異世界に落ちて、溺愛されました。

お祭りイベント

セシルの誓い

セシルは医師の所に訪れていた。
フラフラして動けない主人のために。

「フレスト様、ありがとうございます。」

フレストは我が国でも数少ない魔法医師であり、薬剤師の両方をこなす者だ。
若いがかなり腕がいい筆頭医師でもある。

「また入用ならいつでも言ってください。」

液体の薬が入った瓶を受け取り、主人であるシオン様の元へ……

戻るとシオン様は眠られていた。

もう少し寝かせておこう………そう思っていたら、起きられた。

「セシル？？」
「起きれますか？お薬を頂いてきました。これを飲めばだいぶと良くなりますよ。」
「ん………ありがとう。」

ゆっくりと起き上がり、薬瓶を受け取る。

「苦くない？？」
「さぁ……どうでしょう……でも、良く効きますよ。これを飲めば観に行けると思います。」

瓶を開け、一気に飲み干す。
薬独特の臭がする。

「ヴッ～～～～苦い！！水！！」

水差しからコップに注ぎ渡す。
ゴクゴク飲んで、ほっとひと息ついたようだ。

「苦かった………でも、何だか身体が軽くなってくる感じがする。」
「良かったですね。」

そういって、身支度を始めた。
顔色も良い。
大丈夫だろう。

殿下にも困ったもんだ。
本気で抱き潰されていたらこの薬でも時間がかかっただろうが、そこまではされてなくて良かった。
せっかく楽しみにされているのに………
少しでもこの国の事を理解された方が良いのだから………

後で直訴だ。ライト様にも付いて行ってもらおう。
嫌がって逃げようとされるかもしれないけれど、逃がしませんから……
あぁ、ライト様にも一言言わさせて頂いた方が良いかも知れませんね。

沸沸とメイド魂が燃えます。
「セシル？？」
キョトンとされているシオン様。

大丈夫です。このセシルが付いていますし、メイド達も付いておりますから……

ここに来られた時は不安いっぱいだったシオン様。
この頃は、私達にも心を開かれて笑顔で接してくださっていて、御守り・お世話しがいがあります。
これからも、私や仲間と共に守り、お世話させていただきますとも！！

「今日は何方から行かれますか？」

セシル様の希望の場所へご案内致します。
ニコニコされて嬉しそうです。
わた達も癒されます……