オメガ転生。

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学園生活

事件です(雅貴)

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ゆっくりとベットに横たわらせ、額にかかる髪を払う。

何とか間に合ってよかった。
本当はもっと早く助け出したかったが、奴を捕らえて、今後の処遇等に関してもあり、皇帝の許可をもぎ取るため少し時間がかかった。
部下の1人を奴のそばに潜り込ませてはいたが、あの性格だし…
能力はかなりの優秀な男だ。ただ…

まぁ、あの場にスムーズに踏み込めれるように配慮したのもあの男だし、愛しい者に使われた物も密かにすり替えていたのもあの男だから…

そう、初めに準備されていた媚薬は、かなりの精液を取り込まなければ精神的に壊れてしまうほどの強力なものだった。本来なら番いや妖力の強い者の妖力などを込めた体液で解毒される媚薬だが、それだけでは解毒不十分の代物だ。そして、それを使った者の思い通りにされる物でもあった。
それ以外にも、色々作用があったが、考えたくもない。とんでもない物を手に入れてくれた物だ。

この国特殊部署にて作られた物で、今は『禁忌』とされ、厳重に保管されていたはずが…

今はそんな事よりも…

夢の中に落ちている愛しい者。
起きて、その瞳に自分を映し、睦言を交わしながら愛しあいたいが…

「すまないね…愛しているよ…」

そう言いながら、彼の唇を奪い、頬に、首筋に唇を這わせて、意識がなくても反応していく愛しい者の身体を楽しむ。
最後まではしない。
それは、彼が卒業してから、ゆっくりと頂こう…

本当は、今すぐにでもむしゃぶりつき、獣のように蹂躙したいが、その気持ちを無理やり押さえつける。
今まで待ったのだ。
こんなに長い年月待ち焦がれるとは思いもしなかった。
愛しい…愛しすぎる…

彼の肌を、香りを堪能しながら…

彼の頸を思いっきり噛む。
彼の血が自分の口の中に流れ込む。
甘く、蕩けそうな…

そして、噛んだ所から自分の唾液と妖力を注ぎ込む。

「あぁ……」

一瞬、叫声と共にクワッと目を見開いた彼は、ガクンと身体の力が抜けた。
そのまま抱き込み、頸の噛み痕に唇を寄せる。ペロッと舐め、自分の唇も舌で舐めた。
首筋の傷は消え、代わりに模様が浮かび上がる。
この模様は一族によって変わる。
模様もだが、現れる位置もだ。
大きさと鮮やかさは、施す者の力で変わってくるとされていた。

首筋から、彼の背中一面に美しく広がっていく。

「あぁ、なんて綺麗なんだ。これで君は私のもの。誰にも渡さないし、逃がしもしない。学生の間だけだ。それまでゆっくりでもいいから、堕ちておいで」

美しく映えた頸や背中に唇を落とす。
そして、そっと準備された寝衣を着せてやる。
裸のままでは、自分が持たない。
卒業まで待つという信念が…
だから、残念ではあるが…

自分も寝衣を身につけ、抱き込むようにして眠りについた。
彼の温もりを離したくなくて…
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