オメガ転生。

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学園生活

帰らないと…

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学年が上がる毎に色んな出来事がおこるようになって、ドキドキしたり、困ったことが起こるようにもなってきた。
教室の片隅で大人しく黄昏ようと思っていたんだけど……

「翔いる?」

クラスが隣の妹、玲奈が教室に入ってきた。
いつもいる取り巻き数人を連れてだ。

取り巻きといっても、前世で知っているストーリーの様な高飛車な取り巻き達とは違い、清楚で大人しい令嬢もいれば、合理的に考え行動する令嬢もいた。
彼女らが、いつのまにかファンクラブまで作っているのは知っているが、当の本人はそれを知らない…
まぁ、それは余談なんだが。良い傾向だと思う。
うん。優しく、可愛らしく、良い令嬢になってると思うよ。
兄目線で甘々なのかもしれないけどね…

「翔ってば、聞いてるの?」
「えっと、なんだったか??」

思いっきり他所ごとを考えていたから聞いていなかった。

「ごめん、他所ごとを考えてたから、聞いてなかったよ。で、何のよう?」
「もう!この週末、帰省する事になってたでしょ!母様から翔からのはっきりした返事が来ないって、私の方に連絡が来たのよ。今回は皇帝主催の晩餐会があるって話だったでしょ。それ以外にも色々な所からの招待が来てるからって」

オメガ判定されても、アルファに見られなないだろうが、アルファに近いベータぐらいに見られるように日々努力した。
勿論、家族の強力のもとなんだけどね。
両親がそれなりの地位にいるし、経済的にも裕福な家庭でもあったから、なし得たんだと思うけど…

低学年の時は、自宅からの通学で、帝都にある屋敷に父親以外で住んで通っていた。
ほら、自分達が治めている領地があるからね。父親は領地と帝都の屋敷を往復していた。
単身赴任の様に、領地に赴いていた時もあったっけどね…

現在は、中等部に入ったから、両親は領地に赴いたり、帝都に来たりという感じだ。
自分達は学園の寮生活だしね…で、時々帰宅を促されるんだけど…

そうそう、学園内では、小さな貴族社会の勉強みたいな感じもある。だが、それだけでは将来的に困ると言う事もあり、少しずつ大人社会に慣れる必要性があるのと、婚姻を結ぶための相手探しも踏まえて、晩餐会だのお茶会だのと催物に呼び出される。

オメガだから、あまり行きたくないんだけど、両親からしたら、息子を保護してくれるアルファがいたら…という考えもあるのかもしれない。

今のところ、ヒートは起こっていないし、その兆しも感じられないから、呑気に構えているのもあるんだけどね…
両親が持してくれている薬のおかげか…たまたま自分の成長に関して遅いのか…て感じなんだが…


そう言えば、オメガクラスの者達は、運命のアルファと出逢えて、ヒートが落ち着いた者もいるし、自室に籠って対処してる者もいるとか…
ヒートを抑える薬は色々あるけど、効果の高いものは高額だというし…
だからという事もあるけど、相手探しに必死になるとか、ならないとか……


誰しも、強姦のように襲われるのは嫌だからね…

「今度のは、絶対に参加しないといけないらしいから、今までみたいには逃げれないみたいよ…」

玲奈が側に近づいて、耳打ちする様に呟いた。
聞き取り手である私だけに伝えるようにだ。

家族にはかなり心配かけてるしなぁ…

「翔も行くのか?俺たちも参加するんだ。」

会話に割って入ってきたのは、クラスメイトの高藤景正(たかとう かげまさ)達だった。
アルファである景正だが、それを自慢する事もなく、いつも周りに気を使ったり、時にはリーダー格としてクラス全体を引っ張っていく感じの、数少ない仲の良い友人だ。

友人なの?と言われるかもしれないが、友人だ。決して恋愛感情は無い。
妹からしたら勿体無いと言われるけど…

「景正も行くのか?君も参加だと、周りが君に集中するかもしれないね。それを見るのも楽しいかも…」
「それってどういう意味かな?」
「わかってるだろ?この前の人気投票でもそうだったけどさ」
「あぁ、女子とかがしていたイベントごとだったか?でも、一番気にしてもらいたい者には冷たくされてる気がするけどね…」
「そう言ってるよ、玲奈」
「何言ってるの、違うのはわかってるでしょ!」
「そうだっけ?」
「そうよ!」

呆れた顔で玲奈がそう答え、景正はただクスクス笑うだけだ。

景正、高身長、学歴優秀。容姿端麗で言う事ないと思うんだけどね…
幼なじみでもあるし…と言っても、低学年の頃からクラスがほぼ一緒だったと言うだけでもあるけど…

玲奈も同じくらいが多かったんだけど、今回は隣のクラスになってしまったけどね…
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