オメガ転生。

学園生活

そんな事が(沙霧)

建物内を密かに覗くようにしている。
人の目からはわかりにくいかもしれないが、人以外では…また、人であっても、魔力や神力などを持つ者がいれば見つかるかもしれない。
特殊訓練を受けている影の者達しかりだが…

自分達は妖であるから、人よりも別の力で色々と知る事ができるが、それは種族や個人差もあり、全てを見知る事はまず不可能だ。
よって、翔が何を覗き見しているのかは自分にはわからないが、聴き耳をたてているのかは何となく聴こえてきた。
少し距離を置いているため、はっきりとは聴き取れないが、かなり怪しい事を建物内で会話している。

この会話内容から、狙われているのはどうみても…

「チッ」

思わず舌打ちをし、我が君の背後から狙う者を刈る。
勿論、我が君である翔様に気づかれないように、また他の者達にも…

一つ、二つ、三つ…

次々と刈り取りながら、物陰に隠していく。
それをまた別の者達が処理していった。

「動き出した…」

自分達と合流すべくかけて行っているのだろう。
急ぎ戻らないと…

密かに合図を送り、場合においては身柄を確保するよう指示する。
そして、護衛しながらも、途中で先回りして探し回っていた翔様を見つけたふりをした。