兄様達の愛が止まりません!

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悪役令嬢回避

初めてのお茶会、その家族は…。

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あの日、子供達にお茶会を開催する事を勧め、息子のアシュが主催することになった。
ギルの方は学園入学が近いからね。同年代は呼ぶ事は難しいとは思っていたよ。準備においても無理だともね。だから、アシュが妥当だとも…。
第二皇子の側近候補でもある二人だ。今回呼ぶ友人は二人の共通の者達になるだろうとも思っていた。

招待リストを渡されて確認したけれど、まぁそうなるか…。
ほぼ予想通り。

友人達の妹君や弟君も来られる。
あの子達とも年齢が近いから、良いだろう。

「じゃあ、このリストで頑張ると良い。必要な物はレイに言うと良い。」
「はい。ありがとうございます。後、エルとレインを連れて街に買い物に行こうと思います。兄上も一緒に。」
「そうなのか?必要な物があれば商店の者を呼ぶが?」
「エルもレインもこの屋敷から出た事がありませんので、この機会にと、兄上と相談したんです。」
「なるほど…。まぁ、良い社会勉強にはなるだろう。そうなると、侍従や侍女を大勢連れて行くわけにはいかないな…。店側の迷惑になる。」
「兄上と僕の侍従を一人ずつ連れて行くつもりです。あと、護衛は父上にお任せします。」
「なら、レイ」
「お任せください。精鋭を見繕っておきます。影も同行させますからご安心を。」

そう言った後、アシュは部屋を出て行った。
ギルもアシュもつい最近までは侍従や護衛を連れて行かせていた。
護衛は少し離れた場所でついて行く形を取らせてだ。
この頃はだいぶと剣術の方でも金銭感覚も身について来たから、侍従も離れてついて行くようにしても構わないと言っておいていたんだ。友人達とも出歩きたい頃だ。
私の時もそうだった。レイが友人としてついていた事もあるが…。

「さて…」
「大丈夫ですよ。しっかりと見守り隊は結成させておきますから。」

そう言ってレイは上機嫌だ。
私とて、あの可愛らしい二人が取り敢えず、外出ができるぐらいになったということだと判断して、嬉しくなったんだ
身体もあの頃よりは大きくなったし、可愛さは…増したなぁ…。

「本当に大丈夫か?可愛すぎてなんて…。」

ついつい顔に出ていたんだろう。レイが笑っていた。
この表情は、歳上の兄のように接してくれていた時と同じだ…。

「大丈夫だ。それに、二人が離さずついているだろうし、対策だって既にしてるじゃないですか。面白がってアイツらも協力しまくってただろう?グレンの時以上にえげつない物を作り上げてたぞ。あの魔道具…。」

そう言えば、友人達と楽しく意見交換しながらエルやレインが身に付ける物を作っていた。
資金はちゃっかり請求されたが、余裕の範囲だ。

「馬車にも護身用を付与させておく。街は…ちょっと厄介な事が時々起こっているが…。」
「あぁ、例の誘拐事件か?まだ足を掴めてないのか?」
「アジトらしき場所は見つけたようだが、問題の『秘密商品』と謳われているものが何処にいるのかがまだだ。」
「確か急に消えるようにだったか?証拠もなく…」
「一時、『妖精のイタズラ』かもと言われたが、全くの別物だ。多分魔道具。古代遺産の一つぐらいじゃないか?」

ダンジョンはこの世界にも存在する。そこには不思議なアイテムも存在するんだ。
有り得ないわけではないが…。

「まぁ、対策は多ければ多い方がいいだろう。楽しませてやろう。」
「そうだな…。」


そう言って、その後はいつものように仕事に取り掛かったんだ。
やる事は多いからね。

国の事、領の事。息子や可愛いあの子達の事もだ。

あの時のお茶会の件は、皇王にしっかり報告させてもらった。
捕らえた男を処分させたのもあの男だ。
第三皇子『皇子の側近候補』の打診も『婚約者候補』も断った。
自分達の側に置きたいと言われたけどな…。
あの子達は私の大切な子供。しかも息子達の伴侶予定者だ。
ほぼ決定なんだが~。まだあの子達の意思は聞いていないからな。
息子達だけの意思であるから候補なんだ。
下手に皇族の側に置けば、何を言われるかわからんし、向こうに気に入られ過ぎても困るんだ。

第三皇子は諦めてない様子だが…時の流れでどうにかなるか?
なって欲しい…。

貴族どもは、皇王が一族のトップを呼んで釘を刺していた。
契約書まで出して来たんだ。怒りの具合もよくわかる。

本当に、あの子の子供達は…あの子以上に周囲を振り回すかも知れないな…。
それはそれで大変だが楽しみでもあるんだ。

そう思いながら、数日を過ごしていたが、やっぱりか…。

レインとエルのスキルが街中で発動したようだ。
しかも、今回は例の事件に関係しているみたいだ。

息子からの情報を元に、レイに国の地図と、城下周辺。街周辺の地図を準備させ開く。
送られて来た情報と照らし合わせて考えられる場所は…。

レイに友人の一人に連絡をとらせて、今駆けつけて来たようだ。

「よう、グレン。面白い情報だって?」
「グレン、元気か?来てやったぞ!」

やって来たのはジークと呼んでいるジークリヒト・グリーンヒルデだ。
一人のつもりが二人が来た。
まぁ有難いんだがな…。感謝だ。

幼少時からの知り合いで、学園時代からの親友であり悪友仲間の一人。グリーンヒルデ侯爵家当主。
赤い髪に金の瞳の野生味のある美丈夫だが、やや脳筋が玉に瑕だ。
近衛騎士団長であり、騎士団筆頭。

もう一人はレナルド。レナルドルフ・ガイヤスで、同じく幼少期からの悪友だ。
ガイヤス伯爵家当主であり、魔法研究一家特有の研究バカだ。息子達と色々魔道具や魔法陣を作りまくっている男だ。賢者の称号を持つのが嘘のようだと思うよ…。

「あぁ、来てくれて助かった。というか、ジーク、お前には、しっかりと恩を売らせてもらうぞ!」
「お?もしかして、もしかするか?」
「と言うと、急に消えると言う例の?アレには大いに興味があるんだ。回収したらこっちに寄越して欲しいな。」

「はぁ…………相変わらずだなお前。渡す訳ねえだろう!国の方で保管だ!まぁ、調べさせてはやれるぜ!」

うん、相変わらずだな…。

「その辺で!」

レイがピシャリと言った。
うん、そうなるな…。

で、レイから息子達からもらった情報で、現時点で私達が確認した事を直ぐに伝えたんだ。

レイは既に場所を特定して来たみたいだ。
うん、仕事が早いね…。

「私とレイとで囚われている物を救出してくる。ジークは騎士団を動かしてくれ。レナルドは…。」

そうやって計画してすぐに向かったんだ。

レイが先に調べておいたから、転移ポイントは設置済み。
やはり、ダグルス伯爵の屋敷跡か…。各国で貿易をしてたと父上から聞いていた。異国から取り寄せた物も屋敷には残されていた。私も連れて来てもらった事はあるが、その時の私は幼かった。
あの男は、確か違法取引を行ったんだ。初めは普通の貿易業を行っていたんだろう。だが、ある事から違法なモノに手を染め出し、元締めとなっていったんだ。結果は摘発されて、爵位も取り上げられる、一部の者は国外追放。主犯格などは罪状によって罪の重きが変わったんだ。
違法取引の内容は、違法薬と魔物取引。後は人身売買。
我が国で特に人身売買は禁止されていた。
魔力を持つ者を攫って拘束。奴隷などにする事は良しとはされない。
罪により、魔力を奪われ堕とされる者はいる事はいるが、それも一時的な処置だ。罪を償えば平民として国外追放となる。魔力は戻す事は出来ないが、奴隷の身分は無くなるのだから、他国でも生きていけるんだ。

それを…。だから、父上達が助力して摘発成功したはずだ。あの子が我が家にやって来て弟として一緒に生活し出してだったか…。あの子の両親の死因にもその伯爵が関与していたからとか言っていた。
だから、徹底的にと…。

「この先です。ここから下に…。」

そう言ってレイが扉を開ける。
既に影の者達が制圧しているのだろう。
あちこちで呻き声が聴こえるが、無視した。

地下独特のじめっとした感覚。そして異臭がする。
浄化魔法をかけながら先に進んだ。
魔石を使った明かり取りを使い、先を照らす。
あの時よりも酷く感じるのは…。

「魔獣や捕らえた人達を牢の中に入れているようだ。檻も特殊な感じだな…。」

見えて来たのは、人だ。それも、あの子達が教えてくれた子供。少女や少年が数人。壁側に身を寄せ合っていた。異臭は排泄物のせいか?檻の鉄柵には魔法が使えないように刻印がされていた。
石の板が柵に入り口近くに見えたから、手を伸ばしてみる。柵の間から抜き出して…

「これはやはり…。ダンジョン内で発見されたという物と同じ簡易版だ。本物は国庫の極秘倉庫の方に保存されているはずだ…。」
「なら、誰かが持ち出して模造したか、保管される前に複写して作ったか…。」
「どちらにしても犯罪行為だ。レイ頼めるか?」

そう言うと、レイがスキルで解除した。
恐怖で怖がってしまっているのか、動こうとしない子供達。ただ涙に濡れているだけだ。

襟の魔道具を作動させて、騎士団所属の医療班の元に連絡する。そこに友人の一人が待機しているからな。

「さぁ、助けにきたよ。先にお医者様に身体を見てもらおう。そこからお家に帰れるからね。」

それだけ言って、一気に転送魔法をかける。
レイと二人でだから、何とかなる。精霊も手伝ってくれているし…。

肩に小さい人の姿で乗っていたんだ。

グウンと光り輝くサークルが出現して一瞬に姿が消えた。
これでよし…。

「奥のはどうする?」
「あぁ、アレは、あいつにやってもいいだろう。研究に使えば、今後に魔獣討伐に役立つだろう。あの屋敷の地下に確かあったよな…。」
「あぁ、確かな。確認しとくか?」

襟を触って友人に…

「魔獣と魔物がいるが、いるか?……わかった。送るぞ。」

ふぅ~。

「いると言っている。」
「そうか…」

奥に向かうと、鎖で繋がれている物、大型の魔獣と小型のだが凶暴な魔物が数体いた。
それを友人の屋敷の地下に送りつけて…。

「ここは破壊だな。許可はもらっている。」

そう言って、思う存分魔力をぶつけて破壊し尽くした。
もう二度と使われる事がないようにだ。

子供達には安心させる為に、こっちは順調だとも伝えていたから大丈夫だ。

「グレン、向こうも無事終わったようだ。壊滅させたらしいよ。」
「そうか…。」

そう言って、屋敷に戻る。
戻り次第浴室に行き身を清める。
一気にやったからな。精神的に興奮しすぎだ。落ち着かせる必要がある。

着替えて執務室に向かおうとしたら、妻から「お疲れ様。お帰りなさい」とキスを贈られて、気が収まる。
「もう少ししたら子供達も帰って来ますよ。一緒に待ちませんか?」
そう言われれば、そうしよう。
妻の腰を抱いて、一緒に家族の憩いの部屋に向かったんだ。

レイが後はお任せをと言ってくれたからね…。



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