異世界に落ちて、溺愛されました。

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プレゼント作戦

囮にされてた様です

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気がついたのは何処かの古い部屋。
隙間風が吹いていた。

「ここどこ??」

薄暗い部屋の中、月明かりと、星々が見える。
辺りを見回す。

「イタッ………」
足首に痛みを感じる。

足首に鎖が繋がれていた。
冷たい床に転がされ、両手も後ろに縛られている。
足の痛みは鉄錆のついた鎖が何かの拍子に擦れて、足首が赤くなったためのようだ。
血も少し滲んでいる様だ。

どうして…………
しばらくして、ギィーッと音たててを扉が開く。
下品な笑い声と共に、数人の男女が入ってきた。
あの子は………アルのファンの1人?確か先頭を切って話しかけてきた……

「これが例の女ですか??」
「そうですよ。奴の目をかいくぐって捉えたんですぜ」
「この娘よ!!お父様。」
紳士的だが、冷たい雰囲気の男性と下品な笑い声で頷く者、返事をする者もいた。
いきなり髪を掴まれて、上を向かされる。
「この様な女、何処にでも転がっていそうじゃないですか。」
恐怖心で声が出ない。
「こんな女のために、私の可愛いエメリアが選ばれなかったなんて……」
「お父様、こんな女、何処かにやってしまって。」
「そうですね、エメリアを悲しませたのですから………ガルロ、お前の好きにしていいですよ。いっそ売り飛ばしてきてください。」
「旦那、良いんですか?」
「ええ、私の目に触れない様にしてくださいね」
そういって、娘を促して出ていった。

ギラギラした目で見てくる。
脂ぎった顔を近ずけて舌なめずりして、ドレスの胸元を引き裂こうとした………
「ひっ………」
両目を瞑る。
ドカンガラガラ………
大きな音が響いた。

「誰の許可を得て、触ろうとしていますか?」
???
物凄い怒気。
部屋中が氷点下に下がりそうです。

「ライト!そっちは捕えましたか?」
「殿下大丈夫ですよ。やっと尻尾出してくれて助かりましたよ。」
「お前達が泳がすから……私のシオンに傷が付いているじゃないですか!!」

ズカズカと部屋に入ってくるなり、抱き上げられました。
いつのまにか、鎖も縛られたロープも消えていた。消されていた。

「シオン。怖い思いをさせました。」
「あ………アル!?」
「この国では人身売買は禁止されているんですが………外で捕えた者達の様に、自分の都合の悪いものを傷物にしたり、人身売買組織に渡すものがいて困っていたんです。しかも、爵位を持っていてね……今回その者がシオンに目をつけているという情報が入り、片付ける事になったんです。私は反対したのですが……父である皇帝の命なので強行されて……」

悲しそうに見つめてきた。
そっと足首を触る。傷口が消えていき、痛みも取れていった。

「父上にはしっかり再度抗議します。だから…シオン………私を嫌わないでください。」

アルがシュンとなっている。
いつも自身に満ちていたのに……

「アル……」

アルが私を抱きしめた。
少し震えている様だ。

アルをそっと抱きしめる。

アルはそのまま私を抱きしめて飛んだ。自室へ。

いくら他の者達に魔力でおさえられていても、道を塞がれていても、すぐに戻るべきでした。
そう、アルは囲まれていて、身動きが取れなかったんだから………
私がどんな理由でも、あの場を離れなければこんな事には……
アルだけのせいじゃない。
助けてくれたんだ。

アルにしがみついてみた……
そっと髪を撫でられ、口ずけられた。


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