竜の恋人

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未来へ

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そう、神アルメルアからの願いは叶わなかった。
神アルメルアの双子神である神シルメールには逃げられてしまったんだ。
あの神は厄災を運ぶ。
遊びのように…

姉は、もしかしたらその事も知っていたのか??

「姉君の未来視は、多くに分岐点も見通していたのかもしれない。その中の一つを選び取った。あの呪いがどう発動するかはわからない。だが、今は発動せず、ただ右手に纏うようになっているだけのようだ。魔塔の者達も調べ上げているようだ。皇太子妃になる女性の身体に刻まれたのだからね。」

「えっと??皇太子妃?」
「そうだよ。浄化巡礼に伴っていた一人は彼の国『魔人の国』ディール帝国の魔人族であり、魔術師・魔導士であるが、エドワード・ディールという人物はディール帝国第三皇子だ。あの国は魔人の国であるからか、皇帝の座につくのは魔人族ときめられている。皇族の中に魔人族の者がいなければ、王位継承権を持つ王子が魔人族の妻を娶り魔人族の子に皇帝の座を渡す習わしがある。ちなみに、第一皇子はヒト族で、第二皇子は竜人族だ。彼だけが魔人族であるため、皇帝の座につく者。皇太子となっているんだ。今現在扉も閉まり、扉自体崩壊した。扉から抜け出た小悪魔や魔獣達は騎士達で討伐。各地の魔獣も討伐し、一旦魔素溜まりも消滅したらしい。まぁ、今回のような魔素溜まりは発生しないとは思うが、小規模で発生はするだろう。どうしても負の気は…まぁそれは良いとしてだ。対応できるからね。姉君は聖女としての任務を完了したとして、今後の事で、エドワード殿下の妻となる事が決められた。既に婚姻の約束もされていたようだしね。婚姻届はとりあえず仮で受理されたんだ。」

「えっと?仮って??」

本来、国によって多少違ったりするが、婚姻届はお互いの署名で受理される。が、今回のように相手が昏睡状態やその他のサインできない場合、仮として別の高位者のサインでできることがある。政略結婚のような感じだけれどね。で、今回特例として、新郎としてエドワード殿下のサイン。新婦としては、彼女の義理弟になる私のサインと、『ヒト族の国』ロザリアン神聖国 皇太子フェリックス•ロザリアンのサインをされた。私は既に君と婚姻しているから、もう身内。親族扱いだ。しかも高位貴族の公爵家の当主。そして、ロザリアン神聖国は君達をこの世界に召喚した筆頭国。その皇太子であるフェリックス•ロザリアンは浄化巡礼などに関しても全て任されているからね。彼らのサインがあれば仮婚姻届は受理される。」

「えっと…」
「だから、もう皇太子妃だ。後は目覚めるのを待つのみか…彼からは逃げれないだろうしね…」

うん、この世界の男性達の執着は特別強いと判断した。
女性達もそうかも知れないけれど、今知っているのは…
うん、あまり深くは追求したらダメなやつだ。

「そうなのね…」
「彼女が目覚めたら連絡がくる事になっれいる。だから今は自分の体のことを考えて。でないと、私もどうするかわからない。」
「えっとね…」
「まだあの男は捉えられていない。国際的に指名手配はしているんだがね。何故か網に引っ掛かることなく何処かに潜んでいるみたいだ。」

あの時の…そして、優しくしてくれた彼女の命が…

「あぁ、そんな悲しい顔をしないで…」

そっと両頬をとらえられてくちびるが重なる。
チュッとリップ音をさせて離れたと思ったら、背中に置かれていたクッションが一気になくなり、ポスんと体がベットに沈む。
そして、唇を貪られていった。
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