オメガ転生。

学園生活

やばいです

悪夢を見たとはえ、小さな子供のように泣きじゃくり、あやされてしまった。
涙が止まったとはいえ、恥ずかしすぎる。

「翔。もう大丈夫ですか？もう少し縋りついて甘えてくれてもよかったんですよ」

そう言いながら、腕の中から出してもらい、今は着替えてソファに腰掛けている。
『どうぞ』と渡されたココアで、ほっと一息ついていた。
何でこれが好きだと知っているんだろう。
紅茶が出てきそうな感じなんだけどね…

「翔は甘いものが好きでしょ。ココアも確か好きでしたよね」

そう言われてしまえば、何も言えない。
頬が熱く感じるけど、黙々と美味しくいただいた。

あんな夢を見るなんて…あそこで捕らえられたからだろうか…直ぐに助けてくれたみたいで、夢のような事は起こる事はないと思うけど……ん？待てよ、ゲームのなかであの男に嫁ぐことになってしまうルートが…あった…

ヒロインはあの男とは関係があったような、なかったようは…そこの辺りは裏覚えでしかないんだけど、妹が断罪されて、一家離散の危機の時に、あの男から助けの手が伸ばされて、僕は…家族のために望まれるならと、その手を取った。妹は修道院に送られるだけですみ、他の家族は何とか維持されたままで済んだんだ。
あの男は自分の妻である僕を商談に使い、その行為を鑑賞をしたりする変態だ…
そうだ、思い出した。そう言うとルートもあったんだ。
だから、あんな夢を……

「翔？顔色が悪いですよ。飲んだみたいですから、もう少し休みましょう」

そう言って抱き上げられ、ベットに横たわらされた。
そっと肩口までシーツをかけられる。

「あの……」
「ん？大丈夫です。こうして手を握っていますから。ね」

そう言って、両手でそっと手を包み込まれる握ってくれた。
そこから温かいものを感じ、眠りに落ちた。

「大丈夫ですよ。私が貴方を護ります。まぁ、私の方が貴方にとって危険かもしれませんが、側にいますよ。離しませんし、逃がしもしませんがね…」

そう、不穏なセリフを言っていたようだが、聞き取る事はできなかった。