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青銅の鏡
もう一つの危機…北の国から
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「レイン、屋敷にいたと思ったのに、ギル兄様達と来たの?危なくなかった?」
要塞のようなお城の中は、廊下の方は何か飾られ置かれていたであろう場所は黒く燃えた痕跡が伺えた。
一部崩れた場所もあったけれど、歩くのには支障が無かった。
それに側にはギルがいるし、マグオート達もついて来ていたんだ。
瓦礫や散在した物の場所では手を引いてくれたりもするから、うん大丈夫。
そうして訪れた部屋では、私の片割れとも言える兄の姿があったんだ。
心配してここまで来たのに、兄であるエル兄様はキョトンと可愛い顔をされてそう私に言った。
そして、ベッドの上でクッションにもたれて座った状態で、近づく私をそっと手を伸ばして来て抱きしめられる。
双子の兄妹であるから、いつのまにか私よりも背が高くなったエル兄様。
エル兄様の身に起こったことが少し伝わって…。
でも、アシュ兄様に助けられたんだと思うとホッとした。
かなり危機的状況だったみたいだ。
一部あえてぼやかされたのは、エル兄様に能力かもしれないけれど、それでも…。
エル兄様は私を抱きしめることで心が落ち着いたみたいだ。
私も安心して落ち着いた。
エル兄様の心の中では『危険な場所に来させてしまって申し訳ない』という気持ちが強く流れて来たんだ。
この国の王城は神殿から見ても重厚な砦、要塞のようだったんだ。
それをここに来るまで見えたんだけれども、半壊させてしまったんだ。
炎や煙が立ち込めていたのは向こうから見えていた。
不思議とすぐに鎮火したと思うのだけれども…。
エル兄様の身に起きたことを少しだけ見せてもらえたのでも、こちら側の正当性は十分ある…
「廊下とか壊れていたところが多かっただろう?」
何故かエル兄様は気怠そうだ。
大丈夫だろうか…。
アシュ兄様がエル兄様のお世話をせっせとされて、いたらしいと知ると不思議に思う。
この状態であれば、いつもにアシュ兄様なら心配してエル兄様の側に付きっきりであるが…付きっきりは同じようなんだけれど違和感が…。
さっきまで側にいてくれたギル兄様はアシュ兄様に用事があるようで、今は別行動中なんだ。
ギル兄様とアシュ兄様はお互いに報告して情報をすり合わせるんだろう。
ほんの少しの別行動…。
うん、そこには触れるのをやめておこう…。
「大きな広間はほぼ全壊ね。天井か無くなって青空が見えてるもの。廊下とかも壊れているところは多かったけれど、なぜか崩れ落ちたような壊れ方なのよね…。鏡とか壺みたいなものはひどく壊されてたけれど…。」
「あ~、多分『青銅の鏡』とよく似た効果があった物がひどい壊れ方をしたんじゃないかなぁ~。」
「私もそう思う。私は神殿の方に最初訪れたの。精霊王の導きでね。」
「何かお願いされたの?」
ここでまたあの『青銅の鏡』が出てくるのね。
妖精や精霊はアレを嫌っていたんだ。
まぁ、あの製造過程であれば嫌うのは当然だと思うけれど…
神殿に飛ばされるように来た私は精霊王にお願いされて来たんだ。
エル兄様達の心配もあるけれど…。
という事は、エル兄様も精霊王関係?
あのすぐに不思議と消えた炎はもしかしてあの精霊王の?
精霊王の力は桁外れなのは理解している。
ただ、人と精霊達の考えは微妙に違うこともあって…。
でも、今回はお怒りの案件であったという事だ…。
私達家族はあの時から精霊達やそれより上位の精霊王まで関わらせてもらっている。
向こうのお願いを聞くことで、こちら側も利益があるのだけれど…。
「そうそう、これエル兄様の分。精霊王から預かってきたの。いわゆる『聖水』かな?物質的浄化や癒しとかにも使える万能液。この瓶に入っている液体が私やエルが使う分には減って無くなることは無いみたいなんだけれど、他の者が使用した場合液体は使用分だけ無くなって、全て使い切ったら瓶も消失するみたい。」
あの時二つの瓶に入れたんだ。
一つは私が使用するように。実際使って来たんだけれど…。
そしてもう一つはエル兄様用だ。
そう言って渡した瓶の液体を不思議そうに眺めていた。
液体は相変わらずキラキラして綺麗だった。
エル兄様「ありがとう」と言ってアイテムボックスの中に大切に仕舞われたんだ。
いざという時にしっかり使うためにね…。
今後の事を考えて、精霊王から私以上にお願い事をされてしまうエル兄様。
お願いで赴く時にエル兄様の役におおいに立つような気がした。
エル兄様はもう一度「レイン、ありがとう。」と言って、今度はギュッと抱きしめてくれたんだ。
私は抱きしめられると同時に私の魔力をエル兄様に流し込んだんだ。
性別は違うけれど双子の兄妹だ。魔力の相性は抜群に良く馴染みやすい。
少しでも多く癒されますようにと…。
「うん、レインのおかげで動けそうだ。」
そう言ってエル兄様はベッドから起き上がった。
「着替えて来る」と告げて、私は異性であるから一旦べつの部屋に移動することにしたんだ。
「お待たせ。」とエル兄様がオーキッドと一緒に私が寛いでいる部屋に入ってこられた。
マグオートも一緒に来ていたんだけど、さっきは気が付かなかったみたいで、『今気がつきました~』みたいな表情でおかしかったんだ。
まぁ、私も安心しすぎて、いつもの部屋でくつろぐようにしていたんだけどね…。
神殿から浄化してるから、ちょっと安心してしまったんだ。
寛げることはいいことなんだけれどね…。
それだけ安心できる環境という事で…。
コンコンとノックした後、声をかけて入って来たのは…。
「エル、レインどうも無いかい?」
「「父様」」
父様とレイがにこやかに入ってきたんだ。
お顔は少しお疲れ気味ではあるけれど…。
私とエル兄様は立ち上がり父様達に近づく。
両手を広げて待っていたから、素直にその胸の中に…。
「エルは少し怖かったね。もう大丈夫だから。レインもお疲れ様。ここの神殿の泉を浄化させたんだってね。カルロスが喜んでいたよ。」
そう言って私達二人を抱きしめて頬に優しいキスをしてくれたんだ。
アシュ兄様がお側にいて安心し、私とギル兄様とであ安心した上に父様が来てくれたらおおいに安心感したんだろう。
私だって安心よ…。
「さぁ、二人ともソファーに座って父様と少し話をしよう。軽食でも食べながらが本当は良いんだけれど、残念ながらアイテムボックスに入れてなかってね。代わりの物を~レイ頼む。」
「お任せください。」
そう言ってテーブルに並べられたのはアップルパイだ。
父様いつのまに?えっと??
この状態で今出してくるの??
確かに私とエル兄様の大好物の一つだけど…。
そして、りんごの香りがするお茶がテーブルの上に置かれいった。
父様のは香りが違う。
あれがコーヒーだ…。
「母様が持たせてくれたんだよ、さぁ食べよう。」
「「はい。」」
そっか、もう大丈夫だという事で、母様がその時にってしてくれたんだ。
うん、安心したらお腹が空いてくる…。
私とエル兄様は頷き合って紅茶を一口飲んでから、アップルパイを頬張った。
りんご独特に甘さと食感を楽しむ…。
「エル、起きてたんだね。」
「レイン、ここに居たんだ。父上先に訪れるのは酷いですよ。」
そう言って入って来たのはアシュとギル兄様、そしてそのまま専属執事兼護衛達だった。
アシュ兄様はエル兄様右横に、ギルは私の左横に座って私達を挟む感じで座ったんだ。
目の前はもちろん父様。
レイが兄二人のお茶を出し…えっと二人ともコーヒーなんだ。
いつのまにかコーヒー好きになったんだろうか?
そして母様が焼いてくれたアップルパイが置かれたんだ。
「母上のパイは相変わらず美味しいですね。」
「疲れが取れる感じがする。」
そう言って食べている二人もお疲れモードだ。
「父様がこちらに来られたから会議は一旦終了されたと思いますが…」
「あぁ、大まかな取り決めは終わったよ。新国王即位は決定された。国を回す重要な職務に就く者も決まってる。即位式は後日盛大に行われることにはなったけれどね…。この国は少し澱みの影響が色国ですぎてしまったようだ。それ以外にも色入りとね…。我が国に…我が家の者に影響さえしなければ特に問題視するつもりも、関与するつもりもない。国内の事は自分達で行って欲しいからね。まぁ多少の手助けはするけれど…。」
そう言って父上は長い脚を組み直して優雅にコーヒーを嗜んでいた。
既に母様の手作りケーキは食べてしまったようだ。
ほんと美味しいよね…。
お代わりしたいぐらいだ。しないけどね…したら食べ過ぎです。
「エルやレインはスキルなどでもう知っていると思うが、…」
そうい言った後の言葉は、この国の今までの要約だった。
この国の亡き国母であった正妃の子である現王弟。本来は王太子に即位し国王となるはずが、第二王子である事を第一の理由とし、側妃から実家の権力など使用し王妃に即位した現王妃は、自身の子供第一王子を王太子に祭り上げたんだ。そして邪魔な第二王子を無実の罪で幽閉。王太子となった第一王子はそのまま現国王となっていた。第二王子の妻となった女性を恋慕して奪い側妃とした。その女性は密かに魔法を駆使して身を守り第二王子のお子を産んだが、その子を害意し殺害されないようにと国王の子と偽った。
前国王とよく似ていた為疑われる事なく今まで成長できたんだ。現王妃と皇太子に命を脅かされながらも…。
もう国王交代劇が起こったから、現王妃とか言うのはおかしいけれどね…。
幽閉されていた王弟の支援者や影達のおかげもあるだろう。
そして、今回の王太子殿下の愚行による混乱に乗じて反乱を起こした。
精霊王の怒りの裁きも大きく影響したようです。
予定よりも早く城を鎮圧する事になり、我が国も被害者が出たためにおおいに介入したと…。
精霊王が介入したこともあり、我が国としては新国王の助力しただけにするらしい。
ただ、希望の案件に対しては伝える方針だそうです。
例えば『青銅の鏡』に関して禁呪として厳しく保管するとか魔塔での研究に対しての禁止事項の徹底など…。
全ての研究者が酷いことを行っているわけではない。人にとって大切な研究もある。それらに対して監査する機構が新たに設けられる事になったらしい。
神殿では枢機卿が罰せられ、新たな枢機卿が赴任される事になった。愚かな行いを行っていた一部の者達も一掃さたとか。どのような罰を与えられたのかまでは教えてもらえなかったんだ。
前国王や王妃、その他の王族は裁判にかけられて一部極刑。神殿での奉仕活動や鉱山での労働などその罪によって重さが変わったらしい。
極刑も、人民の前で行う事は避けたらしい。
せめてもの情けということかもしれない…。
「エル、レインは一旦国に帰ろう。エルがこの国を通して行いたい事はもう少しだけ待つ事になる。一ヶ月後にもう一度この国に訪れて、そこから向こうの氷で閉ざされた地に踏み込む事に話をつけておいたよ。」
「父様…。」
「本来なら一カ月で立て直しなど困難だが、新国王は元々国政をずっとされていたんだ。幽閉されてはいたがね。だから早く立て直しはしやすい。指示していた貴族達も側近たちやそれに近い者達らしいからね。」
「では、父上…」
「あぁ、ギル達は先に今から帰国しなさい。馬車は既に準備できているしね。我が国の使者が到着次第私も帰国する。そうだ、母様にもそう伝えておいてくれるかい。」
「わかりました。」
それだけ言うと、荷物は既に準備して馬車に運び込んだと報告されて、私達はエル兄様達が乗って来た我が家の馬車に乗り込んで帰路についたんだ。
城を出る際に、崩れた場所や焼け焦げた場所もあったが、土魔法が得意な者が再構築したりしていたのを見て、『直ぐに修復できるんだ』って感動してしまったんです。
街中を抜ける時も、特に混乱は見られず、どちらかといえば新国王歓迎ムードいっぱいだった。
それらを横目にゲートまで急ぎ、ゲートを潜って我が家に戻ったんだ。
要塞のようなお城の中は、廊下の方は何か飾られ置かれていたであろう場所は黒く燃えた痕跡が伺えた。
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瓦礫や散在した物の場所では手を引いてくれたりもするから、うん大丈夫。
そうして訪れた部屋では、私の片割れとも言える兄の姿があったんだ。
心配してここまで来たのに、兄であるエル兄様はキョトンと可愛い顔をされてそう私に言った。
そして、ベッドの上でクッションにもたれて座った状態で、近づく私をそっと手を伸ばして来て抱きしめられる。
双子の兄妹であるから、いつのまにか私よりも背が高くなったエル兄様。
エル兄様の身に起こったことが少し伝わって…。
でも、アシュ兄様に助けられたんだと思うとホッとした。
かなり危機的状況だったみたいだ。
一部あえてぼやかされたのは、エル兄様に能力かもしれないけれど、それでも…。
エル兄様は私を抱きしめることで心が落ち着いたみたいだ。
私も安心して落ち着いた。
エル兄様の心の中では『危険な場所に来させてしまって申し訳ない』という気持ちが強く流れて来たんだ。
この国の王城は神殿から見ても重厚な砦、要塞のようだったんだ。
それをここに来るまで見えたんだけれども、半壊させてしまったんだ。
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エル兄様の身に起きたことを少しだけ見せてもらえたのでも、こちら側の正当性は十分ある…
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何故かエル兄様は気怠そうだ。
大丈夫だろうか…。
アシュ兄様がエル兄様のお世話をせっせとされて、いたらしいと知ると不思議に思う。
この状態であれば、いつもにアシュ兄様なら心配してエル兄様の側に付きっきりであるが…付きっきりは同じようなんだけれど違和感が…。
さっきまで側にいてくれたギル兄様はアシュ兄様に用事があるようで、今は別行動中なんだ。
ギル兄様とアシュ兄様はお互いに報告して情報をすり合わせるんだろう。
ほんの少しの別行動…。
うん、そこには触れるのをやめておこう…。
「大きな広間はほぼ全壊ね。天井か無くなって青空が見えてるもの。廊下とかも壊れているところは多かったけれど、なぜか崩れ落ちたような壊れ方なのよね…。鏡とか壺みたいなものはひどく壊されてたけれど…。」
「あ~、多分『青銅の鏡』とよく似た効果があった物がひどい壊れ方をしたんじゃないかなぁ~。」
「私もそう思う。私は神殿の方に最初訪れたの。精霊王の導きでね。」
「何かお願いされたの?」
ここでまたあの『青銅の鏡』が出てくるのね。
妖精や精霊はアレを嫌っていたんだ。
まぁ、あの製造過程であれば嫌うのは当然だと思うけれど…
神殿に飛ばされるように来た私は精霊王にお願いされて来たんだ。
エル兄様達の心配もあるけれど…。
という事は、エル兄様も精霊王関係?
あのすぐに不思議と消えた炎はもしかしてあの精霊王の?
精霊王の力は桁外れなのは理解している。
ただ、人と精霊達の考えは微妙に違うこともあって…。
でも、今回はお怒りの案件であったという事だ…。
私達家族はあの時から精霊達やそれより上位の精霊王まで関わらせてもらっている。
向こうのお願いを聞くことで、こちら側も利益があるのだけれど…。
「そうそう、これエル兄様の分。精霊王から預かってきたの。いわゆる『聖水』かな?物質的浄化や癒しとかにも使える万能液。この瓶に入っている液体が私やエルが使う分には減って無くなることは無いみたいなんだけれど、他の者が使用した場合液体は使用分だけ無くなって、全て使い切ったら瓶も消失するみたい。」
あの時二つの瓶に入れたんだ。
一つは私が使用するように。実際使って来たんだけれど…。
そしてもう一つはエル兄様用だ。
そう言って渡した瓶の液体を不思議そうに眺めていた。
液体は相変わらずキラキラして綺麗だった。
エル兄様「ありがとう」と言ってアイテムボックスの中に大切に仕舞われたんだ。
いざという時にしっかり使うためにね…。
今後の事を考えて、精霊王から私以上にお願い事をされてしまうエル兄様。
お願いで赴く時にエル兄様の役におおいに立つような気がした。
エル兄様はもう一度「レイン、ありがとう。」と言って、今度はギュッと抱きしめてくれたんだ。
私は抱きしめられると同時に私の魔力をエル兄様に流し込んだんだ。
性別は違うけれど双子の兄妹だ。魔力の相性は抜群に良く馴染みやすい。
少しでも多く癒されますようにと…。
「うん、レインのおかげで動けそうだ。」
そう言ってエル兄様はベッドから起き上がった。
「着替えて来る」と告げて、私は異性であるから一旦べつの部屋に移動することにしたんだ。
「お待たせ。」とエル兄様がオーキッドと一緒に私が寛いでいる部屋に入ってこられた。
マグオートも一緒に来ていたんだけど、さっきは気が付かなかったみたいで、『今気がつきました~』みたいな表情でおかしかったんだ。
まぁ、私も安心しすぎて、いつもの部屋でくつろぐようにしていたんだけどね…。
神殿から浄化してるから、ちょっと安心してしまったんだ。
寛げることはいいことなんだけれどね…。
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コンコンとノックした後、声をかけて入って来たのは…。
「エル、レインどうも無いかい?」
「「父様」」
父様とレイがにこやかに入ってきたんだ。
お顔は少しお疲れ気味ではあるけれど…。
私とエル兄様は立ち上がり父様達に近づく。
両手を広げて待っていたから、素直にその胸の中に…。
「エルは少し怖かったね。もう大丈夫だから。レインもお疲れ様。ここの神殿の泉を浄化させたんだってね。カルロスが喜んでいたよ。」
そう言って私達二人を抱きしめて頬に優しいキスをしてくれたんだ。
アシュ兄様がお側にいて安心し、私とギル兄様とであ安心した上に父様が来てくれたらおおいに安心感したんだろう。
私だって安心よ…。
「さぁ、二人ともソファーに座って父様と少し話をしよう。軽食でも食べながらが本当は良いんだけれど、残念ながらアイテムボックスに入れてなかってね。代わりの物を~レイ頼む。」
「お任せください。」
そう言ってテーブルに並べられたのはアップルパイだ。
父様いつのまに?えっと??
この状態で今出してくるの??
確かに私とエル兄様の大好物の一つだけど…。
そして、りんごの香りがするお茶がテーブルの上に置かれいった。
父様のは香りが違う。
あれがコーヒーだ…。
「母様が持たせてくれたんだよ、さぁ食べよう。」
「「はい。」」
そっか、もう大丈夫だという事で、母様がその時にってしてくれたんだ。
うん、安心したらお腹が空いてくる…。
私とエル兄様は頷き合って紅茶を一口飲んでから、アップルパイを頬張った。
りんご独特に甘さと食感を楽しむ…。
「エル、起きてたんだね。」
「レイン、ここに居たんだ。父上先に訪れるのは酷いですよ。」
そう言って入って来たのはアシュとギル兄様、そしてそのまま専属執事兼護衛達だった。
アシュ兄様はエル兄様右横に、ギルは私の左横に座って私達を挟む感じで座ったんだ。
目の前はもちろん父様。
レイが兄二人のお茶を出し…えっと二人ともコーヒーなんだ。
いつのまにかコーヒー好きになったんだろうか?
そして母様が焼いてくれたアップルパイが置かれたんだ。
「母上のパイは相変わらず美味しいですね。」
「疲れが取れる感じがする。」
そう言って食べている二人もお疲れモードだ。
「父様がこちらに来られたから会議は一旦終了されたと思いますが…」
「あぁ、大まかな取り決めは終わったよ。新国王即位は決定された。国を回す重要な職務に就く者も決まってる。即位式は後日盛大に行われることにはなったけれどね…。この国は少し澱みの影響が色国ですぎてしまったようだ。それ以外にも色入りとね…。我が国に…我が家の者に影響さえしなければ特に問題視するつもりも、関与するつもりもない。国内の事は自分達で行って欲しいからね。まぁ多少の手助けはするけれど…。」
そう言って父上は長い脚を組み直して優雅にコーヒーを嗜んでいた。
既に母様の手作りケーキは食べてしまったようだ。
ほんと美味しいよね…。
お代わりしたいぐらいだ。しないけどね…したら食べ過ぎです。
「エルやレインはスキルなどでもう知っていると思うが、…」
そうい言った後の言葉は、この国の今までの要約だった。
この国の亡き国母であった正妃の子である現王弟。本来は王太子に即位し国王となるはずが、第二王子である事を第一の理由とし、側妃から実家の権力など使用し王妃に即位した現王妃は、自身の子供第一王子を王太子に祭り上げたんだ。そして邪魔な第二王子を無実の罪で幽閉。王太子となった第一王子はそのまま現国王となっていた。第二王子の妻となった女性を恋慕して奪い側妃とした。その女性は密かに魔法を駆使して身を守り第二王子のお子を産んだが、その子を害意し殺害されないようにと国王の子と偽った。
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もう国王交代劇が起こったから、現王妃とか言うのはおかしいけれどね…。
幽閉されていた王弟の支援者や影達のおかげもあるだろう。
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ただ、希望の案件に対しては伝える方針だそうです。
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神殿では枢機卿が罰せられ、新たな枢機卿が赴任される事になった。愚かな行いを行っていた一部の者達も一掃さたとか。どのような罰を与えられたのかまでは教えてもらえなかったんだ。
前国王や王妃、その他の王族は裁判にかけられて一部極刑。神殿での奉仕活動や鉱山での労働などその罪によって重さが変わったらしい。
極刑も、人民の前で行う事は避けたらしい。
せめてもの情けということかもしれない…。
「エル、レインは一旦国に帰ろう。エルがこの国を通して行いたい事はもう少しだけ待つ事になる。一ヶ月後にもう一度この国に訪れて、そこから向こうの氷で閉ざされた地に踏み込む事に話をつけておいたよ。」
「父様…。」
「本来なら一カ月で立て直しなど困難だが、新国王は元々国政をずっとされていたんだ。幽閉されてはいたがね。だから早く立て直しはしやすい。指示していた貴族達も側近たちやそれに近い者達らしいからね。」
「では、父上…」
「あぁ、ギル達は先に今から帰国しなさい。馬車は既に準備できているしね。我が国の使者が到着次第私も帰国する。そうだ、母様にもそう伝えておいてくれるかい。」
「わかりました。」
それだけ言うと、荷物は既に準備して馬車に運び込んだと報告されて、私達はエル兄様達が乗って来た我が家の馬車に乗り込んで帰路についたんだ。
城を出る際に、崩れた場所や焼け焦げた場所もあったが、土魔法が得意な者が再構築したりしていたのを見て、『直ぐに修復できるんだ』って感動してしまったんです。
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