兄様達の愛が止まりません!

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悪役令嬢回避

聖女の呟き

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何で私はこんな所に閉じ込められないといけないのよ!
納得いかない!!

この世界は聖女中心に、聖女であるヒロインがハッピーエンドになることを目指すゲームの世界のはずだった。
私の大好きな乙女ゲーム。

この世界にやって来た時は、ストーリーは十分頭の中に入っていたし、あらゆるルートはやりこんでいたから、絶対に幸せになれるって思っていたんだ。しかも、ハーレムルート。
美形な男性陣にチヤホヤされて、乙女の憧れだと信じていたんだ。
私なら絶対に可能だって…。

全ての攻略対象者の好感度を上げていけば良いはずだったんだもの。
なら、ゲームをやりこんだ私は全てのイベントを熟知してる。ならそれが出来ると本気で信じていた…。

だから、この世界に呼ばれてきた時、最初にいるはずの人がいなかったのは、たまたま見えていないだけだって思ったんだ。

そう、攻略対象者の第二皇子 シャルル•カル•ガルディエーヌや、次期宰相とうたわれる公爵子息のチャールズ•ルストール。聖職者のリシュエール•ジスパダールは見えたんだ。魔導騎士のギルベルト・ダルク・フィンレイと魔導士のアシュレイ・ダルク・フィンレイの姿が見えず、その二人の父親であるフィンレイ侯爵の姿が私の目には見えないぐらいで、何処かにいると思っていたんだ。
神殿の最高権力者である教皇が簡単な説明しかせず、直ぐに別の神官に私を部屋に案内させていた事にも気がついていなかったし、その教皇が私の後ろの方にいた女性の方を気にして、直ぐにそちらに向かうなんて思ってもいない。
だって、教皇が私にする説明文は全部覚えていたから、聞きそびれても大丈夫だと思ったんだ。それよりも見えていない攻略対象者の姿が見たかったんだよ。

結局ささっと連れて行かれて、豪華な部屋に案内されて、シャルルは第二皇子であるけれど、私の世話をしてくれると聞いて有頂天になっていたんだ。
だって皇子様が私のお世話。しかもゲームやアニメとかのイラスト以上に美丈夫で、声はあの声優。しかも優しく微笑みながら…。
有頂天にならないはずないじゃない。
私は間違っていないはずよ。

部屋に準備されたドレスや貴金属も素敵で、女子高生だもの。綺麗なものって嬉しいじゃない。それが自分が身につけていいと言われたら…。
超幸せすぎる。お姫様扱いなんだもの~。
もう、るんるんよ。超幸せ~。

シャルルから、「急にこの国に呼ばれて驚いたと思う。申し訳ない。だが、できたらこの国の事を知っ欲しい。私は皇子としてこの世界を守りたいけれど、自分では…自分達では力不足なんです。ですから、一緒に手伝って欲しい」なんて言われたら、二つ返事で了承した。
それからしばらくお城と神殿の往復で、色々教えてくれたけれど、教皇の姿はあれから見られなかったんだ。
気にはなったけれど、「まぁ、教皇であるから忙しいんでしょ~。」って気軽に考えて、毎日会いに来てくれるシャルルとチャールズと楽しく会話の方を楽しんだ。
しばらくして、他国から来た王子達を紹介されたのには驚いたんだ。
この国から東の隣国エイデン国の第三王子アルフレッド•エイデン。
西の隣国リグドヴァルグ国第三王子ユーリシス•リグドヴァルグ。
北の国オーベルムハイム国第二王子ジュディオン•オーベルムハイム。

時々会いにきてくれる優しい王子様達だなって思い、単なるこの国に来た留学生だと思ったら、一緒に旅に出てくれる人達だと言われて驚いた。

そんなはずはない。だって、フィンレイ侯爵家の二人、ギルベルトとアシュレイ。あの時いたリシュエールが一緒に行く攻略対象者のはずなんだもの。
だけど…彼らは一緒に行くメンバーではないとはっきり言われたんだ。
ショックだった。
しかも、フィンレイ侯爵家の二人はシャルルの側近候補でもないとも言われた。
「嘘でしょ!?」って叫んだ私は悪くないはずよ。
シャルルは苦笑いしてたけど、私的にはそれどころじゃなかったんだ。

私はあの二人の事を気に入っていたんだ。あのゲームに出会った時、五人全てが超好みとも言えたんだ。声も姿も素晴らしくて…
だからハーレムルートを望んだのに~~~~~~~!!

まぁ、この三人の王子もカッコいいし、優しく接してくれるから…ここで駄々を捏ねてせっかくの計画がおじゃんになるのは嫌だったから、渋々了承した。

なら、イベントを攻略したらいいと思って、学園に行きたいと強く希望したんだ。
希望は通り、学園に向かうけれど、そのクラスはゲームと同じAクラスだったけれども…ただ、ここでもあり得ない事があった。

この世界で『聖女召喚』は最初は渋られていたんだ。でも、最終的には決定して実行された。そのきっかけになる第三皇子がそのクラスにいたんだ。ゲームではなくて、攻略本の方で書かれていたり、ゲームでも神殿でひっそり暮らしている姿をほんの少し見ただけの人が、普通に制服を着ている。
この世界でスキップ試験があったりそれを受けたりして、ここにいるのは当然だとは思うし、知識としては知っていたけれど、その第三皇子にそう言われて呆れられたんだ…。

確か誘拐されて、魔力器官が傷つき意識が戻らず神殿送りになったはずなのに…。
彼が誘拐され脅された結果、聖女召喚が実行されたのに…。

「何を言っている?意味がわからない!」

そう言って、第三皇子にはそれから相手にされなかった…。
第二皇子のシャルルはただ見守ってくれていたけれど…。

それ以上言えば、かなりまずいと思って…
そこからはそれに触れることはやめたんだ…。

つぎに図書館や図書室に向かったんだ。
そこにはアシュレイが必死で本を調べているはずなんだ。
彼の家族、そう一番下の子が生まれて直ぐに『妖精のイタズラ』でこの世界から消えるんだ。このゲームでは『妖精のイタズラ』の取り替えっ子はない。どこかの童話で、『妖精の子』と『人間の子』を取り替えるって言うのがあるんだけれど、それはこのゲームにはないんだ。
その子がいなくなって、母親は悲しみ精神的にも肉体的にも弱ってしまい、亡くなるのよ…。父親は仕事に明け暮れ、夜は酒に溺れる…。

そんな悲劇を他の人達には起こってほしくないと、必死に調べ上げて発見するんだけどね…。その時ヒロインは彼を慰めてから好感を得るのよ。、アシュレイルートなのに…いないんだ…。
他の生徒に聞いても知らないと言われたんだ。

それに、そこで死んでこの世界ではいないはずの母親が生きている事も、弟も元気にしているとも聞いたんだ。
どう言うことなの?
じゃあ、厄介者の二人は?と思って周りに聞いて行くと、養子養女はいる事がわかった。

そう、あの『悪役令息』『悪役令嬢』はいるのね…。
なら、きっと嫌われてるはず…

もっと詳しく調べたいと思ったら、巡礼の旅に行くよう言われてしまった。
だからそれ以上は調べることは出来なかったんだ…。

巡礼の旅に行く前に、お城でパーティーが開かれると聞いたから、確かお城の噴水でギルベルトに家族の話を聞いて慰めるイベントがあるはずと、いそいそと出かけたのに、いつまで待っても来なかったんだ。
あのイベント攻略で、ギルベルトに好意を持たれて、彼のルートが発生するはずなのに!

怒り狂って地団駄を踏んでしまった。

シャルルが迎えに来てくれて、ギルベルト達はこのパーティーに参加してない事をその時知ったんだ。
家族の都合で、フィンレイ侯爵家は全員来ていなかった…。

何でどうして?
あり得ないでしょう!!

納得いかず旅に出ると、古い神殿跡があったんだ。
何故か呼ばれてる気がして、入り口から入って行く。
魔獣や魔物は出て来たけれど、一緒に来てくれていた人達がサクサクと討伐して行ってくれるから、安心して奥に進んだ。
そこにあったのは古びた双剣だったんだ。
ゲームで見たことのあるアイテムだと思うけれど、でもかなり古ぼけている…。
一部錆びてもいて、触れたら「イタッ」と声が出てしまい、痛みも感じ、プツっと血が出てしまったんだ。
それが剣に吸い込まれる気がして…
剣が一気に光り輝いて綺麗な双剣に変貌したんだ。
恐る恐るその剣を握ると、力が湧いてくる気がした。

背後に魔獣が襲いかかってきて、振り向きながら…
剣が魔獣に触れると黒いチリのようになって消えたんだ。
超びっくりしたけれど、コレがあの聖剣だと思うとまたテンションが上がった。

その日から私の愛用になったんだ。

聖女巡礼の旅で連れて行かれる場所で、ドロドロと澱んで見える場所に剣を翳しながら力を注ぐと、キラキラと輝いて消えたんだ。
みんなが喜んでくれたから、私も有頂天になって、各地を張り切って行ったんだ。

浄化して行くことは楽しくて、頑張れるんだけど…ふとゲームと同じでない事を思い出してはイライラしてきたんだ。
みんなの前には見せないけれどもね…。
私は聖女。そしてヒロインなんだ!

でも、国内での浄化依頼はなく、「どうしても行きたい」と言い切ったんだけど、却下された。

「行く必要性はない。他を行こう。」と散々言われて…最後の場所も無事に終わったから、今度こそともう一度お願いしたら、「学園の森なら…」って…。

そこは魔獣に襲われて、皆んなが私を庇ってくれる場所。
致命的な怪我を負うんだけど、確か獣人の暗殺者がいつの間にかヒロインに好意を持つようになり、ヒロインの命が消えそうになった時、秘儀を使い代わりに命を落とすんだ。ヒロインは命が助かり、その暗殺者を抱きしめて…

なのに、そこには綺麗な桜の木があったし、そんな澱みなんて全然ない…。

「昔、神殿の者が植えたとされているんです。神聖な樹なんですよ。」

そう説明された…。
そこには祠も見えたから、その祠が関係してる?でも?

シャルルが神聖な樹だと言うから、それ以上は言えず、その場を後にした。
納得いかない事が多すぎる。

すると、昼食の時、やっと見つけたんだ。ギルベルトとアシュレイの姿。
側に誰かいるみたいだけれど関係ない。

「一緒に食事をさせてもらっていいですか?」

そう言って、横に座ろうと思ったんだけど、二人に丁寧に断られた。
そして、その場所を明け渡して他の場所に移動して行ったんだ。
同じ高等部一年の制服を着た男女を連れて…。
少し幼く見えたけれど、第三皇子の事もあるから…

シャルルが慌ててきて、一緒に食べようと言ってくれたから、悔しいけど見送ったんだ。
そこから何度も探して、待ち伏せもしてみたけれど惨敗。
リシュエールにも近寄ったけれどダメだった。

がっかりしていると、ギルベルトとアシュレイの二人は既に婚約者がいるととんでもない情報を聞いたんだ。しかもその二人は、あの悪役令息と悪役令嬢の二人。
私の引き立て役がどうして?

精霊王にも会えなかったし…
そう、精霊王とのイベントもあったけど、それも会えていなかったんだ。
妖精とか精霊とか、それ以上の存在にも好かれるはずなのに…

私が主役のはずなのに、何でどうして?

そうだ、きっと悪役の二人が私の邪魔をして全てを奪ったんだ。
きっとそうよ。
なら、私がその二人をまず排除してあげて、本来のストーリーに戻してあげる必要性があるのよ。

何だか、どんどんそれが『正解』のような気がしてきて…

なら、今すぐ言って解放してあげようと勇気が湧いてきたんだ。
あの二人が、本気であり得ないと思うんだけど、アシュレイと同じクラスである事も教えてもらったんだ。
今、その二人は楽しそうに教室にいる事も教えてくれた。

誰が教えてくれたのかは?誰だったんだろう…
いや、今すぐいかなくちゃ。

そう思って私は教えてもらったBクラスに向かって駆けて行ったんだ。
待ってて、この聖女でヒロインの私が悪役二人を成敗して、みんなを幸せにしてあげるからね…。

もう、正義の味方気分で、自分の考えにうっとりもしていたんだ…。
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