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2章 これからの4人の人生
僕たちにとって1番のクスリ。(1)
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僕たちの生活は意外にスムーズに進んだ。
森を手に入れ、家を建てた。建てている間は森の反対側まで行き、森の探索をしながら、過ごした。
家は、みんなの好きな物を入れた、カラフルな家になった。
部屋は1人ずつある。
ウルカ、僕、ラムア、二スラの順だ。
ウルカは白ベースのふんわりした部屋。
僕はゲームがある、ごちゃごちゃした部屋。
ラムアは黒とムラサキベースで、地雷風らしい。
二スラは黒ベースのかっこいい部屋だ。
僕たちにとってここが1番安全で、暖かい場所となった。
なのに。なのに。僕はそれを壊そうとしている。
とある、怒りで。欲望で。
おじいさん。僕は全く優しくありません。
そう、水色のペンダントを握りしめながら心の中で、呟いた。
何故か水色がくすんでいる気がした。
「…あのさ、聞いてよ。」
僕は夕飯の時に聞いて欲しいことをきいてもらうことにした。
「どうしたの?改まって~
もしかしてこの家出るつもり?」
ニスラが笑いながら問いかけた。
僕はなにもいえなかった。
何故なら、本当だから。
「うん、僕、この家出てく。」
『え?』3人の声が揃った。
「なんで?やだよ!私、この4人でずっと一緒に居たい!」ラムアが叫んだ。
「僕、ルクア君と、一緒に暮らしたいな。」
ウルカが目を伏せながら言った。
「良いんじゃない。ここにいるのも強制では無いし。好きにしたらいいんじゃないかしら。」
ニスラはにっこりと、でも寂しそうに言った。
「……だって、君達を巻き込みたくないもん。」
「どういう事?」
ラムアがちょっとキツめに聞いてくる。
「…僕、すごく、怒ってるんだ。復讐したいんだ。もう、抑えきれないくらい。」
「そ、それは、アイツラのこと?」
ウルカが言った。優しい声だけど、ちょっと強い。
「うん。これは、今の僕にとって、1番のクスリになるから。今この状況が辛いんだ。こんなに僕は苦しんでるのに、アイツラは、アイツラは呑気に暮らしてる。高らかに笑ってるよ。いなくなってよかった。って。」
僕は悔しさのあまり、涙がぼたぼたとこぼれた。
僕の手を誰かが握りしめた。
ラムア。
「大丈夫。私も一緒。私もものすごく辛かった。ねえ、一緒に闘おう。ルクアに負わされた痛む傷を、治しに行こう。」
ラムアはポロポロと、泣き出した。
「僕もだよ。ずっとずっとはさみで切り刻まれてきた。辛かった。痛かった。叫んだら、もっともっと切り刻まれた。僕は体に傷を負ったけど、一番痛かったのは心だった。だから、アイツラにキズを負わせたい。」
ウルカは僕の手に手を重ねた。
「…私も辛かった。痛かったの。私は人生がいつも負けるってわかってる強制のゲームに参加させられてたようだった。
カッターで腕を傷つけられた。コレ、リスカッテイウンデショウ?って。知らないよそんなの。って叫んでも分かってくれない。イツモヤッテルンデショウ?ネエ、ヤッテヨ。って。もう何もかもが辛かった。」
ニスラも泣きながら手を重ねた。
「復讐しよう。私たちにとって1番効くクスリをとりにいこう。」ラムアは声を震わせながら言った。
「…ありがとう。ありがとうみんな。」
僕はもう顔がボロボロの状態で目を合わせることが出来なかった。
僕は僕の部屋のベッドで寝っ転がってる。
こんなにも皆が優しいと思わなかった。
とても嬉しかった。
皆は思い入れのあるあの『武器』で闘うらしい。
自分の為に。
僕には何も無い。このおじいさんがくれたペンダントしか。
僕はペンダントを強く握りしめた。
瞬間、ペンダントが赤黒く光出した。
ペンダントの色は綺麗な穏やかな水色だったのに。
黒い魔術的なものに僕は包み込まれた。
黒いが、赤くぼんやりと光っている。刺々しいそれに、あんまりいい印象は受けないだろう。
けど、僕は何故かそれを歓迎していた。
そして、僕はなぜこの世界に、時代に生まれてきたのかを自ら理解した。
━━━━━━━━━それは━━━━━━━━
ここの世界の捻れた思考の大人達の心を、グチャグチャにして切り裂くこと、
そして、 『復讐』をすること。
**
頭が痛い。血管が破裂しそうだ。
どうやら気絶をしてしまったらしい。
これから市場で買い物だというのに、髪はボサボサになってしまった。
髪を整えようと、鏡を見た。僕と目を合わせている少年は、僕と瓜二つだ。だが、何かが違った。
いつも毎朝見ている僕の顔とは違う。
隅々まで自分の顔を確認する。
目が…目の色が違った。
僕の目はあのおじいさんから貰ったような淡い水色だ。僕はそれを誇りに思っていた。家族と、これだけは一緒だから。
けど、目の前にいるこの少年の目の色は僕の髪色と同じ、それよりも濃い、赤だった。
犬歯はいつもより尖ってる気がする。今つけているペンダントは、僕の目と同じようにあかぐろい。
急におじいさんの言葉を思い出した。
「これは、君の感情のままに動く。それを活かして、頑張るんだよ。」
僕の感情のままに動く……
そうか、今の僕は感情の化身なんだ。
これが僕のありのままの姿…。
なんて、自分は醜いんだろう。自分を癒すためだけに必死になって、傷つけようとしている。
「ルクアー!行くよ~今日は私とルクアの担当よ!」
ラムアが来る。やばい早くこの化身の姿をかくさなくては。
僕は目を擦ったり頬を叩いたりした。
けど直らない。
どうしよう。この醜い感情を無くす、いい方法…
ペンダントを取る…?
僕は急いでペンダントを取り外した。
すると、みるみるうちに目の前の僕が僕になっていった。
ドアが開き、ラムアが入ってくる。
「もうー何やってるの?私と一緒じゃ嫌?」
「そ、そんなことないよ。もう行く?」
「行くに決まってるでしょ。パーカーも着てないし、髪の毛はボサボサだし、何やってたの?
ペンダントは落ちてるし…て、あれ?これって水色じゃなかったっけ?」
ラムアはペンダントを拾ってまじまじと見る。
「ええと、これには訳が色々あるんだ。
でも大丈夫。もう行こうか。髪の毛はフード被ればバレないし別にいいよ。」
「…そう。じゃあ行こ!」
僕達は市場に出かけた。
隣でラムアが鼻歌を歌っている。
このことは誰にも言わないでおこう。
特にラムアには。
もし僕があんな醜い化身になるって知ったら
きっと怖がって僕には近づいて来てくれないだろう。
それは、なんかやだ。
彼女には、優しい僕で接していたいから。
森を手に入れ、家を建てた。建てている間は森の反対側まで行き、森の探索をしながら、過ごした。
家は、みんなの好きな物を入れた、カラフルな家になった。
部屋は1人ずつある。
ウルカ、僕、ラムア、二スラの順だ。
ウルカは白ベースのふんわりした部屋。
僕はゲームがある、ごちゃごちゃした部屋。
ラムアは黒とムラサキベースで、地雷風らしい。
二スラは黒ベースのかっこいい部屋だ。
僕たちにとってここが1番安全で、暖かい場所となった。
なのに。なのに。僕はそれを壊そうとしている。
とある、怒りで。欲望で。
おじいさん。僕は全く優しくありません。
そう、水色のペンダントを握りしめながら心の中で、呟いた。
何故か水色がくすんでいる気がした。
「…あのさ、聞いてよ。」
僕は夕飯の時に聞いて欲しいことをきいてもらうことにした。
「どうしたの?改まって~
もしかしてこの家出るつもり?」
ニスラが笑いながら問いかけた。
僕はなにもいえなかった。
何故なら、本当だから。
「うん、僕、この家出てく。」
『え?』3人の声が揃った。
「なんで?やだよ!私、この4人でずっと一緒に居たい!」ラムアが叫んだ。
「僕、ルクア君と、一緒に暮らしたいな。」
ウルカが目を伏せながら言った。
「良いんじゃない。ここにいるのも強制では無いし。好きにしたらいいんじゃないかしら。」
ニスラはにっこりと、でも寂しそうに言った。
「……だって、君達を巻き込みたくないもん。」
「どういう事?」
ラムアがちょっとキツめに聞いてくる。
「…僕、すごく、怒ってるんだ。復讐したいんだ。もう、抑えきれないくらい。」
「そ、それは、アイツラのこと?」
ウルカが言った。優しい声だけど、ちょっと強い。
「うん。これは、今の僕にとって、1番のクスリになるから。今この状況が辛いんだ。こんなに僕は苦しんでるのに、アイツラは、アイツラは呑気に暮らしてる。高らかに笑ってるよ。いなくなってよかった。って。」
僕は悔しさのあまり、涙がぼたぼたとこぼれた。
僕の手を誰かが握りしめた。
ラムア。
「大丈夫。私も一緒。私もものすごく辛かった。ねえ、一緒に闘おう。ルクアに負わされた痛む傷を、治しに行こう。」
ラムアはポロポロと、泣き出した。
「僕もだよ。ずっとずっとはさみで切り刻まれてきた。辛かった。痛かった。叫んだら、もっともっと切り刻まれた。僕は体に傷を負ったけど、一番痛かったのは心だった。だから、アイツラにキズを負わせたい。」
ウルカは僕の手に手を重ねた。
「…私も辛かった。痛かったの。私は人生がいつも負けるってわかってる強制のゲームに参加させられてたようだった。
カッターで腕を傷つけられた。コレ、リスカッテイウンデショウ?って。知らないよそんなの。って叫んでも分かってくれない。イツモヤッテルンデショウ?ネエ、ヤッテヨ。って。もう何もかもが辛かった。」
ニスラも泣きながら手を重ねた。
「復讐しよう。私たちにとって1番効くクスリをとりにいこう。」ラムアは声を震わせながら言った。
「…ありがとう。ありがとうみんな。」
僕はもう顔がボロボロの状態で目を合わせることが出来なかった。
僕は僕の部屋のベッドで寝っ転がってる。
こんなにも皆が優しいと思わなかった。
とても嬉しかった。
皆は思い入れのあるあの『武器』で闘うらしい。
自分の為に。
僕には何も無い。このおじいさんがくれたペンダントしか。
僕はペンダントを強く握りしめた。
瞬間、ペンダントが赤黒く光出した。
ペンダントの色は綺麗な穏やかな水色だったのに。
黒い魔術的なものに僕は包み込まれた。
黒いが、赤くぼんやりと光っている。刺々しいそれに、あんまりいい印象は受けないだろう。
けど、僕は何故かそれを歓迎していた。
そして、僕はなぜこの世界に、時代に生まれてきたのかを自ら理解した。
━━━━━━━━━それは━━━━━━━━
ここの世界の捻れた思考の大人達の心を、グチャグチャにして切り裂くこと、
そして、 『復讐』をすること。
**
頭が痛い。血管が破裂しそうだ。
どうやら気絶をしてしまったらしい。
これから市場で買い物だというのに、髪はボサボサになってしまった。
髪を整えようと、鏡を見た。僕と目を合わせている少年は、僕と瓜二つだ。だが、何かが違った。
いつも毎朝見ている僕の顔とは違う。
隅々まで自分の顔を確認する。
目が…目の色が違った。
僕の目はあのおじいさんから貰ったような淡い水色だ。僕はそれを誇りに思っていた。家族と、これだけは一緒だから。
けど、目の前にいるこの少年の目の色は僕の髪色と同じ、それよりも濃い、赤だった。
犬歯はいつもより尖ってる気がする。今つけているペンダントは、僕の目と同じようにあかぐろい。
急におじいさんの言葉を思い出した。
「これは、君の感情のままに動く。それを活かして、頑張るんだよ。」
僕の感情のままに動く……
そうか、今の僕は感情の化身なんだ。
これが僕のありのままの姿…。
なんて、自分は醜いんだろう。自分を癒すためだけに必死になって、傷つけようとしている。
「ルクアー!行くよ~今日は私とルクアの担当よ!」
ラムアが来る。やばい早くこの化身の姿をかくさなくては。
僕は目を擦ったり頬を叩いたりした。
けど直らない。
どうしよう。この醜い感情を無くす、いい方法…
ペンダントを取る…?
僕は急いでペンダントを取り外した。
すると、みるみるうちに目の前の僕が僕になっていった。
ドアが開き、ラムアが入ってくる。
「もうー何やってるの?私と一緒じゃ嫌?」
「そ、そんなことないよ。もう行く?」
「行くに決まってるでしょ。パーカーも着てないし、髪の毛はボサボサだし、何やってたの?
ペンダントは落ちてるし…て、あれ?これって水色じゃなかったっけ?」
ラムアはペンダントを拾ってまじまじと見る。
「ええと、これには訳が色々あるんだ。
でも大丈夫。もう行こうか。髪の毛はフード被ればバレないし別にいいよ。」
「…そう。じゃあ行こ!」
僕達は市場に出かけた。
隣でラムアが鼻歌を歌っている。
このことは誰にも言わないでおこう。
特にラムアには。
もし僕があんな醜い化身になるって知ったら
きっと怖がって僕には近づいて来てくれないだろう。
それは、なんかやだ。
彼女には、優しい僕で接していたいから。
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