愛理の場合 〜レズビアンサークルの掟〜

本庄こだま

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2.〝淫乱〟の称号

射精、そして失神

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 月曜の午後1時前、祝日の街には人が溢れ、至る所からの喧騒が賑やかに交差する。
 その雑踏の中を縫うように、早足で歩く一人の女がいた。
 ブーツのヒールを高らかに鳴らし、ロングコートの裾をひるがえしながら、ツンとした表情で前を見据えて姿勢良く歩く姿は、彼女の性格を表すようでもあった。
 駅前の待ち合わせ場所として著名なオブジェの前で、女の足が立ち止まる。
 彼女の目の前には、やはり前方から歩いてきた女が同じように立ち止まった。

 「時間ぴったり。待つ予定だったけどね」

 「お客を待たせないのが私の流儀なの」

 「お客なんて他人行儀じゃない?ウチらの仲でさ」

 「何よ、一回ヤッたくらいでその気にならないでよね?」

 1週間前に出会った2人の女が、1週間後に再会した時、そこにはまるで旧友と再会したかのような信頼があった。
 互いに軽口を叩き合い、ケラケラと無邪気に笑う〝女と女〟──。

 「愛理、もうそのまま行く?」

 「えぇ。今日の場所は、恭子が決めてくれてるんでしょ?」

 通常ならば、ホテルは〝必ず〟愛理が選定し、それ以外の場所で愛理が密会する事は無い。これは「ウリ」という商売の性質上、愛理が自己防衛の手段として条件に付随させたものだが、今回は愛理の側から「恭子が決めて良い」と連絡を入れてきたのだ。

 「うん、私いい場所知ってるから」

 「ふふ、楽しみね」

 並び立って歩き出す女たち。長身でボーイッシュな恭子と、小柄でフェミニンな愛理。
 互いに〝思惑〟を秘めた2人の女が、遂にその日を迎えた。7日間という短い日数の中で、待ち焦がれ、身悶えするほどに求め続けた。

 「愛理さ、なっちゃってる?」

 恭子はふざけたような口調で愛理を横目で見ながら、自らの〝股間〟を指差す。

 「あはっ、自惚れないでよバーカ!」

 それを見て、愛理も目を細めながらクスクスと笑って恭子の肩を拳で小さく小突く。
 やがて、どちらともなく手を握り、次第に肩を寄せて腕を絡める。

 「こんな昼間から女同士でラブホに逢引あいびきなんて……私らホントに色狂いだよね❤︎」
 
 白昼のラブホテルに、女2人は姿を消した。



 部屋のドアを開けると、目の覚めるような鮮烈な赤と金が壁を彩る。
 部屋の手前に位置する黒い木枠の屏風には龍や雀の彫刻が施され、円窓には竹の格子が編んである。
 屏風の奥に設置されたベッドのヘッドボードやサイドフレームにも屏風と同じく龍が刻まれ、真っ赤な天蓋のカーテンがベッドを覆っていた。
 その他、机の香炉や扇子、照明の提灯など、目につくあらゆる部分にオリエンタルな情緒を漂わせる嗜好がなされ、愛理は思わず目を丸くする。

 「すっごーい!……これ、中華風…?こんなラブホ初めて……!」

 「喜んでもらえたようで何よりだよ。ココ、愛理に見せたかったんだ。」

 まるでテーマパークに連れてきてもらった少女のように、目を爛々と輝かせて部屋中を見渡す愛理。その様子を、歳の離れた姉のように見守る恭子。

 「愛理、クローゼット開けてみて」

 「ここ?」

 恭子の示す方向に小走りで向かう愛理。ちょっとした宝探しのような気分で、期待感に胸を膨らませる。

 「あっ!ヤバイこれ!チャイナ!」

 観音開きのクローゼットに掛かっていたのはゴールドとブラック、2着のチャイナドレスだった。これも、この部屋の備品である。

 感激のあまり思いの外声量が出てしまった事を恥じるように、愛理は口を押さえて笑いを堪える。期待以上の愛理のリアクションに、恭子もつられて笑う。

 「いいでしょ?なんか愛理、チャイナ似合うかなーって思ったんだよね」

 「うんっ、着たことないけど憧れはあった……すごーい……」

 チャイナドレスを手に取り、まじまじと眺める愛理。#____#
 普段の会話から見せる気の強さや、自信に満ちた振る舞いとはかけ離れた、少女のような純粋で率直な感情表現に、恭子は愛理の意外な一面を見た気がした。

 だが、愛理はチャイナドレスを自らの身体にあてがうと、一転して人を化かす〝女狐〟のような妖しげな微笑で恭子に振り向き問いかける。

 「ねぇ恭子。金色と黒、どっちがソソる?せっかくなんだから、恭子も着てみてよ❤︎」

 唇を尖らせ腰をくねらせながら、わざとらしく扇情的なポーズを決める愛理。揶揄からかわれていると知りつつ、恭子も笑って応える。

 「私じゃあチャイナドレスなんて似合わないから…愛理のために選んだオプションだしさ」

 「え~?そんなのつまらないわよ。せっかく2着あるんだから、恭子も着てみせて。きっと似合うわ」

 愛理の予想外の催促に、恭子は苦笑を浮かべて頭を掻く。
 だが、否定したのはその一回きりだった。レズ専ナンパ師として「相手はとにかくノせるもの」という事もきちんと心得ている。

 「うーん、じゃあ私は黒のチャイナで」

 「ふふ、恭子は黒だと思った!なら私はゴールドね」

 愛理は右手に持ったブラックのチャイナドレスを目線の高さに上げ、部屋の真ん中に佇む恭子の身体に合わせて一人うんうんと頷いている。

 場所、衣装が揃い、遂に舞台が整われた。



 「これ、私のサイズで着れるかな…」

 「見て恭子、胸元と背中がレースになってる。なんかヤラしいわね❤︎」

 2人はシャワーを浴び終え、早速各々のチャイナドレスに腕を通す。
 〝ドレス〟とは言うものの、所詮はラブホテルの貸出用のコスプレ衣装であり、生地や仕立ての安っぽさは否めない。
 だがその安っぽさこそ、いかにも〝プレイ用のコスチューム〟といった風で、なんとも言えない下品さと滑稽さが情欲を掻き立てる。

 「あはっ❤︎愛理、おっぱいが苦しそうじゃない?ボディラインがピタピタでエロいよ❤︎」

 「恭子が着るとパツパツの超ミニスカチャイナね❤︎ホラ、チンポが隠せてないわよっ❤︎」

 愛理がはち切れそうな乳房をグイッと両手で寄せ上げる。
 豊かな乳房と、性的象徴である丸い尻。金色に輝くチャイナドレスに包まれた愛理の〝武器〟と、そこから溢れて露出する白く肉付きの良い腕と生脚。
 ラブホテルのチープな貸しコスチュームが、極上のオンナを飾り立てる。

 「愛理……可愛いよ……❤︎」

 「恭子、もうんでしょ?でも、もうちょっとだけ我慢してね❤︎」

 投げかけた甘い言葉とは裏腹に、恭子の〝勃起〟はドレスの裾を力強く捲り上げ、そこから浅黒い陰嚢がダラリと垂れ下がっている。

 そんな恭子の気持ちを逆手に取り、愛理はマイペースに悠然と後ろ髪を櫛でかす。腰まである艶めいた美しい黒髪を頭頂部から左右に分けると、束ねた付け根の部分を白のリボンでゆわいた。

 「ほらっ❤︎普段のぱっつんロングより、こっちの方がチャイナっぽいでしょ?」

 「ははっ、確かに!カンフーガールって感じ?似合ってる」

 「アハッ!えいっ、アチョッ!」

 恭子におだてられ、おぼつかない足元でキックを放つマネをする愛理。すると思い立ったようにベッドの上に飛び乗り、2回、3回とスプリングを利用し飛び跳ね、乱れた長いツインテールを後ろへ払うと、睨み付けるように恭子の方を素早く振り返る。
 愛理は右手を前に差し出すと、人差し指を上にしてクイクイと恭子を手招いた。

 「さ、準備万端よ❤︎かかってらっしゃい、恭子ちゃん❤︎」

 腕組みをし、小憎たらしい不敵な笑みで迎え打つ気構えの愛理に対し、恭子はあくまでも思考回路は普段通りの冷静さを保ちながら、身体カラダは熱い火照りを感じていた。

 「愛理、この前みたいに自分勝手にイキッぱなしになっちゃダメだよ?最後の最後まで…私を楽しませてね❤︎」

 痛い程に張り詰めたペニスの疼きをなだめるように、チャイナドレスの布越しに指先で撫でてやる。
 だが、そんな恭子の勃起ペニスを目の当たりにして尚も愛理は勝気な振る舞いを止めることはなかった。

 「今日はこの間のリベンジよ、キンタマ空っぽになるまで許してあげないから覚悟してっ❤︎」

 唇から赤い舌を出して、誘うように指先を舐める愛理。その表情から〝恐怖〟や〝緊張〟は一切見られない。

 1週間前とはまるで違う愛理が、そこにいた。



 ポンッ、と弾むように尻からベッドへ落ちる愛理。縁に座ったまま、上目遣いで恭子の顔を見据える。

 見つめ合う愛理と恭子。時間にしてものの数秒だが、2人が体感する時間はまるでスローモーションのようにゆっくりと、そのまま時が止まってしまいそうな程に静かな〝一瞬〟だった。

 恭子が一歩踏み出し、愛理の横にぴったりと身体を近付けて座る。肩に手を回し、指先で愛理の火照る肌を優しく撫でる。
 吸い付くような肌の弾力と、甘い〝オンナ〟の匂い。無言のまま、恭子は愛理の小さな身体を抱き寄せる。

 「んっ……」

 愛理の肩がピクッと震える。同時に、僅かに鼻の呼吸が荒くなるのを恭子は感じ取る。
 顔では澄ましていても、やはり愛理も性的興奮を抑える事に苦悶しているらしい。
 
 恭子は愛理の手を取り、反り返るほど硬く勃起した自らのペニスを半ば無理矢理のように握らせた。

 「あッ!?……うぅ……❤︎」

 「どう…?1週間、が欲しかったんでしょ?……❤︎」

 抱き寄せた愛理の耳元で小さく囁く。わざと吐息で湿らせるように、ねっとりと、低い声で愛理に語り掛ける。

 「はぁ……❤︎恭子のッ……硬いィ……❤︎」

 愛理は真っ直ぐに前を向いたまま、手探りで恭子のペニスの感触を堪能する。
 愛理の小さな手では持て余す程に太く逞しい恭子のペニスを、掌で包み込むように握り、不器用にゆっくりと上下にしごき始める。
 強く握りしめた肉棒は、刺激のたびにヒクヒクと脈打ち、先端からは早くも先走りのカウパー液が竿を伝い垂れ落ちて愛理の指を濡らしていた。

 「頼んでもいないのに他人ひとのチンポ勝手にシゴきはじめちゃうんだ…やーらしっ❤︎」

 「はァ❤︎はッ❤︎そうっ❤︎私…やらし……❤︎」

 以前までの愛理ならば、そんな言葉責めには一切臆せずに反論したかもしれない。だが、今の愛理はそんな安っぽい矜恃きょうじに縛られ、自分を押し込めることは無かった。

 ありのままの快楽に、全身全力で飛び込んでゆくすべを、恭子とのセックスにより愛理は自ずと会得していた。

 震える愛理の小さな身体を抱き寄せた恭子は、愛理の耳、頬、首筋に唇を当てて焦らす。
 恭子の柔らかな唇と熱い吐息、その感触と匂いが愛理の肉体を奥底から滾らせてゆく。

 まぶたを薄く閉じ、トロンとした焦点の定まらぬ瞳で中空を仰ぎ見る愛理。
 恭子の唇と指先が肌を撫でる度にピクリと背筋を反らせて眉間に皺を寄せる。
 呆けたように口をぽっかりと開け、濡れた唇から糸のように涎が胸元に垂れ落ちる。

 「あッ❤︎あぁ……うッ……あンッ❤︎」

 「ふふっ…愛理のカラダがいく……セックスするカラダに……チンポを迎え入れるカラダに仕上がっていく……❤︎」

 恭子に囁かれ、愛理の意識はヴァギナへと降る。疼く。堪らなく子宮が疼く。つま先から脳天まで、全身隅々へと微弱な静電気が流れては、その甘い刺激がすべて子宮へと〝終着〟するような不思議な感覚……。

 気付けば、ペニスを握った愛理の手は止まっていた。
 意識のすべてが〝受け入れること〟に集中した結果、愛理に〝責めること〟を忘却させたのだ。

 「愛理……始まるよ?」

 「……う……ん……❤︎」

 恭子の呼び掛けに、愛理は力無くコクリと頷く。まるで催眠術に掛かってしまった人のように、精神と肉体が乖離かいりした様な、意識が曖昧とした表情と反応だ。

 愛理の反応を見て、恭子は愛理を力強く胸に抱き寄せると、有無を言わさずに愛理の唇を奪った。

 「んむっ……チュッ……❤︎」

 「んんっ…………んッ……❤︎」

 だらしなく涎を垂れ流す愛理の口元に、恭子の口が蓋をする様に塞ぐ。首を捻り上げるように強引に隣を向かせ、上から覆い被さるように愛理をキスで責める。
 
 「チュパッ、チュ……んふっ、チュッ……愛理ッ……❤︎」

 恭子のキスの激しさに、2人のチャイナドレスの胸元は滴り落ちた唾液が滲み、みるみると色を変えてゆく。その一方で、愛理は無抵抗に恭子の暴れる舌と唾液で口内を蹂躙され続ける。

 「んッ…ぶッ……~~~ッッ❤︎」

 キスの途中、愛理の身体が恭子の懐の中で小さく跳ねた。
 ペニスを握ったままの右手にもその瞬間だけ力が入り、愛理の首筋に薄らと汗が滲む。

 「愛理……もしかしてイッちゃった?」

 「フーッ❤︎フーッ❤︎………ん❤︎❤︎」

 愛理は瞳を潤ませて恥ずかしそうに小さく頷いた。どうやら昂り過ぎた肉体がキスだけでの絶頂を促したらしい。
 唾液でベトベトの口元を拭う事もなく、愛理は気丈に恭子を見つめる。

 「恭子……キス……続けて……❤︎」

 「うんっ……愛理かわいい……❤︎」

 尚もキスをねだる愛理に応えて、恭子は再び唇を寄せる。互いの体温と匂いが交じり合い、情欲が沸点へと上り詰めてゆく。
 愛理は不意に、恭子のチャイナドレスの脇から手を忍ばせると、既にふっくらと張り詰めている乳頭を躊躇ためらいなく指で摘んで強く擦りあげた。

 「んうッ!?❤︎んッ~~~ッ❤︎」

 恭子は予期しなかった乳首の快感に、思わず素っ頓狂な声をあげる。
 それを皮切りに、愛理は両手で恭子の肩を掴むと、身体を入れ替えて恭子に覆い被さり、そのままベッドに押し倒した。
 互いの口内を行き来していた唾液は、倒れ込んだ恭子の口内に流れ込み、恭子は勢いのままそれを飲み干す。

 「んぐッ❤︎………ぷはァッ❤︎」

 「美味しい?私と恭子の唾ジュース❤︎」

 「んッ……美味し……もっとちょうだい愛理❤︎」

 「ふふ、エッチな恭子❤︎……ほら、舌出して」

 先程とは真逆の立場に成り代わり、恭子の催促に愛理が応える。
 恭子が突き出した肉厚な舌を咥えてしゃぶり、開いた口に唾液を流し込む。
 唾液量が極めて多い体質の愛理は、舌を動かしただけで粘度の高い唾液の分泌が止まらない。
 ジュルジュルと糸を引いて口内に垂らされる愛理の唾液を、恍惚の表情で味わう恭子。愛理の味、匂い、温もりを濃縮したようなその液体は、まさに〝媚薬〟のようであった。

 そんな中、チャイナドレスを押し退けて曝け出された恭子のペニスを愛理は見逃さず、右手で手荒に握り込む。

 「おゥッ!?❤︎おぉ……チンポ……❤︎」

 「唾飲んで興奮しちゃったのかしら?恭子って変態なのね❤︎」

 「おぅ…❤︎チンポ責めて…❤︎」

 「言われなくたってイジメてあげるわ、ヘンタイ恭子ちゃん❤︎」

 天を突くように高々とそびえる太く逞しい〝肉の幹〟に、愛理は口に含んだ唾液をたっぷり垂らすと、掌を使って満遍なく塗り込んでゆく。
 愛理の唾液と、鈴口から溢れ出したカウパー液で、恭子のペニスは飴細工のようにキラキラと照り輝く。
 ぐっしょりと濡れた巨大なペニスの根元を、親指と人差し指で作った輪っかで締めると、上下にヌルヌルとペニスの側面を滑らせる。

 「ん"ん"ッ❤︎う"ぁぁぁぁッ❤︎」

 「相変わらずバカみたいにおっきいチンポ…❤︎たっぷりシゴいてあげるわ❤︎耐えられる?」

 最も太いペニスの根元から中ほど部分を、小さな指の輪っかでコリコリと責め立てる。
 愛理の小さな手では指を合わせられない程に太い恭子のペニスだが、締め付ける愛理の絶妙な握力の責めに激しく悶え、恭子は無意識に腰を動かしてしまう。

 「愛理ィ……ッ❤︎それダメッ……根元ばっかり……先っぽ❤︎先っぽシゴいてッ❤︎」

 「だーめ❤︎先っぽシゴいたらイッちゃうでしょ?ガマンよ恭子ッ❤︎」

 意地悪な笑みを浮かべてペニスの根元をしごき続ける愛理。余った方の手で恭子の陰嚢のを探る。
 
 「あッ!?そこダメッ!!」

 驚いた恭子は思わず叫んで上体を起こす。愛理を相手に、絶対に場所に、愛理は手を伸ばしたのだ。

 愛理が手を伸ばした先は、密林のようにじっとりと湿り気を帯び、愛理の指を瞬く間に飲み込んでいった。

 「あぐッ❤︎はッ……挿入はいッ……❤︎」

 「あはッ❤︎恭子の……責めちゃうわよ?❤︎」

 愛理の中指が、恭子の〝膣内ヴァギナ〟に挿入された。



 グチュ……ヌッ……チュ……

 水気を孕んだいやらしい音が耳を濡らす。愛理は左手の中指の腹をゴリゴリとに押し当てながら、小刻みに震えて動かす。

 「ふぁぁッ❤︎愛理ィッ❤︎本当ダメだからッ❤︎マンコッ❤︎マンコはダメッ❤︎」

 恭子は声を抑えようともせず、背中を反らせて悶えまくる。
 今まで見せた事の無い恭子の反応に、愛理はいささか戸惑いながらも、膣内への責めの手を休めない。

 「恭子、そんなにおマンコ気持ちいいの……?❤︎ふふっ、チンポとどっちが気持ちいいのかしら……❤︎」

 左手で膣内を責めながら、ペニスを責める右手も休めない愛理の猛攻に、恭子は為す術もなく追い込まれゆく。

 「あ"ゥッ❤︎ぎも"ぢィ"ッ❤︎どっぢも"ッ❤︎チンポもマンコもイクッ❤︎あ"~~~!!イグイグイグイグ❤︎……ッッ……ゔん"ッッ❤︎❤︎❤︎」

 ビュッ❤︎ビュルッ❤︎ビュ~~ッ❤︎❤︎❤︎

 「きゃッ!?」

 愛理が恭子の膣内を責め始めて間もなく、恭子のペニスから、噴水のように白い粘液がほとばしった。
 愛理の握った手の中で、ヒクヒクと脈打ちながら、何度も何度も熱い白濁液を吐き出す。まるで壊れた消火栓のように、天井に向かって打ち上げられた白濁液は、やがて重力に従って恭子や愛理に降り注いだ。

 10秒以上の長い射精を経て、恭子は全身をピンッと硬直させたまま小刻みに痙攣している。ペニスの勃起は未だ萎えずにいるが、恭子自身の意識は朦朧としている。

 「うッ……うぐッ……あぅ……うぁッ」

 恭子の黒いチャイナドレス生地を、白い精液ザーメンが彩る。あまりの射精の勢いに、恭子の顔にも、ベッドのヘッドボードにも白い粘液がこびり付いている。

 「ちょっ……恭子トバし過ぎ……❤︎」

 恭子のペニスを射精へといざなった愛理自身も例外ではなく、腕や顔、髪にまでその精液は付着している。

 生臭い精液の匂いが、愛理の鼻腔を刺激して肉体の芯を火照らす。
 愛理の性欲も〝爆発寸前〟まで追い込まれていた。

 しかし、恭子は未だに全身で息を切らせて喘いでいる。ぐったりと脱力し、上体を起こす事すらままならない。

 「恭子?まさか秒殺KOなんて事ないでしょうね?私をイカせ狂わせるんでしょ?早く起きなさい」

 射精の余韻にふけったままの恭子に背を向けながら、乱れた髪を手櫛で直しつつ愛理が冷たく言い放つ。

 「はぁ…はぁ…愛理ッ……ちょっと待って……!」

 「待ってなんて言われて待たないわよ。ますますイジメたくなっちゃうわ……❤︎」

 愛理は舌舐めずりすると、仰向けに寝そべって抵抗できない恭子の身体の上に背を向けて跨り、射精したばかりのペニスにしゃぶりついた。

 「~~~~ッッ❤︎❤︎お"ぉぉッッ❤︎❤︎❤︎」

 声にならない声をあげて、恭子が悶絶する。目の前に放り出された愛理の白く丸い尻に、必死にしがみつくようにしながら爪を立てる。

 「あ"ィ"ッ……❤︎愛理ダメぇッ!今フェラはダメだからッ❤︎❤︎」

 そんな恭子の必死の訴えにも聞く耳を持たず、愛理は手加減なしにペニスを舐り倒す。

 「ジュポッ❤︎ジュポッ❤︎ジュルル……ポンッ❤︎……んふっ❤︎しゃぶってあげたらすぐ硬さを取り戻してきたわ❤︎さすがレズナンパ師さんね❤︎」

 喉の奥まで咥え込み、咥えたまま舌をねっとりと動かして陰茎の全体を包むようにしごきあげる。

 (なんでッ!?この前とは全然違うッ!!)

 1週間前に初めて口淫フェラチオを試みた愛理は、お世辞にもテクニックに優れているとは言えず、最後のフィニッシュは恭子自らが腰を振って達したものだった。
 しかし、今日の愛理のペニスへの責めは、まるで百戦錬磨の風俗嬢プロフェッショナルのように、男性器の全てを理解しているような、一切の無駄の無い口淫フェラチオだった。

 「ジュポッ❤︎ジュルッ❤︎……ぷはァ❤︎ほらまたイクわ❤︎恭子またイクのね❤︎だらしのないチンポ❤︎」

 「ふゥ"ッ❤︎ダメぇ……イクぅ……あッ❤︎ぁイクッ❤︎イクイクイクイクイクゥゥ……あ"ォ"ッ❤︎❤︎❤︎」

 ビュルッ❤︎ドクッ❤︎ドクッ……❤︎

 「ゔぐッ!?うッ……んぅ~……❤︎」

 愛理がペニスを咥えておよそ2分、恭子は2度目の射精に至る。

 たっぷりと口内に注がれた特濃の精液は、1度射精したとは思えない程の量と濃度を誇っていた。愛理はその精液を口を濯ぐようにクチュクチュと口内で味わうと、喉を鳴らして飲み込んだ。

 「んっ……コクッ❤︎……ぷはぁ……❤︎あー……美味し……❤︎」

 愛理は指に付着した精液をペロペロと愛おしそうに舐め取ると、チャイナドレスの裾で濡れた指先を拭き取った。

 そんな愛理の横で、ぐったりと倒れ込む恭子。辛うじて意識はあるが、とても反撃に講じるような思考を維持できない。ましてや肉体は、短時間における2度の性的絶頂オルガズムにより、完全に呼吸は乱れ、腰は砕けていた。

 (まずい……完全に読み違えた……愛理の実力……ナメ過ぎた……!)

 1週間前のセックスで、愛理の性格や技量は掴んでいたはずだった。高飛車でプライドの高い性格、ペニスの愛撫に不慣れな事、そして一度が入ると、我を忘れる程に乱れる事……。
 その潜在能力は充分に理解していたはずだった。だからこそ、今日という日を身を焦がす想いで待ち望んでいた。「もう一度、愛理とセックスを」と。

 だが、いざ蓋を開けてみれば、そこにいた愛理は以前の愛理とはまるで違った。直情的だけではないクレバーな面と、たった1週間で身に付けたペニスへの対応力。

 そして、ペースに乗せると止まることのない、貪欲なまでの〝淫乱性〟……。

 (天才……って居るんだね)

 仰向けになったまま天井を見上げ、薄れゆく意識の中で恭子は〝才能の違い〟を噛み締めた。



 ふと目を覚ますと、恭子はベッドの上で全裸になり寝転んでいた。

 「え…あれ……?」

 愛理はベッドの縁に腰掛け、なにやらスマホを手にしている。ゴールドのチャイナドレスと、ロングヘアーのツインテールはそのままだ。

 「あ、起きた?」

 「愛理……えっと、私……」

 何もできぬまま2度の射精をして、ベッドに倒れ込んだまでは記憶にあるが、その後は一切覚えていない。

 「ひょっとして、寝ちゃった?」

 「うーん、寝たというより……気絶?30分くらいよ」

 恭子は時計を見る。ホテルにチェックインしてから、まだ1時間強しか経っていない。どうやら、激しい連続絶頂の余韻で一時的に意識を失ってしまったらしい。
 恭子にとって、「性的快感によって気絶する」などという経験は初めてだった。

 「なんか……ごめん」

 ベッドから起き上がり、最初に恭子の口から発せられたのは謝罪の言葉であった。

 〝愛理をオトす〟と意気込み、徹底的に、心身共に愛理を追い詰めるはずが、自らの甘さから不覚を取り、あまつさえセックスパートナーの前で失神した。

 レズナンパ師として、一人の〝性に生きる女〟として悔しく、恥ずかしく、腹立たしかった。

 「気にしてるの?この間は、私が意識トんじゃったのに」

 愛理は、そんな恭子の横に寄り添い、唇を重ねる。優しく、甘く、恋人同士のような愛のキス。
 唇を離すと、顔を間近に恭子の目を見て語り掛ける。

 「気を失っちゃった時はビックリしたわ。でも、それくらい恭子が気持ち良かったんだって思うと、私は嬉しかったわ」

 言い終わると、愛理はもう一度キスをした。恭子もそれに応えて舌を絡める。

 「恭子、あなた可愛いわ……私ね、今日はに来たのよ?恭子のチンポで好き放題に犯されて、おマンコ壊れちゃうほどに激しく突かれて、何度も何度もイキまくって、泣いて許しを請うても許してもらえなくて…そんなセックスをして、恭子に跪きたかったの」

 愛理の告白に、恭子は内心動揺を隠せなかった。

 (愛理が犯されたい?跪きたい?)

 尊大かつ高慢な態度で振る舞う愛理の言葉とは思えない胸中の告白。恭子は恐る恐る愛理に尋ねる。

 「愛理って……さ、マゾなの?」

 だが、その言葉を聞いた愛理の表情はみるみる険しくなった。眉間に皺を寄せ、恭子を睨みつける。

 「マゾなんて!そんな単純な括りに私を当て嵌めないでよっ!」

 ぷい、と横を向き唇を尖らせて、不満の意思を表す。いつもの愛理に戻ってしまった。

 「え……ごめん」

 訳も分からずに2度目の謝罪をする恭子だが、愛理は恭子の側へ向き直すと、そのまま恭子を抱き寄せた。

 「恭子、まだイケる?」

 「……分かんない」

 「何よ、キスだけでまたギンギンに勃起してるくせに」

 「ウソ、もう全然大丈夫だよ」

 「……なら、今度は恭子の番ね」

 愛理は恭子の唇に軽くキスをすると、両脚で恭子の腰を挟み込んだまま仰向けに倒れた。

 「さぁ恭子、今から本気のご奉仕よ。ザーメン枯れるまで腰振りなさいっ❤︎」
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