兄様達の愛が止まりません!

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青銅の鏡

目を覚まして…その家族は

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息子達から連絡を受けて、レイに指示を出す。

「エルが、何か重大な物を手に入れたようだ。ギルから見せたいと言って来た。」
「もしかして、奥様のお茶会の時に頂いた物でしょうか?ノートのような物を受け取っていたと報告が上がっていましたが…。」
「多分それのことだろう。レイナ殿はあの『聖女』と同郷だったらしいし…あの時二人がこの世界に来られたのも、何か意味があったのかもと…今になって思うよ。あの時の光景でね…。」

「確かレイナ様は『聖女』からエドワルド様の魔力と聖女の魔力?神聖力?を預かってきてたのですよね。あの時レイナ様の力でそれらを渡していただいたと同時に、屋敷の御神木と言っても良い『枝垂れ桜』の方にも流れ込んでいましたから…。」

そう、見守っていた時、いつも以上に神聖な気配や力を感じたんだ。
あの時は『厄介なものを』と思ってしまったし、『精霊王がエルを大切に思ってくださっている割には、聖女に対して…彼女が暴挙に出た時に罰しないのも…』とも思ったのも事実だ。

もしかしたら、あの時の力を受け取る必要性があったから?
しかも、レイナ殿を通して?

直接理由などをお聞きした訳ではないから、絶対とは言い切れないが…
あり得ない事でもないようにも思えた。

既に『聖女』の存在はこの世界にないが…。

まだ未解決のこともあるし、国としての対応も途中。
エルが『新たに頼まれてしまった事』の意味も、実際はどうしたら良いのか困惑し、理解できていない状態だ…。

エルがレイナ殿から受け取ったものが、その打開策になれば良いが…。

しばらくしてノックの音。
来たようだ…

レイが対応して、いつもと同じようにソファーに促す。
私も座り、レイが入れてくれたお茶を一口飲んでから、息子達に促したんだ。

「何があった?」
「父上、まずは先にこれを見ていただきたいです。」

そう言って差し出されたのは、さっきレイが報告したものか…。
手帳ではあるが、少し分厚い気もするが、気にしない。

パラパラめくると書かれている文字は、私やレイなどは読めるようになった確か『日本語』か?
綺麗な模様のようにも見えるこの文字。読解するには少し力がいったんだ。
その当時は、エルが文字盤を作っていたから何とか読めたが、それがなければさっぱりだろう。
我が家の影達は、極秘の暗号として現在使っているがな…。

屋敷に入り込んだムシが、理解できずに諦めていたという報告も受けている。
泳がせていたモノだったが、今はどうなっているやら。
レイが良いようにしたと報告があったしな…。

「これはエルが書いていた物とよく似ている。ただ、やはりあの国の事を多く指しているようだ。気になる文面もあるし…この辺りは実際には起きなかった事だろう。エルがわざわざそう書いてくれているしね。この辺りは類似した事が起こりかけたが、エルとレインのおかげで阻止できた…。」

そう、第三皇子の誘拐事件は計画されていたんだ。
エルとレインの情報のおかげでレイや友人達が動き、「自分の息子の事だろう!」と言って、重い腰を無理やり上げさしたんだ。
皇王になって、自国を優先にするのもわかるが、家族も守れず護れずで、国が守れるはずがない。
いろいろな事がありすぎているのは理解できるがな。

仕舞いには、「側に戻ってきて欲しい。」とまた言い始めたから、無視して出てきたんだ。城をな…。
私とて、やらなければならない事が多いんだ。
古き友人だと言っても、断固断る!
エルやレイン達が奮闘しているのも、国の諜報部の者から報告が入っているだろうに…。
そこは適当に放置していたんだ、あのタヌキは!!
放置してくれてありがたい事もないとは言わないが…。

「はぁ…………。」

ついつい大きなため息をついてしまった。

「父上?」
「あぁ…すまない。少し考え事をしていた。」

そう言って、こちらで調べ上げたものを、レイの手から息子達に見せるように言った。
そして、さらに読み込んでいく…。

危機が去ったと思ったが、まだあるのか?

確かに魔素は普通に存在するものだ。そして、どうしても淀み澱んで被害が出る。
被害が出る前に対処していく必要性があるのだが…。

精霊王からエルに依頼していった事により、この国は被害が激減しているのは事実。
他国にも良い影響が出始めているはずだが…。
それを快く思わない存在もまたいるという訳か…。

人の手でどこまでやり遂げれるかは…
かなり苦しい事もありそうだ…。

それに別の気になる事も…。

いったい神はどこまで試練を与えたいのか…。

ギルもアシュも報告を読んで考え込んでいる風だ。
本来ならまだ学生であるから、大人の仕事に巻き込みたくはないが…。
エルやレインが巻き込まれる可能性が大きいのなら、別問題なのだろう…。
それにこの子達はあの子達の…。
友人のカルロスがいろんな事を想定してやらかしてくれていたんだ。
それが、ギルやアシュ。エルやレインにとって良い事に繋がれば良いが…。


「ギル、アシュも、この手帳は私の方で預かる。貴重な情報源であるからね。友人達の知恵や力も必要だ。できるだけ大人側で頑張るが、場合によっては手助けしてもらう事もありそうだ。その時は声をかけるから、頼む。」
「はい。是非とも協力させてください。そして今後も情報の共有を求めます。」
「父上、よろしくお願いします。」
「うむ。」

それだけやり取りした後、エルは明後日から学園に通わせる事を伝えた。
学園側からも、試験やその他で必要な事があるからと、連絡も受けていたしな…。

もうすぐ長期の休みもあるから、当然といえば当然。

「わかりました。」
「ギルもそろそろ寮に戻らなければいけないな。」
「はい。エルが明後日から復帰であれば、その日学園後から寮にと考えています。」
「わかった。アシュは…」
「俺は休み明けから寮にエルと一緒に戻ります。まだ一年生ですから許されるでしょう?」
「そうだね…。ならレイ、そのように手配を。」

そう言って話を終えて、息子達は部屋を後にした。

「次々と起こるものだな…。」
「そうだな。だがやりがいはあるだろう?」
「子供達や妻との時間が減るのは辛いよ。それよりもレイ、お前の方はどうなんだ?息子達には見えないようにしているが、いつのまにそんな事になってるとはね…。」
「父親になるんだから、生まれてくる子供のためにも頑張るさ。」
「そうか、とりあえずおめでとう。飲むだろう?」

そう言って、とっておきの酒を奮発する事にした。
レイは長い間付き合ってくれている幼馴染で親友。兄的存在でもあるし、現在は戦友だ。
そんなレイは、長年彼女のことを見守ってきたんだ。
本当に大切に…
相手の方もレイに気があると思えたが、なかなか色良い返事はなかったようだが…。
まぁ良い。上手くいったなら、めでたい事だ。

グラスに氷と琥珀色の酒を注いで…

「未来のために」
「子供達のために」

そう言って酒を交わしながら、昔話から今後の未来に向けて、飲みながらしばらく話にはなをさかせたんだ…。
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