オメガ転生。

学園生活

事件です(雅貴)

「殿下、遅いですよ」

そう言って、見届け人の1人である医師の男が椅子から立ち上がった。
他の2人は突風で壁に叩きつけられたのに、この男だけは無傷でその場に優雅にいた。
まぁ、あいつならそうなるとは分かっていたが…

「お前がついていたのなら、なぜもう少し早く止めない！」
「めんどくさいじゃないですか。どうせ殿下が何か保護を付けているだろうと思っていたのでね。あの程度なら許容範囲でしょ？」
「そんなわけないだろう！！」

そう言いあいながら、愛しい番いを抱き上げた。
あの３人はもう少しズタズタにしたい。翔の淫らな姿や声を聞いた2人も許せないが、特にあの男だ。
皇族だからと今まで好き放題し、今回、自分の番に食指を伸ばした。
しかも、婚儀の儀を行うだと、許せるはずがない！！

「あ～あっ、もうこんなにしたのか！？殺しては…ないな」

ゆっくりとした足取りで、部下数名を伴って入ってきた者がいる。
古くからの友人でもあるあの男だ。

「さてと、藤原　孝之。貴公は手を出してはいけない者に手を出した。しかも、それ以外の余罪も多く挙げられている。弁明はこの後しっかりと聞かせていただきますよ。連れていけ！！」
「何をする。私は皇族だ。このような事は…」
「皇族だろうが関係ないのですよ。この件は皇帝陛下からのご指示もある。争うのなら、新たは反逆行為も追加しますが？罪がどんどん重くなるだけですよ？」
「クソッ！」

そう言いながら、入ってき騎士達に拘束、捕撲されて行った。

「後は任せましたよ。私はこの子を連れて帰ります。消毒しないと…」
「はいはい、ご自由に」

それだけ言って、魔力展開して、自分の屋敷に連れ帰った。