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悪役令嬢回避
妖精のイタズラ…その家族は
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屋敷に戻り子供達に確認した所、やはり想像していた通りだった。
書斎のソファーに深深く腰を下ろして大きなため息を吐く。
友人達は明日の夜会う事になった。
いつものあの部屋だ。
「やはり思った通りでしたね。」
レイが友人として酒に付き合ってくれるようだ。
いつものように酒のアテとしてつまめるものも準備されていた。
「今日はこっちの方が良いかと…」
「友人として飲んでくれるんだろ?」
「あぁ、そうだなグレン。」
そう言って大きめの氷が入っているグラスに琥珀色の液体を注ぐ。
芳醇な香りが室内に漂った。
これは我が領内で採れた果物を使用したブランデーだ。
我が領内は昔から多くの果物栽培も他領より抜き出た品質で提供できていたんだ。
少し形が悪いものなどを酒や菓子などにも使用していた。
それぐらいの量を世に提供できていたんだ。
酒用に品種改良したものもあるが、せっかくの恵み。破棄するのは勿体無いしな…。
カランとグラスから音が響く。
今年もいい出来だったと思う。
「あの子、エルの魔力操作にも驚いたが、レインがまさか『妖精のイタズラ』に遭遇するとはな…。しかも、エルとレインには見えていても、他の者達には見えていなかった。魔力感知もかけていたのにだ。」
「あぁ、俺にもわからなかった。陰で守っていた者達にもだ。やはり妖精のような精神体の存在には普通の対応や、少し対応を強化するぐらいではダメだという事だな。」
「あぁ、あの二人がどうして最初から見えていたのかは…本人達にもよく理解できていないようだが…。過去の文献で、異世界から来た聖女と、その子供は見えたようだ。子孫になると見えるものが減って、その後はサッパリだ。そして、エルだ。あの時見た鑑定書と本人の口から説明された事。俺はそれが関係してるんじゃないかと考えている。『異世界からの転生者』聖女と共通する『異世界』というものがな。レインは双子であるから、エルの力がリンクしたか何かで見えたんだろうと推測だ。」
「あぁ、俺もその意見に賛成だ。レインの魔力に惹かれて、自分達の住む世界に連れて行こうとした。考えて近づいた。で、エルの力で捕獲。たまたま側に植物が有ったのも良かったんだろう。側から見れば、植物が魔力操作で暴れているようにも見えたがな…。レインを庇うように、しかも不思議な動きをしていたから、何かあるとは思ったんだ。まるで目に見えないものを捕らえて、ぐるぐると巻きつけていたからな…。」
あの光景は、本当に驚きだった。
湖の主が暴れ回っていたから、いつ剣で対応しないといけないのかと、構えたままで、そっちにも視線を送っていたのだから…。
「やはり、魔道具の研究にもう少し力を入れてもらわないといけないのかもしれないな。そういえば、あの時のはどうした?」
「あぁ、捕らえてしっかりと吐かせてある。多少荒事にはなったがな。国の方は消すと厄介だから、記憶をいじらせた。いじられた事には気づかないようにな。後は、他国に逃げ込んだあの男の差金だ。あの子達を見捨てて逃げ出したくせに、まだ執着があるのだろう。」
「そうか…。それで…。」
「そっちの方は、こちらで片付けたよ。要らぬ情報を持ち帰って、横槍を入れられたら厄介だ。後、あの男と接触できた。まさかあの男がとは思ったが。クククッ、昔しておいた事が今回役に立ちそうだ。俺が直接行って対応した方が良いと判断した。一日側を離れるが、良いか?」
「そうなのか?それで上手くいくのなら構わんが。他国で消す訳にはいかないからな。レイの伝手でこの国に戻ってもこず、尚且つあの子達にちょっかいもかけず、接触もしないのなら良いだろう。」
「それは大丈夫だろう。任せておいてほしい。まぁ、少しだけ輸入や輸出品をとは言ってくるかもしれないが、そこはお前やその大切にしているもの達には、この領内には危害も損もさせないよ。」
「レイがそこまで自信を持っているなら~。大丈夫だろうが、やり過ぎるなよ。」
「紅蓮ではあるまいし、お前達のやんちゃを俺がどれだけ後始末してきたと思うんだ?」
「あぁ、頼りにしているよ…。」
そう、レイの報告では、まさか逃げ込んだのがあの国だとはな…。あの国にはあの男がいる。あの男は、ちょうどあの忌々しい男を欲しがっていたから、こちらで手助けしてくれてやれば良い。
その後は、私たち家族や大切なもの達。この領にちょっかいをかけてこなければ良いんだ。
あの男の事だ。多分閉じ込めて外には出さないだろう。
どのような手段を講じて閉じ込めてしまうのかまでは、関与する気はない。
「これで、憂は一つ消えるか…。」
「あぁ、そうだな。次の問題は結構大変だが、これを解決すれば、我が家の、そして、今後他の者達も悲しみが減るだろう…。」
「そうだな。エルのような者が今後出てくるかはわからないが、参考にはなる。そして、それを魔道具として具現化させれば…。まずは明日か…。」
夜もふけ、空にはいつもよりも明るい月の光が照らしている。
さぁ、明日、気合いを入れようか…。
グッと一気にグラスを開けて、テーブルの上に置いたのだった。
フィンレイ侯爵。
金色の髪に蒼瞳の美丈夫。
書斎のソファーに深深く腰を下ろして大きなため息を吐く。
友人達は明日の夜会う事になった。
いつものあの部屋だ。
「やはり思った通りでしたね。」
レイが友人として酒に付き合ってくれるようだ。
いつものように酒のアテとしてつまめるものも準備されていた。
「今日はこっちの方が良いかと…」
「友人として飲んでくれるんだろ?」
「あぁ、そうだなグレン。」
そう言って大きめの氷が入っているグラスに琥珀色の液体を注ぐ。
芳醇な香りが室内に漂った。
これは我が領内で採れた果物を使用したブランデーだ。
我が領内は昔から多くの果物栽培も他領より抜き出た品質で提供できていたんだ。
少し形が悪いものなどを酒や菓子などにも使用していた。
それぐらいの量を世に提供できていたんだ。
酒用に品種改良したものもあるが、せっかくの恵み。破棄するのは勿体無いしな…。
カランとグラスから音が響く。
今年もいい出来だったと思う。
「あの子、エルの魔力操作にも驚いたが、レインがまさか『妖精のイタズラ』に遭遇するとはな…。しかも、エルとレインには見えていても、他の者達には見えていなかった。魔力感知もかけていたのにだ。」
「あぁ、俺にもわからなかった。陰で守っていた者達にもだ。やはり妖精のような精神体の存在には普通の対応や、少し対応を強化するぐらいではダメだという事だな。」
「あぁ、あの二人がどうして最初から見えていたのかは…本人達にもよく理解できていないようだが…。過去の文献で、異世界から来た聖女と、その子供は見えたようだ。子孫になると見えるものが減って、その後はサッパリだ。そして、エルだ。あの時見た鑑定書と本人の口から説明された事。俺はそれが関係してるんじゃないかと考えている。『異世界からの転生者』聖女と共通する『異世界』というものがな。レインは双子であるから、エルの力がリンクしたか何かで見えたんだろうと推測だ。」
「あぁ、俺もその意見に賛成だ。レインの魔力に惹かれて、自分達の住む世界に連れて行こうとした。考えて近づいた。で、エルの力で捕獲。たまたま側に植物が有ったのも良かったんだろう。側から見れば、植物が魔力操作で暴れているようにも見えたがな…。レインを庇うように、しかも不思議な動きをしていたから、何かあるとは思ったんだ。まるで目に見えないものを捕らえて、ぐるぐると巻きつけていたからな…。」
あの光景は、本当に驚きだった。
湖の主が暴れ回っていたから、いつ剣で対応しないといけないのかと、構えたままで、そっちにも視線を送っていたのだから…。
「やはり、魔道具の研究にもう少し力を入れてもらわないといけないのかもしれないな。そういえば、あの時のはどうした?」
「あぁ、捕らえてしっかりと吐かせてある。多少荒事にはなったがな。国の方は消すと厄介だから、記憶をいじらせた。いじられた事には気づかないようにな。後は、他国に逃げ込んだあの男の差金だ。あの子達を見捨てて逃げ出したくせに、まだ執着があるのだろう。」
「そうか…。それで…。」
「そっちの方は、こちらで片付けたよ。要らぬ情報を持ち帰って、横槍を入れられたら厄介だ。後、あの男と接触できた。まさかあの男がとは思ったが。クククッ、昔しておいた事が今回役に立ちそうだ。俺が直接行って対応した方が良いと判断した。一日側を離れるが、良いか?」
「そうなのか?それで上手くいくのなら構わんが。他国で消す訳にはいかないからな。レイの伝手でこの国に戻ってもこず、尚且つあの子達にちょっかいもかけず、接触もしないのなら良いだろう。」
「それは大丈夫だろう。任せておいてほしい。まぁ、少しだけ輸入や輸出品をとは言ってくるかもしれないが、そこはお前やその大切にしているもの達には、この領内には危害も損もさせないよ。」
「レイがそこまで自信を持っているなら~。大丈夫だろうが、やり過ぎるなよ。」
「紅蓮ではあるまいし、お前達のやんちゃを俺がどれだけ後始末してきたと思うんだ?」
「あぁ、頼りにしているよ…。」
そう、レイの報告では、まさか逃げ込んだのがあの国だとはな…。あの国にはあの男がいる。あの男は、ちょうどあの忌々しい男を欲しがっていたから、こちらで手助けしてくれてやれば良い。
その後は、私たち家族や大切なもの達。この領にちょっかいをかけてこなければ良いんだ。
あの男の事だ。多分閉じ込めて外には出さないだろう。
どのような手段を講じて閉じ込めてしまうのかまでは、関与する気はない。
「これで、憂は一つ消えるか…。」
「あぁ、そうだな。次の問題は結構大変だが、これを解決すれば、我が家の、そして、今後他の者達も悲しみが減るだろう…。」
「そうだな。エルのような者が今後出てくるかはわからないが、参考にはなる。そして、それを魔道具として具現化させれば…。まずは明日か…。」
夜もふけ、空にはいつもよりも明るい月の光が照らしている。
さぁ、明日、気合いを入れようか…。
グッと一気にグラスを開けて、テーブルの上に置いたのだった。
フィンレイ侯爵。
金色の髪に蒼瞳の美丈夫。
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