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他国からの嵐…
新たなる嵐
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屋敷に戻れば、直ぐに父様の書斎の方に来るように言われました。
書斎の方では父様とご友人であるカルロス様とその奥様であるレイナ様もおられた。
ギルや家令のレイも渋い顔をして…。
「アシュ、エル、レインお帰り。今回、とんでもない事に巻き込まれてしまっているね。」
「ただいま戻りました父上。」
「「ただいま戻りました父様。」」
そう言うと、直ぐにソファーに座るように促された。
カルロス様とレイナ様も一緒だから、今回は長椅子の方に私達四人は座ったんです。
エル兄様と私が真ん中で、それぞれ端にアシュ兄様とギルが座ってね。
「最初に届けてくれた紙は皇王の方に複写を提出している。原本は我が家で保管しているから、紛失されて無かった事にはさせないようにしておいたからね。皇王側に提出した際には、しっかり原本も見せているから、偽造したモノでない事は理解していただいている。」
「そうなんですね…。」
「そもそも、あの紙に書かれていた事はあり得ない事だ。エルやレインには闇属性はない。それは神殿側でも立証されている。それに、闇魔法でなくても、魔力などで相手を操る事は禁忌とされている。闇魔法の『精神操作』や光魔法の『魅了』もこれに値し、その能力を持つ者は、特殊な訓練を受けてその力を制御して、必要時以外には使わないようにしている。まぁ時と場合においてだけれど、どうしても必要な時もあるから、その時は前後のどちらかで報告の義務が生じるのだけれどもね…。それと、婚姻している者を他者が勝手に離縁させる事もない。例え国が絡んでもそんな権利はないからね。」
父様が私達にそう説明すると、カルロス様がしっかりと頷いて肯定してくれたんです。
「えっと…少し良いかしら?」
レイナ様が手を挙げてから、そう声をかけてきた。
「実は、私がいた異世界の話なんですけど…。」
レイナ様はそう前置きし、父様達には先に話しておいたがと言ってから、この送りつけられた紙に書かれた内容とよく似た事を話してくれたんです。
そう、エル兄様の前世で生きてこられた時の世界の話です。
エル兄様の前世はレイナ様が生活されていた異世界と同じ場所であり、時間もほぼ同じでした。
時間軸がこちらの世界とは違うのかも知れませんが、そこは触れないでおきます。
私には理解できない事が多いから…。
エル兄様の前世での知識などは、私は双子であるせいかリンクして垣間見る事が多かった。
ですから、知っていることも多いのです。
アシュ兄様やギルは不思議な能力で、その事も知っているのだけれど…。
その人気ゲームやアニメ、小説といった物には多くのファンがついているみたいで、自分達で好きな登場人物を使って物語を作ったりもするんだそうです。
『コミュケ』と言うイベント会場でなどで売られたりもするそうです。
この世界と類似した当時のエル兄様が、遊んだり読んだり、見たりしたゲームやその小説、アニメは全年齢に適応していて、異性間の恋愛をベースに作られているから、この実際の世界のように同性婚もないし、同性同士で子供も出来ないのには、初めは驚きました。なぜならこの世界では同性同士の婚姻もできますし、子供も生まれるのですから…。
すると、レイナ様のお話で、コミュケと言う場所で売られる『同人誌』と呼ばれるものには年齢指定のものもあると言っていた。『同人誌』はその人気ゲームやアニメ、小説といった物には多くのファンが、自分達で好きな登場人物を使って物語を作ったりもする物語を収録した本だと教えてくれたんです。そこには『R指定』と言う大人が読むようなものがあって…。
攻略対象者同士が…という感じの、こちらの世界にもある『薄い本』もあるんだとか…。
薄い本は…屋敷の書庫の奥の方にあって、昔間違って読んでしまった事があるんです。
恋物語だと思って読んでいくと…恥ずかしい内容がいっぱいで、当時の私は知恵熱を出しました…。
後に、母様から少しだけ教えていただいて…。
子供ができる過程で必要な事だと…。
ただ、その行為は本当に好きな相手とだけ行うのだとも…。
ですから、私もそのうちギルと…。
うっ…恥ずかしいです~~~~~。
エル兄様は前世が成人男性でしたから、私のように熱を出す事は無いようでしたが…。
そして、異世界で生活されていたレイナ様も、当時ゲームや小説なんかを購入したらしく、その当時の友人に同人誌を発行している側の人がいたらしいのです。そこで、今回送りつけられた紙の内容によく似たものを見せてもらった事があったとか。
聖女が第二皇子殿下と結ばれてハッピーエンドになるルートらしいけれど、攻略対象者であるギルは、聖女と第二皇子殿下の婚約のお披露目に来られていた他国の王女と恋に落ちる。そして、王女と一緒に祝いの席に来た王子がアシュ兄様を見初めて猛アタックし、結果恋に落ちて、王女は花嫁修行としてこの国に留まり、そのままギルと婚姻。アシュ兄様は王子が自国に帰る際に一緒にその国に行き婚姻した。その間に、悪役であるエル兄様と私は、それぞれの二人の仲を引き裂こうと、闇魔法で他者を操ったりして妨害するけれど、それぞれの愛の力に負けてしまい犯罪者として捕まる。闇魔法での精神関与などは違法行為とされる為、魔法が使えないように魔力抑制の刻印魔法を施されて国外追放。
放逐される際に、魔物に襲われて、エル兄様と私は死亡すると言った話らしい…。
うん、そのままこの紙に書かれたのと同じだと思うけれど…。
なんともいえない気持ちになった…。
物語の悪役である二人は、兄様達に自分たちの事を受け入れて欲しくて嫉妬したんだと思う。
方法は間違っていたのかもしれないけれど…何だか悲しくなる…。
エル兄様と一緒に『悪役令息』『悪役令嬢』になりたくないと、エル兄様の前世の知識をリンクして知っていたから頑張ってこれたけれど、それが無かったら…。
私やエル兄様は悪役として…。
いや、今はそれは考えないで…。
と言う事は、あの王子殿下か王女殿下のどちらかがエル兄様と同じような転生者で、双子であるから私達のようにリンクして情報共有している可能性が高い可能性があるという事だろう…。
そして、その転生者が知っている話はレイナ様が話された話の方で…。
アシュ兄様やギルはとても素敵ですから、好意を持たれるのもわかるのですが…。
そうなのですが…
その話のようになるのは嫌…。
何度も言いますが、エル兄様と私は『悪役令息』『悪役令嬢』になりたくなくて頑張ってきたし、家族の不運も阻止してきたと自負しています。
アシュ兄様やギルに好意を持ってもらえて、エル兄様や私は素敵な伴侶に恵まれて幸せに…そう思っていたのに、この世界はどうしても私達を排除したいのでしょうか…。
「エル、大丈夫だ。俺がエルを離すわけない。逃しもしないが。」
「レインも大丈夫。私がレイン以外を欲しいと思わないのだから。」
そう言って、いつの間にかそれぞれの膝の上に座らされて抱きしめられていた。
ちょっと恥ずかしいけれど、でも不安の方が上回ってしまっていたから、ついつい甘えてしまう。
父様達も仕方ないねと言わんばかりに、あたたかく見守ってくれていた。
「これに関しては、国からも神殿側からも『遺憾の意』としてアグロス王国側に通達している。場合においては国同士での賠償責任も追及させてもらう事にもなっている。皇王もお怒りだし、前皇王に関しては更にお怒りだ。抗議文がアグロス王国側にしっかり届いている事だろう。」
そう言えば、私達の祖父は皇族だったとか…。
確か前皇王の弟だとか…。
祖母も聖女の末裔だとも言っていた。
その孫である私達を貶めるような事は…。
うん、国同士の大問題に発展する可能性大だと思う…。
「それと、学園側での問題か…。」
「そうなんですね。その問題の王子殿下と王女殿下の二人がエルとレインとの試合を勝手に公表して…。」
「試合に勝てば、自分達の言い分を正当化させて…その可能性が大いにあるか…。」
「アシュやギル兄様に対して、自分達が勝てばと言って奪い取ろうとする考えは、僕は許せません。」
「そうだね…。私も許せないよ。私いの可愛い子供達に対してこの仕打ちを計画する自体許せないが…。」
「ですが、もう三日後と公表してしまっている。試合放棄なんてできません。」
「生徒会側で、他の参加者も集い、イベントとして行う事になりました。生徒会や学園側のメンツもあるでしょうから…。」
「許可の印鑑が押されていたらしいね。なら、取り辞めは難しいだろう…。」
そう、三日後の試合です。
生徒会長である第二皇子殿下がエル兄様と私だけの試合にせず、他の参加者も募っての試合にしてくださると言ってくれたのは良かったと思う。
私達も学園で剣術などの武術も魔法攻撃や防御なども習っているし、校外学習では後方支援が主にはなっているけれど、魔物や魔獣相手には攻撃だってしているから、全く出来ないわけではない。
だけれど、学園でのトーナメント戦などは対人戦ではなくて剣舞などでの参加だったんです。
魔法でも見せる魔法の方での参加…。
でも、あの王子や王女が掲示板に載せていたものからしたら…対人戦だと思う…。
エル兄様の前世での知識では、試合といえば大概が対人戦だったと思うし…。
そして、愛しい人を賭けの対象にしたり、土地や身分などを賭けたりもしていた…。
私達はそんな事は絶対にしない。
どうしても賭けないといけないとしたら…求めるたり提供するのは、情報だったり、協力依頼みたいな感じです。
今回は、あの部屋に入れられた紙に書かれていた通り、アシュ兄様やギルとの『婚約破棄』を求めてきそう…。
そして、私とエル兄様に対して、学園を去れとかも言われそうです。
最悪は、この国から出ていくように…。
しかも、アシュ兄様やギルとは二度と会わないようにとも言われて、酷い仕打ちもされそうで…。
そう、魔力阻害の何かをされての放逐…。
そんなのは、絶対に嫌…。
なら、どうするべきだろうか…。
「それなら、我らを使役して戦えばよろしいのでは?」
この部屋に居なかったはずの シルフィとエルメシア。そしてエイーリィアが専属執事や侍女の姿で姿を見せた。
「オーキッドやマグオートは獣人族ですから、従者として戦って良いなら参戦できますが、今回の感じでしたら無理でしょう。ですが、我らは精霊。魔獣や魔物を使役の戦闘は確かあの国ではよく見られますし、実際に使役してますよ。ですから、エドワルド様もレイチェル様も我らを使役して出場されれば良いのです。」
「「えっ!?」」
「我らが精霊の姿で出場すれば、今後精霊を使役する者として狙われる可能性などもあるかも知れませんので、そこは姿を変えておきます。」
「姿…変えれるの?」
「はい。そうですね…例えば…」
そう言って、シルフィとエルメシアはワシとヒョウの姿に変身したんです。
『このように、会話は念話に変更して行うことも出来ます』
そう言うと、直ぐに元の姿に戻った。
「他の姿にも擬似出来ます。フェンネルとかにも…ですが、余り珍しいモノに変わるとそれもまた狙われるでしょうから、身近な魔物や魔獣にしておきます。動物でも良いのですが、動物が魔法を使う姿は目撃例がほぼ無いと思われますから…。」
「うん、そうだね…。魔物や魔獣は魔法使ったりするからね…。」
「ふむ…それは良い考えかもしれないね…。」
「そうですね。確かアグロス王国では、自分の使役獣と契約して一人前とされる国だったはずです。主従関係が結ばれると、遠い場所にいても呼び出しに応じてくれるとか。確か呼び出し用の魔法陣が構築されていたはずです。」
父様とレイがそう話してくれたんだ。
「なら、生徒会の方にその旨を伝えて、今回の試合では使役獣の使用許可を得てくる事にします。」
「それが良いですね。」
「エドワルド君やレイチェルちゃんの試合、私も観に行こうかしら。気になる…。」
「えっと…レイナ様…。」
「レイナが行くなら私も行きましょうか。怪我をした者を治療すると言う救護班として。」
「カルロス、もしやまた…あの神官職の服装で行くつもりか?」
「そうですね。レイナも一緒にお揃いの神官職の格好で行きましょうか。学園の方には私の方から伝えておきますから。では準備もありますので、レイナ、戻りましょう。」
そう言うと、カルロス様はレイナ様を連れて転移魔法陣のある部屋に移動して…。
うん、帰ったみたい。
「父上、私は皇太子殿下にご報告して、その試合の観戦に行きますね。私も関係しているようですから。」
「そうだね…。父様も学園長の方に伝えて観戦側で参加させてもらおうか…。もし他国の王子や王女が無理難題を言っても大丈夫なように、皇王から今回の件に関して采配の全権を頂いてくるとしよう。」
「でしたら、私はその護衛として行きます。」
うん、何だかサクサクと決まっていく。
勝敗はわからないけれど、父様達が見守ってくださったら、うん、悪い方には行かない気がしてきた。
その後もしばらく相談や学園での生活の話などをして、夕食の時間が近くなったからと、私達は父様の書斎を出たんです。
書斎の方では父様とご友人であるカルロス様とその奥様であるレイナ様もおられた。
ギルや家令のレイも渋い顔をして…。
「アシュ、エル、レインお帰り。今回、とんでもない事に巻き込まれてしまっているね。」
「ただいま戻りました父上。」
「「ただいま戻りました父様。」」
そう言うと、直ぐにソファーに座るように促された。
カルロス様とレイナ様も一緒だから、今回は長椅子の方に私達四人は座ったんです。
エル兄様と私が真ん中で、それぞれ端にアシュ兄様とギルが座ってね。
「最初に届けてくれた紙は皇王の方に複写を提出している。原本は我が家で保管しているから、紛失されて無かった事にはさせないようにしておいたからね。皇王側に提出した際には、しっかり原本も見せているから、偽造したモノでない事は理解していただいている。」
「そうなんですね…。」
「そもそも、あの紙に書かれていた事はあり得ない事だ。エルやレインには闇属性はない。それは神殿側でも立証されている。それに、闇魔法でなくても、魔力などで相手を操る事は禁忌とされている。闇魔法の『精神操作』や光魔法の『魅了』もこれに値し、その能力を持つ者は、特殊な訓練を受けてその力を制御して、必要時以外には使わないようにしている。まぁ時と場合においてだけれど、どうしても必要な時もあるから、その時は前後のどちらかで報告の義務が生じるのだけれどもね…。それと、婚姻している者を他者が勝手に離縁させる事もない。例え国が絡んでもそんな権利はないからね。」
父様が私達にそう説明すると、カルロス様がしっかりと頷いて肯定してくれたんです。
「えっと…少し良いかしら?」
レイナ様が手を挙げてから、そう声をかけてきた。
「実は、私がいた異世界の話なんですけど…。」
レイナ様はそう前置きし、父様達には先に話しておいたがと言ってから、この送りつけられた紙に書かれた内容とよく似た事を話してくれたんです。
そう、エル兄様の前世で生きてこられた時の世界の話です。
エル兄様の前世はレイナ様が生活されていた異世界と同じ場所であり、時間もほぼ同じでした。
時間軸がこちらの世界とは違うのかも知れませんが、そこは触れないでおきます。
私には理解できない事が多いから…。
エル兄様の前世での知識などは、私は双子であるせいかリンクして垣間見る事が多かった。
ですから、知っていることも多いのです。
アシュ兄様やギルは不思議な能力で、その事も知っているのだけれど…。
その人気ゲームやアニメ、小説といった物には多くのファンがついているみたいで、自分達で好きな登場人物を使って物語を作ったりもするんだそうです。
『コミュケ』と言うイベント会場でなどで売られたりもするそうです。
この世界と類似した当時のエル兄様が、遊んだり読んだり、見たりしたゲームやその小説、アニメは全年齢に適応していて、異性間の恋愛をベースに作られているから、この実際の世界のように同性婚もないし、同性同士で子供も出来ないのには、初めは驚きました。なぜならこの世界では同性同士の婚姻もできますし、子供も生まれるのですから…。
すると、レイナ様のお話で、コミュケと言う場所で売られる『同人誌』と呼ばれるものには年齢指定のものもあると言っていた。『同人誌』はその人気ゲームやアニメ、小説といった物には多くのファンが、自分達で好きな登場人物を使って物語を作ったりもする物語を収録した本だと教えてくれたんです。そこには『R指定』と言う大人が読むようなものがあって…。
攻略対象者同士が…という感じの、こちらの世界にもある『薄い本』もあるんだとか…。
薄い本は…屋敷の書庫の奥の方にあって、昔間違って読んでしまった事があるんです。
恋物語だと思って読んでいくと…恥ずかしい内容がいっぱいで、当時の私は知恵熱を出しました…。
後に、母様から少しだけ教えていただいて…。
子供ができる過程で必要な事だと…。
ただ、その行為は本当に好きな相手とだけ行うのだとも…。
ですから、私もそのうちギルと…。
うっ…恥ずかしいです~~~~~。
エル兄様は前世が成人男性でしたから、私のように熱を出す事は無いようでしたが…。
そして、異世界で生活されていたレイナ様も、当時ゲームや小説なんかを購入したらしく、その当時の友人に同人誌を発行している側の人がいたらしいのです。そこで、今回送りつけられた紙の内容によく似たものを見せてもらった事があったとか。
聖女が第二皇子殿下と結ばれてハッピーエンドになるルートらしいけれど、攻略対象者であるギルは、聖女と第二皇子殿下の婚約のお披露目に来られていた他国の王女と恋に落ちる。そして、王女と一緒に祝いの席に来た王子がアシュ兄様を見初めて猛アタックし、結果恋に落ちて、王女は花嫁修行としてこの国に留まり、そのままギルと婚姻。アシュ兄様は王子が自国に帰る際に一緒にその国に行き婚姻した。その間に、悪役であるエル兄様と私は、それぞれの二人の仲を引き裂こうと、闇魔法で他者を操ったりして妨害するけれど、それぞれの愛の力に負けてしまい犯罪者として捕まる。闇魔法での精神関与などは違法行為とされる為、魔法が使えないように魔力抑制の刻印魔法を施されて国外追放。
放逐される際に、魔物に襲われて、エル兄様と私は死亡すると言った話らしい…。
うん、そのままこの紙に書かれたのと同じだと思うけれど…。
なんともいえない気持ちになった…。
物語の悪役である二人は、兄様達に自分たちの事を受け入れて欲しくて嫉妬したんだと思う。
方法は間違っていたのかもしれないけれど…何だか悲しくなる…。
エル兄様と一緒に『悪役令息』『悪役令嬢』になりたくないと、エル兄様の前世の知識をリンクして知っていたから頑張ってこれたけれど、それが無かったら…。
私やエル兄様は悪役として…。
いや、今はそれは考えないで…。
と言う事は、あの王子殿下か王女殿下のどちらかがエル兄様と同じような転生者で、双子であるから私達のようにリンクして情報共有している可能性が高い可能性があるという事だろう…。
そして、その転生者が知っている話はレイナ様が話された話の方で…。
アシュ兄様やギルはとても素敵ですから、好意を持たれるのもわかるのですが…。
そうなのですが…
その話のようになるのは嫌…。
何度も言いますが、エル兄様と私は『悪役令息』『悪役令嬢』になりたくなくて頑張ってきたし、家族の不運も阻止してきたと自負しています。
アシュ兄様やギルに好意を持ってもらえて、エル兄様や私は素敵な伴侶に恵まれて幸せに…そう思っていたのに、この世界はどうしても私達を排除したいのでしょうか…。
「エル、大丈夫だ。俺がエルを離すわけない。逃しもしないが。」
「レインも大丈夫。私がレイン以外を欲しいと思わないのだから。」
そう言って、いつの間にかそれぞれの膝の上に座らされて抱きしめられていた。
ちょっと恥ずかしいけれど、でも不安の方が上回ってしまっていたから、ついつい甘えてしまう。
父様達も仕方ないねと言わんばかりに、あたたかく見守ってくれていた。
「これに関しては、国からも神殿側からも『遺憾の意』としてアグロス王国側に通達している。場合においては国同士での賠償責任も追及させてもらう事にもなっている。皇王もお怒りだし、前皇王に関しては更にお怒りだ。抗議文がアグロス王国側にしっかり届いている事だろう。」
そう言えば、私達の祖父は皇族だったとか…。
確か前皇王の弟だとか…。
祖母も聖女の末裔だとも言っていた。
その孫である私達を貶めるような事は…。
うん、国同士の大問題に発展する可能性大だと思う…。
「それと、学園側での問題か…。」
「そうなんですね。その問題の王子殿下と王女殿下の二人がエルとレインとの試合を勝手に公表して…。」
「試合に勝てば、自分達の言い分を正当化させて…その可能性が大いにあるか…。」
「アシュやギル兄様に対して、自分達が勝てばと言って奪い取ろうとする考えは、僕は許せません。」
「そうだね…。私も許せないよ。私いの可愛い子供達に対してこの仕打ちを計画する自体許せないが…。」
「ですが、もう三日後と公表してしまっている。試合放棄なんてできません。」
「生徒会側で、他の参加者も集い、イベントとして行う事になりました。生徒会や学園側のメンツもあるでしょうから…。」
「許可の印鑑が押されていたらしいね。なら、取り辞めは難しいだろう…。」
そう、三日後の試合です。
生徒会長である第二皇子殿下がエル兄様と私だけの試合にせず、他の参加者も募っての試合にしてくださると言ってくれたのは良かったと思う。
私達も学園で剣術などの武術も魔法攻撃や防御なども習っているし、校外学習では後方支援が主にはなっているけれど、魔物や魔獣相手には攻撃だってしているから、全く出来ないわけではない。
だけれど、学園でのトーナメント戦などは対人戦ではなくて剣舞などでの参加だったんです。
魔法でも見せる魔法の方での参加…。
でも、あの王子や王女が掲示板に載せていたものからしたら…対人戦だと思う…。
エル兄様の前世での知識では、試合といえば大概が対人戦だったと思うし…。
そして、愛しい人を賭けの対象にしたり、土地や身分などを賭けたりもしていた…。
私達はそんな事は絶対にしない。
どうしても賭けないといけないとしたら…求めるたり提供するのは、情報だったり、協力依頼みたいな感じです。
今回は、あの部屋に入れられた紙に書かれていた通り、アシュ兄様やギルとの『婚約破棄』を求めてきそう…。
そして、私とエル兄様に対して、学園を去れとかも言われそうです。
最悪は、この国から出ていくように…。
しかも、アシュ兄様やギルとは二度と会わないようにとも言われて、酷い仕打ちもされそうで…。
そう、魔力阻害の何かをされての放逐…。
そんなのは、絶対に嫌…。
なら、どうするべきだろうか…。
「それなら、我らを使役して戦えばよろしいのでは?」
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「オーキッドやマグオートは獣人族ですから、従者として戦って良いなら参戦できますが、今回の感じでしたら無理でしょう。ですが、我らは精霊。魔獣や魔物を使役の戦闘は確かあの国ではよく見られますし、実際に使役してますよ。ですから、エドワルド様もレイチェル様も我らを使役して出場されれば良いのです。」
「「えっ!?」」
「我らが精霊の姿で出場すれば、今後精霊を使役する者として狙われる可能性などもあるかも知れませんので、そこは姿を変えておきます。」
「姿…変えれるの?」
「はい。そうですね…例えば…」
そう言って、シルフィとエルメシアはワシとヒョウの姿に変身したんです。
『このように、会話は念話に変更して行うことも出来ます』
そう言うと、直ぐに元の姿に戻った。
「他の姿にも擬似出来ます。フェンネルとかにも…ですが、余り珍しいモノに変わるとそれもまた狙われるでしょうから、身近な魔物や魔獣にしておきます。動物でも良いのですが、動物が魔法を使う姿は目撃例がほぼ無いと思われますから…。」
「うん、そうだね…。魔物や魔獣は魔法使ったりするからね…。」
「ふむ…それは良い考えかもしれないね…。」
「そうですね。確かアグロス王国では、自分の使役獣と契約して一人前とされる国だったはずです。主従関係が結ばれると、遠い場所にいても呼び出しに応じてくれるとか。確か呼び出し用の魔法陣が構築されていたはずです。」
父様とレイがそう話してくれたんだ。
「なら、生徒会の方にその旨を伝えて、今回の試合では使役獣の使用許可を得てくる事にします。」
「それが良いですね。」
「エドワルド君やレイチェルちゃんの試合、私も観に行こうかしら。気になる…。」
「えっと…レイナ様…。」
「レイナが行くなら私も行きましょうか。怪我をした者を治療すると言う救護班として。」
「カルロス、もしやまた…あの神官職の服装で行くつもりか?」
「そうですね。レイナも一緒にお揃いの神官職の格好で行きましょうか。学園の方には私の方から伝えておきますから。では準備もありますので、レイナ、戻りましょう。」
そう言うと、カルロス様はレイナ様を連れて転移魔法陣のある部屋に移動して…。
うん、帰ったみたい。
「父上、私は皇太子殿下にご報告して、その試合の観戦に行きますね。私も関係しているようですから。」
「そうだね…。父様も学園長の方に伝えて観戦側で参加させてもらおうか…。もし他国の王子や王女が無理難題を言っても大丈夫なように、皇王から今回の件に関して采配の全権を頂いてくるとしよう。」
「でしたら、私はその護衛として行きます。」
うん、何だかサクサクと決まっていく。
勝敗はわからないけれど、父様達が見守ってくださったら、うん、悪い方には行かない気がしてきた。
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