兄様達の愛が止まりません!

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悪役令嬢回避

校外学習…その家族は

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精霊王エルメシアン。透明感があり、艶やかと言っても良い白い肌に、水色の長い髪は腰の位置ぐらいる。その瞳は金色の精霊王だ。
その存在がその場にいたんだ。

アシュとギルの連絡で、「何が起こった!?」と一瞬焦った。
校外学習は毎年恒例で行われる学園行事の一つだ。
自分達が学園に通っていた時も参加した事がある。
内容は多少変更はあるかもしれないが、そう変わらないはず…。
引率して行く講師陣もだが、護衛の騎士達も何度も経験しているから、特に気にはしていなかったんだけれどね…。

側にいるレイに合図して、私達二人は執務室から出て隣のいつもの部屋からここに転移したんだ。
転移先さえ設定できていればどうにでもなる。
転移先は子供達がいる場所。連絡してきたギルの方だ。

これもだいぶと改良できいい方向性に進化したものだと思うよ。
最初に手掛けたのは、あの子だったんだがな…。

移動した先には禍々しい気配が漂い、それを発していたのは…別荘で見たことのあるあの苗木の変貌した姿だ。
黒々と汚染されているように見える。

桜の苗木は黒っぽく一部なっており、かなり危機的状況下のような気がする。
まだ枯れてはいないが…。

そして側に見えた祠からは、禍々しい気配のする『銅製の鏡』。

子供達の姿を確認し、精霊王の存在がいることに驚いた。
驚きすぎて声が出なかったんだ。
あのレイも息を呑んでしまっていた。


精霊王エルメシアンが、そっと周りを確認し、掌から溢れ出した水を周りに霧状にしてかけていた。
一部避けるように掛からない場所には…あの禍々しく見えた『丸い青銅の鏡』。

「これが呪物?」
「あぁ、素手で触れては行けませんよ。少しだけ待ってくださいね…あぁ来ました。遅いですよ。」

そう言って側に現れたのは、あの時と同じ姿の精霊王のヴィズバルトだった。
相変わらずの真っ赤な髪。まるで燃える獅子の立髪みたいな感じに思える。
そして金色の瞳は、『呪物』と言われる『青銅の鏡』を睨みつけていた。

「まだこのような物が残っていたとはな…。」

そう言うと、掌に炎を宿して燃やしてしまった。

「浄化の炎で燃やすことで浄化出来るんですが、人の手で造られているので全てを燃やし尽くすことは出来ないんですよ。あくまで浄化だけです…呪物に関しては…。作り方が特殊で忌々しい作り方ですから、口にはしたくありませんが…。」
「言わねば理解できぬだろう。理解できねば解決もしずらい。俺が言うから耳でも塞いでろ。」

精霊王ヴィズバルトはそう言うと、簡単にだけ教えてくださった。
遥か昔に造られた物で、魔素の汚染を喰い止めるために当時の人間が作ったのだと。
考え方自体は間違っているとは言いずらいが、目的の物からしたら失敗作。

そう、『聖物』を作ろうと妖精を狩り、その血肉を当時『神聖』とされた『青銅の鏡』の材料の一部としたと言う。
精霊や妖精はこの世の断りから少し外れた『別世界のもの』だ。よって汚れた魔素を清浄化させる力があるらしい。力の差はあるけれど…
それを偶然見た魔導士か魔導師かが錬金術として行ったのだと言う。
作った当初は汚れた魔素を取り込むから、周りは浄化されたように思えたのだろうが、無理やり捕えられて殺害されれば負の感情が残されている。その残った物で作られたのだ。魔素の汚染は負の感情も含まれる汚れた物。それは溜め込み続けて限界域に達した時、倍の汚れた魔素を噴き出す『呪物』と化したのだそうだ。

妖精が言うには、北の方の国の人間が持って来て、ここに投げ捨てるように置いて行ったと言う。

「この場所は魔物や魔獣が少ないが、学園の裏だ。この辺りに置いておけば、凶悪な物が寄ってくる。そうすれば一年と言わずに急いでやるだろう。よし、戻るぞ!」そう言ったようだ。三人の怪しい者達。見張りと術者。運んできた者。 

そこでエルとレインに異変が起きた。
側にいたアシュとギルが直ぐに対応したのだが…。

私とレイも急いで子供達の側に行く。
スキルが発動した時と同じ状態のようだと判断し、息子達に手を貸してゆっくり座るように促した。
大切なものを守るように、優しく包み込みながら魔力を注ぎ込むアシュとギルに、先に飲むようポーションの蓋を取り手渡しもした。

一気に飲み干した瓶だけをレイが回収した後、私は精霊王の方に近づき問うことにした。この浄化されたとはいえ、呪物であった『青銅の鏡』をそのままにして置けないからだ。

「精霊王様方にお伺いしたい。まずはこの不浄な物。浄化していただきましたが、こちら側で回収しても大丈夫でしょうか?その国の物であると特定する意味もありますし、このままここに置いておくこともできません。」

「あぁ、浄化はできるが破壊はできないからな。少しの間、今後の対応として研究する事は良いが、その後は破壊するように。」
「破壊ですか?封印ではなく?」
「封印ではまた使用される可能性がある。そうだな…一年ぐらいなら調べる事は可能か…その後は直ぐに破壊するように。」
「わかりました。」

取り調べる許可はもらった。期限付きであるが、一年もある。
魔塔の者より友人の方が信用できるだろうから、そちらに頼もう。
研究者として調べ尽くしたいだろうが、危険な物だと理解していたら、無茶まではしないだろう。
やらかしそうなら、レイの雷が落ちるからな…。
昔からレイに、私と友人達は怒られ、世話もしてもらってきたから…。
チラッとレイの方を見れば、うん、理解できているようだ。

レイが自分のアイテムボックスからアモスの織り布を出したのが見えた。

アモスは大型の昆虫型魔物だ。生態系とかその他全て調べ尽くされているわけではないが、アモスからアモナスという蛾に変化する際の身体に巻き付ける繭の糸。取り出したのは、その糸で織った布だ。
この糸で織った布には、汚れた魔素などを通さない不思議な力がある事が有名だ。よって、汚れた魔素素材を研究で集める場合や、古代遺跡などで見つかる呪物などの回収にも使われるんだ。

レイも使用しているのは知っているし、私も視察時にそれらしき物があれば持ち帰る必要性もあるから、それとさらに結界刻印を施した箱も持ち歩いている。アイテムボックス内にね…。

「エル、大丈夫かい?」

エルとレインの意識が戻ったようだ。
顔色は少し悪いが、ギルとアシュ達がそれぞれに魔力を送っていたからね…。
発動時間も短かったようだし…。

二人がエルとレインから確認したものは、魔道具を通して受け取りもしたから、私達は大丈夫だが、衝撃的なものが多く映し出されていた。

かなり悲惨な映像も見えたが、レインの方はエルのおかげか、目にせずに済んだようで、少しホッとした。
アレは見るに耐え難い物だから、レインの方がエルに比べて女の子であることも影響してか、繊細だからね。

だが、研究者は時に酷い事を平気で行う者もいるとは聞くが、それでもだ…。
昔も今も変わらないか…。

精霊王が怒り話したくないのも理解できた。
精霊王からの説明以上のものを感じたしな…。

だが、あれは伝説上の話ではなかったという事か…。
古き時代の、北の地の話として伝承された昔話…。
伝説として、本にも残されている。
確か、『閉ざされた北の国』『忘れられた王国』そんな題名だった記憶がある。
少し記憶として怪しいが…。


そんな事を思い浮かべ、レイにその題名の書籍も集めておくよう指示して、子供達の側に行き声をかけた。

「えっと…」
「あぁ、レインも大丈夫そうだな。精霊王のお二人が大丈夫だと言ってはくださったが、急に倒れるから驚いたよ。」

エルはアシュに上半身を支えてもらいながら、もたれるように身体を預けていた。

「兄様、大丈夫です。服が汚れて、お尻が冷えてしまいます。えっと…」

エルは慌ててそう声を出し、アシュの人差し指で唇を添えられて…

「大丈夫だから。こう言う場合も備えて、着ているコートは特別素材だ。この程度では冷えないし、汚れも大丈夫。気にする事など何もない。それよりも、気分は悪くない?気を失っていたのは五分程度だったけれど…。」

そう説明した後、私達の方に視線を送ってきた。
エルもレインもギルやアシュがそうするから同じようにしたのだろう。

「エル。とりあえずこれを飲んで、レインの特性ポーション。」

そう言ってポーションを渡されている。
レインもギルから渡された自分が作ったポーションを飲んでいた。

私とレイがいる事に一瞬驚き、精霊王の許可を得てレイが青銅の鏡をアイテムボックスの中に回収しのを見たのか…。

「エルとレインが見たものは、俺や兄上、父上達も共有したから、情報としてきちんと把握できている。父上が急いで調べてくれると言っていたよ。」
「そうなんですね…。何かに包み込んでいたみたいですが…。」
「あれはアモスの糸で織った布だ。内側に入れた物や包み込んだ物から出ていく瘴気やその他を外に出さない性質があるからね。あれに包んで持ち帰り、研究機関で確認作業らしいよ。場合においては危険物として封印だね。」

そう伝えていたのが聞こえてきた。
これに関しては、精霊王が『破壊』を希望しているから、その方向性でいくと思うが…。
多分、怒らせる事はしないと思うがな…。

追跡魔法もかけておいた方がいいかもしれない。
破壊されればその魔法は消えるが、もし隠し持つ事を希望し、実際にされた場合は…追跡できるから、確実に…。

レイとその相談もしておいた。
エルが「もう大丈夫だ」とアシュに告げ、ゆっくり体を起こたことを確認。
アシュは心配そうにして側でそっと身体を支えているな。
ギルの方も方もだ。

「もう大丈夫みたいだな…。」
「はい。大丈夫です。」
「そうか…では、あの樹に君の魔力を注いでもらいたい。穢れはこっちで取り除いておいたが、君の魔力で植えていく必要性があるから、すまんな。」

そうエルに声をかけて来たのは、精霊王のヴィズバルトだった。

エルが精霊王から依頼されてしていた事は理解していたし、私達も協力してきた。
だから、私には止める事はできない。
できる事は、サポートとこの子達を守る事。

アシュは、エルの側から離れる事なく一緒に桜の苗木の側に行く。
そっと変色してしまった苗木に触れて、魔力を注ぎ込んでいく姿は、一瞬神々しくも感じた。
エルの魔力は強力な緑化もある。
その力が注がれ続けていくと、生き生きと葉を繁らし、花も開きながら少し成長したように見える。

エルの方は『桜』の苗木が汚染されていたせいか、いつもより多く、しかも急激に魔力が抜けているようにも見えた。
直ぐにアシュが反応して、レインとギルもアシュの側で…。

そこは優しい空間のようにも見えたんだ。

エルがそっと手を離すと、ほぼ同時に子供達はエルから離れた。
アシュ以外だけどね。

やはり、目の前の『桜』は、さっきの苗木とは姿が少し異なり、緑の葉が少し茂り、花も少し咲いていて…。
風が少しだけ吹いて、サワサワと葉が擦れた音がした。

周りの草木もキラキラして見えるのは…。
多分、屋敷の温室と同じような感じなのだろう…。
もしくは別荘の方…。

「この樹だけ、他の樹よりも少し成長してしまったが、問題ないでしょう。では私達はここで…。」

そう言うと、精霊王の二人は姿を消し、樹の周りには妖精や精霊が飛び回り出した。
さらに周りがキラキラして見えたが、妖精や精霊が振り撒く何かだろうと思い、気にする事をやめた。

「レインとエルはこのまま屋敷の方に帰るかい?」

二人の顔色を確認するように、そう声をかけた。
二人が帰ると言えば、ギル達も帰宅しそうな勢いだな…。

ある程度、今後の事を組み立てる。

エルとレインの返事は「せっかくだから、最後まで頑張りたい」だった。


「まぁ、二人が大丈夫であるのなら良いが…。ギルもアシュも大丈夫そうかな?無理しないように二人を頼んだ。レインとエルは決して無理せず、何かあれば必ずギルとアシュに言うように。学園側には父様から少しだけ話しておくからね。」

そう言って、子供達を残して一度学園長に会いに行き、その後屋敷に戻りながら、友人達に連絡して集まってもらったんだ。

精霊王エルメシアンや精霊王のヴィズバルトの許可で持ち帰った物を友人達に見せた。

「これは『青銅の鏡』ですよね?神殿にもよく似た物はありますが…全く違う物のようにも…。」

そう最初に口を開いたのは友人のカルロスだ。
幼少時からの知り合いで、学園時代からの親友であり悪友仲間の彼は、この国で国教神である『創世神ガルディエーヌ』の教皇でもあるんだ。
サラサラとた艶やかな銀髪に水色の瞳の美丈夫は、教皇の衣服を纏っている時、人々は平伏し祈るぐらいの神々しさをも持つのだが…

「私が知っている物は、神殿奥に有りますが…あれは確か精霊王の加護と神の加護が同居した物とされています。神殿ですから、常に清浄を求めますからね。『聖物の鏡』とされて、その場所に保存されていますよ。」
「『聖物の鏡』ですか?昔歴史書などに出てくる伝説の物に似てますね。」

伝説の物は、あの時見せられた映像のものだろう。北の国に今もあるとされている…。

「まぁ、伝説の物もそうかもしれませんが、伝説は確か人と魔力、土地を贄にした話ですよね。古くからの伝承は多少の真実と大袈裟な話が入りみだれていますがね。」

それぞれが好き放題に言いながら鏡を見つめるが、手に取ろうとはしない。
なんとなく危険なものである事がわかるんだろう。
浄化はされているが…。

「精霊王の存在は、会った事がないからわからないが、精霊や妖精が実在し、過去の遺跡にも描かれているからいるんだとは思うが…」

「精霊王は実在したよ。お会いする機会も会話させて頂く機会もあった。」
「羨ましい…」
「実際にお会いして、その言葉が言えたら良いけどね。怒らせたら怖い存在だよ。」
「例のいきなり炎で燃えた研究者な~。あれはイカれている存在だったしな。確か昔は『妖精の愛子』だったんだろう?それがどうしてか嫌われて、やらかした。嫌われるには余程のことをしたと思うが…。それは今はいいんじゃないか?問題は、これを北の国が我が国に持ち込んだという事…だよな?」

カルロスも、ジーク、レナルドもなんとも言えない顔をした。
カルロスとレナルドは『青銅の鏡』の方に興味が入っているが、ジークは国を守る騎士として、北の国に対して興味を示しているんだ。
私としてはどちらもだが…

「神殿からは、皇王の指示で現在準備中ですよ。それなりの人も場所も必要ですからね。直ぐに出来るわけがない。特別な儀式ですから、失敗もできませんしね。星の配置なども関係してるんですよ。」
「確か、来年だったな?私の方でも星の観測やその他で計算して出しました。魔石に魔力をある程度補填させる必要性もありましたから、準備が大変です。」
「その辺りは俺にはわからんが、お前達がそう言うなら、そうなんだろうな。何せ教皇様と魔塔の当主様だからな。俺の方は各地の魔物や魔獣被害の方だが、我が国に関しては落ち着いているんだ。理由はわからんが…他国は少し危なくなっている所もあって、我が国にやっかみをかけて来る可能性がおおいにあるから、睨みを効かせるのが大変だな。」

「そうだね…で、この鏡だよ。勝手に持ち込んで…精霊王が浄化してくださったから良かったものの、最悪の場合学園裏の森に厄災が起こる可能性があったんだ。」

「あの森は特別な森ですから、精霊王が現れてもおかしいとは思いませんがね…。」

何か言いたそうにするが、そこはスルーする。
この男にはレインやエルのスキルがバレてるから、大体の事を理解してるんじゃないか…とは思うんだ。
何せ『神に愛されしもの』のスキルはだてではない。
上手く隠してはくれるが…友人でよかったと本当に思うよ…。

魔塔の当主である友人も、我が家によく来ているから何となくわかっているんだろう。実際あの樹もバレてるが、他には隠す手助けをしてくれているしな…。
わかっていないのはこの脳筋バカだけだ。

皇王の側にいるのがコイツだから、バレなくて済んでる気もするがな…。

「この鏡はこっちで調べていいんだな?その後は必ず破壊か…。了解。俺の方でしとくよ。レプリカを作って渡しておく。北の国に問い詰めるのにいるだろう?ちょっとしたイタズラを仕込んどけばそれっぽくもなりそうだしな…」
「精霊王が『破棄』を言われていなかったら、神殿奥でとも思いましたが、その方が安全ですよね。」
「何で破棄する必要性があるんだ?浄化したらただの鏡だろ?作り方が特殊ってだけの。」

「バカですか?特殊で、さっき説明で聞いたでしょ?妖精や精霊のを使ったって。普通の錬金術じゃないんですよ。多分好意的に『涙や血を分けてくれた』『鱗粉を分けてくれた』じゃないんです。過去に愛し子がお願いしてそれらを分けてもらって作られたとされる聖物は有りますけどね。それだったら『破壊』とは言われないでしょうね…。」

そう言って大きなため息を吐きながら、「さっさとしまってください。」ってレナルドに言っていた。
レナルドは自分のアイテムボックスに入れて、明日レプリカを持って来ると言っていた。

それを確認してから皇王のもとに一緒に報告に行くことを約束したんだ。

ジークが先に屋敷に戻った後、カルロスとレナルドが詰め寄ってきて、詳しい詳細を聞いてきたから、精霊王から特別許可を得ている情報を二人に見せた。

三人の友人は私の能力を知っている。
ジークは皇王の側に付いているから、彼なりの判断で先に帰ったのだろう。
二人の友人の判断で、「自分にも伝えていいものを、後で教えてくれ」と言っていたと言われたんだ。

皇王に使える時、騎士としての契約がある。
それに触れて友人を裏切りたくないと思ってくれたと判断した。
多分間違っていないだろう…。

騎士が皇王に隠し事をすれば、国を守れなくなる。
その為の古くからの慣わしのような儀式があるんだ。

「なるほどね…。これは、あのバカには知らさない方がいいでしょう。この方法でなんて考える者が出ても困りますしね。」
「確かに…妖精や精霊を捕らえて、上手く口車に乗せて機嫌良く血や涙を頂戴して鏡を作れば、呪物でなく聖物として作れる可能性があるんですからね。」
「そんな事を考える者が出ない事を祈るが、なにぶんなぁ…。それよりも、出来るだけ早く破壊した方がいいと言う事だと思う。何かの拍子でまた澱んだものを吸収しださないとも限らないからな。」

精霊王が許可したもの。エルやレインからの情報をこの二人にも見せたんだ。
精霊王は言葉で伝えず、心の中に直接伝えて来る事がある。
その事は何度か経験させられたからな…。

口にしないと言いながら、直接この二人には見せてもいいと言ってきた。
私の頭の中に直接的に。
そして、間違った使用をした場合は精霊王からの罰がおりるとも…。
精霊王は私の交友関係まで熟知している…というわけか…。

どこでどう見られているのか、わかったものではない。

側で教えてくれている精霊も、もしかしたら監視役か?とさえ思ってしまうが…
それは考えすぎだと反省した。

「それにしても、この温室は不思議な空間ですね。いつ来ても癒されますよ、ほんと。」
「世の中の煩わしさが嘘のように感じるぐらいだな。」

妻の温室から偶然入り込んだこの二人は、それからちょくちょくこの温室にやって来る。
あの時、この二人には、レイ以外でだが、どんな結界をも平気で無効化できるんだろうって考えたものだ。
今日も話の後は癒されに入ってきた。

まぁ、見て見ぬ振りが得意な二人だから…

「じゃあ、私は戻りますね。」
「じゃ、オレも戻ろうかな。」

そう言うと、二人はさっさといつもの部屋から帰っていった。

「レイ?」
「大丈夫だ。不審者はいない。今はな…。」

「そうか…任せた。」

それだけ言って私は自室に向かった。
後はレイがどうするかだな…。

入り込んだ者は本当に見られては困るものは見ていないだろうが…。
時と場合においては相手に送りつける必要性もあるから…
それが何かはあえては言えないがな…


さて、残った用事を済ませて、準備をしておこう。

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