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悪役令嬢回避
希望(ギルベルト)
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あれは衝撃的なことだった。
弟のエルと妹のレインを楽しませてやろうと、もう一人の弟であるアシュと父上達との相談の上、屋敷近くの森を少し超えたところにある湖に遠出をする事になったんだ。
勿論、徒歩ではなく、馬に乗ってだが。
母上が昨日から、厨房の者たちを手伝わせながら準備してくれたピクニック用の弁当は、同行する侍従や侍女が持ってくる事になっていた。貴族であるから、どうしても護衛とかもついてくる。
折角であるからと、離れて同行はしてくれているが、魔力感知をしながら、危険なものがある場合は、先に排除してくれていたんだ。
そんな事も知らずに、俺の腕の中で妹のレインは楽しそうに景色を楽しんでいた。
レインもエルも馬に乗った事がないと言っていた。
父上も、もう少ししたら、ポニーから乗馬の訓練をさせようかって計画は立てていたようだ。
レイが手配していたからね。
この子達に合いそうな性格のポニーはいないかって。ついでに馬も探していた。
仔馬から一緒にいれば、主人の事を大切にしてくれるからね。
俺の愛馬もそうだ
気性は激しい訳ではないけれど、いざという時は魔物を踏み殺すぐらいはやって退けるんだ。
小型の魔物だけれどね。大型においては怯むことは無い。
父上の愛馬の血筋のせいかも知れない。
そんな俺の愛馬とアシュの愛馬とを、レインとエドは触れて喜んでいたんだ。
そして、いざ騎乗という時、父上が自分と一緒にって言い出したから、却下した。エルに関しても同じような事を言うからアシュが却下したんだ。
そして、レインは俺の馬に、エルはアシュの馬に乗せて、その後ろに騎乗して支えながら走らせたんだ。
賢いこの子は絶対に俺達を落とす事はない。
乗り心地も良いようにと配慮して走るんだ。
素晴らしいよ。本当に。
レインやエルの馬もそんな馬だと良いなと思う。
まぁ、あのレイが見つけて来るんだ。絶対にいい馬だとは思うけれどな…。
もし、レインの馬が決まらず、乗馬の時、ポニーではなく馬でとなったら、この子を貸しても良いとも思う。
このジュディオンをね。
そうして到着した湖で、まさかの事件が起こった。
初めはレインも一緒に釣りを楽しんでいたんだ。
だけれど、やはり女の子であるからと、侍女達が気を利かして、すぐ側の花が密集して綺麗な場所があると連れ出したんだ。
それは別に良い。レインが楽しめるのなら。
この所、自分の事を『俺』とよく言っていた。
騎士団と訓練をしていると、騎士たちが自分の事を『俺』と言っていたから、移ったのかも知れない。
貴族としては『私』と言うべきなんだ。昔は『僕』とも言っていたけれど…。
つい『俺』って言ってしまい、レインが怖がったらと思って…。レイン達がいる場は、特に「私」と言うように注意していた。
まぁ、今はそんな事はどうでも良い。
その後の事だ。
ある程度釣って、一旦中断したんだ。
昼食を取るために。
釣った魚も騎士や侍女、侍従達が調理したから、その場で食べた。
母上が持してくれた弁当も広げて、それもみんなで食べたんだ。
特に、レインとエルが種類が多く食べれるように配慮してだ。
母上は、「私の料理を食べてもらいたい!」って張り切っていたからな。「美味しかった」と本人に伝えてくれたらものすごく喜ぶことだろう。
これらを食べている妹達の、何とも言えない幸せそうな顔で、本当に連れて来て良かったと思った。
ただ、ちょっと考える必要性の案件はできたが…
この子達は、自分の考えている事を、ついつい言葉で出している事がある。
呟く程度の音声であるが…
そこで、「母上と一緒に料理を」と言っていた。
食べさせたいのは俺たち家族。
普通なら、喜んでどうぞと言うべきだろうが…
父上が母上が厨房に入ると言えば最新の注意をしていた。
元々料理が好きな母上だったらしいが、父上が「怪我したら…」ってよく心配されたんだ。
だから、あまり厨房に立たれる事はない。
今回はレインとエルに食べてもらいたいって、父上にお願いして何とかって感じだったんだ。
レインと出逢うまえは、「そのぐらい」って思い、「何でそこまで」とも思っていたものだ。
我が家の家系の男子は、「この人」と思ったら、とことん執着してしまうんだ。
そして、無理強いではなく、本人とも合意の上で婚姻となるんだ。
その為には、知識も体力もと、自分の中に落とし込んでいき、その結果で、排除すべき物は全て排除していくんだ。
そこで、レインが料理…。
厨房は危険が多い。手などを切ったり、火傷の恐れもあるし、鍋などが落ちて来たらケガだって…そんなことになったら、俺はどうなる…
父上に相談して簡易キッチンを作って、見守りの中なら許可したら…。
うん、変えればすぐ相談だ。
そんな事を考えていた。
この子達に関して、他にも多く相談すべきことがある。
この子達から聞き出す必要性のあるものもあるんだが…。
それも踏まえるか…。
そうしていると、食後の運動としてと、剣の打ち合いをすることになった。
父上達は達人級だ。真剣で撃ち合いしても、怪我を負わせる事もない。
それに、連れて来た侍女や侍従達の中に癒しのスキル持ちがいるから、余程でない限り大丈夫なんだ。
エルとレインは危険だから、花が咲き乱れていた場所の側で見ているように言った。
目が届き、声が聞こえる範囲で、剣を振り回しても安心できる距離だ。
もしものために、少し障壁結界をレイが張っていた。
父上より一歳年上のレイは、何かと器用にこなす。だからあの若さで家令なんだろうけど…。
本来の家令はもっと年配だ。父上もレイには負けている事も多いしな…。
キラキラした瞳で必死で見守って応援してくれるから、良いところを見せたくなって、ついつい熱が入ったのも事実だった。自分自身の成長を父上に確かめてほしいとの気持ちもあって、父上と剣を交えたりしていたんだ。アシュもだけども…。
その時、事件が起こったんだ。
いきなり魔力の動きを感じたんだ。
大きな力で、しかもその魔力の感じは…
「「えっ、ええ~っ!!」」
叫ぶエルとレインの声で、剣の動きを何とか止める。
あの子達が急に立ち上がり、指差すのに気づき、剣を下ろし指差す先に視線を…
向けるが、少し湖の水面の揺れが激しい?
何人かの騎士達が、土産用に釣れたらと、頑張って釣りをしていたから、そのせいか?とも思っていたが…
やはり何かがいると感じて、剣を握り直して、剣先をその異様なものの気配の方に向けて、警戒体制をとった。
湖が、風もないのに波を打ち出して、それも荒々しくなりだした。
レインたちの方には側にいた騎士達が守護対象者に対して陣をとる。
「何だ!?」と言っている者達もいたが…。
しばらくして、触手らしいものが見えた。
この湖には、主と呼ばれる魔物の存在を確認している。
特に害は無いから放置していたんだ。
その主は、オームと呼ばれるもので、水の汚れを綺麗にして、一緒に取り込んでしまった土などを綺麗な砂に変えていたんだ。湖に奥の方にいつもそれは確認されていた。
だがまさか…
何かを引き摺り込んでいるような、ただ暴れているだけなのか、それとも俺達を襲う?
湖から伸ばされたのは無数の触手。
なんともいえない姿で…無数の触手しか見えてない。
一瞬グロテスクにも思えるかも知れない。
本体は見えてない事から、体はまだ湖の中??
水面が更に揺れているから、出てくる?
すると、水が噴き出し始め、本体から溢れる魔力のドロドロした感じで…。
俺達は目の前の出来事に集中していたんだ。
その時だ。レインの魔力が乱れた。
僕と繋がるものが警戒を伝えて来る。
レインの危機が…
レインのいる方角に視線を送る。
アシュも同じように何かを感じたのか、二人がいる方向に視線を送った。
湖の方は父上達が警戒してくれているから…
エルとレインの足元にある花々。その茎などが蔓のように伸びていき、空中の何か飛び交っているのか?それを捕らえているようだった。
何か見えないモノを無数に蔓で巻きつけて捕らえている…。
しかも、レインが危ないと思ったのか、庇う動作をしながらだ。
もしかしたら、あれはエルの魔力操作で行っているのか?
まだ十分な教育が施されていないはず。
これからしっかりと学ぶための準備段階はずだ。
そう思った瞬間か、見えない捕らえたものが、いきなり光ったようにも見えた。
気のせいかも知れないぐらいだったが。
目の前の触手が大暴れしているから、そちらに集中せざるを得ない。
背後の気配には十分注意はしておいた。
さっきの危険を伝えていたのが一旦治ったのだ。
その理由はわからないが…
反応したのは、いつも持ち歩く懐中時計。
魔道具の一つで、あの子達にプレゼントしたネックレスに共鳴やその他の機能を詰め込んで付与させているんだ。
刻印だったり、魔石だったりして。
チラッとみると、二人は何かを舐める動作をしていた。
蠢くように何かを捕らえていた蔓は、今は動きを止めていた。
まだ何かに巻きついている感じがするが~。
もしかしたら、俺たちには見えない何かが飛び交っていたのか?
エルの魔法で蔓が伸びて、動いてるぐらいに見えていたが…。
エルの瞳の色はエメラルドグリーンだ。瞳の色が主属性を表すと言われている。
だから、緑、緑化関係の魔法が使える事は、屋敷の者達含め、みんなが想像していたんだ。
それが強力な緑化だったのか?
知っているのは、あの時参加した者のみ。
俺も参加したから知っている。もう一つ、いゃ、二つ。不思議な文字だったんだ。
訳して貰ったが、あれが関与しているのか?
なら、見えないものは…妖精や精霊と言った部類か?
向こうの者達が『妖精』と言った言葉が聞こえて来た。
まだ湖の方に集中しないといけないのだが、わかっているのだが…。
『妖精のイタズラ』と言う言葉が頭の中で流れた。
妖精にとっては良い事なのだろうが、こちらからしたら悲劇になる。
エルから聴いたのは、まだ母上のお腹の中にいる弟か妹のことだ。
レインの事ではない。
それでの反応だったのか?
エルも焦った表情をしていたし、今は危険を知らしていないから、その脅威は去った…。
そうこうしたら、レインとエルが私達の方に近づいて来た。
伸びていた蔓は、もう元に戻っていたんだ。
そして…
「兄様、釣りの時、疑似餌を取られて糸が切れたりしていませんか?」
エル俺にそう聞いてきたから、「一回糸が切れた」と言っておいた。
何かに引っ掛かる感じがして、ぷつんと…そう切れたんだ。
釣りの時、このような事は時々ある。
釣りの後、魔法操作で探して回収するんだが、まだ釣りを楽しんでいる者もいたから回収はしていなかった。
回収の魔法は難しすぎるものではないが、範囲が広ければ結構な魔力が必要になって来る事もある。しかし、湖の生き物が間違って飲み込んでしまう可能性があるからな。生態系にも関与して来る。
その辺りを説明しておいたんだ。
レイが俺達に防御結界を張ったようなので、取り敢えずは会話は可能になっていたんだ。
「兄様。少し御免なさい。」
そう言ってエルがアシュの手をギュッて握る。
アシュが少し嬉しそうな顔をしていた。
エル兄様の真剣な顔が微笑ましい感じだだからだろう。少し羨ましい…。
すると、レインが俺が感じた寂しさに応じてくれたのか、俺の手をギュッて握って、魔力を少しだけ送ってくる.。
「レインの魔力は心地いいね~。ん?」
ついつい本音が出てしまった。本当に心地よいのだ。
向こうで職種に対応している父上が羨ましそうな顔をしていた。
すると、何やら…
そう、レインの背後にふわふわ飛び交うものが見えた。
エルの後ろにもだ。
アシュも見えたのだろう。
「「見えました?」か?」
レインとエルの言葉が重なる。
ふわふわして飛び交うものは、やがて人型に見えてきた。
小さな子供の姿に羽。薄い羽は不思議な色合いで透けてもいて綺麗だ。
やはり、妖精の仕業だったのか?
「みっ、見えるよ」
「あれは、妖精か?妖精…初めて見た。」
そう言って、俺は『妖精のイタズラ』と言う言葉が心に刺さり、この大切な人を奪われなかったことに感謝した。
それと、同時に抱きしめてしまわなければいけないとも思ったんだ。
しっかりとこの温もりを感じて…。そして、今目の前に飛び交う者に威嚇した。
「兄様、これは『妖精のイタズラ』ではなくて、助けを求めてるんです。協力要請ですよ。」
「そう、助けて欲しい、協力して欲しいって、見えるようにしてくれたの。」
「「そうなんだな。なら、連れて行かれることもないんだな!」」
アシュもエルを抱きしめていた。アシュもエルが連れ攫われると思ったのだろう。
俺達は同じだな…
だが、それではエルのアレはなんだ?
思うに。レインを庇っていたから、レインの魔力に引かれてきた可能性が多いにある。
助けて欲しかった気持ちは本当だろうが、惹かれてできれば…という気持ちもあって、エルがそれに反応して攻撃。魔力操作で捕らえた。多分この予測は当たっていると…確認は後だな…
弟のエルと妹のレインを楽しませてやろうと、もう一人の弟であるアシュと父上達との相談の上、屋敷近くの森を少し超えたところにある湖に遠出をする事になったんだ。
勿論、徒歩ではなく、馬に乗ってだが。
母上が昨日から、厨房の者たちを手伝わせながら準備してくれたピクニック用の弁当は、同行する侍従や侍女が持ってくる事になっていた。貴族であるから、どうしても護衛とかもついてくる。
折角であるからと、離れて同行はしてくれているが、魔力感知をしながら、危険なものがある場合は、先に排除してくれていたんだ。
そんな事も知らずに、俺の腕の中で妹のレインは楽しそうに景色を楽しんでいた。
レインもエルも馬に乗った事がないと言っていた。
父上も、もう少ししたら、ポニーから乗馬の訓練をさせようかって計画は立てていたようだ。
レイが手配していたからね。
この子達に合いそうな性格のポニーはいないかって。ついでに馬も探していた。
仔馬から一緒にいれば、主人の事を大切にしてくれるからね。
俺の愛馬もそうだ
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小型の魔物だけれどね。大型においては怯むことは無い。
父上の愛馬の血筋のせいかも知れない。
そんな俺の愛馬とアシュの愛馬とを、レインとエドは触れて喜んでいたんだ。
そして、いざ騎乗という時、父上が自分と一緒にって言い出したから、却下した。エルに関しても同じような事を言うからアシュが却下したんだ。
そして、レインは俺の馬に、エルはアシュの馬に乗せて、その後ろに騎乗して支えながら走らせたんだ。
賢いこの子は絶対に俺達を落とす事はない。
乗り心地も良いようにと配慮して走るんだ。
素晴らしいよ。本当に。
レインやエルの馬もそんな馬だと良いなと思う。
まぁ、あのレイが見つけて来るんだ。絶対にいい馬だとは思うけれどな…。
もし、レインの馬が決まらず、乗馬の時、ポニーではなく馬でとなったら、この子を貸しても良いとも思う。
このジュディオンをね。
そうして到着した湖で、まさかの事件が起こった。
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つい『俺』って言ってしまい、レインが怖がったらと思って…。レイン達がいる場は、特に「私」と言うように注意していた。
まぁ、今はそんな事はどうでも良い。
その後の事だ。
ある程度釣って、一旦中断したんだ。
昼食を取るために。
釣った魚も騎士や侍女、侍従達が調理したから、その場で食べた。
母上が持してくれた弁当も広げて、それもみんなで食べたんだ。
特に、レインとエルが種類が多く食べれるように配慮してだ。
母上は、「私の料理を食べてもらいたい!」って張り切っていたからな。「美味しかった」と本人に伝えてくれたらものすごく喜ぶことだろう。
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ただ、ちょっと考える必要性の案件はできたが…
この子達は、自分の考えている事を、ついつい言葉で出している事がある。
呟く程度の音声であるが…
そこで、「母上と一緒に料理を」と言っていた。
食べさせたいのは俺たち家族。
普通なら、喜んでどうぞと言うべきだろうが…
父上が母上が厨房に入ると言えば最新の注意をしていた。
元々料理が好きな母上だったらしいが、父上が「怪我したら…」ってよく心配されたんだ。
だから、あまり厨房に立たれる事はない。
今回はレインとエルに食べてもらいたいって、父上にお願いして何とかって感じだったんだ。
レインと出逢うまえは、「そのぐらい」って思い、「何でそこまで」とも思っていたものだ。
我が家の家系の男子は、「この人」と思ったら、とことん執着してしまうんだ。
そして、無理強いではなく、本人とも合意の上で婚姻となるんだ。
その為には、知識も体力もと、自分の中に落とし込んでいき、その結果で、排除すべき物は全て排除していくんだ。
そこで、レインが料理…。
厨房は危険が多い。手などを切ったり、火傷の恐れもあるし、鍋などが落ちて来たらケガだって…そんなことになったら、俺はどうなる…
父上に相談して簡易キッチンを作って、見守りの中なら許可したら…。
うん、変えればすぐ相談だ。
そんな事を考えていた。
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この子達から聞き出す必要性のあるものもあるんだが…。
それも踏まえるか…。
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父上達は達人級だ。真剣で撃ち合いしても、怪我を負わせる事もない。
それに、連れて来た侍女や侍従達の中に癒しのスキル持ちがいるから、余程でない限り大丈夫なんだ。
エルとレインは危険だから、花が咲き乱れていた場所の側で見ているように言った。
目が届き、声が聞こえる範囲で、剣を振り回しても安心できる距離だ。
もしものために、少し障壁結界をレイが張っていた。
父上より一歳年上のレイは、何かと器用にこなす。だからあの若さで家令なんだろうけど…。
本来の家令はもっと年配だ。父上もレイには負けている事も多いしな…。
キラキラした瞳で必死で見守って応援してくれるから、良いところを見せたくなって、ついつい熱が入ったのも事実だった。自分自身の成長を父上に確かめてほしいとの気持ちもあって、父上と剣を交えたりしていたんだ。アシュもだけども…。
その時、事件が起こったんだ。
いきなり魔力の動きを感じたんだ。
大きな力で、しかもその魔力の感じは…
「「えっ、ええ~っ!!」」
叫ぶエルとレインの声で、剣の動きを何とか止める。
あの子達が急に立ち上がり、指差すのに気づき、剣を下ろし指差す先に視線を…
向けるが、少し湖の水面の揺れが激しい?
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やはり何かがいると感じて、剣を握り直して、剣先をその異様なものの気配の方に向けて、警戒体制をとった。
湖が、風もないのに波を打ち出して、それも荒々しくなりだした。
レインたちの方には側にいた騎士達が守護対象者に対して陣をとる。
「何だ!?」と言っている者達もいたが…。
しばらくして、触手らしいものが見えた。
この湖には、主と呼ばれる魔物の存在を確認している。
特に害は無いから放置していたんだ。
その主は、オームと呼ばれるもので、水の汚れを綺麗にして、一緒に取り込んでしまった土などを綺麗な砂に変えていたんだ。湖に奥の方にいつもそれは確認されていた。
だがまさか…
何かを引き摺り込んでいるような、ただ暴れているだけなのか、それとも俺達を襲う?
湖から伸ばされたのは無数の触手。
なんともいえない姿で…無数の触手しか見えてない。
一瞬グロテスクにも思えるかも知れない。
本体は見えてない事から、体はまだ湖の中??
水面が更に揺れているから、出てくる?
すると、水が噴き出し始め、本体から溢れる魔力のドロドロした感じで…。
俺達は目の前の出来事に集中していたんだ。
その時だ。レインの魔力が乱れた。
僕と繋がるものが警戒を伝えて来る。
レインの危機が…
レインのいる方角に視線を送る。
アシュも同じように何かを感じたのか、二人がいる方向に視線を送った。
湖の方は父上達が警戒してくれているから…
エルとレインの足元にある花々。その茎などが蔓のように伸びていき、空中の何か飛び交っているのか?それを捕らえているようだった。
何か見えないモノを無数に蔓で巻きつけて捕らえている…。
しかも、レインが危ないと思ったのか、庇う動作をしながらだ。
もしかしたら、あれはエルの魔力操作で行っているのか?
まだ十分な教育が施されていないはず。
これからしっかりと学ぶための準備段階はずだ。
そう思った瞬間か、見えない捕らえたものが、いきなり光ったようにも見えた。
気のせいかも知れないぐらいだったが。
目の前の触手が大暴れしているから、そちらに集中せざるを得ない。
背後の気配には十分注意はしておいた。
さっきの危険を伝えていたのが一旦治ったのだ。
その理由はわからないが…
反応したのは、いつも持ち歩く懐中時計。
魔道具の一つで、あの子達にプレゼントしたネックレスに共鳴やその他の機能を詰め込んで付与させているんだ。
刻印だったり、魔石だったりして。
チラッとみると、二人は何かを舐める動作をしていた。
蠢くように何かを捕らえていた蔓は、今は動きを止めていた。
まだ何かに巻きついている感じがするが~。
もしかしたら、俺たちには見えない何かが飛び交っていたのか?
エルの魔法で蔓が伸びて、動いてるぐらいに見えていたが…。
エルの瞳の色はエメラルドグリーンだ。瞳の色が主属性を表すと言われている。
だから、緑、緑化関係の魔法が使える事は、屋敷の者達含め、みんなが想像していたんだ。
それが強力な緑化だったのか?
知っているのは、あの時参加した者のみ。
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訳して貰ったが、あれが関与しているのか?
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レインの事ではない。
それでの反応だったのか?
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伸びていた蔓は、もう元に戻っていたんだ。
そして…
「兄様、釣りの時、疑似餌を取られて糸が切れたりしていませんか?」
エル俺にそう聞いてきたから、「一回糸が切れた」と言っておいた。
何かに引っ掛かる感じがして、ぷつんと…そう切れたんだ。
釣りの時、このような事は時々ある。
釣りの後、魔法操作で探して回収するんだが、まだ釣りを楽しんでいる者もいたから回収はしていなかった。
回収の魔法は難しすぎるものではないが、範囲が広ければ結構な魔力が必要になって来る事もある。しかし、湖の生き物が間違って飲み込んでしまう可能性があるからな。生態系にも関与して来る。
その辺りを説明しておいたんだ。
レイが俺達に防御結界を張ったようなので、取り敢えずは会話は可能になっていたんだ。
「兄様。少し御免なさい。」
そう言ってエルがアシュの手をギュッて握る。
アシュが少し嬉しそうな顔をしていた。
エル兄様の真剣な顔が微笑ましい感じだだからだろう。少し羨ましい…。
すると、レインが俺が感じた寂しさに応じてくれたのか、俺の手をギュッて握って、魔力を少しだけ送ってくる.。
「レインの魔力は心地いいね~。ん?」
ついつい本音が出てしまった。本当に心地よいのだ。
向こうで職種に対応している父上が羨ましそうな顔をしていた。
すると、何やら…
そう、レインの背後にふわふわ飛び交うものが見えた。
エルの後ろにもだ。
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「「見えました?」か?」
レインとエルの言葉が重なる。
ふわふわして飛び交うものは、やがて人型に見えてきた。
小さな子供の姿に羽。薄い羽は不思議な色合いで透けてもいて綺麗だ。
やはり、妖精の仕業だったのか?
「みっ、見えるよ」
「あれは、妖精か?妖精…初めて見た。」
そう言って、俺は『妖精のイタズラ』と言う言葉が心に刺さり、この大切な人を奪われなかったことに感謝した。
それと、同時に抱きしめてしまわなければいけないとも思ったんだ。
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「「そうなんだな。なら、連れて行かれることもないんだな!」」
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俺達は同じだな…
だが、それではエルのアレはなんだ?
思うに。レインを庇っていたから、レインの魔力に引かれてきた可能性が多いにある。
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ピロ子
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