兄様達の愛が止まりません!

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悪役令嬢回避

約束

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ギル兄様も学園生活に大分となれたと思ったら、少しお疲れのようだった。
まぁ、家での講義を受けるのとはまた違うから仕方ないのかもしれないんですが…。環境のせいとも言えるかもしれないし、人が多くてとも言えるんだろうと想像した。環境が変われば大変だと思うし…。実際私の時には…。エル兄様と同じぐらいの学力は最低必要だと思う。そうしれば、エル兄様だけでも側にいてくれると思うの。
エル兄様が、『三ヶ月頑張ったら意外となんとかなる』と言っていた。なぜ三ヶ月かはわからないんだけれども、それぐらいの時間を頑張れば、まず大丈夫。慣れるよってことなのかもしれない。

ギル兄様は、最初の頃は半日。朝から昼食ぐらいの時間までだったのが、今では朝から夕方まで学園だもの、大変だよ。帰宅されても宿題や予習復習と抜かりなくされていると思うしね。私達との会話の時間まで取ってくださっているんだ。私達と話している時は、癒されていたら良いのにと、つくづく思うのよ。

「あぁ、アシュ、エル、レイン!」
「はい。どうされましたか?」
「兄様、どうされました?」
「兄上?」

私達は兄様の邪魔をしないように、いつもの場所で末の弟 アルベルトことアルと戯れていたんだ。
我が家の天使だものね。いつものふかふか絨毯が敷かれているお部屋で遊んでいたんだ。

アルは私達の間を行ったり来たりして遊んだり、積み木でお城?を作ったりして遊んでいたんだ。

「ふふふっ、アルもご機嫌だね。そうそう、今度学園祭があるんだ。この前少しだけ話していただろう?で、来ないかなって聞きに来たんだ。父親には案内状をお渡ししておいたんだけれどもね。」
「学園祭ですか?是非行きたいです。」
「僕も、兄様は何かされるんですか?」
「私も是非。兄様のお勉強されている教室とか見に行けますか?」

兄様から案内のお話で、それぞれが聞きたいことをお聞きしたんだ。
兄様が言うには、学園祭があるのは一週間後。兄様のクラスは一年生であるから、展示とバザーなんだって。どのクラスも展示もバザーも同じだそうで、バザーでは『家で不要になった物で、まだ価値がある物』『自作の小物』『お菓子など』なんだって言われた。

貴族のお家では貴重な物だが、不要となった物が意外とあって、それを他の家の方が購入したり、出店してくれている商人が購入する事もあるんだって。商人の場合は転売目的で買う場合が多く、買い占めなどを行われる可能性があるため、購入は一つのみと制限しているそうだ。

みんなで楽しみたいのに、売れるのは嬉しいけれど買い占めはね。なるほど…。
『不要になった物で、まだ価値がある物』『自作の小物』『お菓子など』と区分けされた物を全部を一クラスづつ担当して販売を受け持つんだ。
自作の小物は、学園で授業の一環で作った魔道具を売ったり、同じく授業で作った薬や調香した物を売ったりするんだとか。「授業で作った物売ります。」みたいな感じだ。後、ハンカチなどに刺繍した物や小物入れなどもまとめて一クラスで。クッキーやケーキ。パンなどの食品関係も全クラスで作った物をまとめて一クラスが担当販売。エル兄様の見たことがあるもにとは違ったから、少し驚いたんだ。エル兄様の前世では「自分たちのクラスはなにする?」なんてみんなで相談して各クラスが色々と催したりするみたいなんだ。だから、同じ学年で一緒に制作して、販売だけ分けて担当というのは変わっていると思ったの。

兄上のクラスは魔道具や薬といった関係を販売担当なのだとか。
各クラスで創り上げた魔道具に関しては出来具合で値段は変えるらしい。確かに同じ物で綺麗なのと不恰好な物が同じ価格はおかしいと思う。だから、同じ価格から値引き価格になるんだろう。もちろん、作った生徒も納得しての価格にしないと悲しくなるよね。
薬や調香は価格設定は同じで、最終売れ残りそうになったら値上げ価格になるらしい。
お菓子は一つの商品にいくらと値段設定されていて、最終的には値下げ。売れ残りはみんなのおやつかな?
自宅から持ち込んだ商品においては、学園の方が先に審査しており、設定価格のまま。売れ残れば学園側から他に転売されるらしい。よって、学園からお金が支払われるそうだ。

全ての販売で集まったお金は、各学年で集められ、ダンジョンに挑むときの必要経費に回されたりといった感じで使われるそうだ。後は別の必要費や最終的には卒業時の学年打ち上げ会とかの経費となるらしい。たくさん残れば、派手な卒業パーティーという事になるんだろう。

『学園での同じ学年。クラスは違っても一緒に頑張ろう!』みたいな感じかなって思ったんだ。

音楽会の方は、選抜で選ばれた希望者と講師。外部からの演奏者で行われ、選抜ででた生徒はそれに対して単位がもらえるらしい。最初聞いた時にはそれがどこに付け加えられる単位か私にはわからなかったんだけど、兄様の話では、単位不足の所に補填されるんだって。そういうものがなければ、単純に学力の方に補填されるシステムらしい。武術大会においても同じで、全生徒が魔法部門か剣術部門どちらかに強制参加で点数がつき、勝者にが相応の点数がつくのだとか。だから、皆んな頑張るんだといっていた。ギル兄様は剣術部門で、その中でも魔法使用の魔剣師部門に出場するといっていた。私はもうワクワクドキドキが止まりません。私以上にエル兄様が楽しみにしているようだった。

「あのスチルと同じような感じで年齢を引き下げたお姿を拝めるなんて、嬉しすぎる~!」と呟いていたんだ。

兄様達の試合前には騎士団から模擬戦が各一つあるらしい。剣術部門と魔剣師部門。魔法部門と魔法騎士部門だ。
それを見た後に生徒の試合が開始されていくのだとか。二日間の試合が組まれており、一日目が剣術関係で二日目が魔法関係だとか。
なら、絶対に初日は試合を見にいかなくてはと思った。ギル兄様が出場されるのだから、絶やい応援しないとね。
二日目のは模擬試合も見たいけれど、後半戦の上位決定戦が興味がある。その辺りは皆んなが押し寄せてきそうだから、席が取れるかが心配だなって思った。

「そうそう、エルがいっていた事を考慮して、試合会場の安全見直しや設備改善が行われたんだよ。それ以外にも対応できるようにって父様が口添えしてくれて感謝していると学園長から感謝の手紙を渡されたんだ。だから、アシュが入学した後の魔力暴走がもし起こったとしても対策は何度も立て直し、見直していくから大丈夫だと思うよ。」

それはこの前スチルで見たものだ。ギル兄様とアシュ兄様が学園生の時の学園祭での事だ。それが起こらないように対策を見直したりしたんだろう。
ギル兄様と父様が私とエル兄様にお伝えするように行った事を気にしてくださって、学園の方に伝えてくださったんだ。単に私達が言うよりも、絶対的に学園も動いてくれる。父様の権力のおかげなんだけれども、ありがたいと思った。
私は嬉し過ぎてが泣き出してしまい、ギル兄様のお膝の間に座る形で抱きしめられてしまっていた。向こうではエル兄様も泣きそうなお顔だ…。
ギル兄様の胸に耳をあてる形にしてもらい、頭を撫でられたり、背中をポンポンされるのは落ち着いてくる。兄様の心音にも…。

「エル。よかったね。これでまた一つ安心が手に入ったよ。」

いつのまにかエル兄様はアシュ兄様の足の間に収まり抱きしめられているのが見えた。
私達が悲しい感じになると、いつも兄様達がこうしてくださるんだ。
まるで大切な宝物のように…嬉しいのだけれど、これがずっと続かない事を私は知っている…。

私達の間を歩いていたアルは、いつの間に来たのか母様の腕の中にいて抱っこされていたんだ。

「アルはもうオネムみたいだから、連れて行きますね。子守りをありがとう。」

そう言って笑顔で出て行ったんだ。
私達はいつもであるが、こんな姿を見られて少し恥ずかしく、モゾモゾと動いて離れようとしたんだ。

するといきなり眩暈がして、引き込まれる感じがして「あっ…」と言葉が漏れて…。
身体から力が抜けていくようになったんだ。

ギル兄様が素早くそのまま抱きしめて魔力を譲渡し出してくれるのを感じるんだけれども、引き込まれる感覚は強くなる…。
向こうに見えるエル兄様も同じようになっているのが見えて…

「エル!」

アシュ兄様がエル兄様の名前を心配そうに呼ぶ声だけ聞こえて…。


夢のようにも思えるものが見えてきたんだ。
それはこれから起きるであろう未来だ…。

エル兄様の気配を感じた。また引き込んだのか…。

それよりもだ。
目の前に見えるのは、学園内。多分ギル兄様達のクラスだろう。お話で聞いたのと良く似ていたから…。
周りには生徒の姿はなく、やや薄暗い教室であるから、学園祭の前日で、準備が整ってそれぞれが下校した時刻だと思う。壁には兄様達クラスの展示物が飾られ、教室内に置かれた販売用のテーブルに商品として各種魔道具とその説明書が置かれていた。
薬の方は、『口臭予防』『咳止め』『胃薬』とか書かれた物が、小さな瓶に丸い少し大きめの丸薬となって入っていた。屋敷にある薬関係の本を読んだことがあるから、そこで見たことがある。実物?は初めて見たかもしれない。私達に処方されてきた薬は全部粉状。本で載っていた文字で言う顆粒だったんだ。だからこれがそうなんだと思ったんだ。本では一粒の大きさにばらつきが出やすく、湿度や生薬に含有される水分や油分のせいで、出来上がりにムラができやすいと書かれていたけれど、でもこれは…ほぼ同じ大きさで、不揃いも見られない。魔法で使って作いるから?そのせいか?
でも、すごいと思ったんだ。

調香された物は、匂い袋の中に入れられているようだった。後は、三角形のお香に似ていた形だ。本には細い棒状の確か『お線香』と呼ばれるものはなかった。色々あるなって思っていたら、そこに何故か怪しい動きをする生徒が一人…。女子生徒が何かを隠すように置いていた。それは一体何なんだろう…。何故かスキルの中だと思うのに、私の鼻が効くようで、置いて行った物をそっと嗅ぐ事はできたんだ。手には取れなかったけれど…それは独特の甘い香りがしたんだ。それもいわくつき…危険な香りだ。思わず鼻を背けて何か塞ぐ物はって服のポケットを探ったんだ。目の前に見えているテーブルに置かれた物とかには手が触れることはできないのに、匂いが嗅げることは不思議だ…。服のポケットのハンカチが取り出せたのもだ。
それに、黒板に書かれた日付からすると、学園祭二日目。チラッと見ると、展示販売の登板表にはギル兄様の名前が書かれていた。
私のすぐ側にエル兄様を感じるけれど、姿は見えない。私達二人がまるで重なっているかのように感じた。だから、怯えたりする事はない。エル兄様が側にいてくれている…。なら…。

気になる物…これは、ギル兄様がこの匂いを嗅ぐ恐れがあると言うことだ。それを計画的にした犯行か?もしくは願掛けのような感じでの?その辺りは私には何となく気持ちはわかるけれど、してはいけないことだとも思った。それに、これによってギル兄様が私から離れていく。
私達は血は繋がっていないけれど従兄妹で、今は義理の妹。将来的には他の家に嫁ぐのだろう。
いつも側にいてくれているギル兄様から離れなくてはいけない。
ギル兄様はフィンレイ侯爵系の嫡男。後継者なんだ。
だから、他の貴族の令嬢が兄様の横に並ぶことになる…。
それはわかっているが…わかっているのよ…。

でも、こんな行為で兄様を縛り自分のものにするのは許せない行動だと思う。
だってこれは…そうこれは一種の呪いだ…。

兄様の人気があるのも知っている。実際婚約の打診は多く寄せられているようだし、父様がお断りを入れてくれていると言っていた。アシュ兄様の方にもきているんだったか…。
父様は兄様達の意見を考慮して、『本人が望む者と』と言われている。

その拒否された者の中の一人の…
考えたくないが、下手すればこれは事故とは本当に言えなくなる。
恋の成就のお守りとか言われて置いた可能性もないとは言い切れないのだが、実際に入っているモノが物だ。そう、あれは媚薬だ。香り成分であるから、飲用に比べると効力はゆっくりと効いてくるんだ。今回はにおい袋としているから、その香りはお香のように火の熱でではなくて空気中の温度によってきいてくる。効力も本来は遅い。ただ、長時間置いているなら効力は充分に強くなる可能性がある。しかも、他の香料の香りもしているから、直ぐには認識されにくいだろう…。

そう言えば、隠すように置く時に、何か言っていた。何だった?そうだ。最初は聞こえなかったが、その思い人の名前を告げて…。そうだ。やっぱり『婚約者になれますように』だ。なら、恋人や婚約者になれるおまじないとして購入したか渡されたか、もしくはそういうレシピが出回っていて自分で調香して、本来香りを楽しむ物であるにおい袋として作って隠し置いた可能性が大きい。目的とされる対象者はギル兄様だ。

そして場面は切り替わり、日が変わったのだろう、ギル兄様が教室に一番に入られて…その臭いで身体が火照り出し、展示しているものの事を考慮しながら、急いで開けれる窓を開けて換気をしようとしながら人を呼ぼうと…そこに例の女性が教室に入ってきて兄様を助け起こし、兄様はその瞳に映った女性に愛を語った。
しかも唇を合わせて婚約を願い受け入れられたんだ。
それを女子生徒はどこから手に入れたのか、あれと良く似た録画機能の魔道具でしっかりと録画している…。

その後、窓を開けて換気をした二人は微笑み抱きしめて…。
兄様はその女性に対して優しく微笑み続けるんだ。

その場面、あれは私だ。私とエル兄様がギル兄様に会いたいとクラスに向かって行き、それを見てしまったんだ。目の前に映る私は飛び出して走り出すも、ギル兄様は追うこともせず、邪魔をするなという感じで睨みつけていた。
飛び出した私の気持ちは、私にもわかる。心臓を鷲掴みにされた感じで苦しいんだ。いくら覚悟をしているとはいえ…。私を追ったエル兄様は、少し薄暗い場所まで走って追いかけてくれたんだ。エル兄様に抱きしめられて「大丈夫か」と心配されたんだ。

そうしたら、いきなり現れた怪しい男。不穏な影しか感じられない…。
私達に背後から現れたその男は、にやついた顔で舐めるように私達を見たんだ。
今いる所は行き止まり。逃げるには目の前の男の側をすり抜けるしかないんだ。だけど…側に寄ってきて、何か変なものを持っていた。「こんな場所で出会えるとは、私はついている。」そう言って魔法で拘束しようとするから、エル兄様が魔法で抗って、とにかく私だけでもと庇ってくれたんだ。そして、その男の向こう側に何とか行かせもらえて…誰かを呼んでくるように言ったんだ。私は頷き、父様達を探しにまたは騎士の誰かいないかと助けを求めたんだ。たまたまアシュ兄様を見つけ急いで戻った時にはエル兄様はいなかった…。

私が見る映像は場面が切り替わった。
そう、エル兄様の事を映し出したんだ。
何とか私を逃したエル兄様は捕まり首にその怪しい物を付けられた。そこから一気に魔力が抜けていく感じで倒れ込み、楽しそうに鼻歌を歌いながら男がかついで連れ去ったんだ。まるで物のように担ぎ上げられて転移の魔法で姿を消したんだ…。
次のシーンでは、その男は長い棒を炙っていた。そしてある程度できたらそれを手にして、エル兄様の方に向けながらにやついた顔で「やっと手に入れた…」と言っていた。
エル兄様の手足は鎖で拘束された状態でそれを受け…

「レイン。レイン大丈夫かい?」

私はそこで目を覚ましたが、目が潤み過ぎてうまく見えない。
エル兄様も目を覚ましただろうが…

とにかくあんな未来は嫌だ。
ギル兄様をあんな…あんな無理やり手に入れようとするなんて、絶対に嫌だし許せない!

そうだ…私はギル兄様が好きなんだ。
ずっと心に蓋をして隠し続けていたけれど、それをあんな…。

それに、エル兄様があの変な男に捕まり好き勝手
焼印を押そうとする事は、自分の所有物としての扱いだ。

あの男はエル兄様にあんなモノを…。
あれが原因でエル兄様があんな陰気な雰囲気で悪役令息になっていくのかもしれない。
そんなのは許せない。どっちも嫌だ。どうしたらいいの!!

私がギル兄様に腕の中で泣き崩れている時、エル兄様の呼吸がおかしい。

「レイン。エルはアシュに任せておけば大丈夫だ。少し部屋を変えるよ。」

そう言うと、私のお部屋に転移したんだ。
兄様達はこの所転移されるのがものすごくスムーズに行えていたんだ。

そっとソファーに座るギル兄様のお膝の上に座らされる。そして兄様にまた抱きしめられたんだ。


「レイン。さっき発動した未来は絶対に起こさせない。父上に報告して対策を練るよ。私自身がまずあの様は悪質行為は許せない。こんな時に言うべきではないが、この際はっきり言わせて欲しい私ギルベルト・ダルク・フィンレイは、レイン。いやレイチェル・フィンレイを心から愛し求めているんだ。私と生涯を共にし、命尽きるまで…いや命尽きてもずっと側にいて欲しい。私が求めるのはレイチェル君だけだ。私と結婚してもらえないだろうか。もし断られても何度でも求めていく事を許して欲しい。レイン。私の大切な人。私の光だ…。」

「兄様…兄様…。私は兄様にとって血は繋がらないけれど従兄妹。屋敷では義理とはいえ妹なんです。私は兄様の幸せのために心に蓋を…。いつか来るご令嬢を喜んで歓迎しないといけないと…でも、さっき見た様な事は許せなくて、兄様をあんな…私は兄様の事を愛しているのに…。」
「レイン…。」
「兄様。私は諦めなくて良いんですか…。」
「あぁ、私を求めて欲しい。愛しているよ。これからもずっと一緒だ。で、さっきの返事は?私と結婚してくれるかな?いや、結婚してください。」
「はい。こんな私でよろしければ…。ギル兄様のお側にいさせてください…。」

そう言うと。思いっきり抱きしめられ、そのままソファーに寝かされて顔中に唇を寄せてくれた。
少しくすぐったくて、モゾモゾしてしまう。
少し開いた唇ぼ間に兄様の舌が入り込み、口腔内を貪られ、舌を絡ませて啜り上げられる。
下腹部に熱がこもって何かおかしい…。

「ありがとう。今は口づけだけで我慢するよ。もっと…。いや今はまだ良い。」

そう言って兄様は私をソファーにきちんと座らせて、目の前に跪いた。

「レイン。私の愛しい婚約者殿。どうかこれを受け取り付けさせてもらいたい。」

そう言って見せられたのは、兄様のお色にピアスだ。そして、私の色も入っている。
二つの石を大切に包む様に蔓が模様を作っていたんだ。

「これを私達二人で付けしたいんだ。良いかい。」

そう言われて頷いた。
ギル兄様が私の右側の耳にピアスをあてて何かを呟いた。そして、一瞬「イタッ」と思ったら、「もう付いたよ」って教えてくれたんだ。そっと触れるとそこにはピアスがふれた。

「私にも付けてくれる?」

そう言って渡されたから、言われた通りに兄様の左耳に当てる。すると私の魔力がす~っと抜ける感じがしたと同時にピアスが兄様の耳に吸い込まれる感じがした。
後ろの止めをきちんとしたら…。二つの石が不思議と輝いて見えたんだ…。

「これは清浄の魔法がかけられているから、いつも綺麗だ。だからつけ続けても大丈夫なんだ。後、自分では外せない様にもなっている。婚約の証しだね。」

そう言って嬉しそうに微笑んだんだ。
そしてもう一度抱きしめられて、そのまま抱き上げられてベッドに連れて行かれたんだ。そっとシーツをかけられて、手を握られり。そこからはいつもの優しい魔力を感じて…。

「スキルを使ったんだ。疲れているだろう。お休み。そうだ!」

立ち上がった兄様は以前いただいたウサギのぬいぐるみを取ってきてわたしの横に置いたんだ。

「私は父上の所に相談しに行かないといけないからね。この子が君のナイトだ。」

そう言って微笑まれて、キスをおくってくれたんだ。
優しい魔力に包まれて、私はいつのまにか夢の中に旅だったんだ。

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