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異世界生活
異世界(アルホンス)
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この国の皇太子であるフェリックス•ロザリアンからの緊急用の連絡。
その内容は、ディール国から側室として嫁いできた寵姫の子である自分の妹と弟が関係している事。
妹、エリザベート皇女は、以前より竜人族の長寿や力に魅了されており、今回の『聖女召喚の儀式』宴に参加した俺に好意を持ったらしい。その時はまだユウリと出逢っていなかったから、『番』のいない俺は、次期公爵としての身分もあり、好物件だと思ったのだろう。もしくは、あの時手助けをしたからか?いゃ、普通するだろ。転びそうになる女性を見て見ぬふりなんて、貴族であり、騎士でもあるものなら当たり前の対応だ。我が国ではな…
直ぐに父親である皇王にその旨を伝えたらしい。
家臣達からも、是が非でもとなったらしいが、その後、私が『運命の番』と出会った事を知ると、諦めるように促してくれていたらしい。
過去の事があったからだ。
当の本人は諦めきれず、弟の欲する者と自分が排除したい者が一致していると判断して、向かっていると。
もう一人現れた女性。
彼女、ユウリに危害を加える可能性が高いから気をつけて欲しい。ただ、瘴気問題や魔獣。扉の問題で聖女巡礼中であるから、公の問題にしたくない。適当に相手をしてこちらに返して来て欲しいと依頼された。
今、問題にしたくはないのは理解できるが、納得は出来かねる。
そして、もう一人。弟と称される男の方が殺したいほど怒りを感じた。
この国の側室は、魔人族だそうだ。よって、皇女は『ヒト族』であり、皇子は『魔人族』であった。
皇子は魔人族特有の研究者体質なのか、魔法研究や過去の聖女の秘密などに興味を持っていたらしい。魔力もそれなりにあり、研究を存分にしたいと、自ら母親の親類を頼りディール国に渡り、そして魔塔の住人となった。
それだけなら、魔塔で存分に研究すればいいと思う。
新しい魔法を構築したり、聖女の研究であれば、過去の文献を読み解いていけば良い。
だが、異常な程の執着があったようだ。
問題の皇子は、ディール国からの魔力提供者として儀式参加していたらしい。
魔力枯渇を引き起こし、倒れたと報告を受けたと。自国からあえて彼を参加させた訳ではないと念を押していた。
儀式に現れたのが二人の女性だった事に感動し、父である皇王に『聖女の側で同行し観察させてもらいたい。後、もう現れた異世界人を魔塔に研究材料として連れて帰りたい』と申し出たと。
『聖女の力』と、『異世界人』の能力と生態を研究するべきだと。今後の人類において必要なことだと熱弁したと。研究にあたっては、魔塔ほど良い環境はないと訴えた。
その皇子マルクス。
皇太子の嫌な予想通りだ。回避させるため、友人のディール国の第三王子から、色を変える魔法薬を譲り受け、姿を変えてこの地に逃れて来た。
ただ、誤算は、彼女の作るポーションの効果が良かった事。そして、聖女にものすごく適合した。
そこから、ユウリの生存率を考え上げ、確認をエリザベート皇女に頼んだのであろうと。
シュタルク領主アルバート殿や、ジャディール殿下。薬草研究所所長であるリカルト殿と協議した結果、渋々応じたが…
「報告に行くか…」
シャワーを止め、魔法で水滴を飛ばす。
急ぎ着替えて、殿下の元へ向かった。
その内容は、ディール国から側室として嫁いできた寵姫の子である自分の妹と弟が関係している事。
妹、エリザベート皇女は、以前より竜人族の長寿や力に魅了されており、今回の『聖女召喚の儀式』宴に参加した俺に好意を持ったらしい。その時はまだユウリと出逢っていなかったから、『番』のいない俺は、次期公爵としての身分もあり、好物件だと思ったのだろう。もしくは、あの時手助けをしたからか?いゃ、普通するだろ。転びそうになる女性を見て見ぬふりなんて、貴族であり、騎士でもあるものなら当たり前の対応だ。我が国ではな…
直ぐに父親である皇王にその旨を伝えたらしい。
家臣達からも、是が非でもとなったらしいが、その後、私が『運命の番』と出会った事を知ると、諦めるように促してくれていたらしい。
過去の事があったからだ。
当の本人は諦めきれず、弟の欲する者と自分が排除したい者が一致していると判断して、向かっていると。
もう一人現れた女性。
彼女、ユウリに危害を加える可能性が高いから気をつけて欲しい。ただ、瘴気問題や魔獣。扉の問題で聖女巡礼中であるから、公の問題にしたくない。適当に相手をしてこちらに返して来て欲しいと依頼された。
今、問題にしたくはないのは理解できるが、納得は出来かねる。
そして、もう一人。弟と称される男の方が殺したいほど怒りを感じた。
この国の側室は、魔人族だそうだ。よって、皇女は『ヒト族』であり、皇子は『魔人族』であった。
皇子は魔人族特有の研究者体質なのか、魔法研究や過去の聖女の秘密などに興味を持っていたらしい。魔力もそれなりにあり、研究を存分にしたいと、自ら母親の親類を頼りディール国に渡り、そして魔塔の住人となった。
それだけなら、魔塔で存分に研究すればいいと思う。
新しい魔法を構築したり、聖女の研究であれば、過去の文献を読み解いていけば良い。
だが、異常な程の執着があったようだ。
問題の皇子は、ディール国からの魔力提供者として儀式参加していたらしい。
魔力枯渇を引き起こし、倒れたと報告を受けたと。自国からあえて彼を参加させた訳ではないと念を押していた。
儀式に現れたのが二人の女性だった事に感動し、父である皇王に『聖女の側で同行し観察させてもらいたい。後、もう現れた異世界人を魔塔に研究材料として連れて帰りたい』と申し出たと。
『聖女の力』と、『異世界人』の能力と生態を研究するべきだと。今後の人類において必要なことだと熱弁したと。研究にあたっては、魔塔ほど良い環境はないと訴えた。
その皇子マルクス。
皇太子の嫌な予想通りだ。回避させるため、友人のディール国の第三王子から、色を変える魔法薬を譲り受け、姿を変えてこの地に逃れて来た。
ただ、誤算は、彼女の作るポーションの効果が良かった事。そして、聖女にものすごく適合した。
そこから、ユウリの生存率を考え上げ、確認をエリザベート皇女に頼んだのであろうと。
シュタルク領主アルバート殿や、ジャディール殿下。薬草研究所所長であるリカルト殿と協議した結果、渋々応じたが…
「報告に行くか…」
シャワーを止め、魔法で水滴を飛ばす。
急ぎ着替えて、殿下の元へ向かった。
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