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悪役令嬢回避
聖女の呟き
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AクラスとBクラス。普通に考えると隣のクラスで近いと思うんだけど、実は間に一つ部屋が挟まれているのよね。
このせいで気が付かなかったんだと思う。
お隣のクラスなら気がつくと、普通思うんだけどね。
貴族や皇族が通われる学園であるから、警護の観点でと説明されていたんだ。
異世界であるから、日本の学校とは違って当たり前かって思って、気にも止めていなかったんだ。
コレもイベント成立にならなかった要因の一つね…きっと…。
アシュレイが隣のクラスっていうのも不思議だったのよ。
ゲームでは同じクラスだったんだからね。
攻略対象者の三人は同じAクラス。
第二皇子のシャルルと、次期宰相…宰相の息子さんで、頭脳明晰なシャルルの側近の一人でもあるチャールズ。そしてアシュレイよ。
ギルベルトとリシュエールは高等部三年生で、二人とも成績優秀であるからもちろんAクラス。
この学園は、魔力や学力などで成績優秀者から、AクラスからEクラスの五クラスにクラス分けされていたんだ。
なのに、アシュレイはAクラスでなくBクラス。
スキップで早く進学された第三皇子や、留学生の王子三人もいる事が理由らしくて、護衛やその他の観点で、護衛対象上位者と側近候補達をAクラスに集めているせいだったんだ。
アシュレイは、ゲームとかと違って、早い段階から本人の意思で側近候補から離脱していたんだ。
だからなのね~。それに、リシュエールは、実際は高等部二年生だったのもうまくいかない理由の一つだった。
彼の母親は、彼が幼い時から消息不明で、父親が教皇であったけれども、無理に神職に就かず、父親が持つ貴族席を継承しても良いと、屋敷の方に住んでいたのよ。
父親も屋敷が神殿の近くであるからと、いわゆる自宅からの通勤よ。
神殿で勤めに行く場合は何て言うのかは知らないから、これでもいいよね。
神殿にも教皇の部屋は有るけれど、無理にそこに住まなくてはいけないという決まり事が無いなんて知らなかったしね~。
神殿に全ての神職が住み込んでると思うでしょ?その人達だけで生活して、周りの住民がお世話に時々やってくる。いわゆる奉仕でね。そう思っていたのに違ったんだ。
高位神官以外の家が遠い者や住む場所がない神職、特に独身者はそれ用の寮みたいな所があって、そこで住んでいたんだ。神殿の護衛騎士も独身ならね…。
平民からの高位神官や貴族席を持つ高位神官は神殿周囲に自宅があったり、屋敷を構えているなんて初めて知った。
それに、神職につけば貴族籍も抜けていると思うのに、この国ではそうとは限らないらしい。併用もあり。ただし、神官職を重視しないといけないから、他の人を雇ったりして領地経営を任せているのがほとんどらしいんだ。
この教皇は、多くの高位神官を輩出している家系でもあるけれど、しっかり貴族籍を持っていて、どちらの方向に将来考えても良いと、子供を屋敷で育ててきたらしいのよね。
それ以上の情報は得られなかったんだけど…。
だから、ここでも上手くいかなかったんだ。
ゲームと小説とかには全然ない設定だし、普通に考えられない事ばかりだと思うのよね…。
神官職はみんな独身だと、勝手に思い込んでたんだから。
普通にアニメやマンガ、小説だけの知識の私は、神殿関係者は皆『きょうだい』と、お互いの事を呼びあっていたから、そうだと思っていたのに、この世界は違ったんだ…。
神殿の人に聞くと「普通に結婚できますよ。ただし一度きりで、離婚は出来ませんが。私達は神殿で神につかえていますが、神と婚姻したわけでもありませんし、そんな事を言ったら神に対して不敬ですよ。」と言われたんだ。
そうなのか?って感じだった。
だから、リシュエールは親達の姿を見て育ったけれど、神官職見習いでもなかった…。
何だか、全てが『悪役』として私の前にいない二人のせいだと、さらに思い込んでいった。
「全てがあの二人のせいだ!!」
「早くこの世界から抹殺してしまわなければ…」という思いに駆られて叫んでしまう。
私の心が、どんどん黒く染まっていくのも…きっとそのせいだ…
目的の教室につくと、忌々しい二人…
あの時ギルベルトとアシュレイの側にいた、あの二人が、楽しそうに他の生徒と話していたのよね。
あの陰気で意地悪な男子生徒である『悪役令息』と高飛車でド派手な『悪役令嬢』のはずなのに、何でそんな清楚で穏やかな笑顔を振りまいている?
一瞬ドキっとしたけれど、「コレがコイツらの手腕なんだ。騙されるな!」と、もう一人の私の声が頭の中で響いてきたんだ。
そうよ、全てがコイツらのせい。
キチンと正体をみんなの前で明らかにして、排除するのが、聖女でありヒロインの私の使命だという思いが更に湧き上がっていった。
バンと勢いよく教室のドアを開けて、ズカズカと我が物顔で教室に入って行く。
よく聞こえるように、本当は口にしたくもないけれど、汚らしい二人の名前をあえて呼んで、「話があるからついてくるように!」って言ったんだ。
もっと多くの人の目がある所で断罪したいと言う気持ちが溢れていたけれど、一瞬「私は聖女。先に二人だけに声をかけて、素直に学園から去るのなら、それで許してやるのもいいかも、私の好感度が爆上がりしそうね~」って気がしたんだ。
私ってさすが優しい~って。
なのに、その二人は身体の向きを私に向けて、少しだけ近づいて、呼び出しに関して断ってきたんだ。
自分達は私に対して特に用事もないし、今まで関わっていないから言われる理由もないし、言う事もないと。
可愛らしい顔をした悪魔のような男子生徒。
やっぱりコイツは悪役令息のエドワルド・フィンレイだ。
その横に、自分はか弱いと見せたい悪役令嬢のレイチェル・フィンレイ。
この女。私を見て心の中で嘲笑っているんだ。
忌々しい…。
「この私と話したくないって事?私が誰か知らないわけないわよね!」
イライラが募る。ふざけないでよ。お前達二人はこの世界の汚点なんだからね!
あぁ、だからこんな態度なんだ。
やっぱり私が成敗しないといけないんだ~。
でも、まずは普通にわかりやすいところから、間違いを正してあげないとね。
「なら、この場で言ってあげる。あなた達二人は、なんでこの高等部にいるのよ。しかもアシュレイと同じクラスって、おかしいでしょ!中等部の一年か二年のはずよね!」
ほら、キチンと教えてあげたわよ。間違いの一つをね。
周りも私を応援しているように動かない。
まぁ、私の聖女としての力で魅了されて、浄化されていっているんだわ。きっと…。
なのに、目の前の二人は、かわいそうな子供を見るような目で私を見て…。
「いえ、僕と妹はきちんと学園のスキップ試験に合格して権利を得ていますから、このクラスで間違い無いですよ。」
なんて嘘を言い出した。あり得ないでしょう?
「イカサマしたって事?アシュレイやギルベルトの迷惑でしょ!そうでなくても迷惑な存在のくせに。まぁ、高等部は寮生活だから、屋敷から追い出されたんでしょうけれども。それでも、あの二人の側にいるのはどういう事よ。嫌われ者のくせに!…」
そう言うと、少しは怯んだ?
そうでしょう?私は全て知ってるんだから、知らないと思って騙せると思わないことね。
なのにこの悪役二人、忌々しい事に顔色を変えずに、人を小馬鹿にしたように黙って見ている。
だから、「フィンレイ公爵家の悲劇が起こらないのはおかしい」「攻略対象者としてメンバーにいるはずのアシュレイやギルベルトを連れ回しているのはおかしい。恥を知りなさい!」と教えてあげたのよ。
「本来私のために起こるはずのイベントも起こらないし、そこにも行きつけれないのも、何かしたんでしょう!!」ってね。
そう言うと、表情が変わった。
ほ~ら、やっぱり悪役のこの二人が色々と邪魔してたんだ。
だから、全てが上手くいかなかった。
さっさとこの場から退場させないと、更に悪いことが起こりそうだ…。
「それに、どうしてあなた達があの二人の婚約者だって言うのよ。おかしいでしょ!この世界は聖女である私を中心に回っているはずなのよ。大体ね、私知っているのよ。あなた達二人は婚約なんてできるわけないんだからね。傷モノのくせに!」
トドメを刺してやった。
悪役令嬢は顔を真っ青にしている。
そのまま消え去れ!!
ビクッと反応した後…。悪役令息の方もだ。
コレだけ言えば、この学園で自分達がどんなに必要でない異分子かわかったでしょ?
周りの目も、冷たくなっているし、驚きで動けないみたいだ。
そうよね~。こんなやつがいるからだよね~。
くくくくっ…大声で笑いたくなる。
「ふふふっ、この場にいる人達全員に聞かれたらいいわね。知られて嫌われてしまえばいいのよ。だってあなた達二人が既に汚れているから、嫌われてあたりまえなの存在なんだもの。実際に嫌われキャラじゃない。それにね、確かある情報誌で読んだし、ネットにも情報として載っていたのよね。覚えていないとか、忘れてしまったって言うなら敢えて教えてあげる。私って優しいからね。そうすれば自分から姿を消してくれるでしょう?皆んなから排除されたらいいんだわ。良い考えだわ~。うふふふふっ。」
聖女として、全てを知る者として教えてあげたのよ。
楽しすぎる。
もう私一人のための舞台だ~。
廊下側にも人が集まって、更に注目されて気分がいい。
「この二人は、両親が亡くなった時に、遠縁の者に全てを奪われたのよ。しかもストレス発散の良いおもちゃ。子供をおもちゃにする変態に弄ばれたんだものね~。薄汚れてるし、汚いわ~。そんな者がこの学園にいる事自体おかしいのよね。」
そう言って、言い当てられて動けなくなっている二人の耳元にあえて「さっさと消えてよ。ゴミ屑さんたち。」そう呟いてやったんだ。
そしてさらに周囲の人にも、いかにこの二人がこの世界に不必要な存在か教えてあげたくて、大袈裟な女優のように、身振り手振りで話してあげた。
この世界がこんな事になっている原因を、この私自ら教えてあげたくてね~。
「そうそう、意外と君達がこの世界をおかしくした犯罪者じゃない?魔素は負の感情でも汚染されるって言うし~。君達が生まれ住んでいた領地から魔物や魔獣が溢れ返り出したんでしょ?だったら~、元凶は君達二人だよね。悪役令息に悪役令嬢だもの。自分が犯され汚れて、心まで真っ黒に汚れて呼び込んだ結果、世界が滅ぶ危機になったってね~。この国はね、『終焉』を迎えようとしていたのよ。この二人のせいで。それを知らせず、のほほ~んとぬくぬくとして、しかも平然としているなんて、信じらんな~い。そうだ、せっかくだから、私の力で封印してあげる!」
そう、やっぱり、聖女としての封印してあげないとね~。
私は手のひらに力を込めて取り出したんだ。
聖女が使う聖剣をね…。
やっぱり汚れ切っているから、この聖なる双剣が怖いのね…。
ジリジリと後退してるって、そう言う事でしょ?
すると、廊下側から不思議な魔力を持つ者が二人飛び込んできた。
しかも、パリンとガラスが割れたような音がしたのよ
この二人、私を害そうと結界を張っていたの??
すると、まわりの生徒達がガクッと身体が崩れ落ちる様子が見えたんだ。
えっ?
それと同時に、私を睨みつける獣人の男子生徒が二人?
一人は暗殺者で、私…そう、聖女に心惹かれて、影から聖女を守る存在になる…。
その獣人の彼がどうして??
「ちょっと何よ!えっ?どうしてアンタがここにいるの?」
私に敵意を向けたから、聖女の力で払いのけて距離を取るようにしたんだ。
聖女の力を受けたから、きっと正常に戻るはず。
この二人は目の前の汚物二人に汚染されてしまったのね。
私が正常に戻してあげる~。
そう思ったのに、スチャっと体勢を立て直して、もう一度私に攻撃をかけようとしてきたのよ。
その時、私と一緒に巡礼メンバーとして同行した王子達が駆け寄って来てくれて、私を庇ってくれたんだ。
やっぱり私を守ってくれるのね。
「アル、ユーシス、ジュディ、助けて、この獣人が私を襲うの~。」
悲壮感漂う声で訴えた。
助けてって。
三人三様で雪豹の獣人である暗殺者に対して、私を守るための戦闘スタート。
さすがゲームよね。
この三人の魔法で、足止めしてもらおう。
その間に、私は全ての悪の根源を封印しないと…。
私は嬉しくなって、にっこり笑って見せたんだ。
心の余裕よ。慈悲の微笑みよ。
すると、自分達二人が封じられると不味いと感じたのか、自分の仲間にした暗殺者が殺されたら今後に支障をきたすと思ったのか…
悪役令息であるエドワルドが咄嗟に暗殺者の二人を庇い、悪役令嬢であるレイチェルをその二人に託し突き飛ばしたんだ。
忌々しいから、私は振り上げた聖剣である双剣をエドワルドめがけて二本とも刺した。
聖女である私の意思を汲み取った聖剣は、特に力を込めて刺す必要性はない。
私の魔力…いや聖力を込めれば充分。
光輝いて、剣は二本とも悪役令息を封印し出したのよ。
悪の根源の片割れの汚れた魔力を思う存分吸収していき、致命傷となるであろう傷を負わすことができたんだ。
コレで私の浄化の力を注げば、きっとチリとなって消えるはずよね。
だって、不必要な汚物的存在なんだから…。
しっかりと突き刺さり、そこから血飛沫が上がっている。
いい気味。さて、私の…
そう思ったら、周りがキャー、ワーッと一気に悲鳴が上がり、女子生徒達は目眩を起こしてか倒れていっていた。
こいつ、周りを道連れにしようと足掻いてる?
悪役令息でなくて、魔族だった?
ゲームでは魔王設定は無かったけれど、そうなの??
悪の令息であるエドワルドの身体が崩れ落ちる…。
すると、エドワルドの瞳と暗殺者の瞳の刻印が一瞬光った。
コイツ、暗殺者の秘密を知って、それを利用して生きながらえようとしている?
エドワルドは聖剣に抵抗して無理やり剣を一本抜いた。
そして、聖剣が私を守るために、エドワルドの瞳に切先を向けたのね。
流石~。
「おやめください!!!」
暗殺者がエドワルドの目を庇おうと、自ら掌で抑えられかけたけれど、聖剣の方が早かった。
「ぐっ、ぁあああああああ~。」
流石聖剣だわ。
コレで悪が一つ滅んだ。
暗殺者は、なぜか急いで私の聖剣を二本とも抜いて投げ捨てたのよ。
あぁ、次の標的も封じろと言うことね。
カラカラカラ…と転がる聖剣を目で追う。
拾わなくっちや~。
でも、とりあえず勝利宣言を軽くしたい気分よ。
ふふふふっ、やった。やったんだ。
さすが私!コレこそ聖女でヒロインの私だから出来ることなんだわ~。
コレでゲームが正常化する。
アシュレイとギルベルトがこちらに駆けつけた姿を確認して…
あぁ、やっと洗脳が取れて、私の側に来てくれたんだ。
そう思ったのに…。
「エル!!」
「レイン!!」
駆けつけて来た二人はあろう事か、私ではなく、この目の前に倒れた悪役と、今から私がもう一度聖剣で封印しないといけないもう一人の悪役を呼んだのよ。
憎らしい。
私の中の黒い感情が暴れ出して、もういっそこの世界を、一旦リセットした方がいいと判断したんだ。
どんどん溢れていく私の力…。
すると、いきなり大きな力が私を拘束し出した。
何で?一体誰が!!!
力をたどると、それはアシュレイとギルベルトの魔力と、第二皇子の魔力だった。
その魔力に抑え込まれて…後からやって来た者達に魔力封じの魔道具を付けられていったんだ。
私の手元に戻るはずの聖剣は…
暴れながら視線で探すと、銀髪の青年、そうジュディが自分のアイテムボックスにしまい、ニヤリとしたのが最後に見えたんだ…。
どうしてお前が~~~~~~~!?
そして、私の意識はそこで真っ白になって、今この場所に囚われていた。
衣服は着ていた制服のまま…
「どうして!何で!!私は聖女でヒロインなのよ!出して出して出して~~~~~~~~~~!!!!」
私の声だけが響く。
誰も答えてくれない…
何でこうなるのよ!
そう思い涙が止まらなかったんだ…。
このせいで気が付かなかったんだと思う。
お隣のクラスなら気がつくと、普通思うんだけどね。
貴族や皇族が通われる学園であるから、警護の観点でと説明されていたんだ。
異世界であるから、日本の学校とは違って当たり前かって思って、気にも止めていなかったんだ。
コレもイベント成立にならなかった要因の一つね…きっと…。
アシュレイが隣のクラスっていうのも不思議だったのよ。
ゲームでは同じクラスだったんだからね。
攻略対象者の三人は同じAクラス。
第二皇子のシャルルと、次期宰相…宰相の息子さんで、頭脳明晰なシャルルの側近の一人でもあるチャールズ。そしてアシュレイよ。
ギルベルトとリシュエールは高等部三年生で、二人とも成績優秀であるからもちろんAクラス。
この学園は、魔力や学力などで成績優秀者から、AクラスからEクラスの五クラスにクラス分けされていたんだ。
なのに、アシュレイはAクラスでなくBクラス。
スキップで早く進学された第三皇子や、留学生の王子三人もいる事が理由らしくて、護衛やその他の観点で、護衛対象上位者と側近候補達をAクラスに集めているせいだったんだ。
アシュレイは、ゲームとかと違って、早い段階から本人の意思で側近候補から離脱していたんだ。
だからなのね~。それに、リシュエールは、実際は高等部二年生だったのもうまくいかない理由の一つだった。
彼の母親は、彼が幼い時から消息不明で、父親が教皇であったけれども、無理に神職に就かず、父親が持つ貴族席を継承しても良いと、屋敷の方に住んでいたのよ。
父親も屋敷が神殿の近くであるからと、いわゆる自宅からの通勤よ。
神殿で勤めに行く場合は何て言うのかは知らないから、これでもいいよね。
神殿にも教皇の部屋は有るけれど、無理にそこに住まなくてはいけないという決まり事が無いなんて知らなかったしね~。
神殿に全ての神職が住み込んでると思うでしょ?その人達だけで生活して、周りの住民がお世話に時々やってくる。いわゆる奉仕でね。そう思っていたのに違ったんだ。
高位神官以外の家が遠い者や住む場所がない神職、特に独身者はそれ用の寮みたいな所があって、そこで住んでいたんだ。神殿の護衛騎士も独身ならね…。
平民からの高位神官や貴族席を持つ高位神官は神殿周囲に自宅があったり、屋敷を構えているなんて初めて知った。
それに、神職につけば貴族籍も抜けていると思うのに、この国ではそうとは限らないらしい。併用もあり。ただし、神官職を重視しないといけないから、他の人を雇ったりして領地経営を任せているのがほとんどらしいんだ。
この教皇は、多くの高位神官を輩出している家系でもあるけれど、しっかり貴族籍を持っていて、どちらの方向に将来考えても良いと、子供を屋敷で育ててきたらしいのよね。
それ以上の情報は得られなかったんだけど…。
だから、ここでも上手くいかなかったんだ。
ゲームと小説とかには全然ない設定だし、普通に考えられない事ばかりだと思うのよね…。
神官職はみんな独身だと、勝手に思い込んでたんだから。
普通にアニメやマンガ、小説だけの知識の私は、神殿関係者は皆『きょうだい』と、お互いの事を呼びあっていたから、そうだと思っていたのに、この世界は違ったんだ…。
神殿の人に聞くと「普通に結婚できますよ。ただし一度きりで、離婚は出来ませんが。私達は神殿で神につかえていますが、神と婚姻したわけでもありませんし、そんな事を言ったら神に対して不敬ですよ。」と言われたんだ。
そうなのか?って感じだった。
だから、リシュエールは親達の姿を見て育ったけれど、神官職見習いでもなかった…。
何だか、全てが『悪役』として私の前にいない二人のせいだと、さらに思い込んでいった。
「全てがあの二人のせいだ!!」
「早くこの世界から抹殺してしまわなければ…」という思いに駆られて叫んでしまう。
私の心が、どんどん黒く染まっていくのも…きっとそのせいだ…
目的の教室につくと、忌々しい二人…
あの時ギルベルトとアシュレイの側にいた、あの二人が、楽しそうに他の生徒と話していたのよね。
あの陰気で意地悪な男子生徒である『悪役令息』と高飛車でド派手な『悪役令嬢』のはずなのに、何でそんな清楚で穏やかな笑顔を振りまいている?
一瞬ドキっとしたけれど、「コレがコイツらの手腕なんだ。騙されるな!」と、もう一人の私の声が頭の中で響いてきたんだ。
そうよ、全てがコイツらのせい。
キチンと正体をみんなの前で明らかにして、排除するのが、聖女でありヒロインの私の使命だという思いが更に湧き上がっていった。
バンと勢いよく教室のドアを開けて、ズカズカと我が物顔で教室に入って行く。
よく聞こえるように、本当は口にしたくもないけれど、汚らしい二人の名前をあえて呼んで、「話があるからついてくるように!」って言ったんだ。
もっと多くの人の目がある所で断罪したいと言う気持ちが溢れていたけれど、一瞬「私は聖女。先に二人だけに声をかけて、素直に学園から去るのなら、それで許してやるのもいいかも、私の好感度が爆上がりしそうね~」って気がしたんだ。
私ってさすが優しい~って。
なのに、その二人は身体の向きを私に向けて、少しだけ近づいて、呼び出しに関して断ってきたんだ。
自分達は私に対して特に用事もないし、今まで関わっていないから言われる理由もないし、言う事もないと。
可愛らしい顔をした悪魔のような男子生徒。
やっぱりコイツは悪役令息のエドワルド・フィンレイだ。
その横に、自分はか弱いと見せたい悪役令嬢のレイチェル・フィンレイ。
この女。私を見て心の中で嘲笑っているんだ。
忌々しい…。
「この私と話したくないって事?私が誰か知らないわけないわよね!」
イライラが募る。ふざけないでよ。お前達二人はこの世界の汚点なんだからね!
あぁ、だからこんな態度なんだ。
やっぱり私が成敗しないといけないんだ~。
でも、まずは普通にわかりやすいところから、間違いを正してあげないとね。
「なら、この場で言ってあげる。あなた達二人は、なんでこの高等部にいるのよ。しかもアシュレイと同じクラスって、おかしいでしょ!中等部の一年か二年のはずよね!」
ほら、キチンと教えてあげたわよ。間違いの一つをね。
周りも私を応援しているように動かない。
まぁ、私の聖女としての力で魅了されて、浄化されていっているんだわ。きっと…。
なのに、目の前の二人は、かわいそうな子供を見るような目で私を見て…。
「いえ、僕と妹はきちんと学園のスキップ試験に合格して権利を得ていますから、このクラスで間違い無いですよ。」
なんて嘘を言い出した。あり得ないでしょう?
「イカサマしたって事?アシュレイやギルベルトの迷惑でしょ!そうでなくても迷惑な存在のくせに。まぁ、高等部は寮生活だから、屋敷から追い出されたんでしょうけれども。それでも、あの二人の側にいるのはどういう事よ。嫌われ者のくせに!…」
そう言うと、少しは怯んだ?
そうでしょう?私は全て知ってるんだから、知らないと思って騙せると思わないことね。
なのにこの悪役二人、忌々しい事に顔色を変えずに、人を小馬鹿にしたように黙って見ている。
だから、「フィンレイ公爵家の悲劇が起こらないのはおかしい」「攻略対象者としてメンバーにいるはずのアシュレイやギルベルトを連れ回しているのはおかしい。恥を知りなさい!」と教えてあげたのよ。
「本来私のために起こるはずのイベントも起こらないし、そこにも行きつけれないのも、何かしたんでしょう!!」ってね。
そう言うと、表情が変わった。
ほ~ら、やっぱり悪役のこの二人が色々と邪魔してたんだ。
だから、全てが上手くいかなかった。
さっさとこの場から退場させないと、更に悪いことが起こりそうだ…。
「それに、どうしてあなた達があの二人の婚約者だって言うのよ。おかしいでしょ!この世界は聖女である私を中心に回っているはずなのよ。大体ね、私知っているのよ。あなた達二人は婚約なんてできるわけないんだからね。傷モノのくせに!」
トドメを刺してやった。
悪役令嬢は顔を真っ青にしている。
そのまま消え去れ!!
ビクッと反応した後…。悪役令息の方もだ。
コレだけ言えば、この学園で自分達がどんなに必要でない異分子かわかったでしょ?
周りの目も、冷たくなっているし、驚きで動けないみたいだ。
そうよね~。こんなやつがいるからだよね~。
くくくくっ…大声で笑いたくなる。
「ふふふっ、この場にいる人達全員に聞かれたらいいわね。知られて嫌われてしまえばいいのよ。だってあなた達二人が既に汚れているから、嫌われてあたりまえなの存在なんだもの。実際に嫌われキャラじゃない。それにね、確かある情報誌で読んだし、ネットにも情報として載っていたのよね。覚えていないとか、忘れてしまったって言うなら敢えて教えてあげる。私って優しいからね。そうすれば自分から姿を消してくれるでしょう?皆んなから排除されたらいいんだわ。良い考えだわ~。うふふふふっ。」
聖女として、全てを知る者として教えてあげたのよ。
楽しすぎる。
もう私一人のための舞台だ~。
廊下側にも人が集まって、更に注目されて気分がいい。
「この二人は、両親が亡くなった時に、遠縁の者に全てを奪われたのよ。しかもストレス発散の良いおもちゃ。子供をおもちゃにする変態に弄ばれたんだものね~。薄汚れてるし、汚いわ~。そんな者がこの学園にいる事自体おかしいのよね。」
そう言って、言い当てられて動けなくなっている二人の耳元にあえて「さっさと消えてよ。ゴミ屑さんたち。」そう呟いてやったんだ。
そしてさらに周囲の人にも、いかにこの二人がこの世界に不必要な存在か教えてあげたくて、大袈裟な女優のように、身振り手振りで話してあげた。
この世界がこんな事になっている原因を、この私自ら教えてあげたくてね~。
「そうそう、意外と君達がこの世界をおかしくした犯罪者じゃない?魔素は負の感情でも汚染されるって言うし~。君達が生まれ住んでいた領地から魔物や魔獣が溢れ返り出したんでしょ?だったら~、元凶は君達二人だよね。悪役令息に悪役令嬢だもの。自分が犯され汚れて、心まで真っ黒に汚れて呼び込んだ結果、世界が滅ぶ危機になったってね~。この国はね、『終焉』を迎えようとしていたのよ。この二人のせいで。それを知らせず、のほほ~んとぬくぬくとして、しかも平然としているなんて、信じらんな~い。そうだ、せっかくだから、私の力で封印してあげる!」
そう、やっぱり、聖女としての封印してあげないとね~。
私は手のひらに力を込めて取り出したんだ。
聖女が使う聖剣をね…。
やっぱり汚れ切っているから、この聖なる双剣が怖いのね…。
ジリジリと後退してるって、そう言う事でしょ?
すると、廊下側から不思議な魔力を持つ者が二人飛び込んできた。
しかも、パリンとガラスが割れたような音がしたのよ
この二人、私を害そうと結界を張っていたの??
すると、まわりの生徒達がガクッと身体が崩れ落ちる様子が見えたんだ。
えっ?
それと同時に、私を睨みつける獣人の男子生徒が二人?
一人は暗殺者で、私…そう、聖女に心惹かれて、影から聖女を守る存在になる…。
その獣人の彼がどうして??
「ちょっと何よ!えっ?どうしてアンタがここにいるの?」
私に敵意を向けたから、聖女の力で払いのけて距離を取るようにしたんだ。
聖女の力を受けたから、きっと正常に戻るはず。
この二人は目の前の汚物二人に汚染されてしまったのね。
私が正常に戻してあげる~。
そう思ったのに、スチャっと体勢を立て直して、もう一度私に攻撃をかけようとしてきたのよ。
その時、私と一緒に巡礼メンバーとして同行した王子達が駆け寄って来てくれて、私を庇ってくれたんだ。
やっぱり私を守ってくれるのね。
「アル、ユーシス、ジュディ、助けて、この獣人が私を襲うの~。」
悲壮感漂う声で訴えた。
助けてって。
三人三様で雪豹の獣人である暗殺者に対して、私を守るための戦闘スタート。
さすがゲームよね。
この三人の魔法で、足止めしてもらおう。
その間に、私は全ての悪の根源を封印しないと…。
私は嬉しくなって、にっこり笑って見せたんだ。
心の余裕よ。慈悲の微笑みよ。
すると、自分達二人が封じられると不味いと感じたのか、自分の仲間にした暗殺者が殺されたら今後に支障をきたすと思ったのか…
悪役令息であるエドワルドが咄嗟に暗殺者の二人を庇い、悪役令嬢であるレイチェルをその二人に託し突き飛ばしたんだ。
忌々しいから、私は振り上げた聖剣である双剣をエドワルドめがけて二本とも刺した。
聖女である私の意思を汲み取った聖剣は、特に力を込めて刺す必要性はない。
私の魔力…いや聖力を込めれば充分。
光輝いて、剣は二本とも悪役令息を封印し出したのよ。
悪の根源の片割れの汚れた魔力を思う存分吸収していき、致命傷となるであろう傷を負わすことができたんだ。
コレで私の浄化の力を注げば、きっとチリとなって消えるはずよね。
だって、不必要な汚物的存在なんだから…。
しっかりと突き刺さり、そこから血飛沫が上がっている。
いい気味。さて、私の…
そう思ったら、周りがキャー、ワーッと一気に悲鳴が上がり、女子生徒達は目眩を起こしてか倒れていっていた。
こいつ、周りを道連れにしようと足掻いてる?
悪役令息でなくて、魔族だった?
ゲームでは魔王設定は無かったけれど、そうなの??
悪の令息であるエドワルドの身体が崩れ落ちる…。
すると、エドワルドの瞳と暗殺者の瞳の刻印が一瞬光った。
コイツ、暗殺者の秘密を知って、それを利用して生きながらえようとしている?
エドワルドは聖剣に抵抗して無理やり剣を一本抜いた。
そして、聖剣が私を守るために、エドワルドの瞳に切先を向けたのね。
流石~。
「おやめください!!!」
暗殺者がエドワルドの目を庇おうと、自ら掌で抑えられかけたけれど、聖剣の方が早かった。
「ぐっ、ぁあああああああ~。」
流石聖剣だわ。
コレで悪が一つ滅んだ。
暗殺者は、なぜか急いで私の聖剣を二本とも抜いて投げ捨てたのよ。
あぁ、次の標的も封じろと言うことね。
カラカラカラ…と転がる聖剣を目で追う。
拾わなくっちや~。
でも、とりあえず勝利宣言を軽くしたい気分よ。
ふふふふっ、やった。やったんだ。
さすが私!コレこそ聖女でヒロインの私だから出来ることなんだわ~。
コレでゲームが正常化する。
アシュレイとギルベルトがこちらに駆けつけた姿を確認して…
あぁ、やっと洗脳が取れて、私の側に来てくれたんだ。
そう思ったのに…。
「エル!!」
「レイン!!」
駆けつけて来た二人はあろう事か、私ではなく、この目の前に倒れた悪役と、今から私がもう一度聖剣で封印しないといけないもう一人の悪役を呼んだのよ。
憎らしい。
私の中の黒い感情が暴れ出して、もういっそこの世界を、一旦リセットした方がいいと判断したんだ。
どんどん溢れていく私の力…。
すると、いきなり大きな力が私を拘束し出した。
何で?一体誰が!!!
力をたどると、それはアシュレイとギルベルトの魔力と、第二皇子の魔力だった。
その魔力に抑え込まれて…後からやって来た者達に魔力封じの魔道具を付けられていったんだ。
私の手元に戻るはずの聖剣は…
暴れながら視線で探すと、銀髪の青年、そうジュディが自分のアイテムボックスにしまい、ニヤリとしたのが最後に見えたんだ…。
どうしてお前が~~~~~~~!?
そして、私の意識はそこで真っ白になって、今この場所に囚われていた。
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「どうして!何で!!私は聖女でヒロインなのよ!出して出して出して~~~~~~~~~~!!!!」
私の声だけが響く。
誰も答えてくれない…
何でこうなるのよ!
そう思い涙が止まらなかったんだ…。
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