祖父ちゃん!なんちゅー牧場を残したんだ!相続する俺の身にもなれ!!

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春の月2日(水の曜日) 交渉しましょう!

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 新しい年を迎えた日は、春の女神の誕生祭も重なって、日が昇っても広場はお祭り騒ぎだった。
 俺は牧場の仕事があるから…と、隙を見て逃げ帰ったが、お昼過ぎに広場に向かうと、まだどんちゃん騒ぎをしていた。
 よく体力持つよな……。



 その翌日、雑貨屋で春に育つ野菜の苗を購入した。
「品評会の準備も進めてくださいね。期待しています!」
 ローズの目がキラキラ輝いている~。きっとベアトリスやアンナからサツマイモの品質を聞いたんだろうね~。
 うわぁ~……失敗は許されないぞ……。
 とりあえず、育てるのに簡単な【カブ】と色々な料理に使える【ジャガイモ】、後、サツマイモのように連作できる【キュウリ】の苗を買った。
「まだ花壇や果樹園は手入れしないのですか?」
「う~ん……そこまで手が回らないんだよね。リーフたちに手伝いを頼んでいるんだけど得意な事苦手な事がはっきりしてきて、出来る仕事を与えていたら、畑の仕事ができる子が半分以下になっちゃったんだ」
「スライムにも不向きな事があるんですね」
「人間と同じってことだよ。でも、今はウォルも畑仕事を手伝ってくれるし、リーフの中には家畜の世話をしてくれる子もいるから、ちょっとずつ広げて行こうかなって思っている」
 俺が話しているのに、ローズが突然フフフと笑い出した。
 な…なに? 俺、なんか変な事言った?
「ハヤトくん、凄く楽しそう」
「へ?」
「初めて畑を耕していた時は不安の塊だったけど、今は楽しそうにしているね」
「そ…そうかな?」
「ハヤトくんにとっての天職みたいだね、牧場経営」
 天職!? 天職って言えるのかな? 祖父ちゃんと祖母ちゃんが残した書物やエリオやスライムたちの手を借りているだけなんだけど…。


 天職か…。
 そんなこと考えたこともなかった。
 まあ、王都にいた時よりも楽しいけど、それは個性豊かな村人たちのお蔭だと思うんだよね。それにウォルやノーム、リーフたちがいてくれたから祖父ちゃんの牧場を再建できるようになったけど、これが一人だったら絶対に無理だったと思う。



 ローズの店を出ると、広場にどこかで見たことがあるような人が、キョロキョロと何かを探しているようだった。
 その人物は貴族の宮廷服のような服を着ており、金色の長い髪を1つに束ね、胸元の方へと流していた。よく見ると、向かって右側の髪の一部が青く染まっていた。
 どこで見かけたんだろう…?そう思いながらその人物を見つめていると目が合った。
「おお! 君を探していたんだ! この間、俺を助けてくれた人だよね!」
 ん? この声、どこかで聞いた事があるんだけど…。
「忘れたかい? この紋章に見覚えはないかい?」
 そう言うとその人は上着の内側から丸い何かを取り出した。
 それは【かいちゅうどけい】と呼ばれるもので、その表面には水平線から顔を覗かせる太陽、空に輝く二つの三日月、三日月と水平線の間には星が一つ刻まれていた。
「これはステラ王国の……。ってことは、ステラ王国の国王様の弟様?」
「義理だけどな。覚えていてくれたのか! よかったよかった!」
 バシバシと俺の肩を叩いてくるその人物。
「えっと……なんでここにいらっしゃるんですか? 冒険しに…って服装ではないですよね?」
 服装はもちろんだが、後ろには俺を睨み付けてくる護衛だと思われる人物が2人いた。しかもその護衛さん、腰に剣を携えており、今にも抜きそうな勢いなんですけど!!!
「君に会いに来たんだ。あの時のお礼と、ちょっとした商談をしにね」
「商談?」
「君がくれた回復薬についてだよ。ここではなんだから、俺が泊まっている宿に行こう。じっくりと話をしたい」
「あ~……えっと……一度牧場に戻ってもいいですか? 今、春野菜の苗を買ってきたので、早く畑に植えたいんですけど…」
「牧場? 君は牧場を経営しているのかね?」
「ええ、まあ…。祖父ちゃんの牧場を継いだだけですけど…」
「俺も着いて行っていいかね? 是非とも見たい!」
「え!? で…でも、普通の牧場じゃないですよ? 絶対に驚きますよ? それでもいいんですか?」
「もちろんだとも! 義兄の大恩人が牧場を経営していたという話を聞いて以来、牧場という物に興味があるんだ!」
 あ~……これは逃げられないってことか…。
 後ろの護衛さん達もなんか睨みつけてくるし~。ここで断ったらあの剣で真っ二つだよね~。
 俺は仕方なく牧場に案内することにした。


 案の定、牧場に就いた途端、牧草地に大量にいるスライムに驚き、俺が買ってきた野菜の苗を植える手伝いをしていたのが茶色いスライムと、銀色の毛並みの子犬で、それにも大げさに驚いていた。
 そしてなによりも、母屋の中に案内した時、暖炉の上に飾られてある祖父ちゃんと祖母ちゃんの姿絵を見て、一番驚いていた。
「これは……ユーキ殿とアスカ殿の姿絵!? 何故、お2人の姿絵を飾っておられる!?」
「それは俺の祖父ちゃんと祖母ちゃんです。ここの牧場は祖父ちゃんが経営していた所で、孫の俺が相続することになったんです。まだ相続して一年も経っていないんですけど…」
 そこまで俺が説明すると、突然ガチャン!!という金属が床に落ちる様な音が部屋中に響き渡った。
 驚いて振り返ると、なんと王弟さんと護衛の2人が、床に膝を付き、俺に向かって頭を下げていた。
「義兄の大恩人のお孫様と知らず、大変ご無礼をいたしました。ユーキ殿とアスカ殿には大変お世話になりましたこと、国王に代わりお礼を申しあげます」
 もうこの光景、慣れたよ~。驚くことも呆れる事も出来ない。
 祖父ちゃんと祖母ちゃんの偉大さは、一般市民の俺に向かって外国の王弟さんまでも頭を下げさせちゃうんだね…。もう何が起きても驚かないよ、俺。
「あの、頭をあげてください。俺、祖父ちゃんと祖母ちゃんの事よく知らないので、お礼を言われてもどう返事をしていいのか困るんです。今、飲み物を入れますので椅子に座ってください」
「ありがたきお言葉、感謝いたします」
 それでも頭を上げようとしない。
 うん、なんか初めてエリオやワイズ、ジャックを出会ったときのことを思い出すよ。

 アンナの店で買った【紅茶】という発酵させたお茶の葉?とかいう物をお湯に浸した物を出しながら、俺は目の前の人物の話を聞く事にした。
「俺…いえ、わたしはコーネリア・ミゼルと申します。ステラ王国の王妃の実弟でして、現在、王立騎士団の総司令官の地位におります。昨年まで冒険者として近隣諸国を旅していました」
 かなり緊張しているのか、コーネリア様の声が震えている。
「ハヤトです。宜しくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします!」
 勢いよく頭を下げたコーネリア様は、机の淵に思い切りおでこをぶつけた。
「だ…大丈夫ですか?」
「大丈夫です! これぐらいの痛み、冒険者で傷を負ったときに比べればなんともありません!」
 そうは言っててもかなり赤くなっているんですけど…。
 俺は足元にいたウォルにリーフを連れてきてほしいと頼んだ。ま、どうせ回復薬がどうのこうのって話していたから、あの薬はスライムが作った物だって証明するのにも手間が省けるし。
「えっと、先ほどコーネリア様は回復薬がどうとか言っていましたけど、その商談ですか?」
「その通りでございます! あの薬の効能はとても素晴らしい! あの薬があれば、我が国も救われます!!」
「救われる? ステラ王国には多くの怪我人がいるんですか?」
「いえ、国民ではなく、我が国に避難してきた民の為に必要なのです」
「避難してきた民?」
 いまいち理解できない俺に、コーネリア様は今のステラ王国で起きている事を詳しく話してくれた。


 ステラ王国はサウザンクロス帝国という大きな国から独立した小さな国だ。
 今から40年ほど前、ステラ王国の前身である【アーリシア】という地方を今の国王(当時17歳)が領地として治めており、父であるサウザンクロス帝国の皇帝に反発するように独立したらしい。
 なんでも、サウザンクロス帝国では2人の女神(と呼ばれる生身の人間)が、自分がこの国の頂点になるために戦いを繰り返しており、その戦いで多くの犠牲者が出たことに耐えられなくなったとか。
 で、領地とした治めていた土地を、そのまま新しい国として建国することにしたんだけど、それを許さなかったのが皇帝で、祖父ちゃんと祖母ちゃんが手を貸す形で皇帝に勝負を挑み、見事勝利。領地を国王が手に入れ、新しい国として再出発することになった。
 …んだけど、その土地に住む民たちは、新しい国になる事に反発。新しい国になると税金も高くなる、今まで受けていた保証も無くなる、独立したことによってサウザンクロス帝国から襲撃を受けるかもしれない、いくら優しい領主が決めたとしても、戦う術を学んだことのない人に国を守れるはずがないと民たちから大反対され、結局【ステラ王国】という国の形が出来たのが約20年前、本格的に国として機能し始めたのはここ5年ぐらいのことらしい。

 あ、それで納得した。
 ステラ王国は出来たばかりの国だって聞いていたんだけど、なんで10年以上も前に亡くなった祖父ちゃんと祖母ちゃんが関われたのか、まだ若いリックさんとナタリアさんが建国に立ちあえたのか、その疑問がやっと解決した。


 で、今、ステラ王国はサウザンクロス帝国で起きている戦いに巻き込まれた人たちを受け入れているんだって。だけどあまりにも数が多くて、ここ最近、同じように独立したボルツール公国とかいう、皇帝の従弟が建国した国と共に受け入れ態勢を整えてきたんだけど、限界を感じているらしい。
 なによりも怪我人が多くて、王立研究所で作られる薬が足りないらしい。
「それで、俺…あ、いえ、僕の回復薬が欲しい…と?」
「その通りです。昨年、わたしに処方してくださった回復薬を国の研究所に調べていただきました。我々が作り出す回復薬よりも何十倍…いえ何千倍ものの効能があり、試しに薄めて使った所、我々が作る薬よりも効果が高い事がわかりました。ハヤト殿の作る薬で何千人という民を救う事が出来ます。是非、我々に薬を提供していただけないでしょうか?」
「提供と言っても、作れる数に限りがあるし…」
「それは承知しております。できればレシピなどを戴ければ、国で作ります」
 レシピと言われても……スライムが作っているのでわかりません!なんて言っても通用するかな?
 定期的に生産するとしてもリーフに体力が持つかわからないし、もしリーフを貸してほしいなんて言われたら、俺が困るし…。


 どうしようかな~…と困っていると、ウォルが背中にリーフを乗せて戻ってきた。
 って、戻ってくるの、遅くない!?
「ウォル、ありがとう」
 俺はリーフを背中に乗せたまま、ウォルを抱き上げた。
「ハヤト殿、そちらの生き物は…」
「シルバーウルフのウォルと、スライムのリーフです」
 俺が紹介すると、ウォルは片手を挙げて「ワン!」と元気よく鳴き、リーフはウォルの頭の上に移動して、<(`^´)>エッヘンと威張った。
「シルバーウルフとスライム…ですか?」
「僕と契約しているんです。ウォルは近くの森で騒ぎを起こしたシルバーウルフの子供で、僕が保護しました。リーフは薬草を見つけては薬を作ってくれるんです。コーネリア様、信じてはもらえないと思うのですが、あなたに差し上げた回復薬は、このスライムが作った物なんです。この子は勝手に薬草を見つけては体内に取り込み、勝手に薬を作ってくれるんです。この子だけではありません。牧草地にいた沢山のスライムが、僕が牧場を経営するにあたって必要な薬などを勝手に作ってくれているんです。なのでレシピという物も存在しませんし、効能がいいと言われても、僕には何もわからないんです」
「これは驚きました。義兄から魔物が作る薬の事は聞いていましたが、本当に実在するとは…」
「え? 前からあったんですか?」
「アスカ殿が契約していた魔物が回復薬などを作っていたと聞いています。ただお話で聞いていただけなので、実際に行われている事に驚愕です」
「あ~…このスライム、牧場に隣接する森にいたようなので、もしかしたら祖母ちゃんが契約していたスライムかもしれませんね」
「ますますあなたの薬が欲しくなりました! どうでしょうか、一年に一度、あなたの…いえ、そのスライムが作る薬を10本ほど納品していただけないでしょうか?」
「10本でいいんですか!? しかも一年に一度って…」
「薄めても高い効能を持つ薬ですので、それだけで十分です。万が一、大量に必要となった時はご連絡します」
 一年に一回、10本の納品でいいのなら、リーフの体力も持つな。
「リーフ、大量に作ってもらう事になるけど、いい?」
 俺の問いかけにリーフはぷにぷにしたからだから腕を伸ばし、俺に向かって敬礼をした。
 やり気満々じゃないか。

 まあ、薄めても効能が高いっていうんだから、一度に大量に納品しちゃえば数年間は関わらなくて済みそうだし。


 ん? 薄めても効能が高い?
 それって、畑を修復する薬も同じってこと?


「あ…あの~……ちょっとお伺いしたいのですが…」
「なんでしょうか。あ、代金の事ですね。代金は一本銀貨5枚で取引させていただきます」
「銀貨5枚!? 高すぎませんか!? 銀貨1枚でも十分ですよ! なんでしたらまとめて買っていただけるのなら値引きだってしちゃいます! むしろ、こちらのお願い事を聞いてくださるのなら10本銀貨一枚でも多いですよ!」
「お願い…ですか?」
「あの、実はこの村の農家さんや隣の領地の農家さんが、悪徳商人に騙されまして畑が使えない状態になってしまったんです。その畑を回復させるための薬をリーフが作ることができるのですが、畑自体が広いのでリーフの体力が持たないんですね。それで、この子が作った薬が薄めても効能が高いってことは、畑を回復する薬も薄めて使う事が出来るってことですよね?」
「ええ、まあ、そうなりますね。わたしは実際にその回復薬の効能を見ていないので正しいことは言えませんが、お時間をいただけるのであればお調べいたします」
「どれぐらい時間が掛かりますか?」
「王都に薬を調べてくれる知り合いがいますので、2~3日お時間をいただければ結果をお知らせできます」
「え!? 王都まで馬車で片道2日かかりますよね!? そんな短時間でできるんですか!?」
「わたしには最速で移動できる交通手段を持っておりますので。今すぐにでも王都に向かいましょう」
 最速で移動できる交通手段ってなんだ!? なんか場所を一瞬で移動できる魔法でも持ってるの!?


 その最速で移動できる交通手段は、検問所のところにあった。いや、正確には居た。
「これがわたしの交通手段です」
 コーネリア様が紹介してくれたは、なんとなんと!羽根の生えた白い馬だった!!
 これ、祖父ちゃんが牧場で飼っていた馬じゃん!!
「このペガサスはユーキ殿が飼われていたペガサスの子供にあたります」
「子供?」
「ユーキ殿は一頭のペガサスと契約を結んでおり、冒険の途中で番いを見つけ、ご自身の牧場で繁殖をされていたのです。繁殖された何頭かはユーキ殿の恩恵を受けた王侯貴族に献上されています。その一頭がこちらです」
 じ…祖父ちゃん……魔物の繁殖までしていたの? しかも恩恵を受けた王侯貴族って、どれだけの人と関わりをもっているの?
「では、ハヤト殿。すぐに王都で調べてまいります。しばしのお待ちを」
 そう言うとコーネリア様はペガサスに飛び乗り、空高く舞い上がった。
 護衛の2人もそれぞれペガサスに飛び乗り、コーネリア様の後を追った。


 えっと……祖父ちゃんは一体、牧場で何をしていたんだ?
 ただの牧場主ではないことはここ一年の間でわかったんだけど、恩恵を受けた王侯貴族って……まさか祖父ちゃんと祖母ちゃん、サウザンクロス帝国で起きている戦いに関わっていたりしないよね?



           <つづく>


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