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学園生活
学園祭の準備で
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呼ばれたからには知らんぷりも出来ず、対応する。
「私でしょうか?」
「そうだ、君だ。もし良ければ学園の中を案内してくれないか?学園長もお忙しいようだし…かまいませんよね?」
そう言って、その男性は学園長に振り返っていた。
学園長も、この後の予定があるらしく、そうしてくれるとありがたいと言って、結果案内役をすることとなってしまった。
この男性から、この前の男性と同じ声、同じ雰囲気を醸し出しているようで、断るに断りきれないと言った事もあるのだが、あえてその件には触れないでおこう。
でないと…ソワソワしてしまう…
何故ソワソワかって?だってあの時、キスされたんだよ!でもって、自分が~~~
あ~~~っ、ヤメヤメ。
変な妄想が浮かんで、脳内で手を振り回してかき消す。
よし、どうにかなるさ!
「君の名前は?私は御堂筋 雅貴(みどうすじ まさたか)だ。雅貴と呼んでくれていい」
「僕…いや、私はは暁 翔(あかつき しょう)と言います。御堂筋様。目上の方を呼び捨てとか出来ません。」
「そうなのか?残念だ。でも、私は君を翔と気安く呼びたいのだが?では、雅貴さんで呼んでくれ。かしこまる必要もない」
妖の、どう見てもアルファで、お偉いさんなのに、そんな呼び方で良いのか?しかも、そんな気安くだなんて…でも、そう呼び、対応しないといけない雰囲気だ…
こんな態度ではいけないのだろうが、大きなため息をついてしまった。
無理もないよね。悪くないよね……
雅貴さんを連れて学園内を何処から案内しようかと思ったら、いつも学園内で自分が使っている場所や道順などを案内するよう言われた。何で??と思ったが、その方がいつも使っているから案内しやすいだろうから…という事だった。
確かにその方がありがたいんだけど…
と、言われるままに案内していく。
「所で、翔はこの学園で特に何に対して学んでいるんだ?どんな学科が好きなんだ?」
「魔力に対しての勉強は好きですよ。かと言って、炎や雷などの攻撃魔法が使えるわけではないのですが。後は、交易を学ぶのも好きですね。」
「武術とかも習得するのではないのですか?この学園卒業の騎士達はかなり優秀な逸材が多い者ですから」
「確かに習うのですが、筋肉が付きにくく、力も他の友人達に比べて…まぁ、力負けしてしまいますね」
「その時は、相手の力を利用して受け流せばいい。剣術や体術でも意外と使えるよ。私がよくやっていた」
そういう方法なら、自分でもできるかも…
「翔、そう言えば、ちょっとこっちに行ってみよう」
いきなり横道にそれた。
案内役をやってるのに、置いてかれる…
慌てて後を追いかけると、人目には付きにくい場所に出た。
木々に埋もれて鬱蒼としている空間ではないが、生垣や学園の建物の関係で他所から見えにくい場所だ。
「昔この学園に通っていてね、この場所で昼寝をしていたんだよ。人目につきにくいから一人でゆっくりしたい時にはちょうど良かったんだ」
「こんな場所、知らなかった」
「ふふっ、知っている人はあまりいないと思うよ。何せ…いや、いい」
空間にはベンチもある。
石のベンチだから、木製のベンチのように風化する事もないんだろうな…
ジメジメもしてないし、良い場所だ。
またヒートを起こした時、この場所に来ても良いかもしれない。建物の屋根があるから、多少の雨も防げそうだ…
雅貴さんがニコニコしながらこちらを見ていてる。
案内中なのに、その空間を眺めて自分のことばかり考えてしまった。
「次に行こうか。実は他にもとっておきの場所があるんだ」
いつのまにか、案内役が変わってしまった。
僕は慌てて雅貴さんを追いかける事になった。
「私でしょうか?」
「そうだ、君だ。もし良ければ学園の中を案内してくれないか?学園長もお忙しいようだし…かまいませんよね?」
そう言って、その男性は学園長に振り返っていた。
学園長も、この後の予定があるらしく、そうしてくれるとありがたいと言って、結果案内役をすることとなってしまった。
この男性から、この前の男性と同じ声、同じ雰囲気を醸し出しているようで、断るに断りきれないと言った事もあるのだが、あえてその件には触れないでおこう。
でないと…ソワソワしてしまう…
何故ソワソワかって?だってあの時、キスされたんだよ!でもって、自分が~~~
あ~~~っ、ヤメヤメ。
変な妄想が浮かんで、脳内で手を振り回してかき消す。
よし、どうにかなるさ!
「君の名前は?私は御堂筋 雅貴(みどうすじ まさたか)だ。雅貴と呼んでくれていい」
「僕…いや、私はは暁 翔(あかつき しょう)と言います。御堂筋様。目上の方を呼び捨てとか出来ません。」
「そうなのか?残念だ。でも、私は君を翔と気安く呼びたいのだが?では、雅貴さんで呼んでくれ。かしこまる必要もない」
妖の、どう見てもアルファで、お偉いさんなのに、そんな呼び方で良いのか?しかも、そんな気安くだなんて…でも、そう呼び、対応しないといけない雰囲気だ…
こんな態度ではいけないのだろうが、大きなため息をついてしまった。
無理もないよね。悪くないよね……
雅貴さんを連れて学園内を何処から案内しようかと思ったら、いつも学園内で自分が使っている場所や道順などを案内するよう言われた。何で??と思ったが、その方がいつも使っているから案内しやすいだろうから…という事だった。
確かにその方がありがたいんだけど…
と、言われるままに案内していく。
「所で、翔はこの学園で特に何に対して学んでいるんだ?どんな学科が好きなんだ?」
「魔力に対しての勉強は好きですよ。かと言って、炎や雷などの攻撃魔法が使えるわけではないのですが。後は、交易を学ぶのも好きですね。」
「武術とかも習得するのではないのですか?この学園卒業の騎士達はかなり優秀な逸材が多い者ですから」
「確かに習うのですが、筋肉が付きにくく、力も他の友人達に比べて…まぁ、力負けしてしまいますね」
「その時は、相手の力を利用して受け流せばいい。剣術や体術でも意外と使えるよ。私がよくやっていた」
そういう方法なら、自分でもできるかも…
「翔、そう言えば、ちょっとこっちに行ってみよう」
いきなり横道にそれた。
案内役をやってるのに、置いてかれる…
慌てて後を追いかけると、人目には付きにくい場所に出た。
木々に埋もれて鬱蒼としている空間ではないが、生垣や学園の建物の関係で他所から見えにくい場所だ。
「昔この学園に通っていてね、この場所で昼寝をしていたんだよ。人目につきにくいから一人でゆっくりしたい時にはちょうど良かったんだ」
「こんな場所、知らなかった」
「ふふっ、知っている人はあまりいないと思うよ。何せ…いや、いい」
空間にはベンチもある。
石のベンチだから、木製のベンチのように風化する事もないんだろうな…
ジメジメもしてないし、良い場所だ。
またヒートを起こした時、この場所に来ても良いかもしれない。建物の屋根があるから、多少の雨も防げそうだ…
雅貴さんがニコニコしながらこちらを見ていてる。
案内中なのに、その空間を眺めて自分のことばかり考えてしまった。
「次に行こうか。実は他にもとっておきの場所があるんだ」
いつのまにか、案内役が変わってしまった。
僕は慌てて雅貴さんを追いかける事になった。
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