兄様達の愛が止まりません!

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青銅の鏡

あらら…マグオート

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学園内に新たな侵入者を兄が一緒に確認したようだ。
俺も別の侵入者を確認したから、兄と一緒に情報を擦り合わせた。

兄であるオーキッドが確認したのは、学園内の清掃員と警備関係の職員だ。
俺が確認したのは講師の助手や学園で新規採用された侍女だ。
その後、怪しい調理師も見つけて、他にもいるかと調べ上げたが、侵入者はその五名だけだった。

初めに発見した時に、ギルベルト様やアシュレイ様、そしてご領主であるお館様などに報告して、屋敷の影の者動員した結果がこの五人という事だ。

雇い主はそれぞれ別とは考えられるが…。
単に情報収集などの目的であればまだ良い。しかし、自分達の主人が狙われるとしたら許すつもりはない。
主人に迷惑をかけないように配慮しながら密かに…。
そう考えながら、兄やその他と協力して…。

新規雇用は学園内では時々見られるし、他の学園からの転属という事もあるから、身元保障がしっかりされていたりする。
後は実力が十分であれば…。

でもやはり五名の潜入は多い気もする。
気のせいなら良いが…。
これは兄も同意見だった。

その後の調べで、その中の怪しい二名が実際の人物と入れ替わっていると判明したんだ。
潜入の潜入か?

自分達の主人に手を出さないのならと、初めは泳がす事にしたんだ。
怪しい行動をすればすぐに排除。

当然、屋敷から来ている影の者達にも情報共有しながらだ。

お館様から「次期当主であるギルベルトとアシュレイの指示に従いながらも報告を」と今回指示されているから、御二方には何度か報告はさせていただき、指示も仰いでいた。

今まで動きがあまり見られなかったが…。
ついに行動を起こし出したのか…
そう本日あの時に確認したんだ。

俺達の主人であるエドワルド様やレイチェル様達が移動教室の時に感じた視線と気になる動きで、兄と頷き合い警戒態勢を最上級に引き上げる事にしたんだ。

主人達には安心して学園生活を楽しんでいただきたいし、希望は多いに叶えて差し上げたい。
エドワルド様の希望されている北の国や閉ざされた国周辺に関しての情報も集めながらの並行作業だが、大変ではありが、大いにやりがいもあって、密かに楽しんでもいた。
特に兄がね。
エドワルド様と兄は特殊契約をしているんだ。
俺はレイチェル様とだがな…。

先に寮の方に戻ることを主人に伝えているから、兄は主人であるエドワルド様の荷物を持ったまま寮に戻る。
俺は侍女が荷物を持っているから…。
流石に主人の着替えられた衣服は持たせてもらえない。
彼の方の荷物なら、どれだけ多くとも喜んで持つが、それは侍女が許してもらえないから、少し兄が羨ましい。
変な意味ではない…。

途中まで一緒に戻りながら、はたの者からは同じ屋敷の専属執事同士として普通に会話をしていると思われているだろう。
実際は自分達特殊能力を持つ獣人同士。
しかも兄弟である血の繋がりの能力も駆使して情報を擦り合わせていたんだ。

兄も同じように違和感を感じていたようだった。
そう、あの時見たのは、学園内の清掃員と侍女の方だ。
本来の者と入れ替わり侵入した者だ。
潜入者と入れ替わった別の者。
元々侵入する予定者は、もうこの世に存在していないがな…。

遠くからであるが、その二人から主人に対して…視線を感じ、耳を傾けていると…。

「これを…」
「かしこまりました。それでは…」

何かを手渡しながらも、標的を確認して見ている感じだ。
獣人特有のよく聴こえる耳をしっかり意識しながら、鼻もヒクヒクさせて…。

あの時微かに香ったのは、問題視された『におい袋』と同じ香り。
ただ、サワサワと風が吹き、庭での咲き乱れている花の香りなどで誤魔化されそうではあったが、間違いない…。

アレは対象者を意のままに操れる特殊効果も有るんだ。
ただし、しっかりと効果を効かせるために、特殊な香り成分の充満させて嗅がす必要があるが…。

兄と一緒に密かにマーキングは付けておいた。
当然、相手には気づかれていない。

さて、寮内に入る直前に…

「では、侍女の方に」と、俺は兄の方に声をかけた。

レイチェル様の専属であるから、他の侍女と偶然を醸し出しながら接しても特に違和感はないだろう。だから俺がそっちを探る方がいい。

「なら、清掃員の方に…」

兄がそう言って、二人別れて行動する事にしたんだ。

男子寮と女子寮との分かれ道でお互い別れ、一旦女子寮の方に入った後、侍女にそっと告げてから動く。

一族極秘の方法で相手にはマーキングしてあるから、どこにいるか手に取るようにわかるんだ。
このマーキング、かなり遠い位置であろうとも、付けたいと認識すれば付けることは可能なんだよな~。
この能力は自分達以外は一族の者しか知らない。
ただ、知っていても使えるかと言えば、使えない者の方が多いとも訊いていた。
我ら兄弟は簡単に使えるが…。

便利だが、他者に知らせるつもりもないけれど…。
主人には、必要であれば、その都度自分達の能力についてお教えするが…。
お伝えしていなくても、エドワルド様はご存知だったりもするんだ。
それに伴って、双子であるせいかリンクで情報を共有されたりするレイチェル様。

本当に不思議なお方だ…。
自分達がしっかり守らなくてはと思うほど危うい時もあるから、気合を入れる必要性が多いにある…。

自分は主人にとって、剣であり盾でも成りたい。
その為には更に…。

そんな事を考えながらも、気配を消して影に潜みやすくしてから行動を起こす。
侍女が隠し持っていた物を、我が主人の二人に届けられた荷物に紛れ込ませようとしているのを確認して…。

そっと背後から潜んで意識を落とした。
そのまま影に引き摺り込んでから、拘束する。

「こっちは捕らえた。」

それだけ兄に魔道具を通して連絡して、側に来た影の者に女を渡した。
この後特別な場所にご招待だ…。

しばらくして、兄の方も捕らえたと連絡があった。
どうも南側諸国で作られた魔道具、元々の目的は、狩猟目的の魔道具を見つけて破壊したと…。

そう、目的の獲物を捕らえて転送させる代物のあの魔道具だ。

警戒心の強い獲物を捕らえる罠の一つとして開発されたと記憶する。
古代遺跡から発見された物を改良したとも訊いた事があったんだが…。

すでにフィンレイ侯爵家の方にも連絡し、家令から特別に手渡されているアイテムバッグの方に入れたから、向こうで確認作業中だろうとも言っていた。
兄が使ったアイテムバッグは、空間共有も付与されている物で、重量や大きさなどの制限問題はあるが、入れた物を空間共有されたもう一つのアイテムバッグから取り出し合う事が可能なんだ。そして、それを無事受け取ったかどうかは、付属として取り付けられている魔石の色が変わる事で確認できたりもするんだ。
俺も渡されている。

自分の考えでは、あの女が持っていた『におい袋』を利用して、お二人を兄が見つけた魔道具の側に近寄らせるつもりだったのだろう。どちらか一人でも近づいた事で発動し、目的場所に転移させるんだ。
どちらかが捕らえられれば、もう一人も捕らえれると考えていたのかもしれない…。
なぜならアレは確か一度きりの起動で、無事役目を終えれば粉々に砕けて地面の土と変わらないようになるんだ。
しかも、痕跡など残さないという徹底ぶりの代物だ。

設置した男も捕らえて、例の場所に招待したのでば、素直に口をわらすだろう…。

女の部屋も確認しておく必要性があると、兄に伝えて部屋に忍び込む。

そこには…。
気になる物を発見した。
割符のような…

アイテムバッグに入れて、上司でもある家令に連絡した。
すぐに魔石の色が変わったから、無事に受け取られたんだろう。

他にもあるかと思ったが…。
それ以外は特に…。

いやちょっと待て…。

気になる布を見つけてそれも入れて…。

パンパンと衣服に付いた埃などを祓い、さらにクリーンもかけておく。
襟を正してから…

「そろそろ帰ってこられますね。ん?夕食は不要…了解いたしました。」

ギルベルト様から通信用の魔道具を通して連絡が入り、夕食は要らないのであれば、先に自分のを済ませて、主人がお戻りの時にはお茶を出そうと頭の中で計画を立てて…。

急いで食事を済ませるために、その場を辞したんだ…。
もっと目を光らせておかなければと誓いながら…。

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