兄様達の愛が止まりません!

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悪役令嬢回避

妖精のイタズラ…その家族は

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ついにその日がやってきたんだ。
昨晩、かなり遅くまで仕事をこなしていた。


エル達の事は友人達に頼み助力を得る事ができた。

あの時、エル達は妖精と契約していたんだ。
しかも、その後、精霊とも接触した。

少し元気になった二人は精霊から貰った枝を自分達の温室に植える為に部屋を出ていたんだ。
侍女や侍従達。その他の屋敷の者達に気づかれず移動できたのは、妖精のせいだったようだ。
どれぐらい懐かれてしまっているのか…。


『妖精のイタズラ』で連れて行かれなかった者は、『妖精の愛し子』として大切にされる事はすでに一部の者達。いゃ、それ以上の者達が知っている事だ。
レインはその『愛し子』となっている。あの時以降だ。
で、もう一人のエルは、妖精を捕らえた事により、いわゆる『従わせる者』となったのだろう。

あの子達の動きに反応できたのは、二人の息子達だった。
エルの瞳の色から、植物に関した魔力を持っているだろうと妻と相談して温室をプレゼントしたんだ。
妻の温室に増築するような感じでだ。
渡したのは鑑定前。
二人で好きな植物を植えると良いと言って、庭師の協力で小さな花々や果物がなる果樹が植えられていた。
後、温室内でくつろげるように、特殊な魔法を付与させたソファーやテーブルなども置いたんだ。
温室内に普通に家具を入れると痛むからね。

で、そこに貰った枝を刺したら、綺麗な花の咲いた樹が…。
エルが『枝垂れ桜』と命名したらしい。
この世界では見たこともない植物だったしね。

息子達に呼ばれて行けば、そんな事になっていた。しかも妖精の出入り口になるとは…。
精霊王まで現れて、この子達はどれだけの事を…

レイは腹を抱えて笑いたいのをかなり堪えていた。
血は繋がっていないが、さすが俺の子供達だと…。
息子達の対応も流石だと思った。
直ぐに結界を張ったりしておいた。
妖精や精霊側でもだ…。

この温室に携わるものを中心に我が家の秘密を外部に漏らさないように更なる契約書にサインさせる手続きをレイが直ぐにしたんだ。

もう、以前よりも我が領、我が家はびっくり箱と言っても良いだろう。
友人達も笑っていた。
是非とも介入させてもらうよって。
「介入させてもらえれる栄誉を賜った」と言っていた者もいた。

そうやって、慌ただしい毎日を過ごしていたんだ。
で、ついに来たか…。

これから我が家に新しい命を迎える。
そして、悲劇を回避させるための計画を発動させる日が…。

私とレイで打ち合わせ通りに準備していく。友人に頼んでおいた者達も直ぐに屋敷に来てくれた。
と言うか、友人自身が連れてきたんだ。

「この子達なら大丈夫。しっかり使ってほしい。」

そう言って連れてこられた女性神官職の者。
友人自ら契約魔法をかけているとも言っていた。
だが、我が家で準備しているものにもサインしてもらう必要がある。
信用していないわけではない。

「当然の事です。是非させてください。」

そう言って、自らこちらで準備したペン握りサインをしたんだ。
他の者達も全て、レイが家令として指示していた。

そんな感じで早朝から屋敷の中は騒がしく、子供達と共に妻のいる部屋から近い部屋で今か今かと待機させられていたんだ。はっきり言おう。邪魔だと押し込められたんだよ。

こう言うお産の時は、家族は部屋に入れてもらえない。
動揺したりして、医師や助産婦などの者達の仕事の邪魔になるんだ。
せいぜい侍女ぐらいが中に入れる。

仕事を終えて直ぐのことで有ったから、私は一睡も出来ていなかった。
家令のレイからポーションを渡されて飲んで何とか凌いで誤魔化しているんだ。
最初は大人しくソファーで座ってドンと構えていたが…
心配なものは仕方ない。
ドアの前を行ったり来たりとしてしまった。
レイはこのような私の姿を目にするのは二度目であるから、今は放置してくれていた。
いざという時の監視役だ。
こう言う時は、男である私は役に立たなくなる…。

「うん、集まり出してる感じだね。ソワソワしてるのを感じる。」
「そうだね。失敗はできないもの…」


息子達は、私の友人と魔道具と結界、魔法陣を急ぎ考案して準備していた。
あの子達は、精霊や妖精と契約できたようで、もらえる知識を駆使して作ったと言っていた。
友人は、「こんな情報をもらえて、更に作れるなんて~。」とウキウキしていたんだ。
妖精や精霊からの情報なんて、普通もらえないだろうからな。
聞いたこと見ない。

息子達が言うには、精霊は的確なアドバイスをくれるが、妖精はよく聴かないと上手く理解できにくい事があると言っていた。何せ、小さな子供と会話するみたいで、前後左右がバラバラなんだ。それをどうにか繋ぎ合わせて正確な物にするかが大変なんだ。研究バカな友人は、物凄く興味津々で楽しく協力させてもらったと言っていた。出来たら次もと…。
『そうそうあってたまるか!』って言うのが本音だ。

レインとエルは、エルが魔力行使するのをレインがアシストすると言っていた。
双子であるから、連携はスムーズにいくだろうとのことだったんだ。

息子達の説明から、妻が今いる部屋と寝室。後、生まれたばかりの赤子が休む予定の部屋にあの『枝垂れ桜』の枝とハートの形の葉っぱが特徴のつる性の着生植物を飾っておいた。
家令のレイから侍女達に指示を出させたんだ。
子供達が必要と準備した物を勝手に片付けたり、移動させられても困るからな。
勿論邪魔にならない場所で、目的の場所から遠くならない場所に設置、いゃ、飾ったんだ。
あのつる性の着生植物をは、ー元々大きな木に這い上がる様に成長していく植物だ。あの時ほどは魔力は必要とせず、エルが操作しやすいだろう。
これは私の知識とレイの交渉で手に入れた物だ。

あの時。そう、湖での『主様と妖精事件』。あの時エルが魔力行使で無理矢理茎を伸ばして蔓状にしたのは、本来はそんな形状になるものではなかったんだ。で、今回はつる性であるから、本来でも伸びる時は十メートルぐらいは伸びるらしいんだ。今はそこまで伸びてないが、あの時ほどは魔力は必要なく、急成長させて、妖精達を捕らえる事が出来るだろう。
枝垂れ桜の枝は、精霊が手折ってくれたらしい。人が無理矢理へし折るのはあまりお勧めしないと言われたとか…。樹自体に力が有るらしくて、それがどんな感じで作用してくれるのかは教えられなかったらしいが、一緒に置いておいたら良いって教えられたそうだ。

私やレイにも契約した妖精や精霊がいる。あの時温室でしたんだ。
こちらから希望しても、妖精達は契約はしないらしい。
相手の魔力と、面白いかどうかが妖精の基準。精霊の基準はまた別らしい。
そのお眼鏡にかなって良かった。

今から生まれてくる子の魔力に惹かれている妖精達に対して、私達が仲良くしている妖精や精霊が駄目だよって言う事は出来ないらしい。でも、契約している者に問われたら、どうすれば良いのかアドバイスをするのは良いのだとか。
妖精が妖精のする事に直接手出しが駄目なんだ。ただ、自分と契約している者に対して直接攻撃して来たり、攫おうとしたりする場合は、その相手を攻撃するのはアリなんだとか…。滅多には無いらしいが、これも妖精や精霊のルールで、違反した場合は妖精王の判断などで処罰があるらしい。震えながら教えてくれたと言っていた。ただ、処罰方法は教えてはくれなかったのだと。「怖いから嫌だ」って…。よっぽどの事なんだろう。それをあの時見たあの二人の妖精王がする…。
他にも妖精王という存在はいるらしいんが、あの二人の姿を見ただけでも納得した。
魔力?神聖力?それとはまた少し違う気がしたが、半端ないのだ。
次に会う機会があるかどうかは分からない。あのお二人に会う事自体奇跡的なものだ。

妖精や精霊達と契約した後、あの子達から聞き出して、家族会議(妻以外)でしっかりと聞き出し、無理ない程度に計画して行ったからな…。

「向こうで今か今かと楽しみに待ってるみたい。」
「うん、思ったよりも人気みたいだね。最初は五人ぐらいが来てたけど、もう二十人ぐらい来てるよ。」

私達の側にふらっと来てくれた妖精がそう教えてくれた。

「僕達が邪魔したって思われたら困るから、向こうに行っておくね。頑張って。」
「温室で待ってるね。」

そう言って、私達の上を一回り飛んで姿を消した。

「そろそろか…」

私がそう言ったんだ。気合いを入れて頑張ろうと言う意味で…。

私や子供達は頑張っている妻の側にはいけないんだ。
お医者様と、助産婦さん。侍女達数名が付いているんだ。
その中には、植物関係の能力を持つものや、光魔法、癒し魔法などが使える者達もいた。
神殿からも女性の神官様も派遣してもらい…。

準備して設置している物を無闇に除けたり動かして他所に持って行ったりしない様に、重々言いつけたりもしていた。あの時のレイのピリピリした感じと言ったら何というか…。

勿論、医師や助産婦さん達の邪魔にならない様に再度確認して設置していったんだ。
ただ、何事もトラブルっていうものは起こる事があるわけで…。

枝垂れ桜の枝を見て、神官の一人が神殿に持って帰りたそうにしていたのを知っている。
勿論、そんな事にはならない様に、急いで認識阻害の魔法をレイが全部にかけていた。

あれは特殊なものだから、我が家からの持ち出し禁止だ。
気持ちは理解はするが、ダメだ。

「ちょっと目を離せば、ろくな事にならない。気が抜けませんね!」っとレイが更に息巻いて言っていた。

屋敷の者達や医師は信頼できるけれど、その他は注意が必要だ。いくら厳選に厳選をかけても、ちょっとした欲で綻びがって事もある…。

そうこうしたら、妻の苦しそうな声が大きくなって、俺は、ドアを蹴破っていきそうなのをレイがしっかり押さえ込んだ。うん、流石だ。身動きが取れん。

子供達もかなり緊張しているようで、お互いがお互いの手をギュッて握りしめていたんだ。
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