16 / 51
新たなスタート
ちょっとした…
しおりを挟む
「大丈夫か?」
「泣かないで……」
そう言いながら、抱きしめられる。
何故泣いていた事がわかったのだろう?
「妖の場合、『番』の心情はなんとなく伝わるんだ。嬉しそうだ……とか、悲しそうだとか」
「どんなに離れていてもね。直ぐに駆けつけてあげたくなる。そういうものだよ。両親が亡くなった時は、国外にいて直ぐに行けなかったけど……ごめんね。」
そう話しながら、頭や背中をさすられ、あやされる。
両頬に伝う涙を2人の唇で受け止められた時には驚いた。
涙が引っ込みました。
甘いです。逆にドキドキしてきます。
「これからは、側にいる。2人で側に入れなくても、必ずどちらかが側にいるから、安心して。」
それはそれで、困る。
「そこまでしてもらわなくても……」
「いや、僕達が離れたくないんだ。ごめんね。」
そう言われてしまえば、どう返答したら良いのかわからない。
「ん?これは、君の母親が作った物?」
鞄の中に入っている匂い袋を取り出される。
母の趣味と実益を兼ねて作られた物。
今では思い出の品。
「そう。お守り代わりにもなるし、心が落ち着くからって……あと、笑いながら虫除けとか言ってたなぁ……」
「お香の調香の時に、入れる物に、そういう効果がある物があるからね。」
「綾乃も作ったりした?」
「少しだけ、一緒に作った事がある。と言っても、母が言う順番と量を入れて混ぜるだけだったけど……」
幼少時、姉と一緒に作った。
小さな少し深めの紙皿に、母が準備してくれた物を、スプーンにすくって測りながら混ぜていった。
スプーン一杯とか、半分とか……
時には測りにのせながらもあった。
同じレシピなのに、微妙に香りが違って、姉と交換してもらったこともある。
懐かしいなぁ………
「綾乃が良ければ僕と作ってみる?」
「えっ?」
「前に渡した物は、僕が作った物なんだ。」
「そうなの?」
「そう、癒しと護りを期待して……虫除けもね。」
「どの虫だろうな……」
「そりゃ~、いろいろだよ。」
2人が納得しあって笑ってる。
いろんな虫って、どんな虫?
服の防虫剤効果と、蚊などの虫除けだろうか?
でも、教えてくれるなら、嬉しい。
「できたら教えて。時間の空いている時でいいから……」
母との思い出と、繋がりができそうで、少し嬉しくなる。
「綾乃は笑った顔が可愛いよ。他の表情も全て可愛いけどね。」
「僕達が守るし、離してあげれないから、側にいて。」
何か、うまく丸め込まれているようだ。
でも、ここまで言われたら、嬉しい気もする。
まだ、心の傷は癒えてない。
なら、少しすがってもいいだろうか……
今は興味本位で2人が側にいてくれているのかも知れない。
いつかは離れるかも……
そんな事を考えていた。
今は流されたい……
そのうち、自分でしっかり立てれるように頑張るから……
そう思いながら、しばらく2人に甘えさせてもらった。
「泣かないで……」
そう言いながら、抱きしめられる。
何故泣いていた事がわかったのだろう?
「妖の場合、『番』の心情はなんとなく伝わるんだ。嬉しそうだ……とか、悲しそうだとか」
「どんなに離れていてもね。直ぐに駆けつけてあげたくなる。そういうものだよ。両親が亡くなった時は、国外にいて直ぐに行けなかったけど……ごめんね。」
そう話しながら、頭や背中をさすられ、あやされる。
両頬に伝う涙を2人の唇で受け止められた時には驚いた。
涙が引っ込みました。
甘いです。逆にドキドキしてきます。
「これからは、側にいる。2人で側に入れなくても、必ずどちらかが側にいるから、安心して。」
それはそれで、困る。
「そこまでしてもらわなくても……」
「いや、僕達が離れたくないんだ。ごめんね。」
そう言われてしまえば、どう返答したら良いのかわからない。
「ん?これは、君の母親が作った物?」
鞄の中に入っている匂い袋を取り出される。
母の趣味と実益を兼ねて作られた物。
今では思い出の品。
「そう。お守り代わりにもなるし、心が落ち着くからって……あと、笑いながら虫除けとか言ってたなぁ……」
「お香の調香の時に、入れる物に、そういう効果がある物があるからね。」
「綾乃も作ったりした?」
「少しだけ、一緒に作った事がある。と言っても、母が言う順番と量を入れて混ぜるだけだったけど……」
幼少時、姉と一緒に作った。
小さな少し深めの紙皿に、母が準備してくれた物を、スプーンにすくって測りながら混ぜていった。
スプーン一杯とか、半分とか……
時には測りにのせながらもあった。
同じレシピなのに、微妙に香りが違って、姉と交換してもらったこともある。
懐かしいなぁ………
「綾乃が良ければ僕と作ってみる?」
「えっ?」
「前に渡した物は、僕が作った物なんだ。」
「そうなの?」
「そう、癒しと護りを期待して……虫除けもね。」
「どの虫だろうな……」
「そりゃ~、いろいろだよ。」
2人が納得しあって笑ってる。
いろんな虫って、どんな虫?
服の防虫剤効果と、蚊などの虫除けだろうか?
でも、教えてくれるなら、嬉しい。
「できたら教えて。時間の空いている時でいいから……」
母との思い出と、繋がりができそうで、少し嬉しくなる。
「綾乃は笑った顔が可愛いよ。他の表情も全て可愛いけどね。」
「僕達が守るし、離してあげれないから、側にいて。」
何か、うまく丸め込まれているようだ。
でも、ここまで言われたら、嬉しい気もする。
まだ、心の傷は癒えてない。
なら、少しすがってもいいだろうか……
今は興味本位で2人が側にいてくれているのかも知れない。
いつかは離れるかも……
そんな事を考えていた。
今は流されたい……
そのうち、自分でしっかり立てれるように頑張るから……
そう思いながら、しばらく2人に甘えさせてもらった。
0
あなたにおすすめの小説
魔族の生き残り王女の婚姻
天瀬 澪
恋愛
アリシアは、世界最強と恐れられる魔族の王女だった。
けれど魔族の数々の蛮行が引き金となり、ついに他国から攻め入られてしまう。
生まれ持つ魔力で命を護られ、たった一人の生き残りとなってしまったアリシアは、魔族の国を滅ぼしたマクラウド国第三王子シリウスと婚姻を結ぶことが決まる。
「ーーー俺はこの国の王になり、この国の腐った部分を根本から変えたい」
シリウスから取引を持ちかけられ、アリシアは魔族の生き残りという運命を背負い、いずれシリウスから命を奪われるその日まで生きていこうと決めた。
いつか、心から誰かと笑い合いたいと、そんな淡い希望を抱きながら。
魔族の中で最弱の力を隠し、懸命に強い王女として振る舞うアリシア。
笑顔の裏で闘志を燃やし、国を変えようと他人のために行動するシリウス。
対極に立っていたはずの二人は、やがて強く惹かれ合う。
アリシアを待ち受ける運命は、破滅か、それとも―――。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
快楽の檻は出られない。という夢を見ました
粉雪 雀
恋愛
目を覚ますと窓も扉もない、全く見知らぬ部屋にいたアミティは、「悪魔」を名乗る青年ヴァンと出会う。
ヴァン曰く、ここは『快楽の檻』
アミティ自身がヴァンと契約し、この部屋に自分とヴァンを閉じ込めたらしい。
「…という設定の夢なのね。」
あっさり受け入れてしまったアミティは快楽を求め始めたのだった。
あっさりめです。
離宮に隠されるお妃様
agapē【アガペー】
恋愛
私の妃にならないか?
侯爵令嬢であるローゼリアには、婚約者がいた。第一王子のライモンド。ある日、呼び出しを受け向かった先には、女性を膝に乗せ、仲睦まじい様子のライモンドがいた。
「何故呼ばれたか・・・わかるな?」
「何故・・・理由は存じませんが」
「毎日勉強ばかりしているのに頭が悪いのだな」
ローゼリアはライモンドから婚約破棄を言い渡される。
『私の妃にならないか?妻としての役割は求めない。少しばかり政務を手伝ってくれると助かるが、後は離宮でゆっくり過ごしてくれればいい』
愛し愛される関係。そんな幸せは夢物語と諦め、ローゼリアは離宮に隠されるお妃様となった。
一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
椿蛍
恋愛
念願のデザイナーとして働き始めた私に、『家のためにお見合いしろ』と言い出した父と継母。
断りたかったけれど、病弱な妹を守るため、好きでもない相手と結婚することになってしまった……。
夢だったデザイナーの仕事を諦められない私――そんな私の前に現れたのは、有名な美女モデル、【リセ】だった。
パリで出会ったその美人モデル。
女性だと思っていたら――まさかの男!?
酔った勢いで一夜を共にしてしまう……。
けれど、彼の本当の姿はモデルではなく――
(モデル)御曹司×駆け出しデザイナー
【サクセスシンデレラストーリー!】
清中琉永(きよなかるな)新人デザイナー
麻王理世(あさおりせ)麻王グループ御曹司(モデル)
初出2021.11.26
改稿2023.10
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる