兄様達の愛が止まりません!

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悪役令嬢回避

学園祭

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今日は学園祭二日目。
そう、あのギル兄様が狙われる日であり、エル兄様が私を追いかけて行った結果襲われて連れ攫われる日。
襲われた場所がどこかは私にはわからない。私達がこの学園にまだ入学していないのもあるし、スキルで見たとしてもスキルでその場所全てがわかるわけではない。
攫われて見えた場所だって、焼印を炙るための暖炉。そして、鎖で拘束される場所というだけ…。

双子である兄だけでの事ではない。怖くて行きたくないとも思うのは、ギル兄様があんな目に遭うかも知れないと思うと、なんとも言えない気持ちになってしまう。怖いけど腹立たしい…。
必死にお願いするエル兄様と一緒に私もお願いした。
兄様の当番を変更させるのは怪しまれるし、他の生徒も「何かあった?」と問われるのも困る。

だから、ギル兄様と一緒に行きたいと、うるうる瞳を潤ませてお願いしたんだ。
連れていってくれないと泣いてやる~!ってぐらいにね。
父様達が既にどうにかしているかも知れないけれど、それでも、実際に見て確認したいとおもったの。

そして、その後に起こることも起こらなければ良いんだとも…。

よって、いつもより早めに起きて、読書で気を紛らわせていたんだ。

パタンと本を閉じて机の上に置き、急いで部屋方出た。
侍女達促されて、階段を降りれば、父様達も待って、最後に降りて来たのはエル兄様だった。
エル兄様と私、ギル兄様とアシュ兄様との四人だけで先に行くのかな?って思っていたんだけれども、そうではなかったみたいで、最後に来たエル兄様も驚いていたんだ。
父様はお疲れだと思うのに、物凄くスッキリされた表情をされていた。
昨日の食事や家族との時間の後、出て行かれていたのは知っていた。
帰ってきたのも遅かったとも聞いていたんだけれども、大丈夫なんだろうか?
お疲れ過ぎていない?

「あぁ、大丈夫だよ。レイに準備してもらっていたポーションも飲んだからね。」

そう言って良い笑顔だ。レイも機嫌がいい。

だけど、まだ特に何も教えてはくれない様子だっt?
既に解決をしてるのかも知れないんだけれどもね…。
自分達の目で確認したほうがいいとの…判断かも知れない…。

昨日も通った道を通り、学園の馬車止まりではなく、正門の前に馬車を止めて降りたんだ。
朝早いから、ここで降りてもいいんだって。
レイが先に降り、父様、ギル兄様、アシュ兄様、エル兄様と私とで降りるんだけど、エル兄様に対してアシュ兄様が手を差し出されていた。私的には普通だと思ったんだけれど、エル兄様的には文句を言っていた。「僕が小さい子供で背が低いから!?」って。私はついつい笑ってしまった。
声は出さないよ。エル兄様が落ち込みそうだから。
ギル兄様が私の方に手を差し伸ばしてくれて素直に手を伸ばして降りたんだ。

そして手を繋いだまま、一緒に正門を潜り抜け学園内に入った。
学園内の教室は、学生証をかざせば入れると教えてくれた。
学生証には期間限定で、使用可能になっている刻印が入っているとも教えてもらったんだ。
休みの時などは、当番の講師などの許可をもらって、特別証で開けるんだとも言われた。
使用して開けたら、誰が開けたのかは学園の保安関係の部署に、わかるようになってるんだって。ものすごい警備だと思うんだけど、それなら何でそんな未来が見えたんだろうか?

あの時見たのは、学園証をかざして開け閉めしなくてもいい時間であったからできた事かも知れないけれど…。
早朝でギル兄様が学生証で開けての出来事。
兄様が開けると知っての確信的犯行…。

学園では、担当の者が室内を確認して鍵をかけて行き、時間がくれば必要なクラスの鍵は一斉に開けられると言っていた。エル兄様の目がキラキラ輝いていたから、魔道具とか魔石、刻印がどうとか調べたいんだろうなぁ~って思いながら見ていたんだ。エル兄様の表情はとてもお可愛らしいからね。
アシュ兄様も嬉しそうにエル兄様の方を見ていた。
他の人がいたら隠してしまいそうだとも思ったんだ。
アシュ兄様、エル兄様の事が大好きだからね。
うふふふっ。

どんな魔法が施してるんだろうとも思って、色んなところに触れている。
多分現在のエル兄様は、やっぱり興味津々状態だった。
魔法とか魔法陣とか、魔道具もお好きだもの…。

でも、どんな良いものでもトラブルが絶対に起きないとは言い切れないから、色々と対応をされてるんだとも教えられギル兄様の教室を目指し歩いて行った。

父様は少し用事があると言って、レイと一緒に別行動にはなったけれど、ギル兄様やアシュ兄様が襟元につけている物があるから大丈夫なんだとか。

「さて、ここからが例の問題が起こる可能性があるんだったよね。」

ギル兄様もアシュ兄様も緊張される事なく動かれるけれど、私とエル兄様はドキドキが止まらない。

ギル兄様が学生証をかざすとガチャンと鍵が開く音がして、兄様は勢いよく扉を開いたんだ。
もしもの事があるから慎重にと思うのに、教室であるから引き戸であるから、ガラガラと音をさせながら開けや後…。

「「にっ、兄様…。」」

私達の心配する声は、どうしても震えるんだが、兄様はスッと気にせず教室内に足を入れたんだ。

扉から漏れ出る香りは、におい袋からの良い匂いがしていた。
そして…
兄様が平然として、例の物が置かれるはずだった場所に、目的の物が無い事を確認してから、私達を手招きしながら呼んでくれたんだ。

ギル兄様はその場所にそっと触れて何か確認されて…、にっこりと微笑まれてもいたんだ。
本当に大丈夫?あの時見たものは~うん無い。
良かった………。

「アシュもレイン、エルも大丈夫だ。やはり父上がきちんと対処してくれたようだよ。」

そう言って、とりあえず先に当番であるからと、仕事の準備を済ませてから、私達の方にもう一度声をかけてくれたんだ。
アシュ兄様も、さっきギル兄様が触れていた場所に指先で触れていた。
そして、少し考える表情をされたが、ホッとされていた。
えっとどういう事でしょうか?

兄様達には特殊なスキルがある事は知っている。
フィンレイ侯爵家男子が受け継いでいる能力であり、その差は色々だとも教えられていた。
外部に漏らしてはいけないもので、伝えるならば特殊な契約が必要とされるもの…。

私やエル兄様もその事は知っている。
自分達も外部からしたら危険なスキル持ちなんだから、兄様達と同じぐらい注意するようにとも言われていたんだ。
外部に対しての危険というよりも、自分達の身が危険な方かも知れない。
父様達や兄様達がその事に関しては、かなりピリピリして注意してくれてるんだ。私達以上にと言っても良いし、過保護と言っても良いんじゃないかなぁ~。

「エルもレインもおいで。少しここに座って。」

そう言って、言われお席の椅子席に座ろうとして…

一つの席はこの教室でのギル兄様がいつも使っているお席だそうで、ギル兄様が先に座り膝の上に何故か私を座らせて、そっと支くれたんだ。お腹に腕をまわされて…。そして、向かい側に置かれた椅子にはアシュ兄様が座りその上にエル兄様が確保されるように座らされていた。

これは一体?と思えば、エル兄様と私に片手どうしで手を繋ぐように言い、空いている方の手をアシュ兄様とギル兄様と繋いだんだ。兄様達の空いた手は私達二人のお腹の方に回されたまま落ちないように支えられていた。そして、ギル兄様が感じ取ったものを私に流し、それをエル兄様が受け取り、エル兄様からアシュ兄様に流れて確認という形にしたようだ。確認してみる時間が少ないからこれで大丈夫なのだとか。そんなに短時間?って思ったんだけれど、見せてもらって納得した。

そこに写り出されたのは、あの時見えた女生徒。
時間は昨日の夕暮れ。
そっと教室に入ってきたその女生徒はキョロキョロしながら、におい袋が置かれている場所を確認。「どこに置くのが効率がいいかしら?」と、ぶつぶつ言いながら考えて、あの時見たあの場所に置いたんだ。
そして、「どうかギルベルト・ダルク・フィンレイ様が、私リドルヴァル伯爵家令嬢であるカザリーヌ•リドルヴァルの婚約者になりますように。ギルベルト様が私だけを見つめて愛し、私の求めるものを全て与えてくれますように。フィンレイ侯爵夫人となり、ギルベルト様の側で幸せに生きていけますように。ふふふっ、これで彼は私のモノになりますのね。あのお子様はきっと間違い。これで彼は真実の愛に目覚められるんですのよ。」と頬を染めて興奮しながら独り言のように自分の輝かしい未来に酔って自分抱きしめながら、さらに微笑んでいた。
そして…教室を出ようとしたところで…。
学園駐屯中の騎士達に捕えられた。
拘束されて、口元には布のような物をあてがわれて、大声が出せないようにされていたんだ。しかも、講師の方々数名と担任らしき講師。白髪の長い髪を後ろにまとめ、長いお髭で見たまんまのご老人そうな方。そう、この学園の学園長が残念そうな顔をして女生徒の前に屈んで声をかけていた。あの時、兄様の入学式で見た人だ!

講師の一人が手にして持つのは、あのにおい袋。

「残念です。リドルヴァル伯爵令嬢、カザリーヌ•リドルヴァルさん。これがどんな物か知っての仕様かな?これはね、この国で禁止されている物が使用されているね。研究などで使用する場合は、特別許可書と計画書が必要な物。無闇に持ち歩いてもいいものでも無いんですよ。よって、学園でも禁止されているんです。国の方にもこの事は報告しないといけない。よって、君の身柄は騎士団に渡す事になる。この学園には常に一騎士団が駐屯していますからね。ではよろしくお願いします。」

それだけ言うと、スッと立ち上がり、女生徒はそのまま引きずられるように連れて行かれた。
そして、廊下の方から父様とレイの姿が見え、学園長に頭を下げられていたんだ。

そこで、兄様達が私達の手をそっと離し、私達はぎゅっと背後から抱きしめられたんだ。
私はギル兄様に体の向きを変えられて、さらに抱きしめられながら、流れ出た涙を拭われていた。
心配しすぎてほっとしたためだろう。瞳から溢れる涙は、なかなか止まらない…。
さらに抱き込まれてドギマギする私は、兄様のお胸を借りて泣いたんだ。

散々泣いた後、ふと見ると、教室には私とギル兄様の二人っきり。
どうしたらいいの…。それよりも、エル兄様達は一体どこに?

「二人はとっくの昔に教室を出て行ったよ。」

ギル兄様からそう聞かされて、クリーンの魔法もかけてくれて、癒しの魔法までかけてくださり、泣いてしまった事を無かったことにしてくれたんだ。

「目はウサギのように少し赤いけれど、可愛い。」

そう言って、さらに癒しの魔法を追加して少しかけてくれたんだ。

少し使えるようになったと笑っていた。

兄様のアイテムバッグから鏡を出して貸してもらい、顔を見ると…うん、大丈夫そうだ。

顔の特に瞼の辺りの腫れはなさそう…。

自分のポーチから鏡を出したら良かったんだけれど、慌てすぎてその時気がついていなかったんだ…。

しばらくすると、兄様のクラスメイトの方が一人来られて、お店のお手伝いをしながらエル兄様達を待つことになったんだ。

ギル兄様のお友達は、先生に「急遽当番が変更になった」と言われたと来たんだって言っていた。
多分、例の女生徒の事が関係しているんだろう。
そして、あの時見えた担任の講師が連絡した…。

兄様と一緒に店番ができる事が嬉しくて、その事は追求する事はしなかった。
とにかく楽しんでエル兄様を待っていたんだ。

ギル兄様が動かれなかったと言う事は、エル兄様の事も大丈夫だと連絡が来たって言う事だから…
私は安心しながら待っていたんだ。




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