兄様達の愛が止まりません!

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悪役令嬢回避

妖精のイタズラ

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ついにその日がやってきた。
早朝から屋敷の中は騒がしく、私達は母様が居られるお部屋から近いお部屋で今か今かと待機していた。
父様はお仕事を終えた後、さぁ寝ようかって時に呼ばれた様で、今日は一睡もされていない様だ。

家令のレイからポーションを渡されて飲んで何とか凌いでる様で、ドアの前を行ったり来たりとお忙しい。
兄様達は私達が起きる前から起きられて、この部屋で待っている感じだ。
私とエル兄様は先程起きてこの部屋にやって来たんだ。

侍女達が、まだお時間がかかる様なので、急がなくても大丈夫ですよと言ってくれたけど、そう言うわけにはいかないのよ。
あの日から私とエル兄様。ギル兄様達と父様とで準備していたんだ。

「うん、集まり出してる感じだね。ソワソワしてるのを感じる。」
「そうだね。失敗はできないもの…」

ギル兄様とアシュ兄様は、父様のご友人の方と魔法陣や魔道具を相談されながら準備していた。
あの時の契約できた精霊や妖精の知識を使ってだ。
精霊は的確なアドバイスをくれるが、妖精はよく聴かないと上手く理解できにくい事がある。
何せ、兄様達が言うには小さな子供と会話するみたいで、前後左右がバラバラなんだって。それをどうにか繋ぎ合わせてって言っていた。父様のご友人は、物凄く興味津々で楽しく協力してくれていたらしい。

私とエルは、エルが魔力行使するのを私がアシストする感じだ。
双子であるから、連携はスムーズにいくだろうとのことだったんだ。

母上が、今おられるお部屋と、寝室。後、生まれたばかりの赤ちゃんが休む予定のお部屋にあの枝垂れ桜の枝とハートの形の葉っぱが特徴のつる性の着生植物を飾っておいたんだ。
勿論邪魔にならない場所で、目的の場所から遠くならない場所にだ。元々大きな木に這い上がる様に成長していく植物だからあの時ほどは魔力は必要じゃないみたいなんだ。
あの時。そう、湖での『主様と妖精事件』。あの時エルが魔力行使で無理矢理茎を伸ばして蔓状にしたのは、本来はそんな形状になるものではなかったんだ。で、今回はつる性であるから、本来でも伸びる時は十メートルぐらいは伸びるらしいんだ。今はそこまで伸びてないよ。だから、あの時ほどは魔力は必要ないだろうって事になったんだ。
枝垂れ桜の枝は、精霊が手折ってくれたんだ。人が無理矢理へし折るのはあまりお勧めしないらしい。樹自体に力が有るらしくて、それがどんな感じで作用してくれるのかはよく分からないけれど、一緒に置いておいたら良いって教えてくれたんだ。

今から生まれてくる子の魔力に惹かれている妖精達に対して、私達が仲良くしている妖精や精霊が駄目だよって言う事は出来ないらしい。でも、契約している者に問われたら、どうすれば良いのかアドバイスをするのは良いんだって。
妖精が妖精のする事に直接手出しが駄目なんだ。ただ、自分と契約している者に対して直接攻撃して来たり、攫おうとしたりする場合は、その相手を攻撃するのはアリなんだって。滅多には無いらしいんだけど、これも妖精や精霊のルールで、違反した場合は妖精王の判断などで処罰があるらしい。震えながら教えてくれたんだ。ただ、処罰方法は教えてはくれなかった。怖いから嫌だって…。よっぽどの事なんだね。それをあの時見たあの二人の妖精王がする…。
他にも妖精王という存在はいるらしいんだけどね…。
次に会う機会があるかどうかは分からないけれど、あのお二人に会う事自体奇跡的なものだって言っていたんだ。
妖精や精霊の説明と、エル兄様から…。

妖精達と契約した後、ギル兄様とアシュ兄様に確保されて、私が見たものや知っている事及び、エル兄様の知っている事をしっかりと聞き出していたんだ。無理ない程度に。
兄様達は私達の体調の変化にすぐ気づかれるからね。
後、兄様達の特殊能力。スキルででも解るんだって。凄いな~。

「向こうで今か今かと楽しみに待ってるみたい。」
「うん、思ったよりも人気みたいだね。最初は五人ぐらいが来てたけど、もう二十人ぐらい来てるよ。」

私達の側にふらっと来てくれた妖精がそう教えてくれた。

「僕達が邪魔したって思われたら困るから、向こうに行っておくね。頑張って。」
「温室で待ってるね。」

そう言って、私達の上を一回り飛んで姿を消した。

「そろそろか…」

父上が青い顔をしながらそう言って言っていた。

父様や私達は頑張っている母様のお側にはいけないんだ。
お医者様と、助産婦さん。侍女達数名が付いているんだ。
その中には、植物関係の能力を持つものや、光魔法、癒し魔法などが使える者達もいた。
そうそう、父様が、お友達にお願いして、神殿からも女性の神官様が来られていたんだ。

で、準備して設置している物を無闇に除けたり動かして他所に持って行ったりしない様に重々言いつけたりもしていた。あの時のレイのピリピリした感じと言ったら何というか…。

勿論、医師や助産婦さん達の邪魔にならない様に確認して設置していったんだ。
ただ、何事もトラブルっていうものは起こる事があるわけで…。

枝垂れ桜の枝を見て、神官様が神殿に持って帰りたそうにしていたのを知っている。
勿論、そんな事にはならない様に、急いで認識阻害の魔法をレイが全部にかけていた。

あれは特殊なものだから、我が家からの持ち出し禁止だ。

「ちょっと目を離せば、ろくな事にならない。気が抜けませんね!」って言っていた。

屋敷の者達や医師は信頼できるけれど、その他は注意が必要だ。いくら厳選に厳選をかけても、ちょっとした欲で綻びがって事もある…。

そうこうしたら、母様の苦しそうなお声が大きくなって、父様がドアを蹴破っていきそうなのをレイがしっかり押さえ込んでいた。

エル兄様と私はドキドキもので、ギル兄様とアシュ兄様も心配そうにはされているけれど、私達の手をギュッて握りしめてくれていたんだ。
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