらしく、村を襲う魔物退治を定期的に行っていたらしい。
ついでにSSランクの錬金術師でもあったらしく、錬金術で作られた薬や疲労・体力回復効果のある食べ物を作っては、村に来る冒険者が集まるレストランに提供していたらしい。
更にSSランクの研究者でもあり、農作物の品質改良、畜産物の品質向上、武器や農具の改良まで行っており、この村は魔物が恐れる高ランクの冒険者たちの集まる村として発展していたらしい。
更に更に伝説と化している魔物使いのスキルも持っていたらしく、村に襲ってくる低レベルの魔物を服従…もとい手なずけ、なんと村での働き手として、村人と共存していたという。
祖父ちゃんよ、一体どういう裏の顔を持っているんだよ……。
因みに村長の話によれば、祖父ちゃんの身分証明証の色は、勇者に認定された者しか持てない金色を通り越して、国から認められた最高の英雄にしか与えられない虹色だったとか…。
俺、その祖父ちゃんと同じ血が流れているの?
こんな家族にも愛されない落ちこぼれが?
「ところがのぉ……」
村長は視線と共に声のトーンまで落とした。
「ハヤト君の祖父様が亡くなられた後、親族だと言う人物が牧場を受け継いだのだが、能力の差が雲泥の差で、従えていた魔物もどこかに行ってしまい、牧場の生産物も質がどんどん落ちていったんだよ。武器の制作は武器屋が引き継いでくれたが、ハヤト君の祖父様は希少価値のある鉱石を見つけるのが得意でな、いまじゃ誰もその鉱石を採取できなくなってしまったんだ。その影響か武器の質まで落ちてしまった。武器だけじゃない。農具も質が落ちてしまった」
俺の記憶に中にある祖父ちゃんの農具は、虹色に輝いていた気がする。祖父ちゃんに聞いたら【けんじゃのいし】とかいう鉱石を使って改良したとか言っていた。興味がなかった俺はそれ以上聞かなかったから、どんな鉱石かしらない。
「ハヤト君、是非とも牧場を蘇らせてほしい! そしてこの村を前みたいな賑わいを取り戻してほしい!!!」
いや、だから、その迫力のある顔、どうにかなりませんか?
それに、俺はそんな能力ないから無理なんですけど。
「俺、牧場を継ぐとは一言も言ってないんですけど?」
そう。それが一番の重要な事。
俺は一度も牧場を継ぐとは言っていない。
「それなら相続の手続きを、君のご両親がしてくれたよ」
……はぁ!?
「ご両親がこの間、村に来て、今働いている所を辞めさせるから、こちらに来たらよろしくと言っておられた」
いつ!?
「だから働いている所を辞めて、ここに来たのだろ? 君が働いていたのはレストランだったそうだね。そこのマスターは昔、この村で君の祖父様から料理を教えてもらっていたんだよ。出世して城下町でレストランを経営できるほどになったんだ」
最初からグルだったのかよ!!!
祖父ちゃんの知り合いにあの親は俺を売ったのか!?
だからマスターは優しかったのか!?
同僚が優しかったのも、マスターの知り合いだったからなのか!?
「ハヤト君、頼むよ~!! あの牧場を告げるのは君しかいないんだ!!」
そう言われましてもね~~。
俺は今まで牧場経営どころか、レストランで料理を作ることしかしてこなかったんだぞ。
第一、俺にどんな能力があるって言うんだよ。
証明証の個人データは役所で特別な手続きをしないと見る事が出来ないんだぞ?
冒険者なら、各街のギルドって呼ばれる冒険者が登録する本部みたいな所に行けば、自分のステータスとか見ることが出来る。残念ながら、俺は冒険者として登録していないから、何も見れないけどね~。
昔、祖父ちゃんが、一部の人間は心の中で「ステータス」って唱えるだけで、目の前に自分しか見る事が出来ない画面が浮かぶとか言っていたけど、そんなの虹色カード所持者しかできないだろ。
よし! なんとか理由をつけて断ろう!!
そう思った俺の目の前に信じられない物が浮かんでいた。
なんと! 俺の目の前に、自分の名前や個人に与えられている番号が書かれた、透き通った板のような物が浮かんでいたのだ!!!
なんじゃこれ!?
びっくりしていると、村長が不思議そうに首をかしげながら俺の方を見ていた。
「どうかしたのかね?」
どうやら村長には俺が見ているこのよくわからない透き通った板が見えていないようだ。
「な……何でもないです。あ…あの、一度、祖父ちゃんの牧場を見てみたいんですけど……いいですか?」
「ああ、構わないよ。もう時間も遅い。明日にしたらいい」
「え? で…でも、俺、泊まる所が……」
「わしの家に泊まるといい。準備させよう」
あ…いや……宿屋にしてもらいたいんですけど……。でなければ、逃げる道が……。
ああ……行っちゃった……。
パタンと音を立ててしまった扉に伸ばした手を、俺はひっこめる事が出来ず、しばらくの間、そのままの体制でいた。
改めて、自分の目の前に浮かんだ薄い板のような物に目を移した。
これが……これが祖父ちゃんが言っていた【ステータス】とかいう物なのか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
|ハヤト・ライジグーナ(22歳) |
| 07△△-9160〇×〇△-××△〇 |
| |
|出身:王都 |
| ライジグーナ伯爵長男 |
| |
|【更新】 |
| レストラン「友人」退職 |
| サイラ村 旧☆MIRAI☆牧場 相続 |
| |
|-----------------------
お…おぅ……俺の実家が伯爵になってる。俺が家を出る時はただの商会だったはず。
って、本当に相続されている。
俺、何も手続きに加わっていないんだけど、これっていいのかな?
個人データって、こんなに簡単に書き換えられるものなの?
あ、この透き通った板、触れるみたい。
触れるんだけど……どこを触っても反応しないぞ?
祖父ちゃんはどうやって扱っていたんだ?
思い出せ! 思い出せ! 祖父ちゃんが言っていた言葉を思い出せ~~!!
「いいかい、ハヤト。もし自分の目の前に画面が浮かび上がったら、自分の能力を見たければ【スキル】と唱えなさい。所持している物を見たいのなら【アイテム】、装備している武器などは【装備】、料理のレシピは【レシピ】、出会ったことのある人物の詳細は【人物】だ」
【スキル】
【アイテム】
【装備】
【レシピ】
【人物】
思い出した言葉を順に心の中で唱えた。
すると、最初に浮かび上がった透き通る板と同じように、色々な透き通った板が浮かび上がってきた。
これが祖父ちゃんの言っていた【一部の人間しか見る事が出来ない】自分のデータなのか……。
祖父ちゃんはもう一つ言っていた気がする。
なんだったけ?
え~と……
「そこに書かれている事をもっと詳しく知りたいのなら、その箇所を指で押さえながら【詳細】と唱えなさい」
俺は【スキル】に書かれた農耕という場所を指で触りながら【詳細】と唱えた。
すると文字が書かれた透き通った板が浮かび上がった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
|【農耕】 |
|畑を耕し、作物を植え、収穫することで上がるスキル。|
|レベルが上がれば、未所持の種などが手に入る確率が上|
|がる。 |
|一定のレベルに達すると農具の改良が可能。 |
|ただし、このレベルの他に農具スキルのレベルを上げる|
|必要がある。 |
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
なるほどなるほど。スキルを上げればいいことが起きるってことか。
……って!!! 俺、農業やるとは一言も言ってないぞ!?
なにこのスキル!!
【動物】とか、【料理】とか、【伐採】とか、【採掘】とか、よくわからん文字が並んでるんですけど!!
これは牧場を継ぐ事決定ですか!?
俺の気持ちは無視ですか!?
その前に俺は何者なんだ~~~~~!!!!!
<プロローグ 了>
城下町のレストランで働いていた俺の元に両親から手紙が届いた。
どうやら10年前に亡くなった祖父ちゃんが残した牧場を維持していた親戚が、一家でどこかに消えてしまい、このままでは祖父ちゃんの牧場が人手に渡ってしまうようだ。
だったら売ればいいじゃん!と思ったが、どうやら買い手がつかないらしい。
「祖父さんの大切な土地を売りたくない」
「牧場として機能していれば、誰にも買い取られることはない」
「頼む! 祖父さんの牧場をお前の手で甦らせてくれ!!」
よくこんな事、俺に頼むよな。
15歳の俺をこの城下町に売り飛ばしたくせに。
何が「15歳はもう大人だ。父さんの知り合いのレストランで働けるように手配しているから、修行に行くがいい」だよ。レストランのオーナーに多額の金で売り飛ばしたくせによ。
その金で両親は豪邸を買い、妹を国王の息子に嫁がせようとしているくせによ。
あの妹が次期国王の妃に選ばれるかよ。
太ってるし、美人でもないし、教養もないし、何をやってもすぐに飽きるくせに。
王子様が可哀想だよ。こんな妹が妃候補だなんて。
それに比べて俺は、背が高いだけで痩せている。小さい頃から家で虐げられてきたからだろう。
両親は金髪に青い瞳なのに、何故か俺は黒髪に黒い瞳だ。どっかから拾ってきたんじゃないか?と親戚にも言われ続けてきた。終いには母親が不倫しただのなんだので、俺は厄介者になってしまった。
だから学校を卒業した15歳の時、この城下町に売られてきた。
幸いなことにレストランのマスターは優しくて、住む場所も食事も面倒を見てくれた。
同じレストランで働く従業員も優しくて、家にいるよりも居心地が良かった。
尚更、ここを離れる理由がない。
両親からの手紙は見なかったことにしよう。
なんて思っていた数日後。
「大変申し訳ないのだが、今日で最後だ。今までご苦労さん」
マスターからの突然の解雇通告に、俺は固まってしまった。
「どういうことですか!?」
「ちょっとした事情でな。明日には部屋も出ていってもらいたい。これは今月の給料と退職金だ」
そう言いながらマスターは机の上にパンパンに膨れ上がった小袋を置いた。
机に置く時、金属が擦れる音がしたから、多分金だろう。
「今までありがとう」
マスターは俺の肩を軽くポンと叩いた。
突然の解雇。
職を失い、住む場所も無くした。
これからどうすりゃいいんだよ!
貰った大金で豪遊して、後はどうにでもなれ!と自暴自棄になってやろうか!?
って、いくら給料と退職金って言っても、金貨じゃなくて銀貨だけだから、そんなに豪遊なんかできない。
(銀貨は金貨の1/10しか価値がない)
諦めて、この金で部屋を探すか。
それとも遠くに出かけようか?
とりあえず、馬車に乗ってどっかに行くか。
これだけの金があれば、乗り合いの馬車に乗ればどこにでも行ける。行ける所まで行ってみるか。
馬車の駅で、何も考えずに東行きの馬車に乗った。
俺の実家があるのは西側。その方角には絶対に行きたくなかった。だから反対側の東を選んだ。
そういえば、東には祖父ちゃんの牧場があったな。
相続しろなんて言われたけど、俺には牧場を経営する能力なんてない。城下町のレストランでも厨房で働いていたぐらいだ。料理は出来ても畑を耕したり、家畜の世話などできるはずがない。
だけど、小さい頃、家族にも見向きもされなかった俺を、いつも優しく出迎えてくれた祖父ちゃんの大切な牧場だ。それに、祖父ちゃんの牧場はいつ行っても綺麗に整えられ、季節に合った野菜が実り、花が咲き、沢山の家畜がのんびりと暮らしていた。
あの光景をもう一度見に行こう。
東に進むこと2日。
祖父ちゃんの牧場がある村に着いた。
そこは木の柵で村全体が取り囲まれており、村の入り口に小さな検問所があるだけで、俺がいた城下町とは雲泥の差だった。
俺がいた城下町は、中央に城があり、それを取り囲むように街があった。そしてその街を石造りの壁が取り囲み、壁は人間の何十倍ものの高さでそびえ立っている。
外からの攻撃を防ぐ目的といえば聞こえはいいが、本当は街の外にいる魔物から守るための防御壁だ。
この世界には人間以外にも、知能を持った生き物が森や海、川、山の中に住んでいる。その知能を持った魔物たちが年に何回か大暴れし、人間に危害を加えている。魔物を退治するのは冒険者の仕事。でも、冒険者の数は限りがあり、その土地に定住する者は少ない。
そこで考えられたのが街や村全体を高い壁で覆う事だ。
だが、財力がある所は頑丈な大きな壁を作ることはできるが、それなりの小さな村は簡単な柵しか作る事が出来ない。少しでも魔物の侵入を防ごうと柵を作るが、簡単に作られた柵はあっという間に突破され、村を襲う魔物が後を絶たない。
それでも魔物は知能を持った生き物だ。村に金目の物、強い冒険者がいないとわかると、一度襲った後、しばらくは襲ってこない。魔物も戦闘能力のない村民を襲っても、面白くない事を理解しているんだろうな。だが忘れた頃に襲い掛かってくるので油断はできない。
何よりも、魔物たちは街や村を取り囲む壁の素材で、その場所をランク付けしているらしく、木や石などで簡単に作られた壁のある場所は低ランクの魔物しか来ないようだ。
低ランクと言っても、戦う技術がない者にとってみれば命取りにもなるので、入り口の検問所に務める役人が退治をしている。
一応、王都には治安を守る騎士団があるが、そう滅多に助けには来ない。小さい村が無数に点在している為、騎士団に所属する団員を各村に一人でも配置すると、騎士団には誰もいなくなるらしい。
検問所の前で馬車を降り、役人に身分を証明するものを見せる。
生まれた時に全員が国から発行される証明証を所持している。手のひらに乗るカードタイプで、表面には名前と自分に割り当てられた番号が記載され、裏面は真っ白なシンプルな物だ。これはただのカードではなく、なんとこれ一枚に所有する人物の個人データが電子データとして収められている。
検問所に、丸い液晶画面のついた機械が置いてあり、画面の下にカードをかざす場所がある。ここにカードをかざすと個人データが読み取られ、この機械と繋がった役人しか見る事が出来ない別の機械で、犯罪歴などを確認できる事が出来る。
何もなければ丸い液晶画面に丸印が浮かび上がり、村の中に入ることができる。
万が一、何かヤバイ事があると、丸い画面には「審議」という赤い文字が浮かび上がる。
村の入り口で降りたのは、俺を含めて3人。
一人は身なりのいい青年。年は20代後半ぐらいだろうか? 灰褐色の髪をしたハンサムさんだ。よく見ると左右の目の色が違う。
彼が差し出したカードは銀色に輝いていた。銀色ということは職業ランクがS以上ということだ。
だからなのだろうか。カードをかざす機械と繋がった機械を見ていた役人が急に直立不動になり、深々と頭を下げた。
青年は「どうも」と一言発しただけで、村の中に入っていった。
不思議に思った他の役人が、深々と頭を下げている役人が見ていた機会を覗き込んだ。すると、それを覗き込んだ役人全員が去っていく青年に向かって深々と頭を下げたのだ。
きっと凄いランクの人物なのだろう。
次は10代後半か20代前半ぐらいの女性だった。背筋がピンっと伸びた、すらっとした体形で、薄紫の髪を器用にお団子にしていた。ただ、身なりはどこかの貴族の娘だろうと思わせる綺麗な服装だが、背中に背負った大きな弓矢が違和感を感じる。
この女性のカードも銀色だった。職業ランクがS以上という証拠だ。
この女性に対しても、役人は青年と同様に深々と頭を下げた。
弓矢を持っているという事は冒険者なのだろうか?
身分を証明するカードは、名前や出身地の他にも、今まで獲得した資格、職業としての実績、冒険者としての実績が記載されており、冒険者の実績には今まで退治した魔物の数、Aランク以上の魔物はその名前、さらに国内で行われる武術大会の成績なども記載されている。
役人が頭を下げるという事は、かなりの冒険者だと思われる。
最後に俺の番になった。
前の2人とは違い、黒いカードを取り出した。黒は特に実績もなく、ランクも一番下のE。ただ、レストランで働いていただけなので、大会という大会にも出ていないし、ましてや冒険もしていないので、これと言ってカードの色が変わることは何もしていない。
まあ、前の2人の後で俺のデータを見ても、役人は鼻で笑うだろうな。
それが恥ずかしいとは全く思わず、俺はカードを機械にかざした。
すると突然機械の液晶画面に「審議」という文字が浮かび上がった。
「審議」!?
俺、犯罪なんか犯したことないけど!!??
しかも機械から「村長をお呼びください」という言葉がずっと鳴り響いている。
その音はかなり大きく、先に村に入ったあの2人も振り返るほどだった。
役人たちは罪人か!?と俺に向かって剣を抜き威嚇したが、機械を見ていた役人が
「待て。この者は罪人ではない」
と威嚇を辞めるように命じた。
この中で一番偉い人なのだろうか。その一声に構えていた剣が一斉に鞘に納められた。
機械を見ていた役人が俺の前に立った。
厳つい鎧を着ているが、顔立ちはかなりの男前だ。年も若いのだろうか。30代後半ぐらいだろう。
「手荒な真似をしてしまい、申し訳ない。今、村長が参ります。それまでお待ちください」
軽く頭を下げたその人に、俺は逆にうろたえてしまった。
「俺の個人データ、なんかおかしかったんですか? 何か改ざんされていたとか!? あ!! もしかして親が勝手に籍を抜いたとか!? あり得るもんな。あの親ならやりかねない」
「落ち着いてください。あなたのデータは正常でした」
「だったらなんで!?」
「村長がお見えです」
俺の必死な訴えを無視して、役人は全力疾走してきた村長の方を見た。
俺は無視かい!!
「村長、この者です」
全力疾走してきた白髪の男性は、肩で激しく息をしており、息も絶え絶えだ。
役人も心配しているのか、同僚に水を持ってこいと大声で命令した。
「君が…君がハヤト君なのかね!?」
ど迫力のある顔が、急に俺の目の前に迫ってきた。
「は…はい!?」
肯定とも否定ともとれる、裏返った声で返事をしてしまった。
それにしてもこの村長だと思われる男、顔が怖いです…。
「牧場を相続してくれるのかね!? あの牧場を蘇らせてくれるのかね!? この村を救ってくれるのかね!?」
あの~…なに言っているのか、わからないのですが……。
誰が相続するって?
何処を蘇らせるって?
村を救うってどういうことですか?
「頼むよ~!! ハヤト君!!! 君しかいないんだ~~!!!!」
迫力のある泣き顔に迫られた俺は、必死に役人に助けを求めたが、役人も何故か俺に向かって深々と頭を下げている。
何が何だか分からないんですけど~~~!!!!!!
場所を村長の家に移して、詳しい事を話してもらった。
祖父ちゃんの牧場は、表向きはただの農業と酪農を行う牧場。とても美味しいと評判のあるミルクや卵、野菜は王家から注文が入るほどの質の高い物だった。羊毛も質が良く、王室御用達の仕立て屋がわざわざ買いに来ていたらしい。それらの収入の半分を村に寄付していた祖父ちゃんは、村人たちの英雄的存在だった。
それはそれで別に問題ない。祖父ちゃんの牧場主としての実力は俺も知っている。
問題は【裏の仕事】だ。
どういうわけか祖父ちゃんは、SSランクの冒険者だったらしく、村を襲う魔物退治を定期的に行っていたらしい。
ついでにSSランクの錬金術師でもあったらしく、錬金術で作られた薬や疲労・体力回復効果のある食べ物を作っては、村に来る冒険者が集まるレストランに提供していたらしい。
更にSSランクの研究者でもあり、農作物の品質改良、畜産物の品質向上、武器や農具の改良まで行っており、この村は魔物が恐れる高ランクの冒険者たちの集まる村として発展していたらしい。
更に更に伝説と化している魔物使いのスキルも持っていたらしく、村に襲ってくる低レベルの魔物を服従…もとい手なずけ、なんと村での働き手として、村人と共存していたという。
祖父ちゃんよ、一体どういう裏の顔を持っているんだよ……。
因みに村長の話によれば、祖父ちゃんの身分証明証の色は、勇者に認定された者しか持てない金色を通り越して、国から認められた最高の英雄にしか与えられない虹色だったとか…。
俺、その祖父ちゃんと同じ血が流れているの?
こんな家族にも愛されない落ちこぼれが?
「ところがのぉ……」
村長は視線と共に声のトーンまで落とした。
「ハヤト君の祖父様が亡くなられた後、親族だと言う人物が牧場を受け継いだのだが、能力の差が雲泥の差で、従えていた魔物もどこかに行ってしまい、牧場の生産物も質がどんどん落ちていったんだよ。武器の制作は武器屋が引き継いでくれたが、ハヤト君の祖父様は希少価値のある鉱石を見つけるのが得意でな、いまじゃ誰もその鉱石を採取できなくなってしまったんだ。その影響か武器の質まで落ちてしまった。武器だけじゃない。農具も質が落ちてしまった」
俺の記憶に中にある祖父ちゃんの農具は、虹色に輝いていた気がする。祖父ちゃんに聞いたら【けんじゃのいし】とかいう鉱石を使って改良したとか言っていた。興味がなかった俺はそれ以上聞かなかったから、どんな鉱石かしらない。
「ハヤト君、是非とも牧場を蘇らせてほしい! そしてこの村を前みたいな賑わいを取り戻してほしい!!!」
いや、だから、その迫力のある顔、どうにかなりませんか?
それに、俺はそんな能力ないから無理なんですけど。
「俺、牧場を継ぐとは一言も言ってないんですけど?」
そう。それが一番の重要な事。
俺は一度も牧場を継ぐとは言っていない。
「それなら相続の手続きを、君のご両親がしてくれたよ」
……はぁ!?
「ご両親がこの間、村に来て、今働いている所を辞めさせるから、こちらに来たらよろしくと言っておられた」
いつ!?
「だから働いている所を辞めて、ここに来たのだろ? 君が働いていたのはレストランだったそうだね。そこのマスターは昔、この村で君の祖父様から料理を教えてもらっていたんだよ。出世して城下町でレストランを経営できるほどになったんだ」
最初からグルだったのかよ!!!
祖父ちゃんの知り合いにあの親は俺を売ったのか!?
だからマスターは優しかったのか!?
同僚が優しかったのも、マスターの知り合いだったからなのか!?
「ハヤト君、頼むよ~!! あの牧場を告げるのは君しかいないんだ!!」
そう言われましてもね~~。
俺は今まで牧場経営どころか、レストランで料理を作ることしかしてこなかったんだぞ。
第一、俺にどんな能力があるって言うんだよ。
証明証の個人データは役所で特別な手続きをしないと見る事が出来ないんだぞ?
冒険者なら、各街のギルドって呼ばれる冒険者が登録する本部みたいな所に行けば、自分のステータスとか見ることが出来る。残念ながら、俺は冒険者として登録していないから、何も見れないけどね~。
昔、祖父ちゃんが、一部の人間は心の中で「ステータス」って唱えるだけで、目の前に自分しか見る事が出来ない画面が浮かぶとか言っていたけど、そんなの虹色カード所持者しかできないだろ。
よし! なんとか理由をつけて断ろう!!
そう思った俺の目の前に信じられない物が浮かんでいた。
なんと! 俺の目の前に、自分の名前や個人に与えられている番号が書かれた、透き通った板のような物が浮かんでいたのだ!!!
なんじゃこれ!?
びっくりしていると、村長が不思議そうに首をかしげながら俺の方を見ていた。
「どうかしたのかね?」
どうやら村長には俺が見ているこのよくわからない透き通った板が見えていないようだ。
「な……何でもないです。あ…あの、一度、祖父ちゃんの牧場を見てみたいんですけど……いいですか?」
「ああ、構わないよ。もう時間も遅い。明日にしたらいい」
「え? で…でも、俺、泊まる所が……」
「わしの家に泊まるといい。準備させよう」
あ…いや……宿屋にしてもらいたいんですけど……。でなければ、逃げる道が……。
ああ……行っちゃった……。
パタンと音を立ててしまった扉に伸ばした手を、俺はひっこめる事が出来ず、しばらくの間、そのままの体制でいた。
改めて、自分の目の前に浮かんだ薄い板のような物に目を移した。
これが……これが祖父ちゃんが言っていた【ステータス】とかいう物なのか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
|ハヤト・ライジグーナ(22歳) |
| 07△△-9160〇×〇△-××△〇 |
| |
|出身:王都 |
| ライジグーナ伯爵長男 |
| |
|【更新】 |
| レストラン「友人」退職 |
| サイラ村 旧☆MIRAI☆牧場 相続 |
| |
|-----------------------
お…おぅ……俺の実家が伯爵になってる。俺が家を出る時はただの商会だったはず。
って、本当に相続されている。
俺、何も手続きに加わっていないんだけど、これっていいのかな?
個人データって、こんなに簡単に書き換えられるものなの?
あ、この透き通った板、触れるみたい。
触れるんだけど……どこを触っても反応しないぞ?
祖父ちゃんはどうやって扱っていたんだ?
思い出せ! 思い出せ! 祖父ちゃんが言っていた言葉を思い出せ~~!!
「いいかい、ハヤト。もし自分の目の前に画面が浮かび上がったら、自分の能力を見たければ【スキル】と唱えなさい。所持している物を見たいのなら【アイテム】、装備している武器などは【装備】、料理のレシピは【レシピ】、出会ったことのある人物の詳細は【人物】だ」
【スキル】
【アイテム】
【装備】
【レシピ】
【人物】
思い出した言葉を順に心の中で唱えた。
すると、最初に浮かび上がった透き通る板と同じように、色々な透き通った板が浮かび上がってきた。
これが祖父ちゃんの言っていた【一部の人間しか見る事が出来ない】自分のデータなのか……。
祖父ちゃんはもう一つ言っていた気がする。
なんだったけ?
え~と……
「そこに書かれている事をもっと詳しく知りたいのなら、その箇所を指で押さえながら【詳細】と唱えなさい」
俺は【スキル】に書かれた農耕という場所を指で触りながら【詳細】と唱えた。
すると文字が書かれた透き通った板が浮かび上がった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
|【農耕】 |
|畑を耕し、作物を植え、収穫することで上がるスキル。|
|レベルが上がれば、未所持の種などが手に入る確率が上|
|がる。 |
|一定のレベルに達すると農具の改良が可能。 |
|ただし、このレベルの他に農具スキルのレベルを上げる|
|必要がある。 |
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
なるほどなるほど。スキルを上げればいいことが起きるってことか。
……って!!! 俺、農業やるとは一言も言ってないぞ!?
なにこのスキル!!
【動物】とか、【料理】とか、【伐採】とか、【採掘】とか、よくわからん文字が並んでるんですけど!!
これは牧場を継ぐ事決定ですか!?
俺の気持ちは無視ですか!?
その前に俺は何者なんだ~~~~~!!!!!
<プロローグ 了>
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