5 / 7
2章 これからの4人の人生
思い入れのある物(1)
しおりを挟む
僕は3人の話を聞いて、思った。
辛いのは僕だけじゃない。
みんなで助け合える理由。それは自分と重ねてるからなんだ。じゃなきゃ、初めてあったやつにあんなに優しく接しないよ。
そして同時にこうも思った。
僕たちに心に傷を負わせた奴らに同じように痛い目に合わせたい。と。
その為に僕達はここに集められたのではないかと。
こんな、酷いことをするやつが、この世界から排除するために僕たちの心を傷つけさせたのではないか、と。
そんな事あるわけないけどこう、4人も集まってしまうと、そう感じてしまう。
あと、僕というニンゲンが生まれた理由も。
「なぁ、みんな聞いてくれる?僕のハナシ。」
「聞くよ。今までの事を教えて。」
ラムアは怯えた声でそう答えてくれた。
もうこんな辛い過去を思い出したくない。
けど、聞いて欲しい。聞いて、慰めて、けなして欲しい。あいつらのことを。
━━━━━━━ だから ━━━━━━━━
「あれは僕がまだ小さくて、、、
****
所々突っかかりながら精一杯話した。たくさんの時間を使った。みんなはずっと黙ってる。怖い。これを受け入れてくれるのか。恐る恐る顔を上げると、みんなは優しく笑いながら泣いていた。
そして、「辛かったね。」って。
3人が抱きしめてきてくれた。
さっきもそうだった。ラムアの時も、ルクアの時も、ニスラの時も。みんな優しく笑って、でも泣いていて、そして、抱きしめる。僕もだ。みんなそれで1人ずつ受け入れて、告白しあって。それで繋がる。
僕達はみんなで大号泣した。そんな1日だった。
僕達は前に作ったテントで寝た。
朝起きた時、僕はみんなに伝えたかった。
「なぁ、話があるんだけど、ちょっといい?」
「う~んどーしたのよ」 ラムアはお面も付けずにでてきた。ぬいぐるみを片手に持っている。まだ眠たいのだろう。けど、こんな美形だとこっちもちょっと罪悪感がある…
「ごめんまだ眠いよね。けど、これはちゃんとみんなで話し合わないと。」
「いいわよ。けどちょっと待ってちょうだい。コーヒーがいれ終わって一息ついてから。」
「その方が僕もいいと思うよ。ほら、ルクアは焦りすぎるから。」
「…確かに。」
痛いとこをつかれ、ちょっと凹む。
テーブルにつき、コーヒーを が、みんなの前で置かれた。
「さぁ、どうぞ。話して。」
ニスラの声はとても優しい。ふんわりとしている。朝に聞いていたくなる声だ。ラムアは…まだ眠そうだ。席に着いてもまだぬいぐるみを抱え、コーヒーに顔が直撃しそうだ。
ウルカは面積力が高いのか、僕がこれから話すことが待ち遠しいしいようだ。
「…えっとこの森主を見つけたんだ。だから今日その人にこの森を買い取らせてくれるか、頼んでみようと思う。」
「でも僕達はまだ、子供だ。簡単にはいかないよ。」ウルカがすぐに指摘してくる。
「…あぁ、それはわかってる。けど、そこをどうにかして…」
「どうにかするって、どうやって?」
今度はニスラが聞いてくる。
「土下座して、わかってくれるまでそこを離れないとか。」
ふざけて笑いながらラムアが言った。ほんと、年長が言いそうなことを言うもんだ。
「主の名前はフワント・フォッリン。80代の男性。種類は狐だ。」
「……え?今、なんて言った?」
ニスラが目を丸く、大きくさせて聞いてきた。
「どうかしたの?情報は間違ってないはずだけど…」
「…店長だわ。その人、私が働いてる店の店長だわ。」
「…まじか。」
「でも、ものすごく優しくおじいさんなのよ!
彼だったら、きっと…」
「その店は何処にあるんだ?」
ウルカがワクワクしている。冒険とかが好きなのか…
「大通りの市場。アンティークショップよ。けど、心が誠実な人しか入れない。私は嘘をついたわ。けど、彼はそんな私でも優しく、受け入れてくれたの。」
「そうなのか…」
「ものすごく不思議なお店なのよ。自分に1番思い入れがあるものしか売らないの。」
「ホントに不思議だな。思い入れのあるもの…か。」
「…私たちにはないのかもね。」
ラムアが泣きそうな顔で呟いた。
なぜって、僕達は捨てられ、死にたいと前まで思っていたのに、そんな思い入れがある訳がないのだ。
パンっと弾きのいい音がした。ウルカが手を叩いたのだ。
「さぁ、場所が見つかったんなら、そこに行って、森を回収しないと。話を聞く限り、悪い人ではなさそうだし。二スラちゃん。悪いけど、その場所あとで案内してね。」
ウルカは前より話し方が柔らかくなった。これがいつものウルカなんだろう。なのに誰かのせいでホントの自分を…
「ええ、分かったわ。その前に朝ごはんしましょ。」
朝ごはんはいつも交代で作っている。
今日の担当は二スラだ。二スラの時は朝ごはんの前にコーヒーが出る。ラムアはオレンジジュース。ウルカはココア。俺は料理とか特に興味無いのでそれぞれ好きな物を用意してあげてる。
俺は好きな物とかがないから。
朝ごはんを食べ終わり、みんなで支度を始めた。
僕はいつものパンダのパーカーをはおり、フードを深く被る。
ウルカはマスク型のお面をつけ、鏡でウルカのコンプレックスである髪の毛をちりちり触っている。
二スラは黒ワイシャツとミニスカートを履き、耳をふわふわと触っている。
ラムアは…まだ眠そうだ。ぬいぐるみを持ちながら、お面をつけようとするが寝息が聞こえてくる。
「ラムア、お面貸して、つけてあげるから。」
僕がそうなのか話しかけるとラムアは
「…ん。」
と寝ぼけた声でお面を渡してきた。
お面の紐は赤いリボンだ。
お面をつける前にラムアがいつもやっている
ついんているというやつをやってあげた。…我ながらに上手くできたが難しい。
キツくないようにお面をつけてあげると、ラムアが上目遣いで
「ありがとう!」
と言ってきた。胸がキュッとなった。
僕がそのまま立ち尽くしているとラムアは走って自分の着替え場所に向かった。無邪気だ。
「なぁ、ルクア君、顔赤いよ?大丈夫?」
ウルカが心配してきてくれた。
「…あぁ、大丈夫。大丈夫だよ。さ、早く行くか。」
「大丈夫ならいいけど、そうだね。僕達は外で待ってよ。」
テントから出ると、美味しい空気が肺をいっぱいにした。気持ちがいい朝だ。僕は大きな伸びをした。
「ごめん待った?」
女子達が駆け足でこっちまで来る。
「大丈夫だよ。たっくさん時間はあるんだからそんなに急がなくても。」
ウルカはニスラのことを優しく見つめ、暖かくそう答えた。
「そうね。では行きましょ。こっちよ。」
辛いのは僕だけじゃない。
みんなで助け合える理由。それは自分と重ねてるからなんだ。じゃなきゃ、初めてあったやつにあんなに優しく接しないよ。
そして同時にこうも思った。
僕たちに心に傷を負わせた奴らに同じように痛い目に合わせたい。と。
その為に僕達はここに集められたのではないかと。
こんな、酷いことをするやつが、この世界から排除するために僕たちの心を傷つけさせたのではないか、と。
そんな事あるわけないけどこう、4人も集まってしまうと、そう感じてしまう。
あと、僕というニンゲンが生まれた理由も。
「なぁ、みんな聞いてくれる?僕のハナシ。」
「聞くよ。今までの事を教えて。」
ラムアは怯えた声でそう答えてくれた。
もうこんな辛い過去を思い出したくない。
けど、聞いて欲しい。聞いて、慰めて、けなして欲しい。あいつらのことを。
━━━━━━━ だから ━━━━━━━━
「あれは僕がまだ小さくて、、、
****
所々突っかかりながら精一杯話した。たくさんの時間を使った。みんなはずっと黙ってる。怖い。これを受け入れてくれるのか。恐る恐る顔を上げると、みんなは優しく笑いながら泣いていた。
そして、「辛かったね。」って。
3人が抱きしめてきてくれた。
さっきもそうだった。ラムアの時も、ルクアの時も、ニスラの時も。みんな優しく笑って、でも泣いていて、そして、抱きしめる。僕もだ。みんなそれで1人ずつ受け入れて、告白しあって。それで繋がる。
僕達はみんなで大号泣した。そんな1日だった。
僕達は前に作ったテントで寝た。
朝起きた時、僕はみんなに伝えたかった。
「なぁ、話があるんだけど、ちょっといい?」
「う~んどーしたのよ」 ラムアはお面も付けずにでてきた。ぬいぐるみを片手に持っている。まだ眠たいのだろう。けど、こんな美形だとこっちもちょっと罪悪感がある…
「ごめんまだ眠いよね。けど、これはちゃんとみんなで話し合わないと。」
「いいわよ。けどちょっと待ってちょうだい。コーヒーがいれ終わって一息ついてから。」
「その方が僕もいいと思うよ。ほら、ルクアは焦りすぎるから。」
「…確かに。」
痛いとこをつかれ、ちょっと凹む。
テーブルにつき、コーヒーを が、みんなの前で置かれた。
「さぁ、どうぞ。話して。」
ニスラの声はとても優しい。ふんわりとしている。朝に聞いていたくなる声だ。ラムアは…まだ眠そうだ。席に着いてもまだぬいぐるみを抱え、コーヒーに顔が直撃しそうだ。
ウルカは面積力が高いのか、僕がこれから話すことが待ち遠しいしいようだ。
「…えっとこの森主を見つけたんだ。だから今日その人にこの森を買い取らせてくれるか、頼んでみようと思う。」
「でも僕達はまだ、子供だ。簡単にはいかないよ。」ウルカがすぐに指摘してくる。
「…あぁ、それはわかってる。けど、そこをどうにかして…」
「どうにかするって、どうやって?」
今度はニスラが聞いてくる。
「土下座して、わかってくれるまでそこを離れないとか。」
ふざけて笑いながらラムアが言った。ほんと、年長が言いそうなことを言うもんだ。
「主の名前はフワント・フォッリン。80代の男性。種類は狐だ。」
「……え?今、なんて言った?」
ニスラが目を丸く、大きくさせて聞いてきた。
「どうかしたの?情報は間違ってないはずだけど…」
「…店長だわ。その人、私が働いてる店の店長だわ。」
「…まじか。」
「でも、ものすごく優しくおじいさんなのよ!
彼だったら、きっと…」
「その店は何処にあるんだ?」
ウルカがワクワクしている。冒険とかが好きなのか…
「大通りの市場。アンティークショップよ。けど、心が誠実な人しか入れない。私は嘘をついたわ。けど、彼はそんな私でも優しく、受け入れてくれたの。」
「そうなのか…」
「ものすごく不思議なお店なのよ。自分に1番思い入れがあるものしか売らないの。」
「ホントに不思議だな。思い入れのあるもの…か。」
「…私たちにはないのかもね。」
ラムアが泣きそうな顔で呟いた。
なぜって、僕達は捨てられ、死にたいと前まで思っていたのに、そんな思い入れがある訳がないのだ。
パンっと弾きのいい音がした。ウルカが手を叩いたのだ。
「さぁ、場所が見つかったんなら、そこに行って、森を回収しないと。話を聞く限り、悪い人ではなさそうだし。二スラちゃん。悪いけど、その場所あとで案内してね。」
ウルカは前より話し方が柔らかくなった。これがいつものウルカなんだろう。なのに誰かのせいでホントの自分を…
「ええ、分かったわ。その前に朝ごはんしましょ。」
朝ごはんはいつも交代で作っている。
今日の担当は二スラだ。二スラの時は朝ごはんの前にコーヒーが出る。ラムアはオレンジジュース。ウルカはココア。俺は料理とか特に興味無いのでそれぞれ好きな物を用意してあげてる。
俺は好きな物とかがないから。
朝ごはんを食べ終わり、みんなで支度を始めた。
僕はいつものパンダのパーカーをはおり、フードを深く被る。
ウルカはマスク型のお面をつけ、鏡でウルカのコンプレックスである髪の毛をちりちり触っている。
二スラは黒ワイシャツとミニスカートを履き、耳をふわふわと触っている。
ラムアは…まだ眠そうだ。ぬいぐるみを持ちながら、お面をつけようとするが寝息が聞こえてくる。
「ラムア、お面貸して、つけてあげるから。」
僕がそうなのか話しかけるとラムアは
「…ん。」
と寝ぼけた声でお面を渡してきた。
お面の紐は赤いリボンだ。
お面をつける前にラムアがいつもやっている
ついんているというやつをやってあげた。…我ながらに上手くできたが難しい。
キツくないようにお面をつけてあげると、ラムアが上目遣いで
「ありがとう!」
と言ってきた。胸がキュッとなった。
僕がそのまま立ち尽くしているとラムアは走って自分の着替え場所に向かった。無邪気だ。
「なぁ、ルクア君、顔赤いよ?大丈夫?」
ウルカが心配してきてくれた。
「…あぁ、大丈夫。大丈夫だよ。さ、早く行くか。」
「大丈夫ならいいけど、そうだね。僕達は外で待ってよ。」
テントから出ると、美味しい空気が肺をいっぱいにした。気持ちがいい朝だ。僕は大きな伸びをした。
「ごめん待った?」
女子達が駆け足でこっちまで来る。
「大丈夫だよ。たっくさん時間はあるんだからそんなに急がなくても。」
ウルカはニスラのことを優しく見つめ、暖かくそう答えた。
「そうね。では行きましょ。こっちよ。」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる